ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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あやかし荘 完結しました
日時: 2010/11/14 12:00
名前: アキラ (ID: STEmBwbT)
参照: http://www.youtube.com/watch?v=0V8-_hj3bcc

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眠たがりですが、お付き合いくださいませ。

イメソン 紅一葉
urlにて。


用語説明>>103

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Re: あやかし荘 ( No.141 )
日時: 2010/11/09 14:44
名前: アキラ (ID: STEmBwbT)

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抉られたはずの胸は、半妖の力で傷口がもう塞がっていた。
刀を抑えているため、手から血がこぼれる。

「………………え?」

やっと、姫斗の口から言葉が発せられた。 
林太郎を見て、千登里を見て、血のついた日本刀を見る。
状況がよく理解できていないのか、酷く混乱しているのが体の震えでわかった。

「姫斗? おい、しっかりしろ!」
「血が……ついてる……誰の?」

姫斗が片言で不思議がり、振り返ると、そこには灰になりかけの翡翠の死体があった。
地面に染みたどす黒い血を見て、姫斗が刀を落とす。

「ひめ「                  !」

最早、何を言っているのかわからない姫斗の絶叫。
嘔吐し、混乱する頭を両手で押さえつける。
その姫斗からは、妖気がまったく感じられなかった。

そして。

居たはずの、千登里の姿も消えていた。




      『  優香の記憶  』



アタシが初めて “鬼” を見たのは、10歳のとき。
父さんに連れられ、家の裏にある倉で出会った。

竹籠に入れられて、丸まって眠っている、アタシと対して変わらない年頃の女の子。

この子は誰なのと聞くと、父さんは誰にも言っちゃいけないよと言った。

「これはね───鬼なんだ」

なんでも、悪い鬼から護っているらしい。
150年も。
父さんのお爺ちゃんの時代から、この子はずっと眠っているらしいけど、アタシには信じられない。

ミイラでもない、人形でもない。

その子は、確かに此処にいたのだから。

「この子は、ずっと眠っているんだ。 もしかしたら、優香が大きくなる頃に目を覚ますかもしれない。 そうだとしたら、仲良くしてやってな」

この子たちの両親はどこにいるのだと聞くと、父さんは困ったように答えた。



悪い鬼が、殺したんだよって。

Re: あやかし荘 ( No.142 )
日時: 2010/11/09 15:49
名前: アキラ (ID: STEmBwbT)

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         第8の書



目を開けると、糸目荘の白い天井が見えた。
ぼんやりとした頭で、どうして自分が糸目荘にいるのか考える。
嫌な感じがして、林太郎の後を追ったのだ。
それから───、

「起きたか?」

入ってきたのは、伊月だった。
手に水の入ったコップを持っている。

「これ、飲めるか? 起きれるか?」

上半身を起こし、姫斗がぼんやりとした目で伊月を見る。
コップを手渡すために伸ばされた伊月の手を、

「っ」

払いのけた。
伊月が酷く驚いた顔をしている。 

「───姫斗?」
「その名前で呼ばないで」

姫斗の口から出たのは、刺々しい声。
いつもの彼女とは思えない。

「意味……分かんないんだけど」
「──うん、分からないよね。 ゴメンね」

姫斗が、伊月を見る。 そこで初めて、伊月は気付いた。
姫斗の目が、燃えるように赤いと──。



      『  優香の記憶  』    



アタシが大人になったとき、“鬼” は動いていた。
今までじっと眠ってたはずなのに、“鬼” はアタシを見て、笑った。

もうその時アタシは、“鬼” が何であるか知っていた。
てか、父さんから聞いた。 それから週に3度は倉に入って “鬼” を見つめていたんだけど。

とにもかくにも、ソレは動いていた。
アタシは元々子供ができない体だったから、ちょうどいいやって思って。

“鬼” のその子を、外から出してあげた。

昔から変わらない、10歳の体。 
言葉を忘れて、まるで赤子のように不思議そうに景色を見ている。

アタシはその子の名前を知っていた。
知っていたけど、アタシはあえて、その子に名前をつけた。

アタシはずるい。 
その子には本来、忘れちゃいけない両親がいたはずなのに。 アタシは、アタシに子供ができないからって、その子を勝手に子供にしてしまった。

姫斗、ごめんね。

あなたが何も知らないのを──、梅雪さんの力で忘れてしまったものを利用して、アタシは──

もっとも酷な事をしてしまった。




                      .

Re: あやかし荘 ( No.143 )
日時: 2010/11/09 17:11
名前: yuri ◆F3yWwB7rk6 (ID: DOGZrvXb)
参照: ( ´・ω・`)<いや、呼んでないつーか

こんにちは〜。感想にやってまいりました〜。

今回の話はいいですね!!
なんというか…こう…謎を感じさせるものがありました。
姫斗が理性を失ったのには驚きです。
だが俺の HI☆ME☆TO☆A☆I は決して揺るがないぜ!!(殴(蹴(刺

しかし優香の記憶‥‥‥これもまた謎ですね…。
なぜ優香は姫斗に謝ったのか?
あの鬼の正体は?

これからもこういったストーリーを展開することを望みます。
頑張ってください。

Re: あやかし荘 ( No.144 )
日時: 2010/11/09 17:27
名前: 水妖 (ID: 8hgpVngW)

なるほど!そういう事かっ!
姫斗が…切ない(´・ω・`)…
そういえば優香に夫が居るとか言われてなかったよネ☆
すっごく心が…(-_||||)

Re: あやかし荘 ( No.145 )
日時: 2010/11/09 17:32
名前: 杵島 茄武 ◆wWr1IKfGtA (ID: EUGuRcEV)

she is a ogre.

No,she is a just girl.

私はこの2つの疑問に戦うのであった


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