二次創作小説（紙ほか）※倉庫ログ
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- めだかボックス 知られざる悪平等
- 日時： 2012/10/20 22:39
- 名前： シャオン （ID: r4m62a8i）
- 参照： http://http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode=form
どうも〜初めまして〜、シャオンと申します。
こんな自分の文章を楽しく読んで頂ければ幸いです！
では、プロローグをお楽しみ下さい！
パキッ、誰もいない静かな教室で何かが割れる音がした。ただ１人、教室の片隅の椅子に腰掛け、板型のチョコレートをほおばっている男の姿が居た。彼、棉柄無心は、甘い物が大好きで制服の中はお菓子で埋め尽くされている。
「あ〜・・・死にたい・・・」
口の中に入っているチョコレートをもぐもぐと動かして、虚ろな眼で下を向いた。彼は別に死にたくなるような、そんな衝撃的な出来事は起こっていない。ただ、ふと思ったことを呟いただけだ。彼は昔から暗い過去を思い出すとつい呟いてしまう癖がある。直そう直そうと思っても癖だからなかなか直らないのが現状である。
「じゃあ・・・死んで？君の存在は悪平等にとってはどうでもいいから」
どこからか無心に罵声を浴びせる声がした。無心は、まるでどこにいるのか知っているかのように上を黙って見上げた。そこには、天井を悠然と立っている和服を着た白髪の女が微笑んでいる。
「人の呟いてる事を立ち聞きするなんて趣味悪いですよ、安心院さん」
無心は、はぁ〜と溜め息を吐いて安心院さんと呼ばれる女に言った。 安心院さんは片手に突き刺さっている螺子が印象的な人だ。安心院さんは相変わらずな笑顔で無心のツンとした一言を受け止めた
「あはは、悪い悪い、１万年後くらいになったら直すよ」
無心はこんな性格の安心院さんが苦手だ。人の不幸なんかどうでもいい、他人の幸福なんかもどうでもいい、まるでこの世はくだらねぇとでも言いそうな安心院さんの言い草や態度が本当にだめなのだ。
「で、何の用ですか？」
無心は片手に持っている板チョコを制服の中にしまいこみ、席を立って言った。安心院さんはどうやって張り付いたまま応える
「そうそう、実はさぁ、最近悪平等の存在を否定するような奴が現れたんだよ」
「で、そいつらを消せ、と？」
安心院さんの言葉を先読みして無心は応えた。しかし、そんな無心に安心院さんはあはは、と苦笑いをした。
「違う、確かに消したいと思う気持ちもないことはないんだけどね」
「じゃあ、なんですか？」
「彼等と仲良くしてほしいんだ」
ここが重要とでも言いたいのか、少し安心院さんは間を作って言った。安心院さんは、あ、別にやりたくないなら他の奴に押し付けて構わないよ？と、付け加えた。
「イコール仲良くすると言う名の殺しですか、悪平等なだけに」
安心院さんは、笑顔のまま、無心のふざけたジョークに眉をピクッと上に動かした。
「おいおい、そんなくだらねぇ御託を聞きたいんじゃないぜ？」
無心は考える。自分は安心院さんに何か利用されていないか。無心は今までに何度か安心院さんにはめられた事があった。例えば、ただのお使いと言うことで買い物に行かされた挙句、その帰り道に変な連中に絡まれ、何とかそいつらを倒してそいつらから情報を聞くと、安心院さんにそそのかされたと言うのだ。無心は、後に安心院さんにこの事を問い詰めると
「あれ〜？そうだっけ？忘れちゃったな〜」
と言うのだ。この出来事が安心院さんを苦手に思った理由の一つである。
「で、どうするんだい？やめる？」
安心院さんは笑顔で無心に言う。その笑顔は明らかに無心が断れないのを確信しているような笑顔だった。確かに無心は、頼まれたら嫌とは言えない性格だ。そのおかげで、今まで頼み事を断った試しがない。
「分かりました、やれば良いんでしょう・・・やれば」
無心はしぶしぶ応える。あ〜またやってしまった。と、無心は自分の性格を嘆いた。
「おお、やってくれるんだね。いや〜君がオッケーしてくれるなんて９９．９９％思ってもいなかったぜ」
安心院さんはわざとらしく、ニコッと笑いながら言った。そんな安心院さんに対し、無心は怒りと言う感情を通り越して殺意と言う感情が芽生えた。
「じゃあ、詳しい事は夢で教えるから」
安心院さんはそう言うと宙を舞うように天井から落下し、綺麗に一回転すると、うまいこと床に着地し、とっとと部屋から出て行った。
無心は安心院さんが教室から出て行くのを確認すると、そっと呟いた
「めんどくさい事になったな・・・」
プロローグ >>00
第一話 >>03
第二話 >>06
第三話 >>10
第四話 >>11
第五話 >>13
第六話 >>15
第七話 >>19
第八話 >>23
第九話 >>26
第十話 >>30
第十一話 >>34
第十二話 >>38
第十三話 >>42
第十四話 >>45
過去編 >>47
第十五話 >>52
第十六話 >>55
第十七話 >>58
第十八話 >>62
第十九話 >>63
第二十話 >>65
過去編 パート２ >>68
第二十一話 >>71
第二十二話 >>74
第二十三話 >>77
第二十四話 >>80
第二十五話 >>83
第二十六話 >>84
第二十七話 >>87
第二十八話 >>90
第二十九話 >>93
第三十話 >>97
第三十一話 >>101
第三十二話 >>104
過去編 パート３ >>108
第三十三話 >>112
第三十四話 >>116
第三十五話 >>128
過去編 パート４ >>130
キャラ設定 >>9
キャラ紹介２ >>22
キャラ設定３ >>96
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- Re: めだかボックス 知られざる悪平等 ( No.143 )
- 日時： 2012/11/14 03:08
- 名前： 午前の麦茶 （ID: UXNmz4pg）
更新乙です。
- Re: めだかボックス 知られざる悪平等 ( No.144 )
- 日時： 2012/11/19 18:09
- 名前： シャオン （ID: r4m62a8i）
- 参照： http://.kakiko.cc/novhttp://wwwel/novel3/index.cgi?mode
午前の麦茶さんへ
ありがとうございます！
- Re: めだかボックス 知られざる悪平等 ( No.145 )
- 日時： 2012/11/19 18:13
- 名前： シャオン （ID: r4m62a8i）
- 参照： http://.kakiko.cc/novhttp://wwwel/novel3/index.cgi?mode
いつの間にやら参照が２５００を超えて２６００！？
とても嬉しいです！！
読んでくださっている皆様方、ありがとうございます！！
それでは毎度恒例、過去編を書かせて頂きます！！
- Re: めだかボックス 知られざる悪平等 ( No.146 )
- 日時： 2012/11/19 22:25
- 名前： シャオン （ID: r4m62a8i）
- 参照： http://.kakiko.cc/novhttp://wwwel/novel3/index.cgi?mode
祝！！参照２６００！！
過去の記憶編
無心と燈蔵はあの日以降、お互い仲直りをして一緒に暮らしていた。
「行ってきまーす！！」
制服を身に纏った燈蔵が扉を勢い良く開けた。昔と打って変わって、人に対する攻撃性や不信性が消えているようだ。そのせいか、今はとても笑顔。
「おい、待て！弁当忘れてる！！」
あとに続いて、学ラン姿の無心が慌てた表情を浮かべて部屋から弁当を片手に出てきた。
「あっ、ごめん！忘れてた！」
アハハッと燈蔵は苦笑いを浮かべて、無心が届けた弁当を受け取る。
「全く・・・気をつけろよな」
困り顔の無心はただ苦笑いを浮かべる燈蔵をただ眺めた。読者の皆さん、ここでお気づきでしょうか？無心がやたらと表情が豊かであると。ちなみに気のせいではない。彼は一時的に感情を取り戻しているのだ。いや、取り戻したと言うより『借りた』に近いだろう。
安心院さんから感情を一時的に貸し出されているのだ。決して無心が望んだことではない。ただ安心院さんが、
「女の子と二人屋根の下で暮らすんだ。感情がないなんて残念すぎるだろ。たった一度の思春期を楽しめよ」
と言い、持たされたのだ。無心にとっては良い迷惑だが、安心院さんの計らいだから受け取るしかない。
そんなこんなで、
「兄貴も早く行かないと遅刻するよ！」
「そんな事分かってるよ。ほらっ、学校に遅れるぞ？」
そう言いながら無心は学ランのポケットから取り出した携帯を取り出して、時間を燈蔵に見せる。
「ヤバッ！行かなきゃ！」
弁当を鞄の中に入れると、すぐさま家から飛び出した。無心も携帯をポケットの中へと突っ込むと、荷物を取りに行くため自分の部屋に戻って行った。
何気なく扉を開けると、そこには見慣れた制服を身に纏った黒髪の少女が無心の勉強机の椅子に腰掛け、参考書を捲っていた。
「人の家までわざわざ押しかけるなんて趣味悪いですよ？安心院さん」
安心院さんはパタンッと本を閉じ、それを無心の鞄へとしまった。
「いや〜、君たちの生活が気になってね〜。仲良くやってるようじゃないか」
「それはどうも。で、此処に来たと言う事は何かしらの用件があると言うことで良いんですか？」
無心はジロッと目つきの悪い視線を安心院さんに向ける。
「え？ないよ。」
安心院さんのその真顔にも近いその微笑は人をなめていると言っても過言ではないだろう。ブチッと無心の中で何かが切れた。すぐさまに無心は学ランの裏から対戦闘用の三角定規を手に取った。
「冗談だよ。ホラッ、チョコレートでも食べて気を落ち着かせな」
どこから出したか分からない板型のチョコレートをポイッと無心の方へと投げ渡す。少々躊躇しながらチョコを受け取った。
「チョコレート？」
無心は当時、お菓子と呼ばれる物をあまり食べたことがなかった。当然チョコレートと呼ばれる食べ物は聞いた事があっても、見たことがなかった。ちなみに、燈蔵の誕生日にケーキを渡すシーンがあったが、結局その後、彼はケーキは食べなかった。で、残りのケーキの処理をするのだが・・・。燈蔵がおいしく全て頂いたそうだ。
「で、本題なんだけどさぁ・・・」
目を閉じて、安心院さんは静かに微笑む。その様子からして、無心も何か大きなことがあると確信していた。そして、
「お使い行ってくれない？」
その日、町中にてもの凄い怒号が聞こえたと言う。
その日の午後。無心は学校帰りに八百屋や肉屋などの店を転々と買い物していた。理由は、簡単に言うとお使い。頼まれたことは嫌とは言えない無心の良い所だ。
「よし、一通り買ったな。途中、安心院さんが何か仕掛けてくると思ってたが、何事も無くて安心した」
ポケットからお使いのメモらしきものを読むと、またポケットにしまった。が、
「そこの長髪野朗ク〜ン」
無心はたぶん自分が呼ばれたのだと思い、声の聞こえたところへと振り向く。その時、
「！？」
振り向くと金属バットが自分の目の前に振りかかろうとしていた。防ごうと手を出そうとするのだが両手は買い物袋などでふさがれている。結局、無心が考えた手段、それは・・・。
ガァン！！
「痛ぇなぁ・・・」
「なっ、こいつ！！脳天にぶち当たったのに何で倒れねぇんだ！！」
いかにも不良ですよーとアピールするような服装の男は驚いたように無心を見る。確実に当たったであろう無心の頭から、やや大きめのたんこぶが浮き出てきた。
「よーし、お前そこで立ってろよ。今から面白いもの見せてやるからよ」
荷物を地面にゆっくりと置き、無心は怪しげな笑みを浮かべながらバキボキと指を鳴らした。その瞬間、町中に原因不明の悲鳴が轟いた。
そんなハプニングがあったお使いの帰り道、無心は人通りのない道を歩いていた。彼の横には河川敷があり、夕日によって反射する川がとても綺麗だ。そんな中、燈蔵が一人で向かい側に俯いた状態で現れた。
「おっ、燈蔵！どうした、こんなところで」
「・・・」
しかし、俯いたままで何も返答を出さない。心配に思った無心は燈蔵の元へと駆け寄ろうと足を出した。
「！？」
突如、ナイフが自分の頬を掠めて飛んできたのだ。一瞬何が起こったのか分からない無心だが、すぐに投げた張本人が理解できた。
「・・・燈蔵？」
「さない・・・。」
「何？」
小さく呟く彼女の声には無心もよく聞こえなかった。
「許さない！許さない！許さない！許さない！許さない！許さない！許さない！許さない！許さない！許さない！許さない！許さない許さない！許さない！許さない許さない！許さない！許さない許さない！許さない！許さない許さない！許さない！許さない許さない！許さない！許さない許さない！許さない！許さない許さない！許さない！許さない」
狂気に取り付かれたかのように燈蔵は『許さない』を連呼する。そして、言い終えると静かに顔を上げた。
「・・・燈蔵、お前」
「お前がこの痣を・・・呪われた・・・痣を・・・」
燈蔵の右目の周りには無心が幼い頃に経験した黒い痣が付いていた。無心には何が何だか分からなかった。付けた覚えもない痣、しかも異常なまでに自分に対する憎悪。そして、今自分が置かれている状況にも。
「待て！燈蔵！！正気に戻れ！！」
しかし、彼女の耳には届かなかった。
「お前を殺す！！わたがら むしーーーん！！」
- Re: めだかボックス 知られざる悪平等 ( No.147 )
- 日時： 2012/11/21 02:01
- 名前： 午前の麦茶 （ID: 9IMgnv4t）
更新乙です。そして参照２６００突破おめでとうございます！
謎が解けてまた新たな謎が出現しましたか……次回も楽しみです。
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