複雑・ファジー小説
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- 芸能界浄化睦軍
- 日時: 2015/12/29 01:57
- 名前: 梶原明生 (ID: DU.Bh3c8)
芸能界浄化の宣言
一つ、芸能界は芸能人搾取があってはならない。
一つ、芸能界は情報提供に速やかに応じなければならない。
一つ、芸能界は悪質な秘密を抱えてはならない。
一つ、芸能界は正当な浄化行動に逆らってはならない。
一つ、芸能界は清浄、且つ国民の模範とならねばならない。
芸能界が不浄且つ不純な行動行為表現を行った場合、芸能界浄化陸軍は武装武力をもって浄化執行する権利を有する。
以上
- Re: 芸能界浄化睦軍 ( No.94 )
- 日時: 2017/12/20 23:50
- 名前: 梶原明生 (ID: 2UNjVzAV)
…忘れない君を 花に口づけた姿 忘れない君を 愛でたい微笑みを 忘れない君を 抱き続ける心
tiamo tiamo
あの日信じた 堅い絆 愛は無限に
tiamo tiamo
tiamo♪…
志気高まる中、藤岡少佐の無線連絡が入る。「全車両に継ぐ。まもなく我々は埼玉のGKアジトに到着する。周辺建物には芸浄隊協賛新聞社のヘリが飛んで撹乱してくれたから、狙撃班がUH−60ヘリでいち早く配置についた。今の所気づいていない様子だ。定石通り速やかなる突入作戦を敢行する。各自ベストを尽くして必ずや勝利するぞ。」「押忍っおーっ。」全車両の芸浄隊員が威勢良く掛け声をかける。一方その頃GKの部下が慌てて苅田博嗣の部屋に走り込んだ。「た、大変です。芸浄隊の連中が大挙してこちらに来ます。」食後の赤ワイングラスを片手に回しながら真っ白いスーツに革靴。黒いネクタイに白いパナマハットを被った苅田が背中で答える。「慌てるなバカ。」「ボス、そ、その格好…」「あ、これか。男が死ぬ間際真っ白いまんま死んで散るのも悪くないもんさ。それよりすぐにAK47を取れ。武器庫を解放しろ。奴らを迎え討て。」「はいっ。」踵を返してGKメンバー全員に知らせを出す部下。「来るなら来い。道連れにしてやる。」彼はワインを一気に飲み干した。「こちら北東側狙撃班。GK施設裏門異常なし。」「こちら南側狙撃班。正門側異常なし。侵入して構いません、送れ。」「こちら藤岡。了解した。」正門、裏門に別れて車両班が一斉になだれ込む。「交戦規定は今更だが一応言っておく。GKメンバーはできる限りインシュロック等で生きたまま拘束。だが武力抵抗もしくはこれに似た行為があれば射殺及び銃撃等も許可する。突入作戦開始。」藤岡少佐の一声で一斉にLAV高機動車、96式装甲車から雪崩降りていく隊員達。個人装備の基本は背嚢、戦闘胴衣、戦闘服の三つだが、どれも揃った隊員が、他にもアサルトラダーを装備して各自配置につく。また、隊長と副隊長は共に行動しない。一度に二人やられないためだ。(指揮官を失わないため )氷川班がドア両脇に立って警戒している。「木下。」氷川曹長が指示すると慣れた手つきで業務用ドアの鍵をピッキング。戦闘手袋をはめ直しながら警戒要員と交代する。「よし、橘、幕張、行け。」89式小銃を構えながら幕張は前の橘の肩を揉む。叩くだけでは…続く。
- Re: 芸能界浄化睦軍 ( No.95 )
- 日時: 2017/12/26 21:12
- 名前: 梶原明生 (ID: doo.G8T9)
…何か別のものに触れたり、誤って手が当たったりで勘違いして不用意に突入して仲間を死なせないためだ。MP−7で武装した防弾盾班も先頭に立ち、前に進む。CQBの手順通り、銃口管理と銃床を肩に乗せて銃を寝かせて構えるやり方も欠かさない。十字路に来たら89式小銃を二人一組で交互の背中に向けて構えつつ、合図で一斉にコーナーに出て左右の通路にて構える。安全を確保したら手信号で他の隊員を通す。「死ねやっ。」GK達が一気に廊下に躍り出てAK47を乱射してきた。「撃てーっ。」 氷川曹長の掛け声と共に89式小銃の銃火が炸裂する。7.62ミリ弾の威力に押されながらも盾班は必死にこらえている。撃って撃たれまた撃っての繰り返し。「一名排除。」「二名排除。」次々GKメンバーを銃弾で倒していった。オフィスの窓ガラスを割りながら左手からGKメンバーが奇襲攻撃をかけてきたが、長谷川達は素早くかわして89式小銃で応戦。二名のGKメンバーを射殺した。幕張が怪しい部屋にスタングレネードを投げ込むと爆発したのち、長谷川、木下、橘、幕張と交互に突入。一人射殺。しかし一人は慌ててAK47を投げ捨てて手を上げたのでインシュロックで拘束。「クリアっ。」叫びながら四方の壁に背中を向けて叫んだ。「芸浄隊α出るぞっ、出るぞっ」長谷川伍長が叫び、氷川曹長が応える。「出ろっ、出ろっ。」一気に四人出て行く。「木下伍長。GKメンバーの手当てをした後、女性衛生隊員に引き渡せ。エントランスに出るぞ。」「了解っ。」全員が叫んだ。盾班がエントランス入り口で防衛線を張ると、二階で待ち構えていた何十人ものGKメンバーが一斉射撃で応戦してきた。「怯むな。前へ。」氷川曹長の怒号に盾で防御しながら前に進む。「狙撃班っエントランスが見えるか、送れ。」「こちら南東側狙撃班。丸見えです。」「狙撃頼む。送れ。」「南東側狙撃班、了解っ。」調子こいてたGKメンバーは一人、また一人とM24狙撃銃で狙撃されていく。「ス、スナイパーだっ。」 ハゲ坊主の体格のいいGKが驚愕する。「ふっ、今にメンバー減らしてや…がっ。」「西田軍曹。…西田軍曹が右耳被弾。繰り返す、西田軍曹右耳被弾。」「何っ。」予期せぬ敵の銃弾に慌てる狙撃班。屋上の囲いの中にガリル狙撃銃を構えるGKメンバーと苅田博嗣。「なめるなよ。こっちも狙撃の腕はピカイチだぜ。」煙草を吹かしながらニヤつく苅田。M24との狙撃合戦が始まる。…続く。
- Re: 芸能界浄化睦軍 ( No.96 )
- 日時: 2017/12/26 22:05
- 名前: 梶原明生 (ID: QdW4Cr4d)
…「こちら狙撃班。4名負傷。藤岡少佐、GKにも狙撃班多数。防ぎきれません。送れ。」「こちら藤岡。何とか対処出来んのか、送れ。」「狙撃班のエース4人がやられたとなりますと、奴らの腕に対抗できる者は観測手だけです。」この無線のやりとりを聞いた氷川曹長は動いた。「長谷川、この班はお前に任せた。やれるな。」「一体どうするつもり…まさか。」「そのまさかだ。やれるな。」「
はっ、はい。」「よしっ、皆、俺は外に出る。援護頼む。」「了解っ。 」氷川曹長の一声に一斉に構えだす氷川班。「援護っ。」長谷川伍長の叫びで全員が援護射撃を始める。ダッシュで駆け出す氷川曹長。…その頃、国会議事堂では西島幹事長がマスコミ記者を前にして各議員に労いの挨拶まわりをしていた。「あ、こりゃ原君じゃないかね。比例代表選挙に勝ったてな。おめでとう。」「いえ、これも魁党幹事長の西島先生が街頭演説に立ってくれたからこそです。」「いやいや、君の元タレントとしての人気あったればこそだ。うん、芸浄隊員が守ったのも一理ある。これからの日本をよろしく頼むよ。ハハハハッ。」空笑いに興じる西島は一瞬顔が曇る。「おお、久しぶりだね石神君。あ、君は、えっと、誰だったか。」「藤高利行です。」「おう、そうだった。すまん忘れとった。知っとるよ君。愛する上原実優さんが亡くなられて、それで石神君と芸浄隊を立ち上げた最初の隊員だったね。いや〜会えて光栄だ。何かね、二人して魁党の応援でも …」平然と仰々しくまくし立てる西島に懺悔を突きつけた。「できなくなりましたよ西島先生。あなたの正体を知った今となっては。」 「石神君。はて、言っている意味が分からんが…何のことかね。」藤高曹長が割り込む。「とぼけないでください。あなたが何故芸浄隊発足に手を貸したのか、その本当の理由はご存知のはず。」藤高曹長は、証拠とデータを突きつけて糾弾した。顎を挙げ、見下す顔で西島は二人を見る。 「言いがかりだ。お前達私の恩を忘れてこんな…こんな飼い主に噛み付くような真似して。一体お前達のお遊びにどれだけ金をつぎ込んできたと思ってるんだ。」窮地に立たされた西島はまるで罵るように激高する。「我々がお遊びですか。言っておきますが、我々の飼い主は芸能人と国民です。あなたがあの時共に同士として戦おうと言ってくださった誓いは偽りだったんですか。」追い詰められた西島は叫んだ。「おい、SPっ。こいつら取り押さえろ。」…続く。
- Re: 芸能界浄化睦軍 ( No.97 )
- 日時: 2018/01/06 21:02
- 名前: 梶原明生 (ID: BJESuZEb)
…藤高曹長は石神大佐を庇いつつ、赤いネクタイに黒スーツのSPに抵抗した。「やめろ、あんたらと争う理由はない。」しかし聞く相手ではない。彼の両脇から腕を取り押さえようとしたが、片方のSPの腕をいきなり日本拳法の腕固めしながら反対のSPに叩きつけ、前蹴りで押し倒した。しかし左側から別のSPが掴みかかるのをリストロックして右側へ引き込み、抵抗する力を逆利用してもう一人の腕と絡めて引き倒しながら、後ろから来るSPに後ろ蹴りで蹴り飛ばした。一方その頃、高機動車LAVで狙撃ポイントに到着した氷川曹長は、一目散にビル屋上に駆け上がった。手にはもしものために用意していた自前のM24狙撃銃を持っていた。「ひ、氷川曹長。狙撃班に帰ってきたんですね。心強い。」「永島、挨拶は後だ。観測頼む。」「了解です。」感極まる永島軍曹に匍匐姿勢で言う氷川曹長。M24を構えはじめた。それと同じくして「キューン」という銃弾の音が聞こえてきた。「秒速300メートル。秒数に3を掛ければ100メートル単位で距離を割り出せる…か。つまり700メートル先のあそこからか。」氷川曹長は呼吸を整え、スコープの先に意識を集中した。「弾、欲しいか。」それが口癖だった。一気に引き金を絞り込んで(引くのではなく絞る。)銃弾は発射された。「うがっ。」「うぐっ。」次々とGK側のスナイパーが撃たれていく。しかも急所を外して仕留める神業。「畜生、どこだ。」余裕のなくなった苅田は手当たり次第撃つが当たらない。「これほどのスナイパーが芸浄隊にいたとは…」長い煙草を吐き捨てて狙撃に集中した。「氷川曹長、1メートル右です。」「わかった。」永島軍曹の観測に従い、再び構え直す氷川曹長。息を等速で吸い、吐き、そして止める。スコープ越しに苅田の目が見えた気がした。「バンッ。」互いに狙撃銃の銃弾を同時に発射。苅田が雄叫びをあげる。「うぉーっ。み、耳が、耳が」銃弾を食らったのは苅田の方だった。「西田の分だ。」思わず氷川曹長は呟いた。「ボスが撃たれたっ。先生、先生。」GKのメンバーが屋上下の階に運び込む。専属医師が早速手術に取りかかる。一方再び援護射撃を手にした長谷川達は、エントランスから二階に上がり、激しい戦闘を繰り返していた。この施設は4階建てなので、既に半分を占拠したことになる。各部屋にルームクリアした証の蛍光サイリウムが投げ置かれていく。その頃にはもう屋上の脅威はなくなりUH−60ヘリが…続く。
- Re: 芸能界浄化睦軍 ( No.98 )
- 日時: 2018/01/22 00:41
- 名前: 梶原明生 (ID: doo.G8T9)
…ホバリングして隊員達をリペリングで降下させた。「こちらヘリ搭乗班。屋上の脅威を排除した。降下したのち、ブービートラップを排除して下に合流する、送れ。」「こちら車両班、了解。」藤岡少佐が答える。一方、三階まで占拠し始めた長谷川達は、一部負傷者を出しながらも、無事戦局を進めていた。「手榴弾っ。」橘一等兵の叫び声に盾班の隊員がファランクスの隊形を取った。「ドカンッ。」と凄まじく乾いた爆発音が通路中に響く。 盾班の背中に身を預けていた長谷川達は無事だった。「ふう、盾班の皆には恩に着るぜ。」幕張が88式鉄帽を押さえながら軽口をたたく。しかし直ぐにAK47の7.62ミリの銃弾が空気をつんざいて飛んでくる。「クソ、休ませてもくれないわけか。」長谷川伍長は叫び声上げながら89式小銃で撃ちまくる。「ヘリ搭乗班。四階で激しい抵抗にあってる。」長谷川伍長はその無線連絡で前回のことを思い出していた。「確か石神大佐拉致事件の時も…木下伍長。苅田博嗣は必ず逃走用の抜け道を用意してますよ。三階のどこかに地下につながる階段が。」「わかった。幕張、橘、捜索するぞ。2班は四階のフォローに回れ。」「了解。」早速怪しい壁はないか探し始めたがどこにもない。「壁じゃなく柱だとしたら。」幕張一等兵が閃いた。「おい、この柱だけ叩くと響く。中が空洞に違いない。」「どいてください。」長谷川伍長はア、タ、レ、3のセレクターをレの連発に回し、89式小銃で柱に乱れ撃ちした。後はバールで破壊すると、中からコの字梯子の連なった抜け道がお目見えした。「やはり。」「こちらヘリ搭乗班。助かった、感謝する。四階制圧。」無線連絡に答える長谷川伍長。「こちら長谷川。苅田博嗣はいますか、送れ。」「いや、残念ながら見当たらん。」「クソ。」走り出す長谷川伍長に皆もついていく。「地下通路か。鏡で調べたが敵はいない。降りるぞ。」木下伍長を中心に一階の柱から通じていた抜け道に降りる長谷川達。「俺達も行こう。久しぶりだな長谷川、皆。」「ふ、藤高曹長。」驚いた。退院したばかりのはずの藤高が89式小銃に戦闘装備一式で現れたのだから。「これで真打ちの役者は揃ったようだな。行くぞ。」氷川曹長も同行していた。「だ、大丈夫なんですか。」「心配するな長谷川。それより苅田博嗣を追うぞ。」「了解。」感極まって返事する長谷川。「こ、この人が噂の藤高曹長。…」初対面の幕張は思わず呟いた。やがて藤高曹長達は…続く。
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