複雑・ファジー小説
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- 芸能界浄化睦軍
- 日時: 2015/12/29 01:57
- 名前: 梶原明生 (ID: DU.Bh3c8)
芸能界浄化の宣言
一つ、芸能界は芸能人搾取があってはならない。
一つ、芸能界は情報提供に速やかに応じなければならない。
一つ、芸能界は悪質な秘密を抱えてはならない。
一つ、芸能界は正当な浄化行動に逆らってはならない。
一つ、芸能界は清浄、且つ国民の模範とならねばならない。
芸能界が不浄且つ不純な行動行為表現を行った場合、芸能界浄化陸軍は武装武力をもって浄化執行する権利を有する。
以上
- Re: 芸能界浄化睦軍 ( No.19 )
- 日時: 2016/06/07 19:24
- 名前: 梶原明生 (ID: tdVIpBZU)
…藤高曹長等の89式小銃の銃弾で次々撃ち殺した。「馬鹿な抵抗をしなければいいものを。」毎回彼はそう思っていた。任務のためとはいえ、やはり射殺することは後味の悪いことに他ならない。「喜代原、ナスカ、手塚だな。全く、あんた達は何を考えてるんだ。多くのファンを裏切って、麻薬と享楽にうつつを抜かすとは言語道断だ。」思わず藤高曹長は彼等の胸倉を掴んでいた。「藤高曹長、いけません、やりすぎですよ。」部下に止められきまづくなる。「あ、ああ。そうだったな。連行しろ。」隊員達が次々彼等を連れ出した。「手筈通り、待機している厚生省職員と警察に引き渡します。…それにしても曹長。あなたらしくもない、どうしたんですか。」「すまんな。ただ、連行された手塚の女。ゴールデンプロダクションのアイドルだからだ。」「ゴールデンと言えば…」「そうだ。上原実優さんがいた芸能事務所だ。だから腹立たしかった。」藤高は麻薬の入った袋を握り潰していた。一方、芸能界浄化陸軍情報部はある情報をつかんでいた。小脇大尉に通達がある。「何、AV女優の桜まなが動き出しただと。」「はい。彼女はAV女優を正当化するために動いていますが、どうもそれだけではないようで。強制奴隷化計画に手を染めてるようで。…」…続く
- Re: 芸能界浄化睦軍 ( No.20 )
- 日時: 2016/06/29 20:31
- 名前: 梶原明生 (ID: eVM80Zyt)
追伸:またもや麻薬絡みで元芸能人が逮捕されましたね。こんな感じで芸能界浄化部隊並みに浄化されたらいいですね。 草々
- Re: 芸能界浄化睦軍 ( No.21 )
- 日時: 2016/08/01 00:01
- 名前: 梶原明生 (ID: hwITajaP)
「そりゃいかんな。すぐに藤岡少佐に報告しよう。」小脇大尉は受話器を取って内線番号を押した。「ええ、今上がった情報なんですが。マックス後藤社長が主宰するAV制作会社なんですが、そこに所属するAV女優の河東咲と藤山ひろみが桜まなに勧誘されたらしいんですが、ほぼ軟禁状態で働かされているそうです。ええ、国際NGOヒューマンライトが先に掴んだらしく、こちらに打診を…ええそうです。」その頃、事後処理に追われていた藤高曹長に駆け寄る一人の男がいた。口髭にメガネという出で立ちでカメラを携えている。「藤高曹長。私ですよ、覚えてますか。内野勝也ですよ週刊朝企の記者の…」「ああ、あんたか。」「そう、怪訝そうにしないでくださいよ。また人殺しですか。」その言葉に眼光鋭く睨む藤高曹長。「発言には気をつけてくれ。」「そうは言いますがね。お宅ら芸浄隊は芸能界浄化を謳っておきながら人殺しを楽しんで戦争ごっこしてるって噂じゃないですか。」「その噂はあんたが流したんだろうが。我々はあくまで正当防衛であって、芸能界浄化法に則って実力行使をしている。」「そうですかね。あなた方は単なる自由を奪って夜警国家の再来の片棒をかついでるだけじゃ…」「違うっ。」部下達にも響くほどの大声が藤高曹長から出た。「我々は、むしろ搾取され、不自由に喘ぐ芸能人の自由と平等と権利のために戦っている。抑圧からの解放だ。」内野は不適な笑みを浮かべて立ち去った。「まあいいでしょう。近いうちに記者会見で。ひひ…」睨む藤高曹長にまだ十代の長谷川輝一等兵が恐る恐る聞く。「あの人また批判記事書くんですかね。」「ああ。ん…」うっかりしてたのか、長谷川一等兵が手にしていた神原美紀の写真をそのままにしていた。「長谷川。」「は、はい。」「次からそんなもの出動時に携帯してたら没収だぞ。早くしまえ。」「あ、あ、しまっ、そ、その…」慌ててポケットに仕舞う長谷川。「神原美紀のファンか。」「え、藤高曹長もご存知で。は、はい。ファンどころか愛してるくらいで…」それを聞いてハッとする藤高。「守れよ。どんなことがあっても。」思わずそう言っていた彼だった。…続く。
- Re: 芸能界浄化睦軍 ( No.22 )
- 日時: 2016/08/10 20:08
- 名前: 梶原明生 (ID: DU.Bh3c8)
…「ど、どういう意味ですか。任務を放棄してもってことですか…」長谷川の言葉に思わず我に帰った藤高曹長は慌てて撤回した。「いや、そのなんだ。ファンでい続けろって意味で、任務を放棄しろという意味ではない。とにかく、撤収だ。」「りょ、了解。…」長谷川は慌てて準備に取りかかった。翌日、藤高曹長は小脇大尉に呼び出されていた。「藤高曹長入ります。」「おお、来たか。まぁ座れ。」「はい。」「他でもないが藤高曹長。今うちで一人欠員が出たんでな。申し訳ないが諜報隊を手伝ってくれないか。」「去年みたいにですか。」「まぁそんなところだ。倉持班長が今AV女優の裏を取ってる。できれば今すぐ向かってほしいんだが…」「構いません。では私服に着替えてきます。」「すまんな藤高曹長。」「いえ、大丈夫ですよ。」彼は早速部屋を後にしようとしたが。「待ちたまえ。…持って行け念のため。」テーブルの上にシグP226拳銃を置いた。「ありがとうございます。」彼は拳銃を手にして部屋を後にした。…続く。
- Re: 芸能界浄化睦軍 ( No.23 )
- 日時: 2016/08/16 19:24
- 名前: 梶原明生 (ID: DU.Bh3c8)
…その後、藤高曹長はスタバに向かった。「久しぶりだな倉持」「おお藤高。一応今じゃ少尉なんだがな。」「これは失礼いたしました倉持少尉。」「ハハハッここじゃ階級があってないようなものだからな。倉持でいいよ。それより尾行は覚えているか。」「ああ、それぐらい大丈夫だ。」「なら安心だ。…待った。何。わかった、スタバを出る。」イヤホンを抑えながら倉持は無線の向こう側の仲間に応答した。清算を済ませて出たところでマネージャー二人に付き添われた河東咲が彼等二人を横切った。その後ろを尾行していた女性隊員に目配せして交代を合図する。「そんじゃ行きますか。」倉持と藤高は尾行を開始した。数百メートル歩いたところにマンションがあった。「なるほど。7階か。」倉持は呟きながら二人して非常階段を上った。「相変わらずオートロックのマンションに違法侵入か。」「何を今更。」藤高が冗談混じりに倉持に言う。「ここが河東の部屋か。配達でーす、てか。」慣れた手付きで配電盤に盗聴器を仕掛ける。「さ、早いとこ撤収。」二人はまた非常階段から外に抜け出した。そこへマネージャーらしき二人の男がたまたま鉢合わせしてくる。「お前ら、さっきスタバにいた奴らだな。」「は、何のことです。私達は新聞の営業で回ってて。」その時もう一人がジャケットの脇腹に手を入れて何かを取り出した。「危ないっ。」そう叫んだ藤高は倉持の肩を掴んで横倒しにした。パンッパンッと乾いた銃声が鳴り、同時に藤高は小脇大尉から預かったシグP226拳銃を抜いていた。パンッパンッと撃ち返して拳銃男は倒れた。すぐに立ち上がる藤高。「動くなっ、撃つぞ。」もう一人に叫ぶとウィーバーグリップに構えた彼は倉持を気遣った。「大丈夫か。」「ああ、大丈夫だ。…こちらP—2、至急応援を。…」無線で倉持は仲間に応援要請していた。その頃、芸浄隊宿舎では風呂上がりに相部屋でくつろいでいた長谷川と同じ年の梅崎春馬一等兵がいた。「お前相変わらず神原美紀好きな。ロリコンめー」スマホをベッドでいじくりながら梅崎がぼやく。「よく言うよ。そういうお前だって女子高生のゆいちゃんはどうした。」スマホをベッドに落としながら愕然とする梅崎。「ゲ…お前その話二度とするな」「まさか…」「チクショー、金持ち大学生め。89式で撃ち殺してやる。」梅崎は枕に顔をうずめて叫んだ。「おいおい、物騒なこと言うなよ。悪かったよ。」長谷川は梅崎の肩に手を置いた。…次回「遭遇」に続く。
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