ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 神的少女は殺戮がお好き【優美の記憶が……】
- 日時: 2012/03/23 11:29
- 名前: 奈美 ◆a00JQBXv3o (ID: 4pBYKdI8)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.cgi?mode=view&no=17021
こんにちは! 奈美です。
これは……三作目ですね、二作目は途中で挫折しましたけど、これは絶対に完結させます!
今から読み始める人は、あらすじ(>>173)を読んでみてください。
前作(完結)を読みたい方は参照へどうぞ♪
脱字・誤字・アドバイス・感想等あれば、どんどんコメントしてください!
〜あらすじ
>>173へどうぞ。第一、第二部がざっと分かります(多分……
〜用語解説 >>111
〜登場人物リスト >>135
〜目次 >>178
‐神殺通信‐
ver1 >>149
ver2 >>153
ver3 >>161
ver4 >>172
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- Re: 神的少女は殺戮がお好き【オリキャラ募集中!】 ( No.14 )
- 日時: 2011/09/04 16:37
- 名前: 奈美 ◆a00JQBXv3o (ID: aiwVW5fp)
「もう! 往生際が悪いんだから!」
ドンッ。
「うわぁ〜!」
叫び声をあげて、十数段ある階段を転げ落ちてゆく。それを、二人はただただ呆然と見ることしかできなかった。
「う……そ…でしょ。そんな…」
優美は、出来始めの涙をためながらつぶやいた。たまっていた涙が滴り落ちる。へなへなと地面に座り込むと、朱里も横で座り込んでいた。静かな桜の木の下には、十数分前までいた校門近くの声が聞こえる。朱里は決心したように顔をあげ、手首をつかんだ。
「行こう。」
「え?」
「先生に言いに行くのよ。正直に言わなくちゃ、刑だって軽くならないよ? それに、殺人犯として生きるの、いやじゃない。」
「うん……」
「ほら、立って。行くよ」
優美は涙を浮かべながらも、手をつかまれて渋々ついていった。職員室からは、コーヒーの香りが漂ってくる。とりあえず、担任を呼んだ。
「失礼しまーす。高園先生いますか〜?」
「ああ花園さん、どうかしましたか?」
「実は……優美が奏を階段から落としちゃって———その———救急車呼んでもらえます?」
男性新米教師は、困ったような顔をした。
- Re: 神的少女は殺戮がお好き【オリキャラ募集中!】 ( No.15 )
- 日時: 2011/09/04 16:57
- 名前: 萌恵 ◆jAeEDo44vU (ID: Pmy7uzC3)
- 参照: 学校が始まりました…大変だー!!
うわっ!初めっから、かなり重い…
- Re: 神的少女は殺戮がお好き【オリキャラ募集中!】 ( No.16 )
- 日時: 2011/11/23 19:54
- 名前: 奈美 ◆a00JQBXv3o (ID: m3TMUfpp)
「奏? そんな生徒いたかな……」
「いましたよ! 忘れたんなら名簿見てみてください! それに緊急事態なんですよ!?」
先生は、自分の机に名簿を取りにいった。先生たちの机は、書類の山で埋め尽くされていた。優美はいまだに涙目だ。朱里たちの方へ向かいながら、名簿を開く。
「えっと……名字は?」
「田中。田中奏です。」
ムスッとした顔で朱里が言った。先生は苦笑いしながらも、名簿を見やった。
「田中———田中愛美、田辺七海。いないじゃないか。イタズラもいい加減にしろよ?」
「ちょっと見せてください」
朱里は名簿を受け取り、二人は、先生から渡された名簿に目を凝らした。何度も、何度も。何分も、何十分も。
「……嘘でしょ、そんなハズない。」
優美は、そのまま倒れこんだ。朱里に、肩を支えられ、肩にもたれた。
「優美、優美、しっかりして! 優美!」
(朱里の声が聞こえる——ああもうダメ、目を開けられない——)
第一章 結
- Re: 神的少女は殺戮がお好き【一章完結!】 ( No.17 )
- 日時: 2011/10/10 17:58
- 名前: 奈美 ◆a00JQBXv3o (ID: b1kDOJaF)
- 参照: 第一章一気読み用です。
第一話 桜の下で消える記憶
タン、トン、タン、トン、タンッ、軽やかな足音が、住宅地に響く。その軽やかな足音をたてる少女は、セーラー服を着ていた。やがて、ランドセルを背負った小学生、可愛らしいセーラー服や、ジャージーを着た中学生が合流してきた。そして軽やかなその足音は、人数が増えるたびに重くなっていく。ダン、ドン、ダン、ドン、ダンッ、さっきと同じステップのはずなのに、アスファルトの道を踏むたびに、少しずつ、少しずつ重くなっていく。その足音をたてる少女は、家を出てから一向に無口だ。胸の前に結んだ、ほんのり桃色のリボンは、どこかさびしそうにふわふわと揺れる。
軽やかな足音が近付いて来た。タントンタントンタンッ、その足音の正体は、朱里だった。
「優美ッ、おっはよ〜!」
「おはよう!」
その重い足取りとは裏腹に、軽やかな声を出した。それでも、重い足取りは変わらない。うわべだけの顔は、女優のように自然で、周りに溶け込んでいた。いつの間にやら、きれいに整えられた桜並木の横を歩いていた。満開の桜が、地面に落ち、強い風が吹くと、一斉に舞い上がり、まだ木に付いている花弁を巻き込んでいく。
優美の真っ直ぐな長い黒髪は、風にあおられて揺れる。時には舞い上がって、整えられた髪をめちゃくちゃにしようとするのだが、しっかりとした優美の髪の毛は、そう簡単なことでは曲がらなかった。
四月の終わり頃———そう、今から起きる事件は、桜の下で起きる。
「ほんとよかったね、同じクラスで。そういえば、奏も一緒だよね?」
「うん、そうだよ。また一緒だね、私たちって運良くない?」
「たしかに〜! だってさぁ、いっつも三人一緒だもんね!」
「そうそう!」
ごく普通のガールズトークを交わし、校門の中へと入って行った。学校はごくごく普通な市立校なのに、校舎は広く、小中高とある。ふと、朱里が時計を見た。
「なぁんだ、まだ7時半じゃん。ね、桜見に行かない?」
突如朱里が言い出した。優美は驚いて、口をパクパクさせた。
「……えっ桜。もう見てるじゃない。」
「違うってば〜! 校舎裏の桜だよ〜」
「ああ……そっちの桜ね、いいよ、行こう」
二人は、校舎裏へと走って行った。芝生の上を走って、走って、走った先に、奏がいた。奏に気づいた二人は、そっとうしろに近寄り、肩に手をおいた。
「うわっ!」
「あははははは! 引っかかった〜」
二人は、涙が出そうなくらい笑い転げた。驚かされた奏は、ゆっくりと口を開いた。
「はぁ、なんでいっつも俺が驚かされなきゃなんないんだよ。」
「なんでかって? それはね、奏の驚く姿が面白いからじゃない。ね、朱里」
「そうそう! 思い出しただけでも涙が出る〜」
「もうやめろよ〜」
「やめない」
「やめろ」
「やめない」
それから、何度も何度も「やめろ」「やめない」が繰り返された。それを、桜が見守る。そのうち優美が、笑いながら奏の肩を強く押した。後ろに階段があると知らずに。
「もう! 往生際が悪いんだから!」
ドンッ。
「うわぁ〜!」
叫び声をあげて、十数段ある階段を転げ落ちてゆく。それを、二人はただただ呆然と見ることしかできなかった。
「う……そ…でしょ。そんな…」
優美は、出来始めの涙をためながらつぶやいた。たまっていた涙が滴り落ちる。へなへなと地面に座り込むと、朱里も横で座り込んでいた。静かな桜の木の下には、十数分前までいた校門近くの声が聞こえる。朱里は決心したように顔をあげ、手首をつかんだ。
「行こう。」
「え?」
「先生に言いに行くのよ。正直に言わなくちゃ、刑だって軽くならないよ? それに、殺人犯として生きるの、いやじゃない。」
「うん……」
「ほら、立って。行くよ」
優美は涙を浮かべながらも、手をつかまれて渋々ついていった。職員室からは、コーヒーの香りが漂ってくる。とりあえず、担任を呼んだ。
「失礼しまーす。高園先生いますか〜?」
「ああ花園さん、どうかしましたか?」
「実は……優美が奏を階段から落としちゃって———その———救急車呼んでもらえます?」
男性新米教師は、困ったような顔をした。
「奏? そんな生徒いたかな……」
「いましたよ! 忘れたんなら名簿見てみてください! それに緊急事態なんですよ!?」
先生は、自分の机に名簿を取りにいった。先生たちの机は、書類の山で埋め尽くされていた。優美はいまだに涙目だ。朱里たちの方へ向かいながら、名簿を開く。
「えっと……名字は?」
「田中。田中奏です。」
ムスッとした顔で朱里が言った。先生は苦笑いしながらも、名簿を見やった。
「田中———田中愛美、田辺七海。いないじゃないか。イタズラもいい加減にしろよ?」
「ちょっと見せてください」
朱里は名簿を受け取り、二人は、先生から渡された名簿に目を凝らした。何度も何度も、何十分も何十分も。
「……嘘でしょ、そんなハズない。」
優美は、そのまま倒れこんだ。朱里に、肩を支えられ、肩にもたれた。
「優美、優美、しっかりして! 優美!」
(朱里の声が聞こえる———ああもうダメ、目を開けられない———)
第一章 結
- Re: 神的少女は殺戮がお好き【一章完結!】 ( No.18 )
- 日時: 2011/09/05 21:37
- 名前: 萌恵 ◆jAeEDo44vU (ID: Pmy7uzC3)
- 参照: 学校が始まりました…大変だー!!
優実はどうなるの!?
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