複雑・ファジー小説

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芸能界浄化睦軍
日時: 2015/12/29 01:57
名前: 梶原明生 (ID: DU.Bh3c8)  

芸能界浄化の宣言
一つ、芸能界は芸能人搾取があってはならない。

一つ、芸能界は情報提供に速やかに応じなければならない。

一つ、芸能界は悪質な秘密を抱えてはならない。

一つ、芸能界は正当な浄化行動に逆らってはならない。

一つ、芸能界は清浄、且つ国民の模範とならねばならない。

芸能界が不浄且つ不純な行動行為表現を行った場合、芸能界浄化陸軍は武装武力をもって浄化執行する権利を有する。
以上

Re: 芸能界浄化睦軍 ( No.44 )
日時: 2017/05/19 00:48
名前: 梶原明生 (ID: JnkKI7QF)  

…「何、GKが。何名だ、どっちに向かった。」宿舎で勉強していた藤高曹長は突然の緊急無線にすぐさま立ち上がった。「や、約8名。それが射撃場に沿って東側へ…」「東側だと、この時間その先にあるのは…いかんっ、石神大佐が筋トレする場所だ。警備も手薄、くそっ…」急いで戦闘装備を取ろうとしたら。「待ってください。」「何だっ…」「い、今武器庫にはその…」しどろもどろになったところを長谷川が無線機を奪った。「長谷川一等兵です。すみません、今神原美紀と一緒にいるんです。」「何だと。」血相を変える藤高。「バカやろうっ、デートは許したが、誰が忍び込んでいいと言った。」いつも以上の激が飛ぶ。「とにかくだ、鍵を閉めてそこから一歩も出るな。すぐに向かう、いいな長谷川っ」「は、はい。了解しました藤高曹長。」背筋伸ばして凍りつく長谷川。藤高は緊急即応のために自室に戦闘装備と武器の保管が許されていた。僅か数秒間で戦闘準備完了する。一方筋トレに励んでいた石神大佐は警護の二人と共にダンベル運動していた。「動くな。無駄な抵抗すんなよ。」AK47などで武装したGKメンバーがいきなり入ってきた。「やめなさい。相手は小銃。動けば死ぬ。」石神大佐は落ち着き払って警護に叫んだ。「ほう、さすがは大佐殿だ。察しがいい。…連れ出せ。」部下に指示するリーダー。「やめろっ」警護の二人は飛びかかるが、後頭部や背中、腹を銃床で殴られて倒される。「殺すなっ。私が狙いだろ。手を出すな。」「その通りだ。一緒に来てもらおう。」手を縛られ、銃口で押されながら石神大佐は外へ連れ出された。「奴ら監視カメラの死角知ってた。」武器庫では長谷川が呟いていた。「映ってるかな。」武器庫係が自前のモニターで確認していた。「何だよそれ。」「へへっ、ここ遅刻する女性芸浄隊員が着替えする穴場なんだよね〜。それで個人的に…」「こら…」長谷川はつい睨んだ。「お、お前だって人のこと…あ、あいつらだ。」そのモニターに確かにGKに連れられた石神大佐が映っていた。「ヤバい、ここで食い止めないと大変だ。美紀ちゃん、ここにいて。」彼は後先考えずMP−7を手に持ち、武器庫を飛び出した。…続く。

Re: 芸能界浄化睦軍 ( No.45 )
日時: 2017/05/26 01:23
名前: 梶原明生 (ID: 87ywO7pe)  

…射撃場廊下のドアから飛び出した長谷川は丁度GKテロリストの後ろ10メートルくらいを取った形になっていた。「動くなっ、芸浄隊だっ、て、手を挙げて銃をゆ、ゆっくり地、地面に置けっ、は、早くっ。」口調と声から一瞬で若造と分かるリーダー。「おやおやまだ坊やと来たもんだ。怖い怖い。皆、言うとおりにしよう。」「う、うるさいっ、ぼ、坊やじゃない。ホテル襲撃で沢山しゃ、射殺したからな。」勿論嘘だ。あの時は警備と誘導を任されていて、藤高曹長と突入はしていない。石神大佐を率いていたリーダーはAK47を置くと同時にマカロフ拳銃を抜いて石神大佐の背中に隠れながら彼の首もとに銃口を付けた。「甘いな坊や。やっぱり坊やさ。さあ、銃を置くのはお前の方だ。早くっ。」咄嗟のことで長谷川は冷や汗かきながらMPー7の引き金を引いた。「ダダダダッ」と弾は発射されたがGKは倒れない。「え、何でっ。」と思ってる間にGKメンバーがAKを取り上げ、長谷川目掛けて銃を乱射した。腹と胸を撃たれて廊下ドア枠に激しく背中を叩きつけられる長谷川。しかしそのおかげで廊下側に倒れ込んで、匍匐前進で射撃場へ避難できた。GKメンバーは空かさず追うが、シュアファイヤーライトをいきなり当てられて目をやられる。しかも運悪くその反動でミスを犯した。仲間の足を銃で撃ち抜いたのだ。「馬鹿やろうっ仲間撃ってどうするっ」リーダーが叱責するも、長谷川にとって急死に一生を得た。神原である。「み、美紀ちゃん、武器庫で隠れてろってあれだけ…」「だって、輝さんが死んだらと思うといてもたってもいられなかったから…」涙ぐむ神原。「とにかく戻ろう。しかし何で狙ったのに当たらない…いっけねーっこれ訓練用の空砲だった。」「えーっじゃあ、あの時撃ってたの空砲なの。」「ご、ごめん。てか今それどころじゃない。急ごう。」二人は武器庫に走った。その頃GKは射撃場ドア鍵を銃で破壊していた。「芸浄隊だっ、銃を捨てろっ。」そこへ到着した藤高班と藤高曹長が銃を構えながら叫んだ。リーダーは石神大佐を盾にしてマカロフ拳銃を発砲する。「パン、パン、パン。」と乾いた音が響くが藤高班はこれをかわして隠れた。「撃ってみろっ、こいつが死ぬぞ。」「くっ…」藤高曹長はやむなく発砲しなかった。「こちら藤高班。長谷川、聞こえるか。送れ。」藤高曹長は無線を使った。「は、はい、聞こえます。」「確か武器庫内にスタングレネードがあったな。」「はい。」…続く。

Re: 芸能界浄化睦軍 ( No.46 )
日時: 2017/06/01 02:51
名前: 梶原明生 (ID: SKF4GgT1)  

…「俺が合図したらピンを抜いて射撃場に投げろ。合図は無線を二回鳴らす音だ。任せていいか。」長谷川は覚悟した面持ちで答える。「はい。無線二回ですね、了解しました。」一方、GK側は射撃場ドアを破壊した頃だった。「兄貴、早く射撃場の中へ。」手下の一人がリーダーに叫んだ。「わかった。」石神大佐を盾にして後ずさりで射撃場に入るリーダー達。それを藤高曹長は逃さなかった。「ブッ、ブッ。」二回鳴った無線を皮切りに、長谷川は持っていたスタングレネードのピンを抜き、待機していた武器庫係がドアノブを握りしめていた。「今だっ。」ドアが45°開けられ、続いてピンを抜いた円筒形の缶が投げられた。「バンッ」と凄まじい光と轟音が響き渡り、中にいたGKと石神大佐が耳と目の激痛に苦しんだ。「今だっ、突入。」藤高曹長は甲高く叫び、走って射撃場を目指した。しかし、武器庫係がドアノブを放すアクシデントをしてしまったために、長谷川や神原までがスタングレネードの餌食になってしまった。「あ、兄貴、俺達が食い止める。石神連れ て、いや、こ、この女の子も一緒に」体育座りでうずくまっていた神原を見つけられ、リーダーと二人の手下以外は射撃場奥の非常口を目指した。「く、クソ。美紀…ちゃん。」朦朧としつつ、今度は実弾入りのMP−7を構えたにも関わらず、手が震えて撃てない。生身の人間が目の前3メートル足らずで怖じ気づいた。GKも石神と神原を連れていくのが精一杯で、長谷川に構う暇などない。すると藤高曹長が開口一番に突入し、手下二人を射殺した。「クソっ、来るなっ」GKの残党はドア付近にAK47の銃弾を集中砲火して撃ちまくった。モディファイドプローン(上体捻りタイヤ下撃ちとでも言おうか。)になった藤高曹長が、MP−7を横に構えて奇襲攻撃した。藤高班の一人も同じ姿勢で撃ったため、三人のGKが倒された。「三名排除っ。」叫んだ藤岡曹長は射撃場カウンターに前進し、身を隠した。…続く。

Re: 芸能界浄化睦軍 ( No.47 )
日時: 2017/06/02 19:12
名前: 梶原明生 (ID: JnkKI7QF)  

…「糞、弾詰まりだ。」「任せろっ。」GKの残党二人は互いに援護しあっていたものの、一人は足を負傷していた。「今だっ、俺が前に出る。援護してくれ。」藤高曹長はMP−7の被筒と床部を持ち、一気に走った。「ダァーッ。」掛け声と共に弾詰まりのGKに向かって銃床を叩きつけた。AK47を落とし、続いて顔面に叩きつける。負傷したGKがAK47を向けるも、藤高班の一人に射殺された。「てめーっ。」弾詰まり男は怒りに燃えて足刀蹴りを藤高曹長に入れてくる。「うぐっ。」まともに食らったものの、持ち直して拳を構えた。GKのパンチが来るものの、かわしながら回し蹴り。しかし見切られ、逆に前蹴りとフックを撃つGK。しかし藤高曹長は食らいながらも内受けして裏拳を放つ。一瞬視界を奪われたGKを逃さなかった。肩を掴んで膝蹴りの応酬。それを掴もとしたGKから足を引き、回転すると見せかけて藤高曹長は回転肘打ち込みをGKの頸動脈に叩き込んだ。息を荒げる彼は叫んだ。「確保ーっ。」待機していた藤高班が雪崩れ込み拘束した。まだ息が荒い藤高曹長は、武器庫に向かった。「くそっくそっ。俺は、俺は。貫く思いを体現したのに、美紀ちゃんを守れなかった。撃てたのに。…」膝を床に突き、拳の鉄槌を床に叩きつける長谷川の姿があった。涙が滴り落ちる。「長谷川っ、神原さんはっ。」膝を突いてる長谷川の胸倉を片手で掴んで一気に引き上げ、壁に彼の背中を叩きつけた。「やつらに…拉致されました。申し訳ありません。俺が悪いんです。どうしても撃てなかった。生身の人間を目の前にして…」長谷川の表情を見ても藤高曹長は怯まなかった。「その結果はどうだ。言ったはずだ。愛する人を守れと。忘れたか。…もう後悔はしないと誓えるか。」厳しいながらも長谷川を思う眼差しは、彼を決意させた。「はいっ。今度こそ必ず…守ります。思いを貫き通します。」「わかった。武器弾薬を取れ。すぐに出発するぞ、着いてこい長谷川。」「はいっ。」藤高班は態勢を整え、LAVに乗り込んでGKの後を追った。「美紀ちゃん待ってろ。すぐに助けるからね。」藤高曹長の隣に座る長谷川は手に持った89式小銃の握把を握りしめた。…次回「救出」に続く。

Re: 芸能界浄化睦軍 ( No.48 )
日時: 2017/06/14 18:02
名前: 梶原明生 (ID: 70vEHkeO)  

「救出」

…小脇大尉がマイクを取り、無線をLAVの藤高曹長につなげた。「諜報部の小脇だ。藤高曹長、警察からの報告だとGKの車両は猛スピードで目黒方面に向かったようだ。諜報部でも監視カメラを本に解析を急いでる。」藤高曹長は眉間に皺よせて応える。「止めさせてください。報告はいいですが、警察を介入させないでください。GKに逃げられます。」「警察側にスパイがいると…」「100%とは言えませんが、事が事なだけに部外者を入れたくありません。それに…」言いかけて止めた。神原を思い浮かべたからだ。「しかし今回は通告なしの武力行使に当たる。芸能浄化法では…」そう言い放とうとした彼のマイクを奪って、厳つい男が答える。「警察は任せろ。俺が食い止める。それに人質には例の女の子も含まれてるんだろ。長谷川の。お前の居残り組の部下に聞いた。」「藤岡少佐。…あいつら」「俺が当てたんだ。それより藤高曹長、忍び込んだ件は許す。その代わり、何としても二人を救い出せ。特に彼女はな。」「神原美紀をですね。了解しましたっ。ありがとうございます。」藤高曹長は甲高く了解した。「長谷川。気にするな。後は救い出すことだけ考えろ。訓練はしたろ、訓練を思い出せ。大丈夫だ必ず助かる。いや、救い出してみせる。わかったな。」「はい。」長谷川は唇を固く結んで応えた。一方その頃GKのアジトでは地下のスタジオみたいな一室に閉じ込められていた。先ほどのリーダーが入ってくる。「大人しくしてりゃ殺さねーよ。あんたは不味い生き方をした。それを正す時が来た。それと、妙なオマケ付きとはな恐れいったぜ。」石神大佐は神原を見ながら懇願した。「頼む。この子は関係ないはずだ。すぐに解放してやってくれ。狙いは私だけのはずだ。」「おおーっと、そうはいかないんだな大佐殿。こいつは噂のAKM48の神原美紀だ。芸能界を裏切って芸浄隊員と付き合うような放蕩娘。そんなやつは少々お灸を据えないとな。あんたは人質。こいつはスキャンダルに使える。もう芸能界浄化陸軍は壊滅だ、ハハハハッ。」高らかに笑い、縛り上げた二人を見下ろすリーダー。しかしもうすぐLAVやUH−60ヘリの藤高班が迫っていることなど、まだ知るよしもなかった。…続く。


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