二次創作小説(新・総合)

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

ゆうきとμ's+@の日常。【久々新作ミステリースタート!】
日時: 2024/08/18 00:01
名前: ゆうき ◆qJgLsDnlMc (ID: vkkVQEZj)

どうも、ゆうきです。

ここでは、
しゅんぽこさんや広尾さんがやられている
日記の様な物をやっていきます。

ヘキサさんが始めたのを見て、
自分もやる決心をしました。(大袈裟)

他の方よりつまらないかもしれませんが、
温かい目で見守ってください。

タイトル通り、
ラブライブ関連のキャラが出てきます。
主にことりちゃんが。

恐らく毎日は更新できないです。
マイペースにやっていきます。

それでは。


☆企画☆


アンケート>>80(終了しました!)

ゆうきの好きなμ'sの曲大発表!
>>114>>119-121>>123>>126-128
>>133>>143>>205>>217

今までゆうきゲームに出たキャラの総数は?>>279
補足>>287(終了しました!)

新企画に関する案の募集について>>366

ゆうきとことりのイチャイチャ茶番集
>>144(バレンタイン2018)
>>265(クリスマス2018)
>>274(バレンタイン2019)
>>313(ホワイトデー2019)
>>322(エイプリルフール2019)
>>331(メイドの日2019)
>>340(七夕2019)
>>343-344(ゆうきの誕生日~復讐ドッキリ~(前後編))
>>385-387(ことりちゃん、史上最悪の誕生日!?(前中後編))
>>389(ハロウィン2019)
>>390(ポッキーの日2019)
>>393(ゆうことX'mas2019)
>>397-400>>401-404>>407-408>>421-425
(ミステリー「悪夢の夏合宿」)

コメント大歓迎です!(荒らしはご法度)

第4章 『惨劇』の始まり ( No.545 )
日時: 2022/11/28 22:40
名前: ゆうき ◆3kcYqPadC. (ID: WkxsA0sZ)

ここまでのあらすじ

ニジガクこと虹ヶ咲学園のスクールアイドル同好会の合宿のお目付け役になったことりちゃんとおまけの俺、ゆうき。

やって来たのは今回の合宿の為だけに作られたという館、その名も「虹色館」。
文字通り色とりどりの部屋がある館だ。

そんな館での一日が幕を閉じ、二日目がやって来た・・・






プルルルル・・・



ゆうき
「・・・・・・んっ…?」



プルルルル・・・



ゆうき
「この音は・・・電話・・・?」



プルルルル・・・



ゆうき
「(チラッ)午前7時半くらい……誰だよこんな朝っぱらから……」ガチャ


ゆうき
「・・・・・・もしもし?」




ことり
『あっ!ゆうき君?やっと起きてくれた!ことりだよ!』

ゆうき
「ことりちゃん?どうしたの…?わざわざモーニングコール?」

ことり
『えっと、それもあるんだけど……』

ゆうき
「それなら部屋来ればいいじゃん……隣なんだし……」

ことり
『あれ?言ってなかったっけ?この館は全部屋が防音なんだよ。だから外からどれだけ呼びかけても声は聞こえないの。』

ゆうき
「なるほど……昨日の昼間、やけに静かに感じたのもそういう事か……」

ことり
『そういう事だと思うよ……って、それよりゆうき君!大変なの!』

ゆうき
「大変?皆にモーニングコールするのが?」

ことり
『違うよ!かすみちゃんが何処にもいないのっ!』

ゆうき
「えっ?どういう事!?」

ことり
『皆に順番にモーニングコールしてたんだけど、かすみちゃんだけ何回電話しても出てくれなくて…
部屋には鍵が掛かってるから、仕方無いから隣の璃奈ちゃんの部屋からベランダを通って様子を見てみたの。』

ゆうき
「うん。………それで?」

ことり
『カーテンが閉まってたから分からなかったんだけど、人影は見えなくて…』

ゆうき
「ベッドに誰か寝てる感じも無かったの?」

ことり
『うん。何回も電話してみたけどやっぱり反応は無いし、ちょっと普通じゃないなって。』

ゆうき
「確かにね。何度も電話を鳴らされたら流石に気付くよ。まさに今の俺もそうだった。」

ことり
『だから皆にも探して貰ってるんだけど、何処にも居なくて…』

ゆうき
「本当に部屋には居ないのかな?」

ことり
『マスターキーは無いし、確かめようがなくて…』

ゆうき
「ドア壊すのは?」

ことり
『そんな…!真姫ちゃんに怒られちゃう!』

ゆうき
「言ってる場合かよ!」

ことり
『そう………だよね。じゃあドアを壊してみるから、ゆうき君も手伝って!』

ゆうき
「分かった。すぐにいk・・・・・・!?」ガタンッ!

ことり
『ゆうき君?どうかしたの?』

ゆうき
「・・・・・・!!」ゼック

ことり
『ゆうき君!?』

ゆうき
「………もう、ドアを壊す必要は無いよ。」

ことり
『えっ?どういう事!?』





ゆうき
「(そんな馬鹿な・・・!)」




ゆうき
「(一体どうなってんだよ・・・!)」




ゆうき
「(一体どうして・・・)」


















































かすみ
「」



ゆうき
「(どうして部屋で……かすみが死んでるんだよ……!)」



一体いつからそこいたのか・・・


中須かすみは、ゆうきの部屋の片隅に寝転んでいた。


ただ、その胸には包丁が突き刺さっており、既に命亡きものであるのは明らかだった・・・




ゆうき
「(かすみ・・・!)」


ことり
『ゆうき君!どうしたの!?』

ゆうき
「!!」ハッ

ことり
『いきなり黙っちゃって……しかもドアを壊す必要が無いって……』

ゆうき
「……全員、俺の部屋に集めてきてくれ。」

ことり
『・・・・・・えっ?』












しずく
「そ、そんな・・・!かすみさん、どうして・・・!」

璃奈
「かすみちゃん……璃奈ちゃんボード「うわーん!」」

歩夢
「一体誰がこんな事・・・!」



ゆうき
「ことりちゃん、警察に連絡は?」

ことり
「もうしたよ。悪天候だから遅くなるかもって。」

ゆうき
「悪天候?」

果林
「今日は土砂降りの雨みたいよ。昨日はあんなに晴れてたのにね。」

ゆうき
「へぇ…」




「こんな時に天気の心配なんてノーテンキだね。天気だけに。」

エマ
「ダジャレ言ってる愛ちゃんも大概なような…」

彼方
「いつもの事だけど、ちょっと不謹慎かな〜って彼方ちゃんも思うな。」


「…ごめん。ダジャレは自重する。それより犯人だけどさ、ゆうきじゃないの?」

ゆうき
「!?」

せつ菜
「どういう事ですか!?愛さん!」


「だってそうでしょ?ゆうきの部屋で死んでたって事は、犯人ゆうきしか居ないじゃん!」

ゆうき
「……これはそんな簡単に解決出来るような事件じゃないよ。」


「……どういう事?」

ゆうき
「分からないのか?コイツは立派な不可能犯罪だ。」

歩夢
「不可能犯罪・・・?」

ゆうき
「うん。まず殺害されたかすみだけど、いつ、何処で殺されたのか。」

果林
「それは……部屋で寝てる間に、とかじゃないの?」

ゆうき
「それは無いよ。だって部屋には鍵が掛かってただろ?そしてこの館のマスターキーは紛失されてしまっている。
だからかすみの部屋に鍵を掛けられる人物は、かすみ本人しかいないんだ。」

エマ
「だから、かすみちゃんは何処かに呼び出されて殺されたって事?」

ゆうき
「だと思うよ。少なくとも部屋に侵入して……っていうのはかすみが鍵を掛け忘れてた以外には考えられないし、
犯人がそんな運に頼った犯罪を犯したとは思えない。」


「そんなの、犯人が何処かにかすかすを呼び出して殺した後で、鍵を奪って掛けたんだとしたら?
そしたら鍵がどうなんて何にも関係無くなるじゃん!」

ゆうき
「犯人がわざわざ殺した後で、律儀にかすみの部屋に鍵掛けたって?何の為に?」


「・・・・・・それは…」

ゆうき
「しかも、問題はそれだけじゃない。」

ゆうき
「犯人はどうやって俺の部屋に入り、かすみの遺体を放置していったのか。」

ゆうき
「勿論俺はちゃんと鍵を掛けて寝たし、皆が来るまでの間に窓が閉まってるのも確認した。」

ゆうき
「その上ここは3階。2階のかすみの部屋ならまだしも、この部屋を窓から出入りしたとはちょっと考えられない。」


「ベランダは?ベランダなら階ごとに全部繋がってるんだから…」

ゆうき
「鍵掛かってたって言ったろ?それに、自分の部屋に遺体を運ぶところ、誰かに見られたら一発アウトだぞ?」


「確かに・・・」

ゆうき
「なっ?確かに状況的に俺が怪しいって思うのは分かる。
でも俺も現状かすみの部屋に入る方法が無いし、犯行は不可能だ。」

ゆうき
「他人の部屋に出入り出来る方法。それを見つけない限り犯人を捕まえる事は出来ないよ。」

しずく
「ま、待ってください!犯人は私達の部屋に自由に出入り出来るんですよね?
それなら部屋に鍵を掛けても全く意味が無いという事では…?」

ゆうき
「うーん・・・ロビーで固まって寝るしか無いかな。」

彼方
「それより帰ろうよ〜。その方が安全なんじゃないかな〜?」

エマ
「ダメだよ!かすみちゃんを殺した犯人を捕まえるまで帰れないよ!」

果林
「エマ……気持ちは分かるけど、鍵があっても微塵も安全じゃないのよ?そんなの死ににいくようなものよ?」

エマ
「でも・・・」

ゆうき
「・・・あれ?そういえば・・・」ゴソゴソ

ことり
「ゆうき君?どうしたの、かすみちゃんの遺体を調べたりして…」

ゆうき
「・・・やっぱり。無い…」

璃奈
「無いって、何が無いの?璃奈ちゃんボード「はてな」」

ゆうき
「鍵だよ。かすみの部屋の鍵。」


「……やっぱ、犯人が奪ってったとか?」

ゆうき
「何の為に・・・?」

歩夢
「理由はともかく、みんなの荷物を調べてみる価値はあるんじゃないかな?
万が一かすみちゃんの部屋の鍵が見つかったら、持ってた人が犯人確定になるから…」

せつ菜
「一理ありますね。全員で調べてみましょう!」

ことり
「う、うん!」



プルルルル・・・


ことり
「わっ!…ご、ごめん!ことりのスマホが…」

ことり
「もしもし?……はい…はい……えっ!?」

彼方
「?」

ことり
「そ、そうですか……分かりました……はい……」

ことり
「……………」ピッ

ゆうき
「ことりちゃん?どうしたの?今の電話は・・・」

ことり
「警察の人からだよ。」

果林
「警察はいつ頃来るのかしら?」








ことり
「来ないよ。」

エマ
「えっ?」

璃奈
「どういう事…?」

ことり
「この大雨の影響で、道の途中で崖崩れが起きちゃったみたいで…
雨が止んで土砂を撤去するまでは行くことが出来ないって…」

せつ菜
「そんな…!それでは今、ここは陸の孤島になってしまったという事ですか!?」

ことり
「う、うん……そうなるのかな……」

ゆうき
「犯人捕まえるとか言ってる場合じゃ無くなったな。」

しずく
「この10人で数日間過ごさなくてはいけなくなったのですよね…」

歩夢
「ご飯とか、どうしよう……」




ゆうき
「・・・・・・」


突然起きた殺人事件。
そして虹色館に閉じ込められてしまった俺達。

いきなり異常事態に追い込まれた俺達だが、この時はまだ知らなかった。
これはまだ、『惨劇』のほんの序章に過ぎなかった事を…!

第5章 アリバイ検証 ( No.546 )
日時: 2022/12/05 23:05
名前: ゆうき ◆3kcYqPadC. (ID: Zn8srJeM)

ここまでのあらすじ

ニジガクこと虹ヶ咲学園のスクールアイドル同好会の合宿のお目付け役になったことりちゃんとおまけの俺、ゆうき。

やって来たのは今回の合宿の為だけに作られたという館、その名も「虹色館」。
文字通り色とりどりの部屋がある館だ。

だがそんな館にやって来た翌日、中須かすみが何者かに殺害されているのが発見される。
それも、何故か俺の部屋で死んでいるという奇妙な状況で・・・

更に土砂崩れにより館に閉じ込められてしまった事が判明する。
果たして俺達、残る10人は生きて帰る事が出来るのか・・・



ことり
「ふぅ〜…」

ゆうき
「どうだった?ことりちゃん。」

ことり
「大丈夫。食料ならいっぱいあるから、一週間くらいなら大丈夫だと思うよ。
…インスタントばっかりだけど……」

歩夢
「大丈夫だよ。インスタントでも無いよりマシだから。」

しずく
「えぇ。とりあえず食料は問題無さそうで良かったです。」





彼方
「ふぃ〜、酷い嵐だぜ…」ガチャ


璃奈
「あ、3年生が戻ってきた。」

せつ菜
「どうですか?外の様子は…」

果林
「駄目ね。思った以上に雨風酷くて……無理矢理帰ろうものなら二次災害に遭いかねないわ。」

エマ
「そもそも途中の道が崩れてるんだし、帰るなんて出来ないんだけどね…」

ゆうき
「仕方無いね……やっぱロビーで大人しくしてるっきゃ無いかな…」

彼方
「………あれ〜?愛ちゃんは?」

璃奈
「愛さんは部屋にいる。1人になりたいって。」

エマ
「大丈夫かな……部屋にいても安全じゃないんでしょ?」

ゆうき
「まあ、他全員が集まってるから問題無いと思うけど・・・そうだ!」

ことり
「ゆうき君?」

ゆうき
「折角だし、ちょっと事件を整理してみよっか。愛さんはいないけど。」

璃奈
「整理?」

ゆうき
「うん。まず、かすみが殺された時間だけど、昨夜中なのはほぼ間違い無い。
だから、最後にかすみを見たのがいつか教えて欲しい。」

ことり
「最後に見たのはことりじゃないかな?」

ゆうき
「ことりちゃんが?」

ことり
「うん。かすみちゃんと一緒のタイミングでお風呂から出たところで、
入りにやって来たしずくちゃん、歩夢ちゃんと会って…」

しずく
「あぁ、そうでしたね。4人で少し会話を交わしました。」

歩夢
「お疲れ様とか、その程度だったけどね。」

ことり
「うん。その後で浴場から出たところで・・・」


(回想)

かすみ
『あれ?ことり先輩部屋に戻らないんですか?』

ことり
『うん!ことりはここでゆうき君を待つから♪』

かすみ
『相変わらずですねぇ……じゃあかすみん先に部屋戻っちゃいますね。おやすみなさいですぅ!』

ことり
『うん、おやすみ!』




ことり
「…って軽く会話をして、それで別れたのが最後かな・・・」

ゆうき
「なるほどね。じゃあ他に風呂からあがった後でかすみを見たって人はいる?」


全員
「「・・・・・・」」


ゆうき
「無し、か・・・」

せつ菜
「と、なると・・・」

ゆうき
「うん。どうやら部屋に戻ってそこまで時間が経たないうちに襲われたって可能性が高そうだ。
一応聞くけど、風呂からあがった後でアリバイがあるって人はいる?」

ことり
「ことりはあるんじゃないかな?ゆうき君を待つ為にずーっと浴場のすぐ外に居たから…」

ゆうき
「確かに俺が出た時には居たけど……みんな目線どうかな?
かすみとことりちゃんの後に風呂を出た人は?」

璃奈
「あっ……多分、私。」


(回想)

璃奈
『うーん、ちょっとのぼせちゃったかも……私もうあがるね。』ザパァ



璃奈
「ちょっとのぼせちゃった気がしたから早めにあがったんだ。」

しずく
「合ってると思うよ、璃奈さん。確か私と歩夢さんが頭と体を洗って、いざつかろうとしてたくらいのタイミングだったと思います。」

ゆうき
「浴場から出たところでことりちゃんには会った?」

璃奈
「うん。愛さんと3人でちょっと話したの覚えてる。」

ことり
「あっ、そうだったね。」



(回想)


『あれ?ことり?何してんの?』

ことり
『ゆうき君を待ってるの♪』

璃奈
『本当に好きなんだね、ゆうきさんの事。』


『激アツだねー!』

ことり
『や、やめてよ〜…』

璃奈
『ゆうきさん、まだ出てないの?』

ことり
『うん。ゆうき君って長い時は結構長いから…』


『じゃあいつ出てくるか分からないし、邪魔しちゃ悪いね。いこっ、りなりー!』

璃奈
『うん、愛さん。ことりさん、おやすみなさい。』

ことり
『おやすみ〜!』



ゆうき
「なるほどね……まあ数分くらい間があっただろうけど、その間に殺人をやらかすなんて無理だろうし、
そもそも昨日の夜には俺の部屋にかすみの遺体なんて無かったし…ことりちゃんはアリバイ有りと見て差し支えなさそうだ。」

ことり
「良かったぁ…」ホッ

ゆうき
「一応検証は続けよっか。璃奈ちゃんの後に出たのが愛さんって事でいい?」

璃奈
「うん。それは間違いない。璃奈ちゃんボード「ふんすっ!」」



(回想)


ガラッ


璃奈
『あれ?愛さん?』


『りなりー、のぼせたって言ってたから心配でさ。出てきちゃった。』

璃奈
『ありがとう、愛さん。でも私は大丈夫。』


『そーお?なら良かった!』



璃奈
「・・・って。」

ゆうき
「なるほどね……で、次は?」

せつ菜
「私ですね。璃奈さんと愛さんの後に上がりました。」





(回想)


せつ菜
『ふぅ……私もそろそろあがりますね。』

エマ
『はーい。おやすみなさい、せつ菜ちゃん。』

せつ菜
『はい。おやすみなさい!』ガラッ



ゆうき
「なるほどね……ことりちゃん、あってる?」

ことり
「うん。璃奈ちゃんと愛ちゃんが居なくなった少し後に出てきて…」





(回想)


せつ菜
『おや?ことりさん?ここで何をされてるんですか?』

ことり
『ゆうき君を待ってるの。気にしないで♪』

せつ菜
『相変わらずですね…;』

ことり
『えへへ…』



せつ菜
「私も覚えています。少し話して、部屋に戻りました。」

ゆうき
「ことりちゃんと別れた後は1人だったの?」

せつ菜
「そうですね。なのでアリバイはありません。
ただ、かすみさんの遺体がゆうきさんの部屋に放置されたのは、深夜のうちなんですよね?
だとしたら、私に限らず誰にもアリバイが無いと思うので、このアリバイ検証に意味があるのか……」


ゆうき
「……一応、検証を続けるよ。次にお風呂をあがったのは?」

エマ
「私達3年生だよ。一緒にあがったんだ。」




(回想)


果林
『ふぅ……そろそろ温まってきたし、出ようかしら。』

エマ
『じゃあ私も出ようかな。果林ちゃん、目を離したらすぐ迷子になっちゃうから…』

果林
『エマ……いくらなんでもこんな別荘で迷子になったりしないわよ。』スタスタ


彼方
『果林ちゃ〜ん、出口そっちじゃないよ〜?』

果林
『・・・えっ?』



エマ
『うん、やっぱり一緒に出るね;』ザパァ

彼方
『彼方ちゃんも〜。エマちゃんが居なくなったらうっかり寝ちゃいそうだし〜』

エマ
『もう〜!しっかりしてよ〜!』



ゆうき
「大変なんだね、エマちゃん;」

エマ
「あはは・・・」



果林
「余計な回想しないでちょうだい・・・」

彼方
「実際あった事なんだから、諦めるべきだよ〜」

果林
「もう!彼方まで・・・」


ゆうき
「で?3人が出た時ことりちゃんは?」


エマ
「……もう、居なかったような・・・」

果林
「そうね。扉のすぐ外に居たのなら、絶対気付くハズだもの。」

ゆうき
「なるほど。じゃあ俺が出たのは璃奈ちゃん愛さんよりは後で、3年生よりは前ってところなのかな?」

ことり
「そうなんじゃないかな?部屋に戻った後はすぐ寝ちゃったから、厳密な時間は分からないけど…」

ゆうき
「それは俺もだよ。まさかこんな事になるなんて思わなかったし……」

しずく
「ゆうきさん、変な時間に寝てたのに部屋に戻ってすぐ眠れたんですね。」

ゆうき
「眠れたというよりは、眠過ぎて意識飛んでく、みたいな・・・」

歩夢
「えっ!?私も昨日はそんな感じだったよ!」

せつ菜
「わ、私もです!」

璃奈
「もしかして、みんな同じ?」

ゆうき
「……となると、薬でも盛られてたのかもしれないな・・・」

果林
「だからと言って、アリバイには関係無さそうだけど……」

ゆうき
「そうだね。結局かすみが殺されたのは昨夜中って事しか分からないし、誰でも犯行可能なのは変わらない。」

ゆうき
「一応残りの検証もしよう。歩夢ちゃんとしずくちゃんはどっちが先に出たの?」

歩夢
「あっ、私としずくちゃんは一緒に出たんだよ。」

しずく
「はい。遅い時間だったので1人になるのは少し怖かったので…」

ゆうき
「なるほど……部屋に戻るまで一緒だったと。」

歩夢
「うん。アリバイになるかは微妙だけど・・・」

ゆうき
「そうだね・・・結局、かすみが殺された時間も犯行出来そうな人も絞れず終いか…」

ことり
「仕方無いよ。今は新しい犠牲者が出ないように、生き延びる事を考えなくちゃ。」

ゆうき
「・・・そうだね。」



結局・・・

アリバイ調査は空振りに終わり、事件は何の進展も見せずにこの日は終わった。

この日、俺たちは話し合った末、ロビーに固まって就寝する事となった。
約一名を除いて・・・


璃奈
「愛さん、1人で大丈夫かな・・・」

しずく
「大丈夫ですよ、璃奈さん。食事の時はちゃんと姿を見せてくれたじゃないですか。」

璃奈
「でも・・・」

ゆうき
「心配なんでしょ。璃奈ちゃんは優しいね。」

璃奈
「……そんなことない。璃奈ちゃんボード「ぽっ」」

しずく
「うふふっ。璃奈さん照れてる。」

ことり
「……それより、璃奈ちゃんはどうしてゆうき君の逆隣を取ってるの…?」

璃奈
「……その方が、安心だから。璃奈ちゃんボード「ドキドキ」」

しずく
「……璃奈さん?それだけには見えないんだけど……」

ゆうき
「まぁまぁ、璃奈ちゃんもお年頃だし。俺で良ければ傍にいてあげるよ。」ススッ


ゲシッ!

ゆうき
「いでぇ!?」

ことり
「ゆうき君。璃奈ちゃんの布団に入りにいくのは色々と駄目だと思うな…」

しずく
「璃奈さんは未成年でゆうきさんは二十歳越えてるんですから……事案になりますよ。」

ゆうき
「ちょっとした茶目っ気じゃん……何も蹴らなくても……」

璃奈
「ゆうきさん、面白い。璃奈ちゃんボード「クスクス」」

ゆうき
「あっ、笑ってくれた。笑えるなら大丈夫だよ。愛さんもよく笑う人だし大丈夫。」

しずく
「ちょっと意味が分かりませんけど…」



果林
「あなた達。眠れないから静かにして貰えるかしら?」

エマ
「ちょっと騒ぎ過ぎだよ〜」

彼方
「Zzz…」



しずく
「す、すいません!」

ことり
「ゆうき君が大声出すからだよ。」

ゆうき
「誰のせいだよ…」

璃奈
「ゆうきさん、面白い…璃奈ちゃんボード「クスクス」」






「・・・・・・」


「一体誰がかすかすを…?」


「それ以上に、どうして殺されなくちゃいけなかったんだろう…」


「分からない・・・」



パサッ…


「!」


「あれっ?こんな紙あったっけ………」カサッ


「・・・手紙?一体誰が・・・」


「・・・・・・食堂に来い?」









「……………」スタスタ


「確か皆はロビーだったよね?行く前に様子を見てみよう。」スッ


ゆうき
「Zzz…」

ことり
「Zzz…」

璃奈
「Zzz…」



「みんな寝てる……」




食堂


ガラッ…



「誰もいない・・・」


「一体なんでここに・・・」



ガラッ



「!!」ハッ





ドスッ…



「がはっ……!」ガクン

ボタボタ…


???
「・・・・・・」



「まさか……「アンタ」が犯人……?」

???
「・・・・・・」



「(くっ……!誰かに……伝えないと……!)」



「(ダレ………カニ………)」


ススッ………


ガクッ……



???
「………これはまずいな…」

???
「……さて、どうするか……」スッ

第6章 残されたメッセージ ( No.547 )
日時: 2022/12/06 22:05
名前: ゆうき ◆3kcYqPadC. (ID: Zn8srJeM)

ここまでのあらすじ

ニジガクこと虹ヶ咲学園のスクールアイドル同好会の合宿のお目付け役になったことりちゃんとおまけの俺、ゆうき。

やって来たのは今回の合宿の為だけに作られたという館、その名も「虹色館」。
文字通り色とりどりの部屋がある館だ。

だがそんな館にやって来た翌日、中須かすみが何者かに殺害されているのが発見される。
それも、何故か俺の部屋で死んでいるという奇妙な状況で・・・

更に土砂崩れにより俺達は陸の孤島となった館に閉じ込められてしまった。
事件の捜査をするも進展が無いまま、館での生活は三日目を迎える・・・



ことり
「ゆうき君起きて!ゆうき君!」ユサユサ


ゆうき
「んっ………どうしたの、ことりちゃん………」

ことり
「大変なの!食堂に……!」

ゆうき
「・・・・・・えっ?」









ゆうき
「なっ・・・!」




「」



ゆうき
「………あ、愛さん……………」


しずく
「ひ、酷いです……!」

果林
「かすみと同じく、刺し殺されてる…」

彼方
「むぅ……彼方ちゃんこれじゃ安心して眠れないよ……」


ことり
「ゆうき君………」

ゆうき
「……………」



璃奈
「うぅ、愛さん……」

ゆうき
「璃奈ちゃん……」

璃奈
「愛さん……何で……どうして……?」

ゆうき
「……………」

ゆうき
「(犯人め……絶対許さねぇ……!)」グッ






せつ菜
「違います!」


ゆうき
「!」


歩夢
「嘘だよ!せつ菜ちゃんが愛ちゃんを殺したんでしょ!!」

せつ菜
「ですから、私は犯人では・・・!」



ゆうき
「せつ菜ちゃん、歩夢ちゃん!どうしたの!?」

せつ菜
「あっ、ゆうきさん……」

歩夢
「ゆうきさん!これ見てください!愛ちゃんの右手のところ!」

ゆうき
「これは・・・!?」



愛の手元には、赤い血で書かれたであろうメッセージが残されていた。
そこには少々歪な文字ながら、カタカナで「ユウキ」と書かれているのが読み取れた。

※推理出来るように即席の画像を用意しました。
Twitterで#小説カキコをつけて投稿するので、検索してみてください。
(ただ、血で書くわけにもいかないので赤いペンで代用しています。)


歩夢
「これ、愛ちゃんの残したダイイングメッセージじゃないかな?」

ゆうき
「ダイイングメッセージ・・・」

歩夢
「書かれてるのはユウキ……つまり「優木ユウキ」せつ菜ちゃんが犯人って事なんだよ!」

せつ菜
「ですから、私は違います!このメッセージは何かの間違いで……」

歩夢
「「ユウキ」なんて私達の中にはせつ菜ちゃんしかいないでしょ!!」

ゆうき
「俺だって「ユウキ」だよ。」

歩夢
「!!………ゆ、ゆうきさん………」

ゆうき
「だから「ユウキ」なんてメッセージが残されてたからってせつ菜ちゃんが犯人とは限らないよ。」

歩夢
「それじゃあ………ゆうきさん?」

せつ菜
「歩夢さん、またそんな……」

歩夢
「そうだよ!かすみちゃんの事件だって、
ゆうきさんが犯人なら電話で部屋まで呼び出したって考えたら全部納得がいくよ!」

せつ菜
「歩夢さん!いい加減に・・・!」




ことり
「あー!怪しいな〜。」

歩夢
「ことりちゃん…?」

ことり
「そうやって誰かを犯人にしたがるの、凄く怪しく感じるなぁ〜」

歩夢
「だ、だって!それ以外にこのメッセージをどう解釈すれば良いの!?」

ゆうき
「取り敢えず落ち着けよ。焦ったら犯人の思うつぼだぞ。」

歩夢
「………ごめんなさい。」

果林
「でもどういう事なの?このメッセージは。
私にはゆうきさんもせつ菜も犯人には思えないのだけど…」

彼方
「う〜ん……彼方ちゃんも全然分からないな……」


ゆうき
「……………」





ヒョコッ…

ゆうき
「(………んっ?扉の外に誰か……)」









エマ
「……………」ガタガタ



ゆうき
「(エマちゃん………?)」









ゆうき
「さ・て・と・・・」

ことり
「何か分かったの?ゆうき君。」

ゆうき
「……いや。何も……………」

しずく
「でも、愛さんは大きなヒントを残してくれましたよね。」

せつ菜
「はい!あのダイイングメッセージさえ解読出来れば、誰が犯人なのか分かるハズです…!」

璃奈
「……………」

ゆうき
「璃奈ちゃん、大丈夫?」

璃奈
「ゆうきさん…」

ゆうき
「他の娘達みたいに、部屋に閉じこもってても良いんだよ?」

璃奈
「ううん。1人になるより、皆と一緒の方が安心出来るから。」

璃奈
「……それに、私は愛さんの仇がとりたい。」

しずく
「璃奈さん…」

璃奈
「かすみちゃんと愛さんを殺した犯人を絶対に捕まえる。璃奈ちゃんボード「ふんすっ」」

ことり
「でも、分からないことだらけだよね。」

せつ菜
「そうですね……かすみさんの事件では、かすみさんを部屋から誘い出すのはともかく、
どうやってゆうきさんの部屋にかすみさんを入れたのか…」

ゆうき
「それから、愛さんの残したダイイングメッセージ・・・」

璃奈
「後は、誰が犯人なのか・・・」

ゆうき
「………さて、何から考えようか…」

ことり
「やっぱり、あのダイイングメッセージじゃないかな?」

しずく
「そうですね。犯人の正体が分かれば、取り敢えずその人を縛るなどすれば私達は安全になりますから…」

璃奈
「確か、カタカナで「ユウキ」って書いてあったんだよね?」

せつ菜
「その通りです。……少々歪なのが気になりますが……」

ことり
「うーん……愛ちゃんは死の間際だったから、綺麗に書く余裕が無かっただけとかじゃないかな?」

ゆうき
「まぁ、その可能性も0では無いかな……
普通に考えたら俺かせつ菜ちゃんの名前ってなるわけだけど、その辺どう思う?
みんな、俺の事を疑ってたり・・・」

しずく
「まさか!私はゆうきさんもせつ菜さんも違うと思います!」

璃奈
「私もそう思う。……ゆうきさん、優しい人だから。」

せつ菜
「同感です!ゆうきさんなら先程私と歩夢さんが言い合いになった時、
わざわざ自分も「ユウキ」だなんて言って怪しくなる必要なんてありませんでしたから!」

ことり
「ことりは勿論ゆうき君の事は信じてるよ!
…せつ菜ちゃんも違うと思う。そのままのメッセージを犯人が残しておくのかなって。」

しずく
「そうですね……血で書かれただけのメッセージを、犯人が気付かなかったとは考えずらいですし…」

ゆうき
「みんな……ありがとう…」

璃奈
「でも、結局このメッセージはどういう事なんだろう?」

せつ菜
「そうですね……愛さんは何故「ユウキ」なんて文字列を残したんでしょうか……」

ことり
「ゆうき君やせつ菜ちゃんじゃ無かったら、誰の事を表してるんだろう…」

しずく
「……もしかして、犯人に偽装されていて本当は違うメッセージだったとか……?」

ゆうき
「……いや、でも「ユウキ」なんて単純な文字列、元の文字列をどう偽装したら変えれるっていうんだよ…」

しずく
「……そうですよね。」

せつ菜
「全然分かりませんね……そうだ!璃奈さんって機械に強いんですよね?暗号解読機みたいなのって無いんですか?」

璃奈
「そんなのは無い……けど、ネットを探せばそういうサイトはあると思う。」

ゆうき
「マジで!?じゃあ早速・・・」

璃奈
「ダメだと思う。元が単純な文字列過ぎて、まず暗号って認識されないと思う。璃奈ちゃんボード「がーん」」

ゆうき
「だよなぁ……そう簡単にいけば苦労しないよね……」

しずく
「うーん……難しいものですね……」

ゆうき
「………そうだ。」

ことり
「ゆうき君?」

ゆうき
「そういえば、愛さんの遺体発見現場でのエマちゃんの様子がおかしかったんだけど、誰か何か知らない?」

せつ菜
「エマさんがですか?」

ゆうき
「うん。扉の影に隠れて、何か怯えてるみたいだった。」

しずく
「……まさかエマさん、事件の事で何かを知っているのでしょうか?」

璃奈
「聞いてみる?」

ゆうき
「いや、あの様子じゃ今聞いても何も答えてくれないだろう。ちょっと時間を置かないと…」

ことり
「そっか・・・」

ゆうき
「(全然分からねぇ……頭の中がもやだらけだ……)」


起こってしまった第二の事件に、深まる謎。
俺達はただ、頭を悩ませ唸る事しか出来なかった・・・

第7章 ゆうきと優木 ( No.548 )
日時: 2022/12/07 22:40
名前: ゆうき ◆3kcYqPadC. (ID: Zn8srJeM)

ここまでのあらすじ

ニジガクこと虹ヶ咲学園のスクールアイドル同好会の合宿のお目付け役になったことりちゃんとおまけの俺、ゆうき。

やって来たのは今回の合宿の為だけに作られたという館、その名も「虹色館」。
文字通り色とりどりの部屋がある館だ。

だがそんな館にやって来た翌日、中須かすみが何者かに殺害されているのが発見され、
更に翌日、宮下愛までもが殺害されてしまう。

そんな中、愛さんの残したダイイングメッセージ「ユウキ」が注目される。
だが何も分からぬまま、時間だけが過ぎていく・・・



ゆうき
「うーん……何も分からねぇ……」ゴロン


璃奈
「寝転がってたらまた変な時間に寝ちゃうよ。璃奈ちゃんボード「めっ!」」

せつ菜
「かすみさんの事件も愛さんの事件も、分からない事だらけですよね……うーん……」



ゆうき
「……何で2人して俺の部屋にいるの。」

璃奈
「さっきも言った。1人より安心だから。」

せつ菜
「私は同じ「ユウキ」のよしみで!」

ゆうき
「はっ?どういう事せつ菜ちゃん。」

せつ菜
「あの愛さんのダイイングメッセージが犯人の偽装だとしたら、私かゆうきさんに罪を着せようとしたという事でしょう?
そんなの悔しいじゃないですか!なのでここはゆうきコンビで事件の謎に迫ろうと…!」

ゆうき
「やけに燃えてるね……」

璃奈
「多分、アニメか特撮の影響。風○探偵とか・・・」

せつ菜
「風○探偵!仮○ライダーWは良いですよ!
2人で1人の仮面ライダー!左翔太郎もフィリップ君もカッコ良くて!!
それにハードボイルドな探偵だなんて肩書きもカッコ良くて…!もう最高です!!
更には更には・・・」ペラペラ

ゆうき
「言っちゃダメだよ璃奈ちゃん……止まらなくなるから…」

璃奈
「ごめん……璃奈ちゃんボード「反省」」

ことり
「それでゆうき君、何か分かりそう?」

ゆうき
「いや、何も・・・ダイイングメッセージの方はエマちゃんが何か知ってるかもしれないけど、今は話を聞けそうにないし…」

せつ菜
「……あの、ゆうきさん?ことりさんが部屋に居るのは良いんですか?」

ゆうき
「いや、そりゃ、ことりちゃんはね?何かあったら嫌だし?
側にいてくれた方が俺も安心だからね?」

ことり
「もう、ゆうき君ったら・・・///」

せつ菜
「相変わらずですね…」

ゆうき
「でもことりちゃんだけじゃないよ。せつ菜ちゃんも、璃奈ちゃんも、他の皆も。
これ以上何かあって欲しくない。」

璃奈
「ゆうきさん…」

せつ菜
「じゃあゆうきさん!もし何かあった時に電話したら助けに来てくださいますか!?」

ゆうき
「何かあって欲しくないけど……その時は勿論助けにいくよ。」

せつ菜
「ゆうきさん……ありがとうございますっ!!」ダキッ

ゆうき
「ちょっ、せつ菜ちゃん…!ことりちゃんが見てる…!」

ことり
「……………」

ゆうき
「ほら!無表情!!怖いから!!」

璃奈
「ゆうきさん、私も…」

ゆうき
「いや、勿論守るけど!!火に油を注がないで!!」

ことり
「ゆうき君モテモテだねー。」

ゆうき
「棒読みやめて?」

ゆうき
「・・・待てよ。電話?」

せつ菜
「ゆうきさん?どうかしましたか?」

ゆうき
「犯人がどうにかしてかすみを誘い出したっていうなら、電話は第一の候補じゃないか?」

璃奈
「あっ…!」

ゆうき
「電話の履歴を調べてみよう・・・って、部屋には鍵が掛かってる上に、その鍵は行方不明だっけ?」

ことり
「それなら大丈夫だよ!きっとあの人なら……!!」

ゆうき
「えっ?」








「・・・なるほどね。」


真姫
『合宿はどうって連絡しても返事が無いと思ったら、そんな事になってたのね……』

ゆうき
「うん。厄介な事にね……それで……」

真姫
『任せて頂戴。黄色い部屋の電話の履歴よね?』カタカタ

ゆうき
「・・・どう?」

真姫
『・・・無いわよ。』

ゆうき
「えっ?」

真姫
『この三日間、黄色い部屋への怪しい通話履歴は無いわね。
昨日の朝のはモーニングコールでしょ?数回電話してるけど…』

ことり
「うん。それ全部ことりだと思う。」

ゆうき
「二日前の夜は?」

真姫
『無いわよ。その朝の以外履歴は無いわ。』

ゆうき
「なんてこった……部屋の電話で呼び出されたんじゃなかったのか……」

せつ菜
「だとすると……かすみさんのスマホはどうでしょうか?」

ゆうき
「遺体が身に付けてるかも。探してみよう。
真姫ちゃん、ありがとう。また何かあったら電話するね。」

真姫
「……えぇ。何かあって欲しくないけど?」

ゆうき
「………あぁ。」









璃奈
「どう?ゆうきさん。」


ゆうき
「………駄目だ。見当たらない。どうやら殺された時は携帯を持ってなかったらしい。」

ことり
「証拠になるから犯人が持ち去ったとかは?」

ゆうき
「手荷物検査されたら一発アウトだろ…
てか、それなら指紋残さないようにだけ注意して、メール自体を消せば良い話だし。」

せつ菜
「陸の孤島になっているここでは、内部に残ってるであろう履歴も調べようがありませんからね。」

ゆうき
「うん。」

ことり
「でも、これじゃあかすみちゃんがどうやって犯人に呼び出されたのか分からないままだよ…」

ゆうき
「まぁまぁ、少なくとも部屋の電話や携帯じゃない事は分かったし…」

璃奈
「えっ?」

せつ菜
「ま、待ってください!部屋の電話は分かりますが、何故携帯でも無いと言えるのですか!?」

ゆうき
「だってさ、携帯で場所とか時間とか指定されて呼び出されたとしたら、
それをすぐに確認出来るように携帯を持ち運ぼうって普通はなるでしょ?」

ゆうき
「さらに、かすみが殺された時間は夜のうちなのは間違いない。
夜の暗い時間なら、ライト代わりにもなる携帯を持ち運ぶのは普通の行動だろ?」

ゆうき
「それが無いって事は、携帯で呼び出されたワケじゃない。
または、部屋に置いてあっただろう携帯を、手に取る暇も無く犯人に襲われた…って事になる。」

ことり
「確かに、お風呂に携帯持っていくなんて普通はしないもんね。家ならする人もいるだろうけど…」

せつ菜
「それに、真っ暗な中を歩くなんて怖いですし、第一危ないですもんね。納得です。」

璃奈
「でも、結局謎が深まった…」

ことり
「犯人はどうやってかすみちゃんを呼び出したのかな?」

せつ菜
「……こういうのはどうでしょうか?扉に手紙のようなものを挟み込んでおいて、それで呼び出した、というのは……」

ゆうき
「それならそれで絶対かすみがその紙を持ってるハズだろ…
まさか手書きなワケないし、犯人が持ち去る事も無いだろうから…」

せつ菜
「……そうですよね………」

ゆうき
「そう単純に解ける事件じゃないよ。これは……」

ことり
「うーーーん・・・」

ゆうき
「取り敢えず、もう少ししたらエマちゃんに話を聞いてみたいかな。そろそろ落ち着いた頃だろ。」

せつ菜
「でしたら、それまでにスクールアイドル衣装に着替えても良いでしょうか?
気分転換に歌って踊ってすれば何か名推理が浮かぶかもしれません!!!」

ゆうき
「何それ……まあ良いけど。」

ことり
「じゃあことりも着替えちゃおうかな♪実は衣装持ってきてるんだ!」

ゆうき
「初耳なんですが」

ことり
「えへへ……折角だし合宿の最後は皆とライブ…とか考えてたんだよ。…もう、幻になっちゃったけど……」

ゆうき
「・・・・・・」

ことり
「……………ごめんね、ゆうき君。」

ゆうき
「なんでことりちゃんが謝るの?ことりちゃんは何も悪くないじゃん。」

ことり
「……………ありがとう。」

せつ菜
「では、ちょっと着替えてきますね!」

ことり
「着替えたらすぐ戻るね♪」

パタン…


ゆうき
「・・・璃奈ちゃんは着替えないの?」

璃奈
「うん。なるべく1人になりたくないから。」

ゆうき
「そっか。」

璃奈
「……でも、お手洗いだけ行ってきていいかな?
ちょっと前から我慢してて…璃奈ちゃんボード「もじもじ」」

ゆうき
「いいよいいよ。行っといで。汚ないけどこの部屋のすぐ横にあるからさ。」

璃奈
「うん。ゆうきさんありがとう。」

ゆうき
「何かあったら大声出してね。すぐ行くから。」

璃奈
「……意味無いと思うけど。」

ゆうき
「えっ?」

璃奈
「…あっ、もう我慢出来ない…璃奈ちゃんボード「ダッシュ!」」ガチャ

ゆうき
「行っちゃった………「意味無い」って何だよ……」






せつ菜
「ふぅ……」ガチャ

せつ菜
「……全然分かりませんね。」ゴソゴソ

せつ菜
「一体誰が、かすみさんや愛さんを……」ゴソゴソ

せつ菜
「……ありました、衣装!」

せつ菜
「取り敢えずこれに着替えて、派手に気分転換といきましょう!!!」







ガチャ!


せつ菜
「!!!!!」ハッ









ゆうき
「……数分経ったけど、誰も戻ってこないな…」

ゆうき
「………何か、嫌な予感がする……」






プルルルル・・・


ゆうき
「!!」ハッ



着信

優木せつ菜



プルルルル・・・



ゆうき
「せつ菜ちゃんから電話?何だ…?(ピッ)もしもし?」



「ぅ・・・・・・ぁ・・・・・・」



ゆうき
「!?…どうした!大丈夫か!?もしもし!」


「ぁ…………ぁぅ………」


ゆうき
「(様子がおかしい…!)」

ゆうき
「せつ菜ちゃん!せつ菜ちゃんなのか!?今何処にいるんだ!?」


「…………ぇ…………ゃ…………」


ゆうき
「………!!部屋か!?部屋にいるのか!?」


「…………ぁ…………ぃ…………」


ゆうき
「分かった!すぐにいく!!切るよ!」ピッ


ゆうき
「クソっ!」ダッ


ゆうき
「(せつ菜ちゃん………どうか無事で………!)」ガチャ




ことり
「わっ!びっくりした〜…」

ゆうき
「ことりちゃん!」

ことり
「どうしたの?電話してたみたいなのに急に飛び出して来て……」

ゆうき
「それが……」




璃奈
「……あれ?ゆうきさん?」フキフキ

ゆうき
「璃奈ちゃん!」

璃奈
「どうしたの?部屋の外で…」

ゆうき
「話は後だ!とにかくせつ菜ちゃんの部屋に!!」

ことり・璃奈
「「えっ?」」


ダッダッダ・・・



ゆうき
「えっと……せつ菜ちゃんの部屋ってどれだっけ!?」

ことり
「えっと、赤い部屋だから・・・左から3番目!」ダッダッダ・・・

ゆうき
「OK!………ここか!」

璃奈
「せつ菜さん、何かあったの?璃奈ちゃんボード「はてな」」

ゆうき
「ごめん、説明してる暇は無い。せつ菜ちゃん、開けるよ!」

ガチャ…


ゆうき
「!!!」

ことり・璃奈
「「きゃっ…!」」


せつ菜
「ぅ……………ぁ……………」


部屋の中には、虫の息の優木せつ菜が・・・

血を流しながら、力無く横たわっていた・・・


ゆうき
「まだ生きてる…!ことりちゃん、早く手当を!」

ことり
「・・・ごめんなさい。大した道具も無いし、こんなに出血してたら、もう………」

ゆうき
「そんな……」

璃奈
「……救急車は?」

ゆうき
「無理だよ。まだ崖崩れでここは陸の孤島なんだ。とても間に合わない…」

璃奈
「そっか……璃奈ちゃんボード「ぐすん」」


せつ菜
「ゅ………ぅ………」

ゆうき
「ごめん。せつ菜ちゃん。俺は無力だよ。」

せつ菜
「ぁ……………」

ゆうき
「人一人守れない。愚か者だ。」

ことり
「ゆうき君・・・」

せつ菜
「…………ぅ……………ぅ……………」

ゆうき
「………でも、誓うよ。」

ゆうき
「君をこんな目に遭わせた犯人は絶対に捕まえる。」

せつ菜
「ゅ……………ぅ……………」

ゆうき
「同じ"ゆうき"の名を持つ人間として、君の無念は絶対に晴らす。」

せつ菜
「……………ぅ……」

ゆうき
「………でさ。こんな事するのはズルかもしれないけど…」

璃奈
「?」

ゆうき
「……最期に、君は誰にやられたのか、教えてくれないか……?」

せつ菜
「……………ぅ………」

せつ菜は応えるように小さく呻くと、最後の力を振り絞り・・・









ビシッ…


ゆうき
「はっ………?」

ことり・璃奈
「「えっ………?」」


ーーーーー震える指で、ゆうきを指差した……


ゆうき
「ちょっ、何で俺なんだよ!どういう事だよ!せつ菜ちゃん!!」

せつ菜
「……………」

ズルツ…

ゆうき
「!!………せつ菜………ちゃん………」

璃奈
「死んじゃった………せつ菜さんも………璃奈ちゃんボード「うわーん!」」

ことり
「ゆうき君・・・」

ゆうき
「………………」


優木せつ菜は、俺達の見守る前で静かに息を引き取った・・・

最期に、謎のメッセージを残して・・・

第8章 こころ、つよく ( No.549 )
日時: 2022/12/08 22:10
名前: ゆうき ◆3kcYqPadC. (ID: Zn8srJeM)

ここまでのあらすじ

ニジガクこと虹ヶ咲学園のスクールアイドル同好会の合宿のお目付け役になったことりちゃんとおまけの俺、ゆうき。

やって来たのは今回の合宿の為だけに作られたという館、その名も「虹色館」。
文字通り色とりどりの部屋がある館だ。

だがそんな館にやって来た翌日、中須かすみが何者かに殺害されているのが発見され、
更に翌日、宮下愛までもが殺害されてしまう。

そして更に数時間後、1人になった隙を襲われた優木せつ菜もまた、俺達の目の前で死亡してしまった・・・

果たして3人もの人間を殺害した犯人は誰なのか。
残されたメッセージが鍵となるのだろうか…




歩夢
「そんな……!せつ菜ちゃんまで…!?」

ゆうき
「うん………残念だけど………」

ことり
「……………」

璃奈
「……………」

果林
「これで3人目……一体何人殺すつもりなのよ……」

彼方
「彼方ちゃん、怖い……」

しずく
「今、殺される事を恐れても仕方ありません。ゆうきさん、せつ菜さんの事件で何か分かった事はありますか?」

ゆうき
「……死んだのはついさっき。犯人に襲われてからもほぼ時間は経ってない。
……ほんの10分くらい前までは、俺の隣で笑ってたんだけどな…」

歩夢
「なんでゆうきさんはすぐ現場に行けたの?」

ゆうき
「電話だよ。せつ菜ちゃんから電話が来たんだけど、様子がおかしくて…部屋に行ってみたら…」

ことり
「で、でもさ!その直前に襲われたって考えるなら、ことりと璃奈ちゃんには犯行が難しいんじゃないかな?」

璃奈
「………うん。部屋から出てきたゆうきさんに会って、一緒にせつ菜さんの部屋に行ったから…」

ゆうき
「璃奈ちゃんに関してはちゃんとお手洗いから出てきたし、不可能って言っていいだろうね。
まあことりちゃんも難しそうかな・・・」

ことり
「皆はどう?誰かと一緒にいたとかある?」

しずく
「いえ、私は1人で部屋に…」

歩夢
「私も…」

彼方
「彼方ちゃんもだよ〜」

果林
「私も同じね。どうやらことりちゃんと璃奈ちゃん以外は犯行可能みたいね。」

璃奈
「………あれ?エマさんは?」

彼方
「エマちゃんは、ずっと部屋に閉じこもってるよ〜。なんか今朝から元気無いよね〜」

しずく
「逆に彼方さんはいつも通り過ぎる気がしますけどね…」

彼方
「失礼な。これでも彼方ちゃん参ってるんだよ〜?」

ゆうき
「とにかく、ことりちゃんと璃奈ちゃん以外は犯行可能なんだね。」

歩夢
「うん。他には何か情報は無いの?」

ゆうき
「………うん。最期にせつ菜ちゃんがメッセージを残してくれて……」

しずく
「!!……本当ですか!?」

果林
「せつ菜は何て言ってたの?」

ゆうき
「……何か喋ったワケじゃないけど、俺が「誰にやられたんだ」って聞いたらーーーーー」








彼方
「えぇっ?ゆうき君を指差したの?」

ことり
「うん。何故か分からないけど、ゆうき君を…」

璃奈
「私も見た。璃奈ちゃんボード「びっくり」」

彼方
「意外な展開……彼方ちゃんもびっくり…」

歩夢
「………って事はやっぱり!ゆうきさんが犯人なんだ!!」

果林
「ちょっ、歩夢!」

しずく
「歩夢さん、またそんな…!」

歩夢
「だって、そう考えたら全部納得出来るじゃん!かすみちゃんの事件も!愛ちゃんとせつ菜ちゃんのメッセージも!全部!!」

ことり
「……歩夢ちゃん、そんなにゆうき君を犯人にしたいの?」

璃奈
「ゆうきさんが怪しいって思うのは分かるけど、決めつけるのは駄目だと思う。璃奈ちゃんボード「ぶっぶー」」

歩夢
「だったらどう解決すれば良いのか教えてよ!私だってことりちゃんの手前、ゆうきさんが犯人だとは思えないけど……
でも、そうとしか考えられなくて……!」

しずく
「だから皆で考えるんですよ。これ以上犠牲者を出さない為にも……」

果林
「そうよ。犯人を捕まえたい気持ちはみんな同じ。でも歩夢は、早く犯人を捕まえようって焦り過ぎよ。」

歩夢
「………ごめんなさい。」

しずく
「落ち着けたなら大丈夫ですよ。」

彼方
「よ〜し、じゃあ推理してみよっか〜。」

果林
「えぇ。取り敢えず、直近のせつ菜の事件ね。
ゆうきさんが犯人じゃないのなら、何故せつ菜はゆうき君を指差したのか。」

ゆうき
「………俺は、せつ菜ちゃんを助ける事が出来なかった。」

ことり
「……ゆうき君?」

ゆうき
「……だからきっと、せつ菜ちゃんは俺に裏切られたって思って、俺に疑いの目が行くような事をしたんじゃないかな…」

璃奈
「そんな事ない、と思う…」

彼方
「そうだよ〜。せつ菜ちゃんはそんな人じゃないよ?」

ゆうき
「……ごめん。慰めなら要らないよ。」ガタッ

ことり
「何処に行くの!?」

ゆうき
「ちょっと1人になりたい。……ごめんね。」

璃奈
「ゆうきさん……」


スタスタ……バタン……


しずく
「………結構、ショックだったみたいですね。」

歩夢
「せつ菜ちゃんが殺された事で、自分の事を責めてるんだね…」

果林
「意外ね。ゆうき君がそんなにせつ菜に入れ込んでたなんて…」

彼方
「ゆうきコンビとかいって、結構仲良さそうだったからね〜。」

ことり
「…うん。せつ菜ちゃんも躊躇なく抱き着いたりしてたし…ちょっと妬いちゃうくらい。」

璃奈
「……やっぱり心配。私、ゆうきさんのところに行きたい。」

しずく
「璃奈さん……なんか璃奈さんも、この数日で大分ゆうきさんと距離が縮まったみたいだね。」

璃奈
「………そうかな?」

しずく
「はい!先程も、当然のようにゆうきさんの隣に立っていましたし……」

璃奈
「……それは、ずっとゆうきさんと一緒にいたから………
ゆうきさん、愛さんが殺されて落ち込んでた私を気にかけてくれて……」

歩夢
「じゃあ、今度は璃奈ちゃんの番じゃないかな?」

璃奈
「えっ……?」

果林
「愛が殺されて落ち込んでた璃奈ちゃんには、ずっとゆうき君が側にいてくれた。支えてくれたんでしょ?」

果林
「じゃあせつ菜が殺されて落ち込んでるゆうき君に、璃奈ちゃんは何かしてあげられないの?」

璃奈
「!!………私、ゆうきさんのところに行ってくる。」

しずく
「えぇ。行ってきてあげてください。」

彼方
「璃奈ちゃんファイト〜」

ことり
「ことりも行くよ。ゆうき君の側にいるって言ったらことりだもん!」

璃奈
「ことりさん…しずくちゃん達も…ありがとう。行こう。」

ことり
「うんっ!」


ガチャ…バタバタ……






しずく
「ふふっ……璃奈さんが、あんなにゆうきさんを気にかけるなんて……」

果林
「ことりちゃん、うかうかしてたらまずいかもしれないわね。うふふ…」

彼方
「璃奈ちゃんも隅に置けないね〜」

しずく
「妬けちゃうな……璃奈さん。」

歩夢
「……………」ムゥ…

しずく
「………何故、歩夢さんが不機嫌そうなのですか?」

歩夢
「えっ!?べ、別に、そんな事無いよ!?」


果林
「ゆうき君って、ああ見えて結構モテるわよね。」ヒソヒソ

彼方
「彼方ちゃんはよく分かんないけど、不思議な魅力があるのかもね〜。」ヒソヒソ









ゆうき
「(せつ菜ちゃん・・・)」ゴロン


ゆうき
「(せつ菜ちゃんは、やっぱり俺の事を恨んだのかな…)」


ゆうき
「(だから最期に俺を指差して……恨みながら死んでいったのかな……)」


ゆうき
「(恨まれて当然だ……俺は瀕死のせつ菜ちゃんを前に、何も出来なかった……)」


ゆうき
「(それどころか、打つ手無しだったとはいえ、見捨てるような形になってしまったんだ…)」



せつ菜
『じゃあゆうきさん!もし何かあった時に電話したら助けに来てくださいますか!?』

ゆうき
『何かあって欲しくないけど……その時は勿論助けにいくよ。』



ゆうき
「………何やってんだ、俺は…」







ガチャ!


ゆうき
「!」ガバッ


璃奈
「あっ、ごめんなさい……ドア、開いてたから……」

ゆうき
「……1人になりたいって言ったじゃん。」

璃奈
「やだ。」

ゆうき
「えっ?」

璃奈
「愛さんが殺されて落ち込んでた時、ゆうきさんはずっと側にいてくれた。
だから私も、落ち込んでるゆうきさんの側にいたい。」

ゆうき
「ほっといてよ……俺なんかに構ってたら、せつ菜ちゃんみたいになるよ。」

璃奈
「大丈夫。そうなる前に、犯人を捕まえればいい。」

ゆうき
「犯人とかなんとか、そんなのどうだって……!」




璃奈
「・・・えいっ。」ベチッ

ゆうき
「わぷっ!何!?…璃奈ちゃんボード?」

璃奈
「……辛かったら、笑わなくていい。
璃奈ちゃんボードで顔を隠してもいい。」

璃奈
「……でも、逃げるのはダメ。」

璃奈
「ゆうきさん。せつ菜さんに最後に言ってたこと、思い出して。」


ゆうき
『………でも、誓うよ。』

ゆうき
『君をこんな目に遭わせた犯人は絶対に捕まえる。』

ゆうき
『同じ"ゆうき"の名を持つ人間として、君の無念は絶対に晴らす。』



ゆうき
「あっ・・・・・・」


璃奈
「犯人、捕まえるんでしょ?」

璃奈
「それから逃げちゃったら、それこそせつ菜さんへの裏切りになっちゃうよ。」


ゆうき
「………そうだね。どんだけ悔やんでも過去は変えられないんだ。」

璃奈
「ゆうきさん…!」

ゆうき
「必ず犯人の正体を突き止める。そして捕まえる。
それでせつ菜ちゃんを助けられなかった償いになるかは分からないけど…」

璃奈
「そんなのどうでもいい。とにかくやるの。」

ゆうき
「璃奈ちゃん…」

璃奈
「私からもお願い。愛さんやかすみちゃんを…そしてせつ菜さんを殺した犯人を、捕まえて。」

璃奈
「ゆうきさんなら、出来ると思うから。」

ゆうき
「………うん。ありがとう、璃奈ちゃん。」

ゆうき
「改めて誓うよ。3人を殺した犯人を必ず突き止める。この手で捕まえてみせる!」

ゆうき
「絶対にね!!」グッ


Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116