小説ができあがったら

だれも読んでくれない(レスをかえしてくれない)から不安……

たくさんの人が自分の小説を読んで感動してもらいたい、酔いしれてもらいたい、その願望は小説を書く以上誰にもあるものです。 表現行為の本質ですし、ごく自然なことですね。

ただ初めは「小説を投稿したとたんすぐにレスが来る」と思ってしまいがちですが、連載開始直後は特に感想などを述べる段階でないので、コメントをつけないのが大半の反応です(様子見)。自分が書き手でなかったら、知らない人の新規連載スレッドに対してどういうふうに接するかということを想像してみるといいかもしれません。通常は、書き手のことも、小説の話の流れもよくわからないうちから、いきなりレスはしないですよね。
「参照(ページビュー)は多いのにコメントがないよ……」と嘆く必要はありません。
だれかの目に確実に触れているという事実に感謝しながら、淡々と自分のペースで続きを書き続ければOKです。


自分のペースで気ままに連載(更新)をしよう

更新をせかされても気にする必要はありません。ここは強制されて書く場所ではありません。
更新を急かす理由には2通りあって、善意と悪意があります。
詳しくは書きませんが、だからこそ自分のペースをつかんで周囲に惑わされないことが大事になってきます。
一度ペースをつかんでしまえばこっちのものですから、頑張って会得してみてください。


本当に書きたいことを素直に書こう

10人中10人に好かれることを目指していませんか?
本当に書きたいことがかけなくなり、嘘つきな良い子ちゃん作文になってしまいます。
しかも、作者の偽善の意図は、読者にも真っ先に伝わってきます。学校の授業じゃないのですから、できもしないのにうまいことを言おうとしたり、思ってもいないのに正論をかましたりする必要はありません。
表現上狙ってやった効果ならまったく問題ないですが、無意識にやっているなら人気が出ない理由のひとつであるかもしれませんので、もう一度読み直してみるといいかもしれませんね。
鵜呑みにする必要はありませんが、「○○だと感じた」読者様のご意見・感想があるなら参考にしてみてもよいかもしれません。

小説を読む全ての人の心を動かす小説を書くというのは、プロの小説家の方々にとっても、難題だと思います。
正論で語りきれないところにドラマが生まれますから、あなたがそのときその状況で選びとった色の小説を書けばよいです。

貴方がえらんだその色を嫌いだと思う人は必ずいますので、そうした人には読まれないでしょう。
けれど、その色を嫌いでない人には読んでもらえるかもしれません。
それで良くないですか?


小説を書きあげたらしばらく小説から離れましょう!

2~3週間は小説から離れた生活を送ってリフレッシュしてみましょう!
その後に自分の作品を読むと、自分自身の心のテンションがリセットされていることもあって、あれ?思ったより面白くないな、思ったより面白いな、等々、違った見え方をすることがあります。
変えたほうがいいとき変えないほうがいいとき、色々難しい点はありますが、次回作以降、執筆するときにとても役にたちます。

読者として自分の小説を楽しんでよめたかどうか、つまらないと感じた部分があったとすればそれはどこか、など自分で自分の小説を「商品」だと思って、ぜひ読んでみてください。


じぶんらしい小説スタイルでとにかく「書いてみる」

一般的に読者に読みづらく表現者に読みやすい「台本」「脚本」小説でも何でもいいです。
そのジャンルにも立派なプロの道があります。まずは自分にできる手法で、小説にトライして下さい。


台詞小説を読むコツ

ちなみに、台本小説を読む場合は、読者側にもちょっとしたコツがあります。
「演出・監督」のつもりで読むということです。あるいは、作品の特定の登場人物になりきって「演者のつもりで読む」というのもいいかもしれません。
台詞やト書き以外の解釈設定については自分自身で「補ったり」「自由に作り出し」ながら読むのです。

台本小説とは、もともと機微やニュアンスまでは文章で表現されているわけではない=じぶんなりの解釈や設定を行いながら読み手自身が答えを作り出して読み解くもの、とあらかじめ認識しておけば、意外とすんなり作品の面白さや世界観を感じることも可能です。
台本小説を読むのが全然苦にならない人は、文章を読む際にこうしたコツをつかんでいると思われます。


プロ並みの才能があるかないかは、書きつづけてみないとわかりません。

最初は子供のなぐり書きの作文みたいな出来ばえであっても、終わりまで責任もって書き上げてみる体験を積み重ねて、体や脳に刻み込ませる感覚として学び取っていくことが大切だと思います。

  • ・最初はまったく駄目で、あるとき何年かたって突然急激な(あるいはじわじわと)変化を遂げる人
  • ・最初から人の心をわしづかみにする文章が無意識に書けてしまうプロ一直線の人
  • ・最初からまったく駄目で、ずっと駄目だったり、技術以前に心が折れる人
もっとあると思いますが、「小説が好き」という気持ちには色々な幅があって、またそれでよいのだと思います。


ストーリの中盤くらいまで、基本的にレスはつきません

そう思っていたほうがいいです。レスはつかなくても、自分が思っている以上に結構読まれているものです。
投稿を何日も、何ヶ月もねばりづよく続けていくことで、読んでいるだけだった人もコメントをくれはじめたりします。


最終的には読者様がきめる

自分が「こう伝えたい!」「こう伝わってほしい!」と練りに練って、苦しみつつも全力で表現した作品…。
しかし、自分が意図したようには伝わってなかった!なんか違う風にうけとられちゃってる!なんで…!?

それで、いいんです!

作品を生み出すのはたしかに作者ですが、それを読み、どう感じるかは読者のもの(自由)です。
その作品に対する読者個々の感じ方や読み取り方にまで指図することは不可能です。

完成して他人に読んでもらったその先まで関与していく必要はありません。
思う存分自由に読んでいただきましょう。読者様は、人によっていろいろな反応をします。

「面白かった」と感じたときでも、

  • ・嫉妬で荒らしまがいのコメントをする人
  • ・ずばりなご指摘・感想コメントを書く人
  • ・とんちんかんなご指摘・感想コメントを書く人
  • ・すなおなご指摘・感想コメントを書く人
  • ・コメントをそもそも書かない人
  • ・コメントしないが良スレあげで支援してくれる人

それらの合わせ技、などなど実にさまざまです。

どういう反応がかえってきたとしても、あまり読者に翻弄<ほんろう>されすぎることなく、冷静に読者それぞれの反応を見きわめましょう。
悪意なのか、善意なのか、とか。励ましなのか、荒らしなのか、とか。意外と好意や評価の裏返しなんかもあったりしますよ。
そんなわけで、おおらかに作品の行く末を見守りましょう。


「もう無理……」と思ったら

それでもコメントをもらえなくて、モチベーションが下がって書けない等々、小説の書き手として未来が自分に見えなかったら、それはそれで、他に才能を開花させる場所があるとか、今は書く時期じゃないというサインです。ですからまったく落ち込む必要はありません。
「商品」としてその小説を見た場合に値がつかない、もしくは商業的に成功すると考えにくい、とはいえるかもしれませんが、あなたに「小説を書く資格がない」ということでは決してありません。小説を書いてはいけない人なんていません。

同様に、無理に書かなくてはいけないなどと思いこまなくても良いのです。
「書くのをやめる自由」「書かない自由」も皆持っています。

趣味として小説が好き、という想いはずっと大切にしながら、荒削りだけれど現在進行形でがんばっている小説執筆者様たちに感想やエールをよせて成長を見守ったりするのも、とても神聖な行為だと思います。