コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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【参照1000越え】ワールドエンド【感謝】
日時: 2016/01/16 22:38
名前: 凜太郎 (ID: 6kBwDVDs)

 初めましてか何度目まして。
 凜太郎といいます。

 今回から書いていく物語は、とある引き籠り少年がゲームに閉じ込められる話です。
 超人気オンラインゲームに閉じ込められた多くの人々。
 彼らの運命やいかに!

 他にも、同ジャンルに音の無い恋という作品を出しています。
 もしよければ、そちらも読んでください。

 では、よろしくお願いします。

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Re: ワールドエンド ( No.32 )
日時: 2015/07/03 21:25
名前: 凜太郎 (ID: kct9F1dw)

25:本拠地

 右を見て、左を見て、もう一度右を見て、敵がいないことを確認する。
 一歩歩いた瞬間、なんとナイフが飛んできた。

「意味ねぇ〜ッ!」

 情けなく叫びながら、後転をするようにかわす。
 そして飛んできた方向をみると、何人かの男達がこちらを見下ろしていた。
 たしか、『投剣スキル』とかいうのがあったはずだ。
 僕は剣を抜き、構える。
 直後、大量の剣と矢が降りそそぐ。

「うおらああああああああああああああああああああああああああああッ!」

 喉が枯れるほど叫びながら、それらを弾く。
 最近叫びながら戦うことが多いな、と思いながら、僕は男達の方に駆ける。
 そして、ジャンプをして体を捻り、そいつらをぶったぎる。

「て、敵襲ッ!敵襲ッ!」

 情けない声でどこかに叫びながらどこかに行こうとするのを死なない程度に斬り、他の奴らにぶつける。
 そして一人の髪を握り、僕と目を合わさせる。

「ボスは、どこだ?」
「ひっ・・・ぜ、絶対言わねえよッ!」
「・・・ま、それも予想通りだけどさ」

 僕はそう呟いて、彼の口に剣を突き刺す。
 もう、殺さないという決意は捨てよう。
 向こうも僕を殺す気満々みたいだし。
 僕は男の体が弾けるのを確認した後、周りにいた奴らを適当に切り刻んでいく。
 そして、特に防御が厚かった部屋に入ると、1人の男がいた。
 金髪をオールバックにしていて、中々のイケメンだ。

「君が・・・・・・俺の仲間を倒したのか?」

 僕は小さく頷いた。
 すると、表情に影ができた気がした。
 直後、脇腹に痛みを感じた。
 見ると、ナイフが刺さっていた。
 よく見れば、彼は何かを投げたような態勢をしていた。
 たしか、『クイックショット』だったか・・・。
 さらに、肩、足の付け根にナイフが刺さる。
 僕は慌ててそれを抜き、出血しない内に回復させた。
 彼は、ギロッと僕の顔を睨む。

「彼らは、俺にとってとても大事な仲間だった。なのに殺して、君は、もしやブレイドの仲間なのか?」
「いや、ブレイドってなんだよ。僕はあくまでこの戦争を終わらせに来ただけさ」
「へぇ。それじゃあ、俺を殺すのかな?」
「あぁ」
「ハハッ、面白いね。やってみれば?」

 途端、両肩にナイフを刺される。
 激痛に動きが止まった瞬間、心臓にナイフを刺される——よりも先に体を捻りなんとかかわす。
 しかし、腕を振ったせいで肩に激痛が走り、僕はその場に蹲った。
 瞬間、3本のナイフが降りそそぐ。
 僕はそれもなんとかかわし、剣を構え直す。
 徐々に減るHPを無視して僕は一気に突進した。

「『ファイアフォース』ッ!」

 燃える剣は一気に男の体を真っ二つに——する前に空を切った。
 彼はしゃがんでそれをかわし、僕の足にナイフを刺す。

「ああああああッ!」

 僕は絶叫し、急いで全てのナイフを抜く。
 そして回復。
 その間に彼はナイフを構えてニヤリと笑った。
 いや、よく見るとナイフより少し大きい、短剣のようだ。

「結構粘るね。面白いよ」
「ハッ、そりゃどうも」

 僕は一度距離をとり、目に意識を集中させた。
 そして、男が自分に突進してくるのをちゃんと目視で確認できた。

「オルァッ!」

 まず、片手の短剣を弾き落とす。
 そして、もう片方の手で持ってる方を足で蹴り落とし、そのまま肩に足を乗せ、後ろに倒す。
 そして、喉元に剣を突き立てた。

「ハァ・・・はぁ・・・・・・勝った・・・・・・」

 僕の呟きに彼は顔をしかめ、起き上がろうとするが、僕のホールドによって起きれないようだ。

「ぅぐっ!」
「じゃあ・・・死ね」

 喉に剣を突き刺し、横にスライドする。
 すると、男の頭は2,3回瞬きをして、目を閉じた。
 そして、胴体の方の首から血が噴き出た。
 僕は立ち上がり、基地を出た。

Re: ワールドエンド ( No.33 )
日時: 2015/07/03 21:26
名前: 凜太郎 (ID: kct9F1dw)

26:オーディション

 ダイキやラルナ達もなんとか勝ったらしく、僕らはなんとか鎮圧することに成功した。
 そして、何故か僕らの名前が有名になった。
 一日にして大規模ギルドが二つも崩壊したのだ。
 しかも、両方を壊したのが、こんな小規模ギルドだなんて信じられないだろう。
 そして、それから入りたいという者達が集まった。
 これは、あくまでその1シーンだ。

「どうも!レベル24のラテルといいますッ!職業は盗剣士ですッ!よろしくお願いしますッ!」
「えっと、ここに入りたい理由は何かな?」
「それは、あなたたちのニュースを聞いて、俺もここで戦いたいと思ったからです」

 まず、理由がほとんど同じ。
 さらに、人が苦手な僕にとって、何度も色々な人と話すというのは苦痛でしかない。
 しかも、仕上げはこれだ。

「理由はそれだけなの?」
「え?まあ、はい」

 みんな、あの出来事が理由ってだけなのだ。
 僕としてはもう少しちゃんとした理由を持ってほしいのだ。
 そして、トドメがこれだ。

「それだけが理由っていうのなら、無理じゃないかな」
「そうですか・・・分かりました」

 熱意がない。
 僕としては誰でも彼でも入れたくないのだ。
 そして、一日中人と会話をさせられた僕はソファの上で横になっていた。

「お疲れ」

 見ると、ラルナが笑顔で立っていた。
 その笑顔だけで僕の心は癒された。
 僕は体を起こし、横に座らせた。

「大変、だね。あんなにたくさんの人と話して」
「うん。分かってくれる人なんて初めてだよ」
「私、実は、コミュ障なので、ちょっと、分かるよ」

 そういえば、最近敬語じゃないよな、なんて考える。
 しかし、まさかラルナもコミュ障だったとは。
 僕は、驚きをそのまま言葉にする。

「そうなの!?実は、僕もなんだよね・・・」
「えッ!?」

 ラルナは目を見開いた。
 そして、ニッコリと笑った。

「私達、似た物同志ですね」
「うん、そうだね」

 僕は、ちょっとだけ彼女の指に触れたりしてみる。
 胸が熱い。

「じゃあ、僕もう寝るね!」

 できるだけ元気よく言った。
 すると、ラルナは優しい笑顔で一言。

「おやすみなさい」

 僕は、赤くなった顔を隠すように部屋に戻った。

Re: ワールドエンド ( No.34 )
日時: 2015/07/03 21:45
名前: 凜太郎 (ID: kct9F1dw)

27:合格者

 僕はただただ作業をしていた。
 合格、不合格の文字をとにかく書きまくった。
 腕が痛くなるが、知ったことじゃない。
 しかし突然、手が滑りペンを落とした。

「あっ・・・・・・」

 それとほとんど同時に集中力が切れる。
 僕は溜め息を吐き、拾う。
 そしてまた再開する。
 それを、三日間続けた。

「それじゃあ、合格者を発表する」

 僕はそう言った後で、まるで入試のようなかんばんを隠していた布をとる。
 そして、名前が露わになる。
 すると、喜ぶ者とがっかりするものに分かれた。
 僕は、それをほっといて部屋に戻った。

「疲れたぁ・・・」

 三日ぶりのベッドに、僕は涙すら流しそうになった。
 そして、眠りについた。

Re: ワールドエンド ( No.35 )
日時: 2015/07/03 22:41
名前: 凜太郎 (ID: kct9F1dw)

28:新入り達

 目が覚めると、すでに12時間も経っていた。
 ボーッとした感じで天井を見上げてると、バフッと顔にやわらかい感触がした。

「・・・・・・?」
「すごい寝てたのね。そんなに疲れてたんだ?」

 声の主は影丸だった。
 顔は見えないが、なんだか呆れたような声だな。

「そうだね」
「ん?意外とあっさりしてるじゃない」

 そこまで言ってまくらをどかした。
 僕は体を起こすと、影丸をみた。
 彼女はニッコリ笑って言った。

「それじゃ、新入りの所に行ってやりなよ」

 僕が行くと、みんな声をあげ、次々に賞賛を述べてくれた。
 足がすくむ。
 でも、なんとか声を出す。

「どうも。僕はこの『オーバーワールド』のリーダーのセツトです。今日から、よろしくお願いします」

 軽く自己紹介をすると、みんな拍手をする。
 お?意外といけるじゃないか。
 ちなみに、新入りの数は32人。
 合計でこのギルドは36人になった。
 なんとなく小さなベランダのような場所に行ってみた。
 すると、ラルナちゃんがいた。

「あ、セツト君・・・」
「ラルナちゃん、奇遇だね」
「うん。そうだね」

 僕らは星空を見上げた。

「あれから、もう一ヶ月以上、経ったんだよね」
「そうだね」
「長いよね」

 そして流れる沈黙。
 なんとなく彼女の顔を見る。
 月の光によって、少し妖艶なかんじがした。
 そして、永遠に思えるような時間が経った。
 僕は、笑顔で言った。

「風邪ひくといけないし、部屋に戻ろうか」
「え?う、うん。そうだね」

Re: ワールドエンド ( No.36 )
日時: 2015/07/04 16:14
名前: 凜太郎 (ID: kct9F1dw)

29:ドラゴン乗り

 さて、色々あってすっかり忘れていたのだが、ドラゴンレースで勝利したドラゴンナイトはドラゴンに乗ることができるのだ。
 うん。こんなにドラゴンって言ったのは今日が初めてだ。
 僕はそんなことを考えながら、景色を見た。
 次からはラルナちゃんとか乗せたいなーとか考えてると、突然ガクンッと下がった。

「うわっ!?」

 慌てて立て直す。
 そして後ろを見ると、ドラゴンの体に槍が深々と刺さっていた。
 さらに遠くを見ると、別のドラゴンに乗った男がいた。
 恐らく、去年よりも前の年の優勝者か。

「な、なんで!?」

 僕は手綱を引き、男に向き直る。
 槍を抜き、それを騎士とかみたいに構える。
 そして、一気に突進させた。
 しかし、かわされる。
 僕は叫んだ。

「どうして突然攻撃なんかするんだ!僕が君に何かしたか!?」
「何もしてない」

 男の一言に、僕は口をつぐんだ。
 彼は僕を見て、さらに言葉を続けた。

「俺は、とあるギルドと取引をしていた。だが、先日壊滅していた」

 え、それってまさか・・・・・・?

「聞けば、その原因は貴様だというじゃないか。セツト」

 正論に僕は返す言葉がなかった。
 しょうがない、僕は槍を置き、腕を広げた。

「分かった。そういうことなら僕は罪を認めよう・・・。殺れよ」
「え、いやそういう意味じゃなくって・・・・・・」

 男は照れたように頭を掻く。
 違うというのはどういうことだろうか?
 僕は言葉の続きを待った。

「あのな、お前んところのギルドと取引させてほしいなー、なんて」
「なんだ、そんなことか」

 僕はなんだか恥ずかしくなって、頬をポリポリと掻く。
 でも、取引ってなんだろう?

「取引って、なに?」
「あぁ。実は、レアアイテムを買ってもらう約束してたんだ。俺らはとにかく金が必要だったからさ」
「なるほど。じゃあ後で金を確認しておくよ」
「そうか。助かるよ」

 そんな話をしながら、僕はギルド部屋まで戻った。


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