二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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【10周年】とんがりボウシ 〜ほしぞら魔法学校より〜
日時: 2020/02/28 08:15
名前: ショート ◆RNBm3A/DrQ (ID: j2lE.5aw)

どうも!
初めましての方ははじめまして、知ってる方はこんにちは。
無名作者ショートですん!

今回はとんがりボウシの短編集みたいなのをやりたいなぁと思って、結局やることにしました。

知ってる人もいるかもしれませんが、実はカキコのとんがりボウシ小説の起源はわたしだったりします(笑)
ついでに言うと、その起源作品がこのほしぞら魔法学校なんですね。

ここでは挫折しちゃいましたが、今は別のとこできちんと進めております。
そして、その本編とはまったく関係なく、やりたい話を短くやっていきたいなぁと思ってます。


さて、恒例のルールでございます。


*いないとは思いますが、アップしたイラストの無断転載、二次加工、トレースなどはご遠慮ください。
*安定のgdgdです。ご注意ください。
*ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、わたしは気まぐれ女なので更新率は期待しないでください。それと、ネタに詰まったときは更新できません。
*短編集とかやったことないんで、上手くできる保証はありません。すいません。いや、そもそも小説がヘタクソなのですが。
*荒らし行為はやめてください。それに反応するのもやめましょう。
*正直言って、なんでもアリです。「こんなのとんがりボウシじゃねぇ」って思うようなところもたくさんあります。原作好きな人は見ないことをオススメいたします。
*宣伝行為はやめてください
*小説に関係ないコメント・雑談はやめてください。雑談は雑談掲示板でやってくださいね
*無駄レスやめてください


**重要:百合要素やホモ要素があります。苦手な方はブラウザバック

**重要2:女装ネタあります。苦手な方はブラウザバック


こんな感じです。
このルールを見て「いける!」と思った人はどうぞ先にお進みください。
万が一「だめだった」としてもわたしは責任を負えませんのでご了承ください。

あと、一応キャラクターの紹介はしますが、ここでやっていたものなので詳細は書きません(めんどくさいし←)


☆★キャラ紹介★☆ >>1


☆★参照記念イラスト★☆
*参照500突破記念 >>38
*参照1000突破記念 >>83 >>86
*参照1500突破記念 >>117
*参照2000突破記念 >>140 >>161
*参照2500突破記念 >>159
*参照3000突破記念 >>179 >>186
*参照3500突破記念 >>185
*参照4000突破記念 >>212 >>213
*参照4500突破記念 >>230
*参照5000突破記念 >>245 >>284
*参照5500突破記念 >>267
*参照6000突破記念 >>297 >>296
*参照6500突破記念 >>298
*参照7000突破記念 >>303
*参照7500突破記念 >>315
*参照8000突破記念 >>323

・参照100ごと記念イラストまとめ >>410

☆★番外変★☆
ショートコント  >>23
ショートコント2 >>40
ショートコント3 >>112


機械室DEきゅーあんどえー☆彡1 >>80


ほしぞら魔法学校検定 >>114


☆★よその子★☆
*カトレアちゃん(はる歌世さん*参照1800記念小説…新人さんとあさひくん)
*リルちゃん(マリさん)
*ルリちゃん(瑠璃さん)


☆★ストーリー★☆ >>409



スレ立て日:2013年3月23日 0:00

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Re: 参照800突破*とんがり 〜ほしぞら魔法学校より〜*短編集 ( No.72 )
日時: 2013/05/23 17:47
名前: ショート ◆RNBm3A/DrQ (ID: 27y4eURD)
参照: http://ameblo.jp/short-scuall13/

「……おい」

その顔が、あたしの顔を覗き込む。視界はぼやけているけど、ハッキリ分かる。てんまだ。

「んー……何?」
「何はこっちのセリフだ、バカ。何やってんだよ」
「え? えっと……階段で足が滑って、ズダダダダっと勢いよく落ちました」
「そんな説明されなくても大体分かる」

じゃあなんで聞いたのさ! って、あの轟音聞けばわかるか……。

「……ていうか、お前、さぁ……」
「何?」

ほんの少し、てんまの頬が紅潮する。

「パンツ見えてんぞ」
「へ!? って、でも体中痛くて動けない……」

手を動かすのさえ辛い。あたしはどうやって転んだのだろうか。防犯カメラなるものがあるならちょっと見てみたいとすら思う。

「……どうやって帰るんだよお前は……」
「痛くなくなったらかな!」

これは最悪学校に寝泊りする羽目になりそうな状況だけど、それ以外方法ないような気がする。……先生が学校の戸締りするときどうしたらいいんだ。お気になさらず、とでも言えばいいのだろうか。……あ、気にする気にしないの話じゃないか!

「……ったく、しょーがねーヤツだな……」
「へ……?」

あたしが呆けていると、てんまがあたしの視界から消え、あたしの体が浮く。何が何やら分からないでいると、近くにてんまの顔があった。そして、ようやく事態を理解した。あたしは、てんまにお姫様抱っこをされていたのだ。

「ちょ、ちょちょちょちょっとてんまっ……!? な、なな何をしてっ……!」
「歩けないんだからしょうがないだろ。あの状態で学校にいたら学校側にも迷惑だろ」

そっ、そりゃあそうだけどっ……!

「だ、だからって何でお姫様抱っこなの!? 意味分かんない! てんまのバカ!」
「うるせー。元の原因は誰だか考えてみろ」

……あたしだけど。でも別にお姫様抱っこじゃなくたって良くない!? ていうか、あたしお姫様抱っこ嫌いなのにっ! ……まさか知っててやってるとか? うん、ありえるかもしれない。コイツならやる気がする。そして最終的にそのままあたしのこと落としそう。

「てんま、もうここでいいから降ろしてっ……!」
「何でだよ。歩けるのか?」
「多分無理だけど、このままだと今のあたしの体よりも心の方が傷つきそうだよ!」
「は!? 意味分かんねぇよ!」
「だって怖いんだもん! 今度誰かにやってもらえばきっと分かるよ!」

ていうか、怖いから嫌いなんだよ……。

「やってもらえば、って誰がやるっていうんだよ。別に落とさねーしいいだろ」
「そういう問題じゃない! 落とさなくたって落ちちゃうかもしれないじゃん!」
「おい、お前遠回しにオレのことバカにしてるだろ」

……何故バレたんだ! うん、遠回しにバカにした! だっててんま、あまり男の子に見えないんだもん! ついでに腕力なさそうっていうイメージがあるから。

「……君のような勘のいいバカは嫌いだよ!」
「思い切りバカにしてるだろ! って、それ要するに合ってるってことじゃねぇか嬉しくねえ! お前ホントオレのこと何だと思ってるんだよ畜生!」
「そうだね、男らしくない!」

性格も外見も! ……とまで言ったらホントに落とされそうだから言わないでおくけど。とか言ってこれで落とされたらどうしよう。まぁ事実だから認めていただけるとありがたいね!

「……お前がオレのことバカにしてるのはよーく分かった。だったらお前がオレのことを男らしいっておもうまで、ずーっとこのままにしてやる」
「……え? えぇぇっ!!?? 何それすごく困る!!!! あー、あー、ごめん! ウソだよてんま超男の子!」
「超男の子って何……ていうかむしろそっちがウソだろ……」

だから何でバレるのっ!!?? てんまってば読心術でも使ってるの……!? あーもー、最悪だよぉっ!



=====作者より=====

昨日書くって言っときながら書かないですいません・・・。
わたしにも勉強とか課題とかがあるのデス・・・・。

知ってる人いるかもしれませんが、お姫様抱っこ嫌いはわたしがそうだからです。
超嫌いです。お姫様抱っこは女の子の憧れ的な感じになってますがそうでない人もいるのです。わたしとか←

あと明日で中間テストそのものが終了します。返却はまた別の話です・・・w
ただ土曜日普通に学校あるのでもしかしたら明日更新できないかも、です・・・分からないですけど。とりあえず明日で中間テストは終了なので暫く頑張ります!

参照増えてて嬉しいですありがとうございます!

Re: とんがりボウシ 〜ほしぞら魔法学校より〜*短編集 ( No.73 )
日時: 2013/05/26 16:47
名前: ショート ◆RNBm3A/DrQ (ID: 27y4eURD)
参照: http://ameblo.jp/short-scuall13/

てんまにお姫様抱っこされ続けて十数分が経過した。一向に降ろされる気配はない。かといって落とそうともしないけど……。それ以前にあれから一言も会話をしていない。何なんだこの沈黙は。

「……て、てんま……あの、そろそろ降ろしてもらえませんか……」
「いや、学生寮までは問答無用でこのままですけど。お前歩けないだろ……」

うっ……! そりゃ、そうだけどっ……! でも、だけど、やっぱり恥ずかしいよ……! 今のところ誰ともすれ違ってないけど、このあと誰ともすれ違わないって決まったわけじゃないし……。ていうか、ホントに誰かとすれ違っちゃったらどうするのさ……絶対バカにされるよ……! ……ハッ!

「ちょちょちょちょっとてんま! 学生寮まで降ろさないって……ゆうきとりんねに見られたらどうするのさ……! 恥ずかしくて死んじゃうよぉっ!」

あたしがそう言うと、てんまは半ばバカにしたような表情で言った。

「は……? 口調変えるの平気ならこれくらい何でもないだろ……?」
「うぐっ……」

てんまが言ってるのが、日頃から口調を変えようという話のことだというのはすぐに分かった。た、確かにそうかもしれないけど……!

「でもでもやっぱりこっちの方が恥ずかしいよ……! ぎゃ、逆にてんまは恥ずかしくないの!?」
「いや、あんな女口調で喋るよりは全然恥ずかしくないけど」

ぐああっ! なんかもう色々とダメだ! そして、あたしが何とか降ろしてもらおうと努力していると、最悪の事態が起きた。

「あれ? てんま……に、ショート? えっ、な、何でそんなことになっちゃってるの!?」

なんと、この状況で千秋が現れた。このあと間違いなくゆうきとりんねに会うから、これ以上誰かと会いたくなかったのに……。

「いや何でお前がいるんだよ。もう戻ったんじゃなかったのか?」
「え? あ、そっか二人には言ってなかったっけ。あのね、演劇祭までは裏方の人も含めて、皆ほしぞら魔法学校の学生寮に泊まることになってるの。ほら、いちいち来るのも大変だから」

あ、そうか……そういうことか。確かにわざわざ行ったり来たりするのは大変だよね。
……って、んん? それってつまり今あの学生寮には全員いるってことで……えっ!?

「……で、二人は何があってそんなことになっちゃったの?」
「え、あ、えっと……」
「このバカが階段から落ちて、怪我したからだよ」

てんまがあたしのことを思い切りバカにした顔で見ながら言った。
あたしはあたしで、事実っちゃ事実だけど、そこまでバカにしなくてもいいでしょ……! と思いながらてんまのことを涙目で睨んでいた。

「ふぅん……そりゃ災難だったねぇ。というかショートは王子様役なのに怪我して大丈夫なの?」
「え? あ、そうだね……まぁそのうち治るでしょ!」
「そ、そうじゃなくてさ……怪我して動けなかったら練習できないのに、大丈夫なの?」

………………。そうだった! あたしド下手くそだから休んでるヒマなんかなかった! うわあああ、どうしようっ……!

「菖蒲あたりに頼めばいいだろ……」
「あ、そっか! って、またあんなクソ苦いもの飲まなきゃいけないの!?」
「自業自得だ、バカ」

確かに前に菖蒲にもらった薬飲んだらすぐに治ったけど……あんな苦いの飲みたくないよ……。菖蒲じゃなくて杜若に頼んでもう少し苦くないの無いか聞いてみよう。

「……それにしても、てんまって一応男の子だったのね……」
「どういう意味だ」
「いやあ、だっててんまって男の子らしくないんだもん! 女の子抱っこ出来ると思ってなかったからさぁ!」
「殴るぞ」

……千秋も同じこと考えてたんだ……。まぁそうもなるよね。てんまだもん。

「てんま、怪我してるから抱っこするのはいいけど、我慢も大事だからね?」
「……千秋、お前はオレを何だと思ってるんだよ……」
「え? そうだね……男の子っぽくはないけど一応男の子ってとこかな」
「意味分からねぇよ!」

……? 何の話だろう……。ていうか、あたしはいつまでこの状態でいなきゃいけないの!?

「て、てんま! 早く帰ろうよ! 無駄にこんな状態でいる必要性はないよね!?」
「あーハイハイ……ってことでどこ行くのか知らねーけどじゃあな千秋」
「うん、じゃあね」

そういえば千秋はどこ行くんだろう。……まぁ、いいか。とりあえずあたしは来るべき恐怖に備えて心の準備をしておこう……。



======作者より======

ショートです。テストそのものは一昨日終了しました←
ついでに昨日既にテスト半分返ってきてます^p^

それと参照900突破ありがとうございます!

Re: 参照900突破*とんがり 〜ほしぞら魔法学校より〜*短編集 ( No.74 )
日時: 2013/05/26 22:40
名前: ショート ◆RNBm3A/DrQ (ID: 27y4eURD)
参照: http://ameblo.jp/short-scuall13/

 .。o○ 参照900突破記念! ○o。.


沙桜「と、いうわけで! ついにこの小説も参照900を突破しちゃいましたよ奥様!」

てんま「奥様って誰だよ……」

ショート「やったねー!」

沙桜「ところでわたし最近ワードで文章打ってからカキコにうpしてるんだけどこれ改行するからすごく書きづらい」

てんま「んなこと知るか。というかいいからさっさと本題いけ」

沙桜「ほっほーい。えっと、今回はキャラの名前の由来を教えます」

ショート「一部知ってる人もいるだろうけど……」

沙桜「というわけでまず主人公のショートさん。これは皆分かると思うけどわたしのハンドルネームから取りました。もしこれで本名使ってたら由来なんか教えられないよね」

ショート「あ、ショートの由来は猫のアメリカンショートヘアかららしいよ。ショートケーキじゃないんだって」

沙桜「そういうことです。次はてんま。コイツはある漫画の大好きなキャラから取りました。そのキャラは天馬くんっていうんですけど、当時のわたしはとんがりボウシだし平仮名にしようと思って平仮名でてんまになったのです。てんま大好き」

てんま「最後の一言いらねーよ……」

沙桜「ゆうきは幼稚園の卒園アルバム見てテキトーにこの人でいいやって感じで取りました。ごめんなさい見知らぬゆうきさん」

ゆうき「しかも知らない人」

沙桜「りんねはド●ゴンク●スト9の楯の名前から取りました」

りんね「テキトーすぎよ……」

沙桜「ジュディは某漫画のキャラを一字変えただけだったり。でも英語の教科書とかワークにジュディって名前よく出てくるよね」

ジュディ「そのママじゃナイのネ……」

沙桜「なるみもジュディと同じ漫画のキャラの苗字でいるなってことに最近気付きました。でも由来的にはナルシストだからなるみってなっただけです。名前というより苗字だよねマジで」

なるみ(もはや苗字が何なんだろうか)

沙桜「あさひはホントに何となく。そういえばわたしの住んでる県に旭市ってとこがあることをものすごく最近気付きました。多分三日前くらいに」

あさひ「うわ……」

沙桜「あすかはねぇ……うん、リア友からなんだけど。身の回りにあすかって名前多いなって」

あすか「そういうこともあるわよ」

沙桜「えっとえっと……菖蒲と杜若は諺から取りました。いずれ菖蒲か杜若ってやつ……だから何となく双子」

菖蒲「何となく多すぎですわ」

杜若「大した理由がないんだろうな」

沙桜「それで千春、千夏、千秋、千冬は春夏秋冬にしたくて全員に一字ずつ入れて……って感じ。千冬は無理があるかなあと思ってたんですけど、まぁいっかって感じで」

千春「ひどいわね」

沙桜「で、コハネはね……わたしのお母さんの仕事場の友達の実家で飼っている猫の名前から取りました。アビシニアンらしいよ」

コハネ「すごく遠いとこから取ったんだな! ていうか何で種類把握してんの」

沙桜「教えてもらったから。それで黒いショートはショートのドッペルゲンガーだし、ってことで」

黒ショート「まぁ他に理由はないだろうとは思ってたけどな」

沙桜「本名にするとかそういうことはできないじゃん……」

黒ショート「でも一回自分の本名にしたキャラいたよな」

沙桜「そこは内緒で。次はイトかな。イトは長くなるけど……最初に話考えてから性格決めて、見た目の設定決めたらなんとなくイケメンっぽいのがいいなと思って。だから“カイト”とかいいなぁと思ったけどそういう名前多いし、一字とってイトかな、みたいな理由です」

イト「説明長っ」

沙桜「チョコは知りません。チョコに聞いてください」

てんま「うぉいっ!」

沙桜「ゴスペルはわたしが騙されたのよ」

ショート「それじゃ誰も何も分からないよ……!」

沙桜「だってそれ全部説明したら長くなるしどうせ弟なんだからいいだろ」

てんま「最低な姉だな」

沙桜「ふへへへへ。ということで字数もあれなのでこれで900突破記念終わります! 1000目指して頑張ります! これからもよろしくお願いします!」

Re: 参照900突破*とんがり 〜ほしぞら魔法学校より〜*短編集 ( No.75 )
日時: 2013/06/01 16:05
名前: ショート ◆RNBm3A/DrQ (ID: 27y4eURD)
参照: http://ameblo.jp/short-scuall13/

千秋と別れて、数分が経ち、あたしたちはもう学生寮に到着していた。と言ってもあたしは一歩も歩いてないんだけど……。

「て、てんま……あのさ、なるべく人に見つからないように行こう……」
「……できることならそうしてぇけど、まず誰かにココ開けてもらわなきゃいけないだろ」

てんまは目の前にある学生寮の玄関を見つめた。
そ、そういえばそうだ……あたしは手動かせないし、てんまはあたしのこと抱っこしてて開けられないし……誰か呼ぶしか、ないよね……。ってことは最低でも一人には見られちゃうんだ……最悪だ! さっき千秋に会ったばっかりだというのに。ああ、お願いだからゆうきとか出てこないで!

「おーい、誰かいないか? 玄関開けてくれー!」

てんまが学生寮に向かって叫ぶと、中から誰か出てきた。それは、あたしが一番出てきて欲しくないと思っていた人……ゆうきだった。

「何よ、てんま。玄関くらい自分で開けなさ——……い、よ?」

文句を言いながら玄関を開けたゆうきは、あたしのことを見るなり吹き出した。こうなるから嫌だったんだ!

「ぎゃはははは! 何、何でアンタらそうなってるの! アハハハハハ!!!!」
「ゆ、ゆうきうるさい! あたしだって好きでこうなったわけじゃない!」
「全面的にこのバカが悪いだけだ!」

何だろう、てんまに全ての罪を擦り付けられた気がする! 確かにあたしが悪いんだけど!

「はー……お腹痛い。で、何でそうなったの? てんまが何かやらかしたの?」
「違うっての。さっきコイツが悪いって言っただろ」
「……? ショートが何かしたの?」

……まぁ色々あったのは事実なんだけど、どうしてゆうきはどちらかが悪いことをしたかのように聞くんだろうか。悪いことっちゃあ悪いことなんだけど。

「コイツが学校の階段から落ちて怪我したからだよ……」
「え、それだけでわざわざお姫様抱っこして帰ってくる必要ある!?」
「それだけって言うにはあまりにもヒドすぎる状態だった気がするけどな……手すら動かせないらしいし」

てんまが呆れたようにあたしのことを見下ろした。
うるさいな……別に頼んだわけじゃないもん! まぁ学校に居続けるのもいけない気がするけど。

「え……っ、じゃあ劇の練習どうするのよ」
「今菖蒲いるんだろ? 菖蒲に薬もらえばいいだろ」
「あー……それもそうね。……ショート、アンタこれからは気をつけなさいよ……」
「わ、分かってるよ!」

自分から手を動かせないくらい派手な転び方できる人ってどんな人さ……。あたしそんな器用じゃないし、痛いのやだし! そこまでして王子役降りたかったわけでもないし……多分。

「つまり、ショートが階段から落ちる事故が起きて、てんまがどさくさに紛れてショートをお姫様抱っこしたってことね?」
「おい何か間違えてんぞお前」
「まぁまぁ、いいじゃない! 結局てんまはいろんな意味で得したってことじゃない!」
「違うわ! 何言ってんだお前!」

喧嘩するのはいいけど、あたしのいないとこでしてよ……。しかも喧嘩してる真ん中にいるとか居心地悪いし……。
——と、二人が大声で喧嘩していると、その声を聞きつけたのか、皆が玄関にやって来た。

「あ、ショートとてんま帰ってきたんだ……ってええぇぇ!!??」
「何なに……えぇっ!? て、ててててんまっ、何してるの!?」
「ぎゃあああ何でお前らいるんだよ!」

ぞろぞろと人が集まってきて、皆があたしたちのことをジロジロと見てくる。
正直言って超逃げたいけど逃げられるなら今あたしはてんまにお姫様抱っこなんかされてないと思うんだ。

「それはね、てんまがイロイロと我慢できなくなって、やることやってそのままこうなっちゃったのよ」
「大嘘をつくな! というかそれネタとして危ないぞ!?」

……? やること、ってなんだろ……? って、いいからさっさと降ろせーっ!


=====作者より=====

参照1000突破する前に演劇祭のお話終わらせるの、無理そうですね……。
よくよく考えたら、参照800突破してから2レスで900突破していたようです……恐ろしい(゜д゜)!

でも嬉しいですヽ(;▽;)ノ

Re: とんがりボウシ 〜ほしぞら魔法学校より〜*短編集 ( No.77 )
日時: 2013/06/02 12:23
名前: ショート ◆RNBm3A/DrQ (ID: 27y4eURD)
参照: http://ameblo.jp/short-scuall13/

てんまが部屋を出て行って少ししてから、菖蒲が部屋に入ってきた。そしてそれとほぼ同時に部屋の外から「ぎゃあああああ!」という叫び声が聞こえてきた。あの声は多分てんまだったと思うんだけど、てんまは何かやらかしたんだろうか……。

「さて、と……私、菖蒲特製のお薬を持ってきましてよ」
「ヒィッ!?」

菖蒲が何やら怪しげな色をした物体を出す。なんというか、あたしが前に作ったチャーハンイン魔女のツメより見た目がひどい気がする。いや……あたしが作ったものはホントに食べれないものだと思うけど。こっちは一応……薬、だもんね。
ただでさえ菖蒲の薬は苦くて不味いんだから、もう少しビジュアルにこだわって欲しい……見た目がもう少し苦く見えなかったら、マシだったと思うんだ。この外見で見た目通りの味なんて嫌すぎるよ!

「飲むのが嫌なのでしたら、この時期にそんな怪我なさらなければよろしいのですわ」
「ごもっともだけど……」
「さぁさぁ、早く飲むのですわ!」

菖蒲に怪しい薬をグイグイと押し付けられて、渋々それを飲むあたし。
……これは苦いとかそういう次元じゃないかもしれない。語彙力のないあたしにはとうてい説明できない味————だ……。

 *

「————あ、れ……あたし……」

ハッ、と目を覚ますと、窓から明るい日差しが差し込んでいた。
……? あたし、あれからどうしたんだっけ……。確か、てんまに部屋につれてきてもらって、それから菖蒲の苦い薬を飲んで……それから、記憶がない……。
——! あ……体、痛くないかも。すっごく不味かったけど、一応効き目はあるんだね……そこに関しては菖蒲に感謝しなきゃ。

「……よ、っと!」

ストン、とベッドから降りて少しだけ体を動かしてみる。多少は痛みがあるものの、日常生活に影響があるほどの痛みではなかった。
これなら、劇の練習もできるかな……。
と、あたしが嬉々としているとガチャリと音がして、誰かが部屋に入ってきた。

「あ、ショート起きたのね」
「ゆうき……おはよ。って、あ、そうだ菖蒲は?」
「あぁ、杜若と一緒に……えーと、そのへんにいた気がするわ」

……つくづくゆうきは使えないなぁ。もう少し記憶力どうにかした方がいいと思う。
そのへんじゃまったく分からないよ!

「ま、まぁ探してくるよ……」
「あ、ちょっと待ちなさいよ! アンタ、パジャマでどっか行く気なわけ!?」

ゆうきに静止されて初めて気付く。
そういや、パジャマのまま————……って、えぇっ!? 何であたし着替えてるの!? 薬飲んだとき制服のままだった気がするんだけど……もしかして、途中で起きて着替えたのかな? ま、いっか……とりあえず着替えよう……。

「って、何でゆうきまだいるの? あたし今から着替えるからどっかいってよ……」
「いいじゃない、女同士なんだから。それ以前にアンタに隠すものなんかないでしょ」
「それどう意味かなぁ!!??」
「そのままよ。て、いうか————……」

ゆうきがニヤニヤしながらあたしのことを見る。

「昨日、見たし」
「————へっ!!??」

え、ちょ、何……見たってどういう意味!?

「いやあ、着痩せとかそういうんじゃなくてホントに無いのねって思ったわよ」
「うるさーいっ! って、そうじゃなくて何それどういうこと!!??」
「は? アンタまだ気付かないわけ? だから、アンタが今パジャマな理由は、それよ。あたしが着替えさせてあげたのよ」

な、ななな何ですとぉーっ!? あぁ、それで着替えた記憶も無いのにパジャマになってたんだね……理由は分かったけど全然嬉しくない……。この際、男子でも良かったからゆうき以外の人に着替えさせて欲しかったっ……!

「てか、アンタ菖蒲に用があるんじゃなかったの? 着替えなくていいの?」
「ああもう、うるさいなぁ! 着替える! ていうかホントどっかいってよー!」

朝から嫌な気分……。ああでも急がないと皆劇の練習始めちゃうよね……急いで着替えなきゃ……。


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