ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 神的少女は殺戮がお好き【優美の記憶が……】
- 日時: 2012/03/23 11:29
- 名前: 奈美 ◆a00JQBXv3o (ID: 4pBYKdI8)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.cgi?mode=view&no=17021
こんにちは! 奈美です。
これは……三作目ですね、二作目は途中で挫折しましたけど、これは絶対に完結させます!
今から読み始める人は、あらすじ(>>173)を読んでみてください。
前作(完結)を読みたい方は参照へどうぞ♪
脱字・誤字・アドバイス・感想等あれば、どんどんコメントしてください!
〜あらすじ
>>173へどうぞ。第一、第二部がざっと分かります(多分……
〜用語解説 >>111
〜登場人物リスト >>135
〜目次 >>178
‐神殺通信‐
ver1 >>149
ver2 >>153
ver3 >>161
ver4 >>172
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- Re: 神的少女は殺戮がお好き【とうとう十一章 ( No.139 )
- 日時: 2011/11/26 11:19
- 名前: 奈美 ◆a00JQBXv3o (ID: m3TMUfpp)
エレベーターの中は明るく、二人しかいないため広く感じられた。「B2」と書かれたボタンは黄色く光り、扉の上の表示板も「B2」を黄色く照らす。エレベーターの扉が開き、暗い廊下が現れた。女神はブルッと震えると、もうちょっと厚着してくればよかったと後悔した。受付係は平然と奥の部屋へ案内し、ドアをノックした。
「柊木華香様がおいでです。」
「どうぞ」
女神——柊木華香は受付係によって開かれたドアの先を目指し、歩いた。受付係は足早にその場を離れ、この部屋には二人がのこった。どこかで見たことのある景色が目を覆う。暗い部屋。不気味に揺れるろうそくの火。そして、黒い革製のソファ。
「ここに樹奈がいたのね。裏切り者の死神」
「おいおい、裏切り者はないだろう。ああ確かに樹奈は居たさ。もうここにはいないけどな」
「貴方は裏切り者よ。彼の想いをひねりつぶしたくせに。よく言うわ」
「裏切り者はお前だろう。お前は神のハーフを産んだんだ。あいつにはれっきとした婚約者がいたのに……」
- Re: 神的少女は殺戮がお好き【とうとう十一章!】 ( No.140 )
- 日時: 2011/11/27 14:35
- 名前: 奈美 ◆a00JQBXv3o (ID: m3TMUfpp)
華香は顔色を変えた。
「婚約者? 彼はそんなこと話してくれなかったわ」
「ああ。あいつは結婚をしたくないと言っていた。だから人間界で学びたいと訴え、この世界に降り、お前を見つけたんだろう」
「じゃあ私は、人間界にいる口実のようなものだったのね!?」
華香は声を荒げた。
「違う。それは違うんだ。あいつはお前を心から愛していたんだ! ただ——人間のお前がいない中、樹奈を育てる自信がないと言っていた」
「来やすく樹奈なんて言わないで! 貴方に私の娘の名を呼ぶ資格なんてない! 私の娘を、樹奈を、いいように利用して! それに……記憶まで操って」
華香からその言葉が出たとき、死神は硬直した。沈黙がおきる。死神が言い訳を言う前に、先手を打つ。
- Re: 神的少女は殺戮がお好き【十一章は長い!】 ( No.141 )
- 日時: 2011/11/27 14:57
- 名前: 萌恵 ◆jAeEDo44vU (ID: amGdOjWy)
- 参照: http://www.facemark.jp/facemark.htm
華香、行け行け——ッ!!!!
そのまま死神をぶっ潰せえええええええええええええええ!!!!
…あ、すみません。
- Re: 神的少女は殺戮がお好き【十一章は長い!】 ( No.142 )
- 日時: 2011/11/28 18:00
- 名前: 奈美 ◆a00JQBXv3o (ID: m3TMUfpp)
ぶっ潰せぇぇぇぇぇぇぇ!!!!! ……と行きたい所ですが、ナイフでグサリとか、毒を盛ったりとかはしませんね。する予定はございません。
その分言葉で攻撃する予定なので、どうぞ華香の暴言をお聞きください。
- Re: 神的少女は殺戮がお好き【十一章は長い!】 ( No.143 )
- 日時: 2011/11/29 17:49
- 名前: 奈美 ◆a00JQBXv3o (ID: m3TMUfpp)
「あの子は私がここに自分を送り込んだと思っているわ! 何故そう思っているか、それは貴方に記憶をすり替えられたからよ! まだ物心つく前だったものね! 入れやすかったんでしょう!? それに神の血が半分入っているもの! このまま樹奈が人間界にいて子どもを産んだら、その子にも神の血が流れる。薄くはなっているけれど、広大な力を持っていることは変わりないわ。力が弱くなるどころか、強くなるかもしれない。それを貴方は利用しようとしてるんだわ!!」
「俺はあの子のためを思って……ッ」
「何があの子のためですって!? 変な記憶を植えつけて、樹奈の人生めちゃくちゃにして!! 何があの子のためなの!? いって御覧なさいよ!! あんたなんか、あんたなんか……」
感情の山を過ぎたようだった。今度は谷に下り、川の中にどっぷり浸かったように泣きじゃくる。目は赤くなり、頬を透明な涙がつたる。死神は困った顔をした。いったん黒革の回転チェアから立った死神は、再び回転チェアに座り、四五度ぐらい回転させた。
「君は誤解しているようだ。始めっから全て話すとだね。まずあいつが人間界に来て、君に恋して、天界に戻って、再び人間界に来て、君に出会って、子どもを産んで、罰を受けて、あいつが人間界、君が天界にいるわけだ。そして子どもを自分一人で育てる自信のないあいつが、俺にあの子を託したのさ。それで今がある」
「じゃあ彼はどこにいるの? それくらいわかるわよね? ねぇ!」
華香は涙目で訴えかける。そのうるんだ瞳の持ち主に、死神は残念な言葉しか掛けることが出来なかった。
「俺には分からないんだ。あの子が六歳の頃だよ、あいつがここを出てったのは。ふと出かけると言って荷物をまとめて、それ以来あっていないし連絡もない。音信不通なんだよ。あいつは記憶読み能力者だ。そして大分高度な技を持っているだろうな」
「もうあんたになんか聞かない。自分で探し出すわ」
「じゃあ受付係を呼ぼうか」
死神は受話器に手を伸ばした。
「いいわ、一人で行ける」
華香は死神に背を向けた。
第十一章 結
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