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作者: 彩都&Lメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (総ページ数: 221ページ)
関連タグ: メイドウィン小説 オリジナル仮面ライダー 仮面ライダー 原作、設定:彩都、執筆:メイドウィン
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*195*
「はぁはぁ……な、何とか間に合った……」
腕時計を確認、七時五十五分である事を確認した笹原大尽が地面に戦場雁陸人を置いて、息を、深呼吸を繰り返す。すると戦場雁陸人は静かに立ち上がって、『それじゃあ、大尽さん、さよなら。先に試験に登録してくるね』と、発言する。『あ、あぁ』と、返答し、息を整えた後、笹原大尽も『カリギュラ』の中に入る。
「ういーす」
「あっ、今日は大尽さん」
そう言って、昨日戦場雁陸人に殴られた存在、『巨塔』の大陸が挨拶をする。
「おう。それで? 昨日大丈夫だったか?」
「えぇ、大丈夫……じゃないですよ!? 肋骨の半数が折れてしまいましたよ! おまけに背骨にも罅が!」
「そうか、それは大変だな。それで? 昨日殴ったガキはどうだ? 試験に登録したか?」
「えっ? あぁ……一応俺が説明して、何とか登録しましたね。えーと、確か番号は……」
大陸が不思議そうに笹原大尽に返答する。そして静かに笹原大尽は大陸に言う。
「……『2013』、だろ?」
「あっ、はいそうです。ってか、良く知っていましたね、戦場雁陸人の番号を……」
「ばっか。そりゃそうだろう? だって、『2013』番は……」
笹原大尽は無言で言葉を飲み込み、『やっぱ何でもねぇや』と返答する。そして笹原大尽は大陸の前を離れた。大陸は『今日の大尽さんは変だなぁ』と思っていた──
そしてヒーロー試験に参加した戦場雁陸人は椅子に座って待機していた。そして周りをキョロキョロを見ていると、金髪のお姉さんが歩いているのを発見する。あの人、外人かぁ? と思っていると、視線に気付いた金髪のお姉さんが戦場雁陸人に近づいてきて、言葉を発した。
「おう、坊主どうした? 私のナイスばでーに見蕩れていたか?」
「誰がおばさんみたいなお姉さんの体に見蕩れるの?」
「なっ……こンのクソがきゃぁ……てめぇ、名前は?」
「俺? 俺はヒーロー試験に参加している戦場雁陸人って言うんだ、んで、俺の目指す『ヒーロー』は……おっと、流石に知らない人にあまり情報は言わない方がいいんだった」
戦場雁陸人は急いで口にチャックをして、発言を止める。すると金髪のお姉さんが言う。
「へぇ、戦場雁陸人、か……お前、もしもヒーローになったら、ボコボコにするからな?」
「いいよ。勿論何倍にも返してあげるね?」
「ははっ。中々に面白い事を言うガキだなぁ。そうだ、お前が名乗ったんだ、私が名乗らないといけないよな。私の名前は花咲 陸咲(はなさかせ ろくしょう)ってんだ。宜しくな、陸人」
そう言って、金髪のお姉さん……基、花咲陸咲が陸人の頭を撫でる。戦場雁陸人は『どうして初対面なのに頭を撫でるんだろう?』と少し不思議がっていた──そして花咲陸咲は戦場雁陸人から離れ、待機していると、可愛い声の女性が自身の名を呼ぶので、可愛い声の女性に近付いた。
「はい、戦場雁陸人です」
「あっ、陸人君ね? えーと、この中に入ってもらえるかしら?」
「中に? 分かりました」
戦場雁陸人が部屋の中に入ると、中には色々な人達が色々な事をしていた。すると戦場雁陸人の入室に気が付いたトレーナーが戦場雁陸人に話しかける。
「やは、初めまして。私はこの部屋のトレーナーだ。まずはバトルスタイルの測定を行う、格闘術、棒術、弓術、そして剣術の中から好きなものを選んでくれ、選んだスタイルによって測定する競技が変わるぞ」
「……格闘術で」
「分かった。それじゃあ、この試験内容の紙をあげよう」
そう言って、トレーナーは戦場雁陸人に紙を渡した。その紙の内容は、『【格闘術コース(10~15歳向け)】 トライアスロン 瓦割り ソフトボール投げ サンドバッグ打ち、その他と書いていた。そしてトレーナーがまだ言葉を続ける。
「格闘術コースは向こうのグラウンドで行う。遅れないようにね?」
「あい、分かった」
戦場雁陸人はトレーナの話を聞いて、グラウンドへと、駆け足で向かった──
そして戦場雁陸人はグラウンドへ向かい、マラソンの様に走ったり、ハードルを使って、跳んだり、色々な行為をし、内心体力を使っていた。
これが……海斗さんも通った道……! 自分が此処でへこたれてどうする? もしも此処に海斗さんが居たら、『俺を目指してヒーローになりたい奴ぅ? はっ! 弱小だな! これじゃあ、俺に近付く所か、離れている感じだぜ!』とか言いそうだ……だから、へこたれんな! まだ、まだ立ち上がれるだろ!? 戦場雁陸人はそう思いながら、息を一気に吸い、前を向く。まだ、まだ諦めてはダメだ! 海斗さんが居たら、絶対に笑う! まだ、諦めない! 戦場雁陸人が心で鼓舞していると、トレーナーが言う。
「これにてお前達の身体能力の検査は終了とする、そしてしっかりと食事と休息を取り、一時間後の筆記試験に備えるように!」
そう言って、トレーナーがグラウンドを去る。……えっ? 筆記試験? 何の……? 戦場雁陸人はそう思いながら、冷や汗を流す。戦場雁陸人は『戦場海斗』というヒーローを追っていただけ。だから『ヒーロー試験に筆記試験がある』事を戦場雁陸人は知らなかったのだ! うわぁ!? い、い、い、一体どうすればぁ!? そんな事を思っていると、金髪の女性──基、花咲陸咲がグラウンドに入るのを確認する。確かこの人ってこの『カリギュラ』に居るからヒーローだよなぁ? 戦場雁陸人は最後の頼みとして、花咲陸咲を頼る事にし、走って、花咲陸咲の名を叫ぶ。
「りーくーしょーさーぁんー!」
「う、うわっ!? な、何だ陸人!?」
驚く花咲陸咲の胸にダイブする戦場雁陸人、そして戦場雁陸人は花咲陸咲に叫ぶかのごとく言葉を発した。
「陸咲さぁん! た、助けてくださぁい!」
「な、何なんだよぉ!?」
抱き付かれ、驚く花咲陸咲、そんな花咲陸咲に抱き付く戦場雁陸人。『と、とりあえず、話を聞くから、離れてくれ?』と花咲陸咲が言って、戦場雁陸人は離れる。すると戦場雁陸人のお腹が鳴った。その音を聞いた花咲陸咲は溜息を吐いて、『食堂に向かおうか』と言い、戦場雁陸人、花咲陸咲の二人は『カリギュラ』の食堂へと向かう──戦場雁陸人は何故自分に抱き付いてきたのか? 花咲陸咲は不思議に思いながら、横目で『この人は大丈夫だよなぁ? この人は大丈夫だよなぁ?』と小声で繰り返す戦場雁陸人を見つめた──