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ロストヒーロー計画(完結)/ラストヒーロー計画
作者: 彩都&Lメイドウィン ◆B/lbdM7F.E  (総ページ数: 221ページ)
関連タグ: メイドウィン小説 オリジナル仮面ライダー 仮面ライダー 原作、設定:彩都、執筆:メイドウィン 
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 そして一つの部屋に辿り着き、二人は部屋の中に入る。
「お邪魔します! 数日前にヒーローの資格を手に入れた竹丸です! 宜しく御願いします!」
「おう、宜しくぅ! っと、後ろのは?」
「あっ、コイツも俺と一緒で」
「陸人、戦場雁陸人、と申します」
「そか、それは嬉しいぜ! 俺の名前は福石(ふくいし) 建(たつる)と言う。宜しく! 一応君達の先輩となるのかな?」
 そう言って、爽やかそうな青年、福石建が元気に言う。陸人は静かに見つめていた。
「あの……これらは?」
「あぁ、ダークライダーの固さを模したマネキンだよ! 五年前に開発されたんだ!」
「へぇ……」
 陸人は建から話を聞き、マネキンを触る。もしも海斗さんが生きていたら、このマネキンと練習していたのかな? と考える。そして右手を後ろに引っ張って、腰を少し捻らせ、軽くパンチを放った。すると『ボゴンッ!』と大きな音を立てて、90°、直角に曲がって、その後、曲がった威力で元の位置に戻り、マネキンの胸筋で陸人の顔面を攻撃した。
「いでしっ!」
 陸人はマネキンの威力で後転する。すると、建が驚愕して、体を動かす事が出来なかった。嘘だろ……だってあのマネキンは『ダークライダーの固さを模したマネキン』だぞ……!? 下は備え付け、更にマネキンの根元はバネとなって、元に戻ってくるが……凄腕の仮面ライダーソウルでも、『あのマネキンの角度を30°程度しか傾ける』事しか出来ないぞ!? それなのに、あの少年、確か陸人と言ったな? 一体……? 建がそんな事を考えていると、陸人が言う。
「いやぁ、案外硬いなぁ? 鼻血が出てきた……!」
 陸人がポケットからティッシュを用意し、適当に丸めて、鼻に突っ込む。そして衝撃的な言葉を発す。
「よし、軽く殴ったから、『体が少し温かくなった! 今から本気で殴る』か!」
「…………!?」
 い、今何て言った? 『体が温まったから本気で殴るか』、と言ったのか……それじゃあ、『今さっきのパンチは軽く打った』って事か!? ってか、コイツ、凄腕のライダーより凄い新人じゃあ……!? 建がそう思っていると、思いっきり息を吸って吐く陸人を確認する。
「さぁ、行くぞぉ……」
 陸人はそう言って、思いっきり息を吸い、左足で思いっきり、地面を踏み、思いっきり上半身を右側に捻り、思いっきり右手でマネキンをぶん殴った。すると『ベリッゴッ!』と大きな音を立てて、『マネキンが宙を舞った』、まるで『今迄浮かない物が浮いた』ような感覚を建は感じていた。そしてマネキンは宙を舞った後、一番奥の場所に落ちた。
「…………!?」
「おぉー! すげー! 流石陸人ぉ!」
「アハハ、こんなの軽くて驚きだよぉ?」
 そう言う陸人を見て、建は『化物だ、化物が現れた!』と思い、急いで部屋を出る。二人は『一体どうしたんだろう?』と思いながら、建の後を見つめた──

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