コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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【参照1000越え】ワールドエンド【感謝】
日時: 2016/01/16 22:38
名前: 凜太郎 (ID: 6kBwDVDs)

 初めましてか何度目まして。
 凜太郎といいます。

 今回から書いていく物語は、とある引き籠り少年がゲームに閉じ込められる話です。
 超人気オンラインゲームに閉じ込められた多くの人々。
 彼らの運命やいかに!

 他にも、同ジャンルに音の無い恋という作品を出しています。
 もしよければ、そちらも読んでください。

 では、よろしくお願いします。

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Re: 【第2シリーズ突入】ワールドエンド ( No.77 )
日時: 2015/09/06 21:11
名前: 凜太郎 (ID: HTIJ/iaZ)

20:決戦

 女プレイヤーを食べようとしていたそいつを、僕は思い切り斬ってやった。
 ザシュッと音をたててソレは斬れたが、すぐに再生した。

「セツト!」

 見ると、食われそうになっていたのは影丸だった。
 これで大輝に出会えたら、『オーバーワールド』主要メンバー大集合なんだけどね。

「早く逃げろ!ここは任せて!」
「嫌だよ!あんただけに任せるなんて・・・・・・ッ!」
「いいから!」

 僕はそう言いながら、男に剣を振った。
 しかし、あっさりかわされる。

「『ファイアフォース』!」

 炎を纏った剣で突きを放ってみても、やっぱり無駄。
 僕は影丸が遠くに行ったのを確認してから、ゆっくりと息を吐いた。

「なんでお前らはこんなことをしているんだ・・・AIさん?」

 しばらくその男は黙っていたが、やがて一つの顔が構築されていった。その顔に、僕は溜め息を吐く。

「セツトさん。お久しぶり」

 ティベルはそう言って笑った。
 そのキモい顔を見て、僕の怒りはMaxまで上がった。

「一体何回死んだら気が済むんだよ!?」
「まさか、今回も俺のことを殺せるとでも・・・?」

 そう言ってクスッと笑った。
 僕は右手を軸にして足払いをしたが、ジャンプでかわされた。

「殺すに決まってんだろ」
「無理だよ」

 そう言って先ほど僕が斬った腕を見せた。

「この体にダメージなんて与えられない。すぐに再生されますよ」
「不死身って、死亡フラグだろ?」

 僕は彼の腹を思い切り蹴った。
 浮いた体に、さらに剣を突き刺す。

「今回は違いますよ。そうだ、ついでに彼も挨拶しておきたいみたいですよ」

 そう言って顔がまた何かに構築されていく。
 しばらくして、それは一人の少年の顔になった。

「やぁ。セツト君」
「ソラ!?」

 ソラは笑顔で僕の顔をぶん殴った。
 鈍い痛みがして、僕は仰向けに倒れた。

「いってぇ・・・」
「僕達が感じた痛みは、その程度ではないよ?」

 そう言って僕の髪を引っ張り上げた。

「君だけは、痛めつけて、苦しみを与え続けて、じっくりと嬲り殺してあげるよ」
「・・・それは・・・お前らだ・・・」
「はあ?」

 僕は彼の腕を握って叫ぶ。

「今回死ぬのも、お前らだよ!」

 直後、近くの壁にブチ当てられた。
 背中に激痛が走る。
 僕は慌てて立ち上がり、フラフラと走った。
 振り返ると、ソラたちが走ってくるのが分かった。
 町を抜けて、近くの崖まで行く。

「あはは・・・やっと見つけた」
「僕さぁ、丁度、もう生きることに疲れてたんだよねぇ〜」

 僕の言葉に、彼は顔をしかめた。

「思ったんだけどさ。例えば誰かプレイヤーと一緒に死んだら、どうなるんだい?」
「おい・・・やめろ・・・・・・」
「一緒に、死のうよ」

 僕は彼の体に絡み付くように抱きついた。
 そのまま崖まで引っ張る。

「いやだ!死にたくない!」
「残念だけど、もう遅い」

 僕は思い切り地面を蹴って、空中に身を投げ出した。
 かなりの高さがあるな。
 僕はゆっくりと目を瞑る。

 さようなら、人生。
 また、どこかで会おう。

 地面にぶつかった瞬間、彼らの体が爆発した。
 同時に、僕の体も弾けとんだ。

Re: 【第2シリーズ突入】ワールドエンド ( No.78 )
日時: 2015/09/06 22:16
名前: 凜太郎 (ID: HTIJ/iaZ)

エピローグ:記憶

「大分記憶が思い出せたね」
「・・・・・・」

 ここは精神科。
 横になる少年の名前は瀬戸 勝人。
 『ワールドエンド』の世界では、セツトと呼ばれていた少年だ。
 精神があの世界で弾け飛び、空っぽな人形のような状態で運ばれた。
 虚ろな目で虚空を眺める姿は、ハッキリ言って心が痛むものがある。
 記憶はほとんど思い出せたが、精神だけは全く復活しない。
 実は、あのバグから生まれた生物は本当に人を殺すものではなく、人の精神だけを崩すというものだったらしい。
 実際、犠牲になった人もみな彼のように人形のようになったり、精神が狂って暴れ出したり、誰にも心を開かなくなったりと、確実に心のどこかが壊れてしまったような状態だった。

「・・・急がなくてもいいんだよ?だから、ゆっくりと元に戻って行こうね」
「・・・・・・」

 表情が少しでも戻ったりすることはなく、ただただボーッとしていた。
 その時、ドアが開いた。
 そこには、少年の昔の仲間たちが立っていた。
 黒くて綺麗な長い髪を腰まで伸ばした少女、楽野 瑠奈は見舞いの花束を持って病室に入った。
 その後ろでは、景山 美穂も笑顔で車椅子を押しながら入ってくる。
 車椅子の上では、大村 大輝が微かに笑みを浮かべながら座っていた。
 彼も、あのゲームの犠牲者なのだ。

「セツト君。調子どう?少しは治ってきた?」
「セツト。もし治ったら一緒にまた冒険しようよ」
「・・・・・・」

 『ワールドエンド』は、あの後で発売を禁じられ、今ではあのゲームをプレイする者は、ネットオークションでなんとか買い取ったりしている、ごく稀な物好きな若者くらいだ。
 それを知っていながらも、また一緒に冒険を、なんて言うのは、彼を励ますためなのかもしれない。
 花束をもった少女は、笑顔で椅子に座った。

「たとえどんなことがあっても、私はセツト君のこと、好きだよ」
「僕も・・・・・・———」

 愛をご存じだろうか。
 全ての理屈をひっくり返し、まるで物語のような奇跡を起こす。
 そんなご都合主義で塗り固められた存在。

「———僕も・・・好きだよ・・・・・・」

 愛は、奇跡を生む。
 そんな、素晴らしい存在である。

Re: 【第2シリーズ突入】ワールドエンド ( No.79 )
日時: 2015/09/06 22:23
名前: 凜太郎 (ID: HTIJ/iaZ)

あとがき

 はい。ワールドエンド、見事完結です。
 どうだったでしょうか?
 最終的になぜか愛について語ってしまった感じありますけど、個人的には満足です。
 短すぎた第2シリーズ・・・。
 暴走しすぎた内容。
 友達に内容を説明した時、ダイキのことをホモさんと呼んだりした日々。
 一ヶ月ほど書く気が起きなかった夏休み。
 これを書かなかった日々の間にホラーの短編を書いたりしていましたw
 でも今まで書いた中では多分上位に入るくらいの傑作でした。
 想像以上に参照も増えてくれていて嬉しかったです!
 読んでくれたみなさま、本当にありがとうございました!
 また別の作品で会いましょう。
 さようなら!

Re: ワールドエンド ( No.80 )
日時: 2015/10/18 19:43
名前: 凜太郎 (ID: 1Fvr9aUF)

愛について語った第2シリーズ・・・
あれから一ヶ月半を経て、今宵、続編を書くことを決意しました!
ワーワーパチパチ・・・。
誰もいねえ!w
ということでですね、一応セツト君はただいま精神病院で療養中なため、新主人公を迎えまして、懐かしのラルナちゃんやその他サブキャラ。
多数の新キャラを迎えた完全新シリーズを書いていきたいなと思っています!
今後とも、この物語に付き合って下さい。
それでは、よろしくお願いします。

Re: ワールドエンド ( No.81 )
日時: 2015/10/18 19:55
名前: 凜太郎 (ID: 1Fvr9aUF)

プロローグ
 みなさん、考えてみて下さい。
 ちょっとしたことで人生を変える出会いとは、実際にあるのか、と。
 僕は、ありました。
 とある夏休み、友人の買い物に付き合って行ったゲーム売り場に、かなりの高額ではあったがポツリと置かれていたPC用ゲームソフト。
 僕の家はそこそこ金持ちな方なので、親になんとかねだって買ってもらった。
 それが、僕にとっての人生を変えた瞬間でした。

 さて、話を本題に戻しますが、人生を変える出会いとは、良い物もあれば悪い物もあります。
 僕の、あの出会いはどちらだったんでしょうか。
 それを決めるのは、未来の僕なのかもしれません。
 さぁ、それでは見てみましょうか。
 出会いの末路を———。


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