コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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【参照1000越え】ワールドエンド【感謝】
日時: 2016/01/16 22:38
名前: 凜太郎 (ID: 6kBwDVDs)

 初めましてか何度目まして。
 凜太郎といいます。

 今回から書いていく物語は、とある引き籠り少年がゲームに閉じ込められる話です。
 超人気オンラインゲームに閉じ込められた多くの人々。
 彼らの運命やいかに!

 他にも、同ジャンルに音の無い恋という作品を出しています。
 もしよければ、そちらも読んでください。

 では、よろしくお願いします。

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Re: ワールドエンド ( No.20 )
日時: 2015/06/30 20:09
名前: 凜太郎 (ID: kct9F1dw)

16:ギルド

『転職完了』

 どこかからの声とともに、光がフッと途絶えた。
 ここは神殿。
 先日入ってきたラルナが僧侶だったため、ダイキは豪剣士に転職することにした。
 神殿の転職機能で彼は豪剣士になることができた。
 ちなみに転生機能は消えている。

「やっぱり、こっちの方がしっくりくるなぁ」

 大剣を握りしめ、彼は笑顔で呟いた。
 さて、こうして僕らは4人になったのだが・・・・・・。

「そろそろさ、ギルドでもいい気がしなくもないな」

 なんとなく提案してみる。
 4人という数字は、少ない気もするがギルドは3人以上いればつくれる。
 すると、ダイキがコクッと頷いた。

「俺も同感だ。ギルドなら部屋とかも借りれるし」

 普段の無鉄砲さからは考えられないような言葉だな。
 僕はちょっと驚きつつ、他の2人にも聞いてみる。

「2人はどう思う?」
「賛成。やっぱ、ギルド部屋とか欲しいよね。荷物とか置けるし」
「私も、同じです・・・。あと、ギルド部屋を借りるなら央都がちょうどいいと思います・・・」

 というわけで、僕らはこれまた数時間ほどかけて央都に向かった。
 ちなみに、豪剣士になったダイキはすごく強かった。
 聞いてみると、レベル82らしい。
 3年前からほぼ毎日やっていた僕よりも強いって、なんか悔しい。
 そんなこんなで央都に到着。
 僕らは早速部屋を借りるために専門の建物に行った。

Re: ワールドエンド ( No.21 )
日時: 2015/06/30 21:02
名前: 凜太郎 (ID: kct9F1dw)

17:リーダー

「それでは、ギルド名とギルドリーダーを登録してください」

 そう言って手渡された書類に僕の体はピクッと震えた。

「・・・・・・どうする?」

 僕が聞くと、ダイキが無邪気な笑顔で言った。

「リーダーはセツトがやればいいじゃないか」

 は?
 え、は??

「それ賛成。よく作戦とか考えてくれるし」
「私も、それでいいと思います。リーダーシップあると、思うし・・・」

 ラルナちゃんにそう言ってもらえるのは嬉しいけどね、僕がリーダーなんかできるわけないでしょ?

「いや、無理だよ!僕なんかがリーダーなんてできるわけないじゃん?」

 僕の言葉にダイキは突然ムッとした顔をした。

「何を言ってるんだ。俺はむしろお前しかできるやつはいないと思うが?」

 無理なんだよ。
 僕は、3年前に既に汚れてるから。
 こんな汚れた人間がリーダーであっていいわけないよ。

「僕はリーダーになっていい人間じゃないんだ。たしかに作戦は考えたりしてるけど、でも・・・・・・」
「あー、もう!」

 影丸は頭をガシガシと掻くと(一応女子だろ?)、僕の胸に拳を当てた。

「たしかにあんたはチビだし、偉そうだし、目つきも悪い」
「いや、それは・・・」
「でも、いざっていう時は結構頼れるし、今までどれだけあんたの意見で助けられてきたことか」

 そう言って軽く小突く。
 あぁ、僕の心はなんて弱いのかな。
 今の言葉に、簡単に動かされちゃったよ。

「・・・わかった」

 僕は静かに頷き、書類に名前を書く。
 さて、それじゃあ問題は名前か。

「あ、こんなのはどうかな?」

 ダイキの呟きに僕らは顔を向けた。
 彼は一度深呼吸をして、静かに呟いた。

「『オーバーワールド』」

Re: ワールドエンド ( No.22 )
日時: 2015/06/30 21:40
名前: 凜太郎 (ID: kct9F1dw)

18:レース

「『オーバーワールド』?」

 僕の問いに、彼は少し恥ずかしそうに頷いた。
 ちょっと自信なかったのかな。

「由来は?」
「えっと、世界を超える、なんて、変だよね」
「いや、すっごいかっこいいと思うよ」

 僕らは早速それを書類に書き、提出した。
 こうして、僕ら『オーバーワールド』は活動を開始した。

「うげっ!」

 突然、ダイキが変な声を出すものだから、驚いて僕は顔を上げた。
 彼の顔面にチラシがへばりついていた。
 どうやら窓から入ってきたのが顔にくっついちゃったみたいだ。
 僕はそれをなんとかとってやり、内容を読んでやる。

「ドラゴンレース?」

 これは、年に一度行われる恒例行事のようなものだ。
 ドラゴンワールドを一週するというもの。
 それぞれのドラゴンにはポイントのようなものがついており、より多く倒し、より早くゴールした者の勝ちというものだ。

「これ、出よう」

 僕の言葉に、みんなは目を丸くした。
 そりゃ当然だよな。
 これはいつも死者を多く出している危険な試合。
 でも、『ドラゴンナイト』の称号が人を集める。
 その称号を持ってると、色々なものが安くしてもらえるのだ。

「これに勝てば部屋1つくらい買えるじゃん?」
「なるほど!」

 ということで僕らはレースに出ることにした。

Re: ワールドエンド【オリキャラ募集中】 ( No.23 )
日時: 2015/06/30 22:21
名前: 凜太郎 (ID: kct9F1dw)

19:当日

 それから三日後、レースの日がきた。
 ラルナは戦闘はできないので、観戦しているとのことだった。
 一応個人戦なので、しばらくの間僕らはライバルだ。
 しかし・・・・・・。

「意外と人、いるな」

 右を見ても、左を見ても、人、人、人。
 コミュ障は改善したが、未だに人がたくさんいる所は苦手だった。
 僕は、ついダイキの後ろに隠れた。

「あはは、人が苦手なのか?震えてるぞ」

 べべべ別に苦手じゃねえし?
 ちちょっと人が多いとほ発作みたいなのがでででちゃうだけだし?
 あ、ちょっと動かないでよ。

「ほら、もう始まるぞ」

 こいつ、絶対面白がってる。
 そりゃそうだよなぁ。
 偉そうに命令したり自分を蹴ってる奴が自分の後ろで震えてりゃ面白いだろうなぁ。
 そんなことを考えてると、カーンと甲高い音が響き渡った。
 僕らは一斉に走り出した。
 そして、道に沿って各々の方向に分かれる。
 僕は岩陰に隠れ、一旦様子を見ることにした。
 実はすぐそこにドラゴンの洞窟があるのだ。
 ドラゴンっていうのはかなり鼻が良いらしいから、気をつけないと襲われちまう。

「ッ!」

 一か八か、穴の前を横切る。

「グルルルルルルル・・・・・・」

 中から唸り声のようなものが聞こえ、中から『キングドラゴン』が出てきた。
 成功ッ!
 コイツはポイントがかなりデカいのだ。
 僕は急いで体勢を整え、剣を構えた。

「『ファイアフォース』ッ!」

 剣に炎を纏わせ、僕は斬りかかる。
 下から斬りあげるようにして、足に傷をつけた。
 その時、向こうも炎を吐き出してきた。
 僕は体を捻り、なんとかかわす。
 そして足を踏みしめ、一気に距離をつめた。
 また炎を吹きだすので、ジャンプしてソイツの頭上に行き、炎で一突きにした。
 ソイツの体が弾けるのを確認すると、僕は剣をしまって歩き出した。
 空中を指でタッチすると、メニューが現れる。
 ポイントを見る。
『1000P』
 まだまだだな。
 メニューを閉じて、僕は前を向いた。
 その時だった。

「うおおおおおおおおおおッ!」

 ザシュッと音をたててドラゴンを真っ二つにする影が1つ。
 ソイツを僕は知っていた。

「ダイキ、調子良さそうじゃないか」
「おお、セツト。へへっ、俺はもう500P集めたんだよ。すごいだろ」
「僕はもう1000Pだよ。お互い頑張ろうぜ」

 嫌味っぽく言ってやって、僕はその場を後にした。

Re: ワールドエンド【オリキャラ募集中】 ( No.24 )
日時: 2015/07/01 16:22
名前: 凜太郎 (ID: kct9F1dw)

20:ドラゴン

「うおらああああああああああああああああああああああああああああッ!」

 何体殺したか数えるのもめんどくさい。
 目の前に現れたドラゴンを殺し続けることじつに数時間。
 誤ってアラームトラップ付きの宝箱を開けてしまい、僕はドラゴン数百体を相手しなくてはならなくなった。
 後ろにいたのを横に真っ二つにして、さらにその後ろのやつの心臓を貫く。
 HPもそろそろ回復しないと危ない。
 このあたりを通るやつはかなり少ないから、助けも来ないだろう。

「おおおおおおおおおおおおおおッ!うらああああああああああああッ!」

 馬鹿みたいに叫んで崩れかけた精神を立て直す。
 とにかくこいつらを倒さないといけない。
 一度道具袋から回復用のアイテムを取り出し、使用する。
 なくなりかけたHPが半分ほど増える。
 その時、横腹に鋭い痛みを感じた。
 見ると、ドラゴンに噛まれていた。
 僕はなんとかソイツの首を切り落とす。
 頭を掴み、弾ける前に他のやつらに投げつけた。
 多分ポイントはかなり集まってるだろうが、ここを生きて逃げれなければ意味がない。

「うおおおおおおおッ!うがあああああああああああああああッ!」

 それからさらに数時間経ち、なんとかのこり100匹まで減らす。
 僕は一度剣を構え直し、突進する。
 そして目の前にいた奴の目に剣を突き刺し、そいつの首に足で絡み付く。
 さらにそのままの勢いで後ろに倒れさせ、横に剣をスライドさせる。
 そのまま立ち上がり3匹ほど一気に斬り倒し、剣の持ち手で一匹殴り殺す。

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ああああああああああああああああッ!」

 枯れかけの喉で叫び、目の前の生物の首を斬る。
 そして、体力が切れかけた時、なんとか全部のドラゴンを倒した。
 僕はその場に倒れこんだ。

「ハァ・・・ハァ・・・・・・生きてる・・・」

 僕は自らの生存を確認し、安堵する。
 ポイントを確認すると、優勝確定じゃないかと思うほどの量があった。
 これならあとはゴールするだけだ。
 なんとか立ち上がり、歩こうとした瞬間だった。

「おやおやおやぁ、こんなところにぃたっぷりとポイントを持ったぁ少年が1人。いるじゃあないかぁ」

 ネットリとした口調に僕は心臓を撫でられるような感覚がした。
 そこには、30代くらいの男が1人、手に謎の武器を装着して立っていた。


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