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ロストヒーロー計画(完結)/ラストヒーロー計画
作者: 彩都&Lメイドウィン ◆B/lbdM7F.E  (総ページ数: 221ページ)
関連タグ: メイドウィン小説 オリジナル仮面ライダー 仮面ライダー 原作、設定:彩都、執筆:メイドウィン 
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妻が他界し早くも5年、龍は10歳になっていた


「...」

寅太郎
「...それじゃあ、パパはお仕事行ってくるから、お昼は買って食べてくれ」


「...」

ヒーローの収入はそれなりにあるが、休みはない

...そんなものだから、龍と話す暇もなく、龍も...私と口を聞かなくなった


私は龍のためにカリギュラをやめてしまおうかと考えていた事もあった

しかし...社長は私がやめることをよしとしなかった


小さい頃から憧れていたヒーローと、かけ離れていく

家族にすら愛されない人間なんて、ヒーローにふさわしくないだろう...

寅太郎
「...龍、こんなどうしようもない父親を許してくれ」

...

寅太郎
「はぁ...」

加賀美
「あの...福井寅太郎さん、ですよね?」

寅太郎
「はい、福井は私ですが...」

加賀美
「あの、笹原さんが貴方に言いたいことがあると」

寅太郎
「えっ、笹原さんが...何だろう」

...

笹原
「よう、寅太郎...まぁ、座ってくれ」

寅太郎
「は、はぁ...」


笹原さんは普段お客さんを招く部屋に私を連れて、ソファーに座る...

寅太郎
「あの、それで用件と言うのは...?」

笹原
「なぁ寅太郎さんよ、ヒーローがどうしてヒーローを辞めるか分かるか?」

寅太郎
「え?さっぱり...」

笹原
「家庭が忙しくなった奴とか、単にキャリアが欲しい奴、辛いのが嫌って奴、怪我した奴...まぁ色々あるだろう」

寅太郎
「...それは、私に辞めていただきたいと?」

笹原
「違う違う、いくらエースだからってそんな権限俺にゃねぇよ」

寅太郎
「ですよね...で、どのようなお話で?」

笹原
「俺は近々カリギュラを引退する」

寅太郎
「ええ!?い、引退ですか!?」

笹原
「何驚いてる、俺だってもうオッサンって言われても気にしない年にまでなっちまった、娘なんてもうすぐ高校に入るからな」

寅太郎
「はぁ...左様ですか」

笹原
「で、ここからが本題だ、あんたから見てカリギュラの次世代エースに相応しいのは誰だと思う?」

寅太郎
「え!?なぜ私にそんなことを!?」

笹原
「あんたはここに来て10年以上経つ、年月で言えば俺の次にベテランだ」

寅太郎
「い、いえ...私なんてヒラ同然ですから...」

笹原
「ヒーローにヒラもクソもねーよ、で?誰がいい?」


寅太郎
「ふむ...やっぱり加賀美くんかなぁ、真面目だし優しいし、あれこそ私が子供の頃憧れたヒーロー!って感じですね、ハハ」

笹原
「そう言うだろうと思ったが、俺は反対だ」

寅太郎
「え?何故です!?」

笹原
「純粋すぎんだよ、この仕事はアニメなんかのヒーローと違ってボランティアじゃねぇんだ」

笹原
「後々の為にも、あいつじゃ困るんだよ...」

寅太郎
「は、はぁ...?」

「笹原さん!大変です!!」

笹原
「今取り込み中だ!後にしやがれ!」

「し、しかし!××小学校にダークライダーが!」

寅太郎
「××小学校ですって!?」

龍の通っている小学校...この時間は、まだ龍は校内に...

寅太郎
「笹原さん、お話の途中ですいませんが、言って参ります」

笹原
「おー、気を付けてなー」





笹原
「あいつもダメだな、加賀美ほどじゃねぇが正義感が強すぎる...」

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