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神的少女は殺戮がお好き【優美の記憶が……】
日時: 2012/03/23 11:29
名前: 奈美 ◆a00JQBXv3o (ID: 4pBYKdI8)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.cgi?mode=view&no=17021

こんにちは! 奈美です。
これは……三作目ですね、二作目は途中で挫折しましたけど、これは絶対に完結させます!
今から読み始める人は、あらすじ(>>173)を読んでみてください。
前作(完結)を読みたい方は参照へどうぞ♪
脱字・誤字・アドバイス・感想等あれば、どんどんコメントしてください!

〜あらすじ
 >>173へどうぞ。第一、第二部がざっと分かります(多分……

〜用語解説 >>111

〜登場人物リスト >>135

〜目次 >>178

‐神殺通信‐
 ver1 >>149
 ver2 >>153
 ver3 >>161
 ver4 >>172

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Re: 神的少女は殺戮がお好き【二章完結!】 ( No.24 )
日時: 2011/10/10 18:00
名前: 奈美 ◆a00JQBXv3o (ID: b1kDOJaF)

第四章 監視している鬼は見つかった

「あっ、相部さん……」
「忘れ物?」

静かな放課後の学校———
優美を呼んだのは、金髪に近い茶髪の、赤い瞳の少年だった。小学6年生の冬休みに転校してきた罪木獄だ。獄は、黒い鞄を脇に抱えていた。

「まあ、そんなところです。相部さんは?」
「人のこと聞く前に、自分の心配したらどう?」
「え……?」
「忘れ物を取りに来たっていうのは嘘———よね。あなたって本当は、『鬼』なんじゃないの。」
「そんな……」
「私が見間違えると思って?」

優美は、人が変ったように冷酷な瞳をしていた。人を見下すような口調に、人を見下すような瞳。獄は震え上がってしまった。優美は口を開き、冷たく凍っているような気のする声を出した。

「あなただって簡単に殺せるの。知ってるでしょ、私が殺戮者になりうる者だということを。目的は、殺戮を監視するため。そのためにここへ来たんでしょ。」
「…すごいですね、僕の正体を見破るなんて。見破った人は誰ひとりとしていなかったのに。でも、殺戮を監視だなんて……」
「そう言ってられるのも今のうちかもよ?」

ニヤリと笑ってみせると、獄の横をすり抜け、長い髪を左右に揺らし、静けさの中に、上履きの足音を残して消えて行った。優美が消え去ると、獄は全速力で学校を出た。その顔はおびえきっていて、悪魔を見たような顔だった。まだ、そのような顔をするのは早すぎたけれど。

第四章 結

Re: 神的少女は殺戮がお好き ( No.25 )
日時: 2011/09/11 10:57
名前: 奈美 ◆a00JQBXv3o (ID: b1kDOJaF)

第五章 神的少女は見られている

いつも通りの朝———
優美は、いつも通りの通学路を歩いていた。桜はもう散り、踏まれて破れ、黒ずんだ花弁が残るだけだった。

「ねえ、ちょっといい?」
「煩い」

反射的に言ってしまった言葉なのだが、普通の人だったら、大変なことになった。優美は声のした方を見ると、何だというような顔をした。そう、目の前に立ちはだかっているのは、新川園香だったのである。でも、今の優美には、何の怖いこともない。

「ああなんだ、新川さんだったの。で、何。」
「よかったねぇ、煩いって言ったのがいまで。あたし見たんだよね。」
「何を?」
「あんたが人を殺しているところよ。誰にも見られてないと思った?」
「ううん、思わなかった。それで?」

園香は「コイツバカだな」と思った。殺人を犯して、見られていないと思っていなかった。普通なら、そこら辺には気をつけるだろうから。当の本人は、平気な顔をして、見下すような顔をしている。そこが許せなかった。

「ッ……ばらされたくないなら、一万円。くれる?」
「脅し? それなら私には効かないよ。」
「それじゃあばらしちゃうけど?」
「いいよ。だって、私は誰を殺傷したの? いつ、どこで? みんな信じてくれないわよ。」
「あんたなんか、私の手にかかれば風の前の塵に同じよ!」

そう吐き捨て、その場を去った園香は、歯ぎしりをしていた。あの態度は何? もし逆らったらどうなるか分かってるの? このとき、全てにおいて、優美の下に付くことが許せなくなった。自分も、自分の手下たちも。突風が起こった。園香のセミロングの黒髪は逆立ち、いつもより大きく見えた。

Re: 神的少女は殺戮がお好き ( No.26 )
日時: 2011/09/12 17:40
名前: 奈美 ◆a00JQBXv3o (ID: b1kDOJaF)

「ねえ知ってた、あんたの親友が人殺しだったこと。」

いつもは絡まない、クラスメートの園香が来た。顔を上げると、そばかすの顔が、目の前にあった。

「ひゃっ、あっ、えっと……優美のこと?」
「そう、優美だよ。見ちゃったんだよねぇ、殺してるとこ。」
「あ——そうなんだ。あ、あのさ、田中奏って知ってる?」
「はぁ? 知らないね。親友が人殺しなのに、よくそんな顔でいられるよねぇ」

やっぱり消えたんだ———奏は。優美に殺されて、それで、消えて———。朱里の頭の中は、優美が奏を突き落とす瞬間で埋め尽くされた。何度も何度も再生されるその場面は、徐々に、鮮明になって行った。園香の皮肉たっぷりの言葉を、朱里は聞いていなかった。それどころか、こんなことを考えていたのだ。

「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!」

みんなが朱里の方を向く。朱里は頭を抱えて、泣き叫んでいる。そこに、一人の少女が来た。いまの朱里のような子を放っておけない、心優しい子だ。

Re: 神的少女は殺戮がお好き ( No.27 )
日時: 2011/09/13 17:40
名前: 奈美 ◆a00JQBXv3o (ID: b1kDOJaF)

誰か、感想コメをくださいっっ(;_:)

Re: 神的少女は殺戮がお好き ( No.28 )
日時: 2011/09/13 17:49
名前: 奈美 ◆a00JQBXv3o (ID: b1kDOJaF)

「どうしたの、大丈夫?」
「ふぇっく、ふぇっく、うわぁぁぁぁん。」
「朱里ちゃん?」
「ふあ……優奈ちゃん。優美は、優美はッ」

顔をあげた朱里の目は赤く、頬には涙が伝っていた。優奈は、それをじっと見つめて聞いた。

「優美ちゃんが、どうしたの?」
「優美は、人殺しじゃない。誰も殺してないよ……」
「人殺し…?」
「誰も殺してなんかいないのに…奏はいないのに…。」
「奏って、誰?」
「幼馴染だったの。でも、でもっ、消えて…いなくなって…」
「失踪したってこと?」
「違う! 優美に消されたの!」
「じゃ、じゃあ……優美ちゃんに殺されちゃったの?」
「そうだけど……違うの!」

無いモノを消すことは出来ない———その自然の法則を破ることは出来ない———それが出来るとすれば優美だけ。今のままの優美なら犯しかねない事を、朱里は知っていた。

「優美は悪魔になったのよ——悪魔に。それを止められるのは——私だけなの。」
「何を? 何を止めるの?」


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