ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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あやかし荘 完結しました
日時: 2010/11/14 12:00
名前: アキラ (ID: STEmBwbT)
参照: http://www.youtube.com/watch?v=0V8-_hj3bcc

.



眠たがりですが、お付き合いくださいませ。

イメソン 紅一葉
urlにて。


用語説明>>103

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Re: あやかし荘 ( No.106 )
日時: 2010/11/02 18:17
名前: 杵島 茄武 ◆wWr1IKfGtA (ID: EUGuRcEV)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.cgi?mode

おかあさん、名残惜しいなぁ……

Re: あやかし荘 ( No.107 )
日時: 2010/11/02 19:02
名前: アキラ (ID: STEmBwbT)

伊月ゎ頼りになれる……かも?
>水妖さん


優香ゎキャラが強いぶん、少し殺すのが嫌でした
>杵島茄武さん

Re: あやかし荘 ( No.108 )
日時: 2010/11/02 21:32
名前: 紅蓮の流星 ◆vcRbhehpKE (ID: .RPx9Kok)

返信100突破おめでとうございます。
これからも更新頑張ってください、応援しています。

Re: あやかし荘 ( No.109 )
日時: 2010/11/03 09:08
名前: アキラ (ID: STEmBwbT)

あら、本当だ! 気づかなかった!
ありがとうございます(^<^)

Re: あやかし荘 ( No.110 )
日時: 2010/11/03 11:30
名前: アキラ (ID: STEmBwbT)

.


          第5の書          
                        

                       
里深神社は糸目荘から離れた、山のふもとにある小さな神社だ。
祭りの日には神社の周りに人が集まるが、それ以外は人通りも少ない。 
神社のすぐ隣には一軒の家がある。 そこが里深の家だった。

「久しぶりに来たぜ、里深神社。 相変わらず小奇麗だな」

糸目荘唯一の移動手段である自転車で里深神社に着いた一向。
着物が邪魔で自転車の後ろに乗っていた林太郎が口を開いた。

「林太郎……アンタ大人なんだから、かなり重いんですけど」
「ゴチャゴチャ言うな、明弥。 お前と姫斗のしか自転車ないんだから仕方ないだろ」
「………そうだけどさ」

明弥が、チラッと伊月たちに目をやる。
本来なら姫斗の自転車なのだが、姫斗の方は茫然としているため、伊月が扱いでいた。
その後ろで伊月にもたれかかっている姫斗が痛々しい。

「おい、ついたぞ」  「……………」

伊月が自転車を止めると、無言で姫斗が降りる。
自分の実家を見て、姫斗はまた涙で頬を濡らした。

「里深のじっちゃん、いるんだろ? 糸目だ。 ここ開けろ」

林太郎が大声で言うと、引き戸が開く。
中から出てきたのは、ヒョロリとした人間ではない生き物だった。

「半妖の小僧、里深の嬢ちゃんはどこだ」
「ここにちゃんといるよ」
「……優香さまは」

その言葉に、林太郎は押し黙り、表情も曇る。
それで全てを察したのか、その妖怪はもう何も言わなかった。

部屋に通されると、何十匹もの妖怪が4人を見ている。

「半妖の坊やだちダ」 「姫斗もいるヨ、泣いてるヨ」 「優香はどこ? 優香はイナイ。 どこにもイナイ」

そして、一番広い客間に連れて行かれた。 そこには、姫斗の祖父であり、優香の父親である里深与一がいた。

「………優香は、いないか」
「すまん、里見のじっちゃん。 一人だけ、護れなかった」

与一とも知り合いなのかと、明弥と伊月が顔を見合わせる。  
与一は、暗い表情の姫斗を見て、震える唇を噛んだ。

「姫斗、怖かったろう。 すまんな、優香のことも」
「おじい、ちゃん……っ」

今日初めての姫斗の言葉だった。
久しぶりの与一に抱き付き、子供のように泣いた。 まるで吠えるような泣き声を聞いて、妖怪たちも悲しそうに顔を伏せる。

「影妖が里深の人間を襲うたあ無いきに。 襲うなら普通の人間。 襲ってもオレら妖怪が気づかん程度の人間じゃきのう。 不自然じゃよ」

姫斗が泣き終え、落ち着いた頃合いに、牛丸が口を開いた。 妖怪たちが、一斉にそれを伝言ゲームのように伝える。

「黒い手のような形だったよな、明弥」
「ああ。 あんなものは初めて見た」
「優香の死体はどうなった?」

優香、という言葉に姫斗が反応する。

「焼いた。 跡形もなくな」

林太郎がそう言うと、明らかに姫斗の表情が変わる。
焼いたのだ。
林太郎の 「狐火」 で。
優香の全てを。

「………っ、なんで?」

向けられたのは、質問だった。

「なんでそんな割り切れるの? お母さんが……、人が死んでるんだよ? なんでおじいちゃんも泣かないの?」





保留


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