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ロストヒーロー計画(完結)/ラストヒーロー計画
作者: 彩都&Lメイドウィン ◆B/lbdM7F.E  (総ページ数: 221ページ)
関連タグ: メイドウィン小説 オリジナル仮面ライダー 仮面ライダー 原作、設定:彩都、執筆:メイドウィン 
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ラストヒーロー計画 第一部 訓練と特訓編 第一章 一ヶ月

「……暇だなぁ」
 そう呟いて、戦場雁陸人は虚空を見つめた。陸人は数日前、ヒーローの資格を手に入れた。だが、ヒーローのユニフォームを作るので、時間が掛かるという。その間、特訓をしよう、と考えたが、一人で特訓する方が好きなので、二人以上の場所では特訓したくなかった。そして陸人はのんびり歩いていた──
「はぁ、何かないかなぁ……っと、あれっ? 此処は……喫茶店?」
 陸人がそう言って、『喫茶店『Baron』という店を見つける。だが、まだお店は『開店準備中』と書いてあった。はぁ、最近出来た店なんだなぁ、と判断して、『喫茶店『Baron』の前から去ろうとすると、『おい君!』と声がした。
「おい君! この店に入りたいんだろう?」
「……えっ? いや、別に、新しい店が出来たなぁ、って思っただけで……」
「そうかそうか! それじゃあ、入ってくれたまえ! 少しは歓迎する!」
「は、はぁ……」
 陸人の前に現れた存在によって、強制的に『喫茶店『Baron』に入る陸人。一体この人は誰だろう? そう思いながら陸人は周りをキョロキョロと確認した──

『喫茶店『Baron』、店内はカウンターが10席程あり、テーブル席もあった。此処で宴会とかも出来そうだ。
「フフフ、懐かしいなぁ! 初めまして、私は辰馬木(たつまき)黄葉(もみじ)、このお店、『喫茶店『Baron』の店長だ!」
「そ、そうですか……でも、良いんですか? まだ店内は開店しないのに、俺を入れて……」
 陸人がそう言うと、黄葉は淡々と答える。
「ハッハッハッ! いいのさいいのさ! それはどうでも良いんだ。それで、此処は喫茶店だ、何が飲みたい?」
「そ、それじゃあ、ミルクで」
「ミルク? あいよぉ、牛乳の方がいい? コーヒーのミルクをお湯で溶かしたのが良い?」
「えっ? じゃあ、前者」
「分かった!」
 そう言って黄葉は冷蔵庫から1Lパックの牛乳を取り出し、コップに注ぐ。コップは紙コップで少量しかなかった。
「はい、百円だよ!」
「百円? こういう時は無料じゃないのか……」
 陸人はそう言って、財布を取り出し、一万円を支払う。
「一万円……? ゴメン、此処に来るお客さんがいないから、そんな大金支払えない……」
「そうですか、それなら、五百円玉で」
「うん、ゴメンね……」
 黄葉は陸人から五百円を受け取り、お釣り四百円を陸人に渡す。陸人は財布に四百円を入れて、目の前の牛乳を飲んだ──うっ、案外冷たいなぁ……でも、この牛乳、美味しいなぁ……そんな事を思いながら、陸人は牛乳を飲み干した──

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