二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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【10周年】とんがりボウシ 〜ほしぞら魔法学校より〜
日時: 2020/02/28 08:15
名前: ショート ◆RNBm3A/DrQ (ID: j2lE.5aw)

どうも!
初めましての方ははじめまして、知ってる方はこんにちは。
無名作者ショートですん!

今回はとんがりボウシの短編集みたいなのをやりたいなぁと思って、結局やることにしました。

知ってる人もいるかもしれませんが、実はカキコのとんがりボウシ小説の起源はわたしだったりします(笑)
ついでに言うと、その起源作品がこのほしぞら魔法学校なんですね。

ここでは挫折しちゃいましたが、今は別のとこできちんと進めております。
そして、その本編とはまったく関係なく、やりたい話を短くやっていきたいなぁと思ってます。


さて、恒例のルールでございます。


*いないとは思いますが、アップしたイラストの無断転載、二次加工、トレースなどはご遠慮ください。
*安定のgdgdです。ご注意ください。
*ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、わたしは気まぐれ女なので更新率は期待しないでください。それと、ネタに詰まったときは更新できません。
*短編集とかやったことないんで、上手くできる保証はありません。すいません。いや、そもそも小説がヘタクソなのですが。
*荒らし行為はやめてください。それに反応するのもやめましょう。
*正直言って、なんでもアリです。「こんなのとんがりボウシじゃねぇ」って思うようなところもたくさんあります。原作好きな人は見ないことをオススメいたします。
*宣伝行為はやめてください
*小説に関係ないコメント・雑談はやめてください。雑談は雑談掲示板でやってくださいね
*無駄レスやめてください


**重要:百合要素やホモ要素があります。苦手な方はブラウザバック

**重要2:女装ネタあります。苦手な方はブラウザバック


こんな感じです。
このルールを見て「いける!」と思った人はどうぞ先にお進みください。
万が一「だめだった」としてもわたしは責任を負えませんのでご了承ください。

あと、一応キャラクターの紹介はしますが、ここでやっていたものなので詳細は書きません(めんどくさいし←)


☆★キャラ紹介★☆ >>1


☆★参照記念イラスト★☆
*参照500突破記念 >>38
*参照1000突破記念 >>83 >>86
*参照1500突破記念 >>117
*参照2000突破記念 >>140 >>161
*参照2500突破記念 >>159
*参照3000突破記念 >>179 >>186
*参照3500突破記念 >>185
*参照4000突破記念 >>212 >>213
*参照4500突破記念 >>230
*参照5000突破記念 >>245 >>284
*参照5500突破記念 >>267
*参照6000突破記念 >>297 >>296
*参照6500突破記念 >>298
*参照7000突破記念 >>303
*参照7500突破記念 >>315
*参照8000突破記念 >>323

・参照100ごと記念イラストまとめ >>410

☆★番外変★☆
ショートコント  >>23
ショートコント2 >>40
ショートコント3 >>112


機械室DEきゅーあんどえー☆彡1 >>80


ほしぞら魔法学校検定 >>114


☆★よその子★☆
*カトレアちゃん(はる歌世さん*参照1800記念小説…新人さんとあさひくん)
*リルちゃん(マリさん)
*ルリちゃん(瑠璃さん)


☆★ストーリー★☆ >>409



スレ立て日:2013年3月23日 0:00

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Re: とんがりボウシ 〜ほしぞら魔法学校より〜【短編集】 ( No.466 )
日時: 2019/04/24 14:53
名前: ショート ◆0MUWDC/0Dg (ID: UB7mX/Qq)
参照: ここからゆうき目線

————それから一ヶ月の月日が経った。私は、変わらずクラスメートたちから嫌がらせを受けていた。入学当初よりヒドくなり、最近では先生がいる場所でも目を盗んで嫌がらせをされる日々。正直学校なんか行きたくないけど……お母さんを心配させるのは嫌だ……。

「ねぇねぇゆうきクンー、あっ間違えた女の子だっけーきゃははっ」
「何回間違えてるのー? カワイソーあははっ!」

私のことを呼ぶとき、この人たちは必ず“くん付け”してくる。もはや慣れてきたような気さえする……よく飽きないなぁ。
私に嫌がらせをしてくるのは基本的に女子ばかりで、他のやつらは見て見ぬふり。だからこのクラスの人たちとまともに話せたことがない。いつになったら終わるんだろう、こんなくだらない嫌がらせ……。

 *

————休み時間。次の授業が体育なので、体操服を手に更衣室へ向かう。この学校は、小学校低学年でも男女別に更衣室があるみたい。とはいえ、男子は教室で着替えてるみたいだけど……。
女子更衣室のドアを開けると、中に数人の女子がいた。

「うわ、オトコオンナじゃん! ここ女子更衣室なんですけどー!」
「私はオトコじゃ……」
「うるさいなぁ、出てってよ! 教室で着替えろ!」

女子に突き飛ばされ、私はしりもちをつく。その隙にドアを思い切り締められてしまった。
……入ろうとしても、また同じことの繰り返しになりそうだなぁ。教室は教室で嫌だし……授業に間に合わなかったら困るから、トイレあたりで着替えよう。

——そのあと、私はトイレで着替えを済ませ体育の授業に向かった。今日の授業は体育が最後で、それが終わったら帰れる。体育の授業が終わった後、着替えにイタズラされぬよう、急いで教室に戻り、急いで着替えを済ませた。帰りのホームルームも終わり、やっと教室から解放された。
早足で帰宅していると、後ろから聞きなれた声が聞こえた。

「ゆうきちゃんっ!!」
「あさひくん……? 何?」

走って追いかけてきたのか、あさひくんは肩で息をしている。1ヶ月も無視してしまったのに……何の用だろうか。

「ゆうきちゃん、あのね。1組で……5組でいじめがあるって噂があって……それでその……いじめられてるのがゆうきちゃんじゃないかって言われてて……本当、なの?」
「————……っ!? そ、そんなのあるわけないじゃん。私、みんなと仲良くしてるよ……!」

な、なんで1組にそんな噂が……! もしかして、更衣室でのこと、誰かに見られた……?
いじめられてるなんて、恰好悪いこと言えないよ……。
あさひくんの表情を見るに、きっと私のことを心配してくれているのだろう。けど、もし私に関わってあさひくんまでいじめられたら……そんなの、絶対に嫌だ!

「大体、あさひくんは1組で私のクラスに関係ないでしょっ! 余計な詮索とか、しないでよ! 大っ嫌い!!」

そう叫んで、私は走って帰った。
あさひくんがいじめられてしまうかもしれないなら、嫌われた方がマシだ————……!

Re: とんがりボウシ 〜ほしぞら魔法学校より〜【短編集】 ( No.467 )
日時: 2019/04/26 14:02
名前: ショート ◆0MUWDC/0Dg (ID: UB7mX/Qq)

あさひくんに関わるな、と言ってから約2週間が経過した。クラスメイトたちもほかのクラスでいじめが噂になっていることを知ったのか、あれ以来更衣室を追い出されることはなくなった。……が、教室内での嫌がらせは相変わらずであった。

「ねぇねぇゆうきちゃーん」

帰るための準備をしていたら、嫌がらせの主犯格の女子がニヤニヤしながら私の方へ向かってきた。

「……何?」
「ゆうきちゃんってさぁ、本当に女の子なの?」
「……そうだけど」
「だったらさ、証拠見せてよ」

そう言った瞬間、後ろからガバッと腕をつかまれた。
何をする気……!?

「いっつもスカートはいてるけどさぁ、スカートだけじゃ女の子ってわかんないじゃん?」
「はぁ……?」
「だから、ちゃんと脱いで証明してよ」

主犯格が言い終える前に、取り巻きが私のスカートを降ろそうとしてくる。
なんで……なんでこんなことされなくちゃいけないの……!

「何してるの!!」

その叫び声にクラスメイトはひるんだのか、掴まれていた腕がゆるんだ。その隙に急いで逃げた。
すると、目の前にいたのはあさひくんだった。

「ゆうきちゃん、大丈夫? ケガとかしてない?」
「う、うん……」
「ちょっとアンタ、なんなの!」
「え? 僕は1年1組のやえ あさひっていいます!」
「そうじゃないっ!!!!」

怒るクラスメイトを無視して、あさひくんは私に向き直る。

「ゆうきちゃん、なんでこんなヒドいことされてるって教えてくれなかったの?」

……そんなの、言えるわけないよ。あさひくんは心配性だし、いじめられてるなんて知ったら絶対に止めさせる……現にここにいるわけで。それが原因であさひくんがいじめられるなんて嫌だよ……!
何も言わない私を見て、あさひくんはクラスメイトに向き直る。

「なんできみたちはこんなヒドいことするの?」
「は? そんなの決まってるじゃん。名前ヘンでしょ。女の子なのに“ゆうき”って! 男みたい! 気持ちわるーい!」
「何言ってるの? ゆうきちゃんのお母さんが考えてくれた大事な名前をそうやってバカにして、嫌がらせするほうが気持ち悪いしヘンだよ!
 もしこれからもゆうきちゃんをいじめるなら、僕がそっくり同じことをきみたちにやってやるから!」
「なっ……!」
「それに、ほかの5組の人たちだって見て見ぬフリなんかして同罪だよ! なんで助けてあげないの? おかしいよ! 行こう、ゆうきちゃん!」

そう言ってあさひくんは私の手を引いて教室を出た。校舎の裏庭まで来て、あさひくんは私の方を向く。
私は、安心感とこれからの恐怖で涙があふれていた。

「なんで……なんでクラス違うのにあんなこと言っちゃうの? 私、明日からどうしたらいいの……っ」

違う、こんなことが言いたかったんじゃない。助けてくれたお礼が先なはずなのに……。それ以上に、迫りくる明日への恐怖の方が大きかった。
私が泣いていると、あさひくんがいきなり抱きしめてきた。

「ゆうきちゃん、なんで今までずっと黙ってたの? 僕、ずっと心配してたのに……そんなに頼りにならない?」
「そ、そういうわけじゃ…………! 私に関わって、あさひくんがいじめられたらって思ったら……」
「僕だって、ゆうきちゃんがいじめられてるなんて嫌だよ!」

あさひくんは、さらに強く抱きしめてくる。
きっと、本当に心配してくれてたんだろうな……あさひくんに嫌な態度をとってしまったのに……。

「もしまたいじめられそうになっても、僕が絶対ゆうきちゃんを助けるから! ゆうきちゃんのことを悲しませる人は僕が倒すよ! クラスが違ってても必ず駆けつけるから!!」
「あさひくん……」

そう言ってくれるのは本当に本当にすっごく嬉しい……。けど、なんか……すごく恥ずかしいっていうか……心臓がドキドキして、火照ってるような感じがする……な、なんで?
私、いったいどうしちゃったんだろ……。

「ゆうきちゃんは、僕の大事な人だから……僕がゆうきちゃんのことを守るよ!」
「————……っ!!? あ、ありがとう……」

一気に体温が上昇したような感覚になる。
どうしよう……なんでか分かんないけど……あさひくんの顔が直視できないよっ!
本当にどうしちゃったのかな……?




————私がこの感情を恋だと知るのは、もう少し先の話です……。


 *FIN*

Re: とんがりボウシ 〜ほしぞら魔法学校より〜【短編集】 ( No.468 )
日時: 2019/08/23 14:39
名前: ショート ◆.6fuTxk7mA (ID: UB7mX/Qq)
参照: あさゆうの次はてんショ

**10年前のネタを掘り起こす**

*—ショートSIDE—*

「————でさ、校長のヤロー今度全科目のテストしようみたいなこと言ってたんだよね〜まじありえないんだけど」
「いつも思うけどゆうきその情報どっから持ってくるの……?」

平日の夕方、あたしはいつものようにゆうきのクッソ狭い部屋でお喋りをしている。正直人を呼ぶならもっと片付けてくれと思う。切実に。
人のこと言えるほど片付いてはいないけど、ここまで汚いのに人を呼べる精神は持ち合わせてない……!!!!

「まぁいいじゃんそんなこと〜そのへんは企業秘密よ。ってか話変わるけどさ! ショートはてんまをデートに誘ったりしないの? 好きなんでしょ?」
「は!? 何言ってんの!!?」
「いやいやだから〜、そのままの意味よ! てんまをデートに誘ったりしたことないの?」
「あ、あるわけないじゃん……」

話変わりすぎだし、いきなり何を言い出すのか。そんな度胸あるわけないじゃないか! ゆうきこそ絶対にあさひのことデートに誘ったりしないくせによく言うよ!

「えぇ? なんで? いつまでもそのままじゃずっと付き合えないよ? ためしに一回くらい誘ってみなさいよ!」
「ムリムリムリムリ!! ぜーったいそんなの無理だから!」

ゆうきはあさひに好かれてるからいいかもしれないけど、あたしはてんまに好かれてないもん! 普通に断られてみじめな気持ちになるだけじゃん……!
ずっと付き合えなくたっていいもん。そもそも、付き合えるなんて思ってないし……。

「やってもないのにムリって決めつけないの! それくらいいいじゃない。だいたい、かしこまってデートしてくださいなんて言わなくたっていいんだから、軽く誘ってみればいいのに。なんか口実作って二人で出かけたり遊んだりしたらそれはもう立派なデートでしょ!」
「か、簡単に言うけどさ……その約束のとりつけが一番ハードル高いじゃん! 最初からクライマックスだよ!」
「ふーん、ってことは別にデートしたくないわけじゃあないってことね?」

ゆうきがめちゃくちゃ嫌な笑顔を浮かべる。面白いオモチャ見つけた……みたいな笑顔。
これはなんかダメなやつだ……! 絶対に遊ばれる!!

「嫌とか、そういうわけじゃないけど……」
「なるほどねー、しょうがない。じゃあこのゆうきちゃんがショートのためにひと肌ぬいであげよう!」
「はあ? どういうこと?」
「てんまをデートに誘う作戦を、一緒に考えてあげるってことよ! 感謝しなさい!」

いや別に頼んでないんですけど……ていうか、デートに誘うこと前提!?
絶対ムリだって〜〜〜!!!!

Re: とんがりボウシ 〜ほしぞら魔法学校より〜【短編集】 ( No.469 )
日時: 2019/09/26 15:47
名前: ショート ◆8YNGNe.A5. (ID: UB7mX/Qq)
参照: トリップがいつも思い出せない

「——よし、じゃあ何を口実に誘おうか〜」
「ちょっと待ってよゆうき、本気なの……?」
「当たり前じゃない!」

勝手に考えるのはいいけど、それを実行するのはあたしなんだよね? ちょっと意味分からないんだけど……。
第一、てんまと二人きりで出かけるなんて恥ずかしすぎて無理だよ……!

「あ、そうよ! さっきのテストのやつを口実にすればいいじゃない。今度全科目のテストがあるから、杖魔法で勝負しようって誘うのよ! それだったらデートするって気負わなくてもいいじゃない?」
「た、確かに……それだったら言えるし、当日もそこまで緊張しなくてすむかも……」
「あたしってば天才ね! あ、それとせっかく勝負するんだったら罰ゲームとかもいいんじゃない? 負けた方が勝った方のいうこときく! シンプルでしょ?」
「罰ゲームもやるの!?」
「その方が勝負感あるでしょ! はいけってーい! さぁとっととてんまの部屋に行け!」

思いきり背中を突き飛ばされ、ゆうきの部屋を追い出される。
ほ、ホントにやんなきゃいけないの……?

「約束できなかったら、あたしがてんまに『ショートはてんまのことが好き』って言っちゃうからね!」
「ちょっと! それだけはホントにやめて!」
「だったら頑張っててんまを誘うことね!」

それを言われるくらいならどうにかしててんまを誘った方がマシだ……!
あたしは意を決しててんまの部屋に向かった。


  *


「て、てんまー……いる?」

てんまの部屋のドアをノックしてみる。すると、残念ながら部屋にいたようで、普通に出てきてしまった。
いなかったらよかったのに……!

「何か用か?」
「あ、あのさ! 今度校長が全科目のテストをしようとしてるらしいんだよね」
「定期テストでもないのになんでそんな情報があるんだよ……」

それはホントにそう思う。でもあたしが直接聞いた話ではないし!
情報源はゆうきに聞いてほしい……。

「と、とにかく! テストがあるらしいから、杖魔法で勝負しよ! おまじないと魔法語はあたしもてんまもお察しだし」
「お察しとか言うなよ悲しくなるだろ!!」

でもお察しだよ! 常にあたしもてんまも赤点ギリか赤点だし!
いたずら目的の杖魔法くらいしかできない!

「ていうか……勝負って何するんだよ」
「うーん、まぁかみなりの魔法でいいっしょ! 三本勝負で負けた方が勝った方の言うこと聞くっていう罰ゲーム付きで!」
「……まぁ、いいけど」
「じゃあ今度の日曜日ね! どうせヒマでしょ! 絶対勝っててんまにかめやの怪しいアイテムおごってもらお〜」

半ば無理やり約束をとりつけて、逃げるようにてんまの部屋の前から走り去る。
ゆうきに言われてとりつけたけど……でもやっぱ、ちょっと楽しみかもしれない……!

Re: とんがりボウシ 〜ほしぞら魔法学校より〜【短編集】 ( No.470 )
日時: 2019/10/08 14:37
名前: ショート ◆8YNGNe.A5. (ID: UB7mX/Qq)
参照: ビビの口調がまったく思い出せないのでテキトー

 *—てんまSIDE—*


「じゃあ今度の日曜日ね! どうせヒマでしょ! 絶対勝っててんまにかめやの怪しいアイテムおごってもらお〜」

ショートはそう言って足早に去って行った。
……っていうか、あれ? これってもしかして二人っきり的な……? え、これってデートみたいなやつ?

「ってそんなわけないか……」

そういう雰囲気でもなかったし……オレ一人で浮かれるのもアレだよな……。ていうか、アイツはそういうの気にしないタイプなのか?
いや、でも……ただの杖魔法の勝負かもしれなくても……オレ自身は、やっぱり、嬉しい、かな。
どうせ勝負するなら、勝って一緒にいる時間延ばせないだろうか……。そんなことを考えながら、当日を楽しみに待つのであった。


 *

————日曜日、当日。普段は休日は寝過ごすが、今日のオレは違う。目覚ましよりも先に目を覚まし、出かける準備を整えている。
今日は待ちに待った、ショートと杖魔法の勝負——……いや、デートの日だ! アイツがどう思ってようと、オレはそう思っていようと思う!

「あ、てんまおはよー! 絶好の勝負日和だね!」
「勝負日和ってなんなんだ……」
「いいじゃんなんでも! とりあえず、海でいい? 広いし!」
「あー、確かにそうだな……じゃあ海行くか」

割と休日は寝起きの悪いショートだが、こいつも今日は寝過ごさなかったようだ。こいつの場合ただオレに勝って罰ゲームやらせたいだけな気がするけどな……。
オレとショートは、他愛もない話をしながら海へ向かい、魔法使いに変身する。

「じゃあこの前言ったとおり、かみなりの魔法で三本勝負ね! 負けた方が勝った方の言うことをきく! いい?」
「ああ。絶対勝ってやる!」
「臨むところ!」

——こうして、オレたちの戦いは火ぶたが切られた。


  *


三本勝負をした結果、ギリギリでオレが勝つことができた。

「あーあ、負けちゃったー。で、罰ゲーム何にするの?」

ショートがしぶしぶ、といった感じでオレに問いかけてくる。
今日が来るまでは、もしこの勝負に勝ったらどうやって一緒にいる時間を延ばそうか……なんて考えていた。が、正直さっきからずっと気になってたことがあるんだよな。

「その前に一つ聞きたいことがあるんだけど……さっきから思ってたんだけど、なんでお前は休日まで制服なんだ?」
「え? だってあたしこれとパジャマしか持ってないもん。パジャマで外に出るわけにもいかないし……制服オンリィ☆なの!」
「は?」

何言ってるんだコイツは……一応中学生くらいの年齢なのに制服しか持ってねーのかよ!
さすがにドン引きだよ! ゆうきですら制服以外の服着てるの見たことあるぞ!

「わかった、じゃあ罰ゲームは今からお前の制服以外の服を買いに行く、だ!」
「ええーっ何その罰ゲーム! 意味分かんないんですけどーっ!」
「うるせぇ! 負けたんだからゴチャゴチャ言ってねーでついてこい!」

オレは嫌がるショートの腕を引いて、スマイル・ビビに向かうのであった。


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