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- 神的少女は殺戮がお好き【優美の記憶が……】
- 日時: 2012/03/23 11:29
- 名前: 奈美 ◆a00JQBXv3o (ID: 4pBYKdI8)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.cgi?mode=view&no=17021
こんにちは! 奈美です。
これは……三作目ですね、二作目は途中で挫折しましたけど、これは絶対に完結させます!
今から読み始める人は、あらすじ(>>173)を読んでみてください。
前作(完結)を読みたい方は参照へどうぞ♪
脱字・誤字・アドバイス・感想等あれば、どんどんコメントしてください!
〜あらすじ
>>173へどうぞ。第一、第二部がざっと分かります(多分……
〜用語解説 >>111
〜登場人物リスト >>135
〜目次 >>178
‐神殺通信‐
ver1 >>149
ver2 >>153
ver3 >>161
ver4 >>172
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- Re: 神的少女は殺戮がお好き【一章完結!】 ( No.19 )
- 日時: 2011/11/23 19:55
- 名前: 奈美 ◆a00JQBXv3o (ID: m3TMUfpp)
第二章 倒れた少女は悪に目覚める
——アノコガ タオレテルネ
——キット メザメルヨ
——アノコノ ウツワハオオキイカラネ
——キット ダイジョウブダヨ
「……優美?」
「あ……朱里?」
「やっと気付いた。もう、突然倒れるんだから。びっくりするじゃない」
「ごめんね。ほんとごめん」
優美は、保健室のベッドの上に寝ていた。ピンクのカーテンで仕切られた部屋には、保健の先生もいた。先生は眼鏡をかけて、何かメモをしていた。
「熱はないみたいね。どうして倒れたの?」
「えっと……」
- Re: 神的少女は殺戮がお好き【一章完結!】 ( No.20 )
- 日時: 2011/09/06 18:27
- 名前: 奈美 ◆a00JQBXv3o (ID: aiwVW5fp)
優美は、起きたこと一部始終を話した。
「幻覚じゃないかしら。今日は試験の日でしょう? きっと勉強していて疲れていたのよ。」
「そんなハズない! だって、この目で見たの。朱里だって見たの!」
「でもねぇ、奏って子はこの学校にはいないみたいなのよ。あなたたちはクラスメートだって言ってるけれど……みんなそんな人はいないって言ってるみたいなの。」
「優美……奏がいなかったの。階段下に行ってみたんだけど、何もなくて——」
朱里は泣きながら言った。優美の手の上に自分の手を重ねて、泣きじゃくった。次々に出てくる涙をこらえることができなかった。一方優美といえば、カラッとした瞳に、無表情な顔。
「奏がいない……? そっか、奏はいないんだ……」
「そうなの。きっと疲れてたのよ、私は職員室に行くから、ちょっと休んでなさい。落ち着いたら、教室へ戻るといいわ」
「ありがとうございました、先生。」
そういうと、ニッコリと笑った。朱里はその姿を、涙でぬれた目で、ただ呆然と見ることしかできなかった。
「ねえ朱里。私、気づいちゃった。私が殺した人は、きっとこの世界からいなくなるのよ。奏だって、私が殺したから消えちゃったの。」
「な…何を言ってるの?」
「何って? 日本語だけど?」
冷たい態度を取った優美は、朱里なんかそっちのけで、スタスタと歩いていってしまった。
——ヤットジカクシタミタイダネ
——モノワカリガイイコダヨ
——デモ ソノシンユウヲテキニマワサナイホウガイイヨネ
——ソノシンユウハ モウヒトリノカミナンダヨ
——カワイソウダケド フシギナウンメイダヨネ
第二章 結
- Re: 神的少女は殺戮がお好き【一章完結!】 ( No.21 )
- 日時: 2011/09/07 16:49
- 名前: 奈美 ◆a00JQBXv3o (ID: aiwVW5fp)
- 参照: 第二章一気読み用です。
第二章 神的少女は悪に目覚める
——アノコガ タオレテルネ
——キット メザメルヨ
——アノコノ ウツワハオオキカラネ
——キット ダイジョウブダヨ
「……優美?」
「あ……朱里?」
「やっと気付いた。もう、突然倒れるんだから。びっくりするじゃない」
「ごめんね。ほんとごめん」
優美は、保健室のベッドの上に寝ていた。ピンクのカーテンで仕切られた部屋には、保健の先生もいた。先生は眼鏡をかけて、何かメモをしていた。
「熱はないみたいね。どうして倒れたの?」
「えっと……」
優美は、起きたこと一部始終を話した。
「幻覚じゃないかしら。今日は試験の日でしょう? きっと勉強していて疲れていたのよ。」
「そんなハズない! だって、この目で見たの。朱里だって見たの!」
「でもねぇ、奏って子はこの学校にはいないみたいなのよ。あなたたちはクラスメートだって言ってるけれど……みんなそんな人はいないって言ってるみたいなの。」
「優美……奏がいなかったの。階段下に行ってみたんだけど、何もなくて——」
朱里は泣きながら言った。優美の手の上に自分の手を重ねて、泣きじゃくった。次々に出てくる涙をこらえることができなかった。一方優美といえば、カラッとした瞳に、無表情な顔。
「奏がいない……? そっか、奏はいないんだ……」
「そうなの。きっと疲れてたのよ、私は職員室に行くから、ちょっと休んでなさい。落ち着いたら、教室へ戻るといいわ。」
「ありがとうございました、先生。」
そういうと、ニッコリと笑った。朱里はその姿を、涙でぬれた目で、ただ呆然と見ることしかできなかった。
「ねえ朱里。私、気づいちゃった。私が殺した人は、きっとこの世界からいなくなるのよ。奏だって、私が殺したから消えちゃったの。」
「な…何を言ってるの?」
「何って? 日本語だけど?」
冷たい態度を取った優美は、朱里なんかそっちのけで、スタスタと歩いていってしまった。
——ヤットジカクシタミタイダネ
——モノワカリガイイコダヨ
——デモ ソノシンユウヲテキニマワサナイホウガイイヨネ
——ソノシンユウハ モウヒトリノカミナンダヨ
——カワイソウダケド フシギナウンメイダヨネ
第二章 結
- Re: 神的少女は殺戮がお好き【二章完結!】 ( No.22 )
- 日時: 2011/10/10 17:59
- 名前: 奈美 ◆a00JQBXv3o (ID: b1kDOJaF)
第三章 真夜中に消える少女
夜20時———リビングの明かりが、廊下まで漏れだす。ダイニングのテーブルチェアには、少女とその母が向かい合って座っていた。
「今日倒れたって聞いたわよ、それに戯言まで。」
「戯言? 私がいつ戯言なんか言ったかしら。先生たちの聞き間違いじゃない?」
「奏とか何とかいう子を階段から突き落としたとか言ってたらしいじゃない。誰の事? よく思いついたわね」
「それは事実よ、すべて事実。奏を突き落としたのも、私が倒れたのも、奏が存在しない人物だということも。」
「矛盾してない? 奏を突き落としたといっておいて、奏が存在しないだなんて。」
「矛盾してるけど、それは事実。事実よりほかない事実よ。もういい、寝たいの。」
少女はそれだけ言うと、静かにテーブルチェアをうしろに下げ、廊下へ続くドアへ向かって言った。
ドアを閉めると、進むにつれ、どんどん暗くなっていった。
- Re: 神的少女は殺戮がお好き【二章完結!】 ( No.23 )
- 日時: 2011/09/10 17:00
- 名前: 奈美 ◆a00JQBXv3o (ID: b1kDOJaF)
夜24時———皆が寝静まった頃、一人の少女は公園にいた。
「嬢ちゃん、夜中にひとりで危ないねェ。お兄さんと一緒に来ない?」
「ごめんなさい———いけないわ。だってお兄さん、殺されちゃうから。」
家から持ってきた包丁を、声をかけてきた金髪に近い茶髪の男性に向ける。一瞬の隙も与えず、腹に包丁を差し込む。赤い血が染み出し、男性の服を染める。返り血は頬にべったりと付き、流れ出た血は少女と男性の足元に、どす黒い血の池を作る。包丁を抜くと、また返り血が飛んだ。男性はバランスを崩し、少女の方へと倒れてきたので、さっとよける。うつ伏せに倒れた男性のポケットを見やると、黒いものがあり、街灯の灯りで銀の金具の部分がキラッと光る。少女はそっと黒いものを取り出し、調べてみた。するとそれは、ポケットナイフだった。
(私を殺そうとでも思ってたのかしら、バカねえ。誰も私のことは殺せやしないわ。)
ククッと笑ってみせると、包丁をもう一回男性に刺して、引き抜き、血を眺めた。両手に血の滴る包丁と、ポケットナイフを持ち、家へと帰って行った。
包丁に付いた血を洗い流し、元に戻すと、自分の部屋に戻り、ポケットナイフを鍵付きの引き出しに入れた。そして、ベッドに寝転んだ。相当疲れていたようで、スヤスヤと眠ってしまった。
第三章 結
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