ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 神的少女は殺戮がお好き【優美の記憶が……】
- 日時: 2012/03/23 11:29
- 名前: 奈美 ◆a00JQBXv3o (ID: 4pBYKdI8)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.cgi?mode=view&no=17021
こんにちは! 奈美です。
これは……三作目ですね、二作目は途中で挫折しましたけど、これは絶対に完結させます!
今から読み始める人は、あらすじ(>>173)を読んでみてください。
前作(完結)を読みたい方は参照へどうぞ♪
脱字・誤字・アドバイス・感想等あれば、どんどんコメントしてください!
〜あらすじ
>>173へどうぞ。第一、第二部がざっと分かります(多分……
〜用語解説 >>111
〜登場人物リスト >>135
〜目次 >>178
‐神殺通信‐
ver1 >>149
ver2 >>153
ver3 >>161
ver4 >>172
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- Re: 神的少女は殺戮がお好き ( No.54 )
- 日時: 2011/12/09 17:46
- 名前: 奈美 ◆a00JQBXv3o (ID: m3TMUfpp)
「……どうして殺人を犯してはいけないか——今の私にはそれを否定することはできない。
でもね、私は、人を殺すことは、人間失格だと思うの。それがどれだけ楽しくても、どれだけ必要なことでも、絶対、決してやってはいけないの。
どうして殺人をしたがるのか、私にはどう考えたって分からない。朱里ちゃんには……間違った道を行かせたくないだけなの。」
黒く透き通った目は、涙を流していた。ゆっくりと頬を流れ落ちるその涙は、純粋な心を表しているようでもあった。だが、その心を突き破るような冷酷な瞳をしている朱里は、冷たい声で言った。
「間違った道——? 私は一歩たりとも間違った道を歩いたつもりはないわ。
殺人を犯してはいけないこと、否定できなかったでしょ。その時点で、間違った道を指摘することは出来ない。
それに、人のために涙まで流して、何の得があるの? あなたがほしいのは、何? 同情? 笑わせないで、そんなもので私の心は変えられない。もし——私の心を変えようと思うなら、変えられるような代物を持って来なさい。そうね——殺人の証拠とか。まぁ、そんなものどこにもないだろうけどね。」
- Re: 神的少女は殺戮がお好き ( No.55 )
- 日時: 2011/09/29 16:48
- 名前: 紗代 (ID: f0LIvz7Q)
そうかぁ〜!!
わかりました〜!!!!!!!
- Re: 神的少女は殺戮がお好き ( No.56 )
- 日時: 2011/09/30 15:08
- 名前: 奈美 ◆a00JQBXv3o (ID: b1kDOJaF)
「そんな———同情を買うなんて。そんなこと思ってないよ。」
「じゃあ聞くけど、なんで涙を流すの? 間違った道を行かせたくない? あなたは同情じゃなく、何がほしいの? 何もほしくなくて、涙なんて流せないよね? 間違った道を行かせたくないだなんて言えないよね?」
「それは———っ」
完全に朱里のペースに飲み込まれた。もう抜け出す道などない。真っ暗闇の中の真っ暗闇に飲み込まれたのだから。優奈は黙っていた。時計が一秒一秒を刻みながら、時を告げる。そのうち、優奈は顔を隠して、朱里から離れて行った。
(どうせあの子は分からない。私と同じ境遇に、遭わなければね。私と優美は、同じような立ち位置にいるんだわ。)
いつしか、朱里も分かってきた。自分の立ち位置、境遇、使命———。朱里は何よりも、あのときの優美と同じことをすることで、優美を殺してしまったことを悔やんでいるようだった。
第一章 結
- Re: 神的少女は殺戮がお好き ( No.57 )
- 日時: 2011/10/10 18:04
- 名前: 奈美 ◆a00JQBXv3o (ID: b1kDOJaF)
番外編2-2 謎の鍵の在りか
流星と樹奈は、公園のベンチに座っていた。桜が散り、夏休みが終わり、いつの間にか紅葉の季節。時間が経つのは早い。赤や茶色に色づいた葉は、ひらひらと円を描きながら舞い落ちていく。
「流星!」
「なんですかぁ〜」
「あれを見て!」
指差した先には、灰色のパーカーを着た朱里がいた。
「朱里さんではありませんかぁ〜! 読みはあたりましたねぇ〜」
「そうね。でも、見つかる可能性があるわ。あの子は自分の使命を分かってる。いつ私たちを殺すかも限らない。それに———」
樹奈は、言葉を切った。瞬発的に。カーキ色のコートを着直した流星を見つめ、記憶をたどった。幸運なことに、流星は気付いていない。樹奈が読みとった記憶———それは、残酷な風景だった。血が飛び散り、目の前の死体は、無残に荒らされている。息を飲む光景だった。
「私は、間違った道を言ったんでしょうか。」
- Re: 神的少女は殺戮がお好き ( No.58 )
- 日時: 2011/09/30 17:29
- 名前: 奈美 ◆a00JQBXv3o (ID: b1kDOJaF)
珍しく、普通の口調でつぶやいた。真剣な表情だ。樹奈は記憶を読むのをやめ、流星の話に専念しようとした。
「私は、元死神少女です。死神少女をやめてから、これから起こる災いを、つきとめよう、止めようと必死になって探しまくりました。———それでも、見つかりませんでした。それが、樹奈さんの手で明かされようとしているのを見ると、私がこのために使った時間は、無駄だったのかと思うんです。」
赤みがかった茶髪の髪は、風にたなびき揺れ、一瞬、血を思わせるかのように赤く見えた。一瞬ではあったが、樹奈はこう悟った。きっと、謎のカギは私と流星でつくられる。そして、血のように赤く見えるのは、血で染められているからだと。なぜ血で染めるのか、そこまでは分からなかった。樹奈には、ただただ、記憶を読むことしかできなかった。
番外編2-2 結
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