コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 【参照1000越え】ワールドエンド【感謝】
- 日時: 2016/01/16 22:38
- 名前: 凜太郎 (ID: 6kBwDVDs)
初めましてか何度目まして。
凜太郎といいます。
今回から書いていく物語は、とある引き籠り少年がゲームに閉じ込められる話です。
超人気オンラインゲームに閉じ込められた多くの人々。
彼らの運命やいかに!
他にも、同ジャンルに音の無い恋という作品を出しています。
もしよければ、そちらも読んでください。
では、よろしくお願いします。
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- Re: ワールドエンド ( No.82 )
- 日時: 2015/10/20 20:37
- 名前: 凜太郎 (ID: 1Fvr9aUF)
1:出会い
「宿題めんどくせーなー」
夏休みに入ったばかりだというのに、友達の梶野 卓也はそう言ってため息を吐く。
日に焼けていて、顔も整っており、クラスの女子からはかなりモテている。
対し、僕は色白で顔も中性的な感じ。
女子に間違われることも多く、男子からからかわれることもしばしば。
「そんなこと言っても仕方ないって。まだ夏休みも始まったばかりなんだしさ」
「つってもさぁー。俺の家、お前んちみたいに金持ちじゃねーし、することねーよ。でも何もしてなかったら宿題させられる・・・」
そう言って頭を抱える。
明らかに焦った顔してるし、コイツ大丈夫か?
「アハハ・・・。別に金持ちじゃないし、宿題は僕も手伝うよ」
「マジかぁ・・・サンキュー・・・」
そう言ってすがるように僕の腕を掴むのでひとまず無理矢理はがす。
店に入ると、クーラーの風が体を冷やす。
卓也は一気に目的のコーナーまで早歩きで行ったので、僕はゆっくり色々と眺めながら歩く。
その時、一つのゲームソフトの前で足が止まった。
「これは・・・」
手に取ると、それはPCゲームだった。
タイトルは・・・『ワールドエンド』?
「おーい、そろそろ・・・」
買いたかった物が変えた卓也は、僕が持っている物を見て固まった。
「あれ、どうしたの?」
「すっげー!『ワールドエンド』じゃん!え、本物!やべえよすげえよ!」
いきなりスイッチが入ったかのように、喋りはじめる卓也に真顔でフリーズする僕。
え、このゲームソフトって人気なの?
「人気ってものじゃねえよ!何年か前に、バグが暴走したとか何かでニュースになったんだけどな、最近そのバグが全て取り除かれたとか言って最新版が出て、元々人気だった分さらに売れて、売り切れ続出するくらいに人気なんだよ!」
待って、3行も使って話さないで。
頭に残らないから。
「そんなに面白いなら、今度親に頼んで買ってもらおうかな」
「羨ましい!」
「2本買ってもらえるか聞いてみようか?」
「え?」
僕がなんとなく聞いてみると卓也は目を輝かせた。
「それ、マジ!?」
「うん」
「うっわぁ〜!もし本当にできたらマジで嬉しい!その時は一緒にやろうな!」
「そもそもこれオンラインゲームなんでしょ?結局は一緒にやることになるじゃん」
「それもそうか!ははっ」
そんなこんなで僕たちは店を出た。
数日後に、親に許可をもらったので、二人でゲームを買った。
その時の僕は、これからなにが起こるのか、予想すらしていなかった。
- Re: ワールドエンド ( No.83 )
- 日時: 2015/10/20 20:34
- 名前: 凜太郎 (ID: 1Fvr9aUF)
2:異変
「いぃやっっふううううううううううううううううううううううッ!」
元気な掛け声と共に卓也———いや、今はケインだったか———はモンスターを大剣でぶった切る。
それを尻目に僕も素早く3匹ほどのモンスターを斬り伏せる。
「いやぁ、やっぱ、この感覚は快感だなぁ!」
この世界に来て約1年が経つ。
ケインは豪剣士、僕は侍でずっと冒険をしており、この世界ではそこそこ有名になってきていると思う。
レベルもあがってきているし、十分強い方だ。
「んじゃ、そろそろ戻ろうか。今日の宿題はそこそこ難しいぞ」
「うえッ!マジか!」
ケインは慌ててメニューを開いてログアウトしようとする。
僕も一緒にしようとメニューを開いた時だった。
「あ・・・れ・・・」
固まる。
ログアウトボタンが・・・ない・・・。
「なッ!どうなってんだよ一体ッ!」
ケインは意味もないけどメニュー画面を殴る。
もちろん状況は変わらない。
その時、空が崩れ始める。
「なッ・・・どうなってんだ!?」
「空だけじゃない!」
町の背景や、地面も崩れる。僕は咄嗟にケインの腕を引く。
崩れる地面に追われるように走った。
しかし、そんなことで逃げ切れるものでもなく、足は空を切り、そのまま落下する。
少しして体も崩れ始める。
僕は死を覚悟して、目を閉じた。
- Re: ワールドエンド ( No.84 )
- 日時: 2015/10/22 22:09
- 名前: 凜太郎 (ID: 1Fvr9aUF)
3:最悪
「ん・・・」
目を開けると、そこは黒いドームのような場所だった。
辺りを見渡すと、人、人、人。
これはもしかしたらこの世界のプレイヤーが全員集められたのかもしれない。
そして、皆一様に上空の一ヶ所を見つめている。
僕もそれを見上げた。
そこには、黒い炎が浮いていた。
よくみるとそれは回転しており、赤い、絵に描いたような顔が付いていた。
裂けたような口に、鋭い目。
絵の具で塗りつぶされたような色をしている。
「うわ、なんだあれ・・・」
つい声が漏れる。
少しして、ソイツから声が聴こえてきた。
『初めまして。私はこのゲームの製作者。日村真治です』
機械で合成されたような、不思議な男の声だ。
ていうか、製作者はたしか古川誠、だったはずじゃ・・・。
『みなさん。一体何言ってるんだっていう顔をしていますね。まぁ、今は色々な謎を取っ払って説明させていただきますね』
一呼吸置いて、彼は言う。
『あなた達は、今このゲームの世界に閉じ込められました』
それは分かってる、と漏らしそうになったが、彼はさらに続けた。
『この世界に、今未クリアのダンジョンが1000あります。その難易度は全て高い。それは当然です』
それくらいレベルをあげてごり押しすればいいじゃないかと思った。
しかし、次の言葉で僕たちは戦慄することになる。
『ただし、ここで死ぬとリアルでも死にます』
へ?
『あの機械がちょうど耳の穴から高温の熱気を発して、脳を溶かします』
今、コイツは、なんて・・・?
ここで死ぬと、死ぬの?
死んだら、死ぬの?
何、それ・・・。
僕だって、ここに来てどれくらい死んでいる事か。
多分2ケタは余裕でいくよ?
『というわけなので、頑張ってください』
その言葉と同時に、地面が崩れ始める。
僕はただ、呆然としていた。
- Re: ワールドエンド ( No.85 )
- 日時: 2015/10/23 20:46
- 名前: 凜太郎 (ID: 1Fvr9aUF)
4:混乱
「なんでこんなところに閉じ込められないといけねえんだよ!」
ケインはそう言って机に叩きつけるようにジョッキを置いた。
ちなみに中身は普通のジュースだ。
本当はビールを買おうとしたのだが、システムによって制御されてしまい、仕方なくジュースをやけ飲みしている。
「静かにしなよ。他のお客さんに迷惑だよ」
「うるせえなぁ!お前は怒りとかねえのか!?ダンジョンをクリアしないと出られないんだぞ!?ここで死んだら死ぬんだぞ!?」
「それくらい分かってるよ!でもここで何か言ってても仕方がな・・・・・・」
「分かってねえじゃねえかッ!」
いきなり立ち上がって僕の体を強く押す。
僕は椅子ごと後ろに倒れた。
頭を強く打つ。
「いってぇ・・・」
「お前は何も分かってねえよ。分かってるのならそんな冷静でいられるわけがねえ」
「さっきからうるさい」
横から聴こえてきた声に僕は振り向く。
そこには、水色の髪をした美女がいた。
「ご、ごめんなさ・・・」
「いいよ。そんなの。ただ、ここには他にも客は大勢いるんだから、騒ぎは起こすな」
彼女はそう言ってウィスキーを少し飲んだ。
その時、ケインは恐る恐るといった様子で口を開く。
「すいませんでした・・・・・・」
「いいよ。むしろ私が落ち着きすぎてるだけかもしれないし」
年上というのもあるかもしれないが、なんかこう・・・妖艶な感じの雰囲気が漂っている気がする。
歳は大体、20代前後かな?
一応身長とか顔とかは現実のものと一緒になってるらしいし。
「あの、あなたの名前は?」
「あたしはラルナ。ついでに言うと魔法戦士で、レベルは69よ」
「魔法戦士!?」
バグ処理をきっかけに色々と新しいシステムが増えた。
その一つで魔法戦士は使える呪文がいくつか増えたんだが、逆にそれで使いづらくなりクセも出てしまい使う人はほとんど現れなかったというのに・・・。
「使いづらくないですか?」
「別に」
そう端的に呟いてから立ち上がった。
「それじゃ、もう行くわ。また生きて会いましょ」
そう言ってどこかに去ってしまった。
でも、彼女のおかげで一応冷静にはなれたと思う。
「なんか、ごめんな」
「僕も、ごめん」
それでは、これからどうするかを考えましょうか。
- Re: ワールドエンド ( No.86 )
- 日時: 2015/12/15 21:08
- 名前: 凜太郎 (ID: 1Fvr9aUF)
5:冒険
あれから2年が経過した。
今日も元気にモンスターを狩っていく。
ケインとは、今は別行動を取っている。
ちょっとした意見の違いから喧嘩に発展し、別行動となった。
後悔はしていない。
今では双方はレベル90越えだし、死ぬとは思えない。
「お、金溜まったな」
メニューを確認し、欲しかった分だけ金が溜まったのを確認し、僕は坂を駆け下りる。
少し行くと大きなゲートがあった。
僕はそこにジャンプし、飛び込む。
視界が揺らぎ、しばらくするととある町に出た。
名前なんてよく覚えてない。
僕は町に出ると、武器屋に直行した。
「いらっしゃい。おや、ソラ君じゃないか。今日はどうしたんだい?」
「どうも。今日は前からずっと買いたかった武器を買いに」
「あぁ。いつも熱心に見ていたあの武器か」
そういってがっはっはと笑うおじさんはいわゆるAI。
ここのAIは、普通に会話もできるし、個性豊かな面々が揃っている。
このゲームを作った人を褒めたい、と言いたいところだが、それはいわゆる僕たちを閉じ込めた人を指すことなので複雑な心境だ。
「それで?あの武器だよね?」
「はい」
「それじゃあ・・・はい、これ。値段は40000Gだよ」
僕はちょうどぴったりの値段を払い、刀を受け取る。
試しに抜いてみると、何度も見たにも関わらず、惚れ惚れするほどに綺麗な刃が姿を現す。
これが自分の物になるなんて、夢のようだ。
「それじゃ、ありがとうございました」
「いえいえ。またよろしくね」
外に出ると、黒髪の女性とすれ違った。
彼女も鎧的に侍なようだ。
「やぁ、かげm・・・」
名前を最後まで聞くよりも前に、扉が閉じられた。
ん?かげま?
途中まで聞いてしまうと逆に気になるが、ここは聞かなかったことにしようと僕は自分に言い聞かせた。
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