社会問題小説・評論板

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花言葉の約束 完結しました、有難うございました。
日時: 2010/12/04 14:07
名前: 空花 (ID: 44GDRR0m)

sorakaに名前変更しました。大して変わっていません。

小説の実力はあまりないですが、宜しくお願い致します。

以前この話は「キャスフィ」というサイトでも書いていました。
文章とか題名とか違いますが、でももうそっちの方は挫折してしまったのでこちらのサイトでは完結させます。

前、ここでも同じような内容(っていうか同じですが)の小説を書いていました。それはその修正版です。
前は「心に刻まれたこの傷を  —虐待—」っていうタイトルでした。

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2010年 夏の小説大会大賞、有難うございます!

※この小説は完結しました。今まで応援してくれた方々、本当に有難うございました。

次回作でまたお会いしましょう。

Re: 花言葉の約束 参照300突破です!ありがとうございます! ( No.75 )
日時: 2010/12/31 13:55
名前: 空花 (ID: 8qWxDU4Y)

嘘つきだけじゃない。

私は弱い……。

「いつか裏切られる事」

——それが怖くて。

だから、自分から友達を裏切った。

それなのに、今更友達が欲しいなんていってた。

本当は友達が欲しくて……でも裏切られたくない。

そんなまだ分かんない事で裏切るなんて、間違ってるって分かってた。

なのに変えようとしなかったんだ、私は。

だから弱い……

「……悲しいこと考えて時間使わないほうがいいよ。」

琴音は私に言った。

思わず私は「どうして?」と尋ねた。

琴音は、真剣な表情でこう言った。

「時間はね、一秒一秒大切にしなくちゃいけないんだよ。 だって、今日という言葉は毎日使われるけど、でも、『今日』は『明日』になったら『昨日』という言葉に変わっちゃう。 だから、ホントは『今日』は一日だけなんだよ。七海。『今日』の一秒一秒はもう二度とこないんだから、『悲しいこと』より『楽しいこと』を考えて時間を使ったほうがいいよ」

琴音はそう言うと、静かに笑った。

なんだかこっちまで安心した。

Re: 花言葉の約束 参照300突破です!ありがとうございます! ( No.76 )
日時: 2010/07/28 20:23
名前: 空花 (ID: zhnbqHwV)

琴音は、優しいだけじゃない、心も強い。

まるで私とは正反対なんだ。


どうしてこんなに弱いんだろ。私。


「琴……音?」

「うん? どうしたの?」

琴音は食い入るように私の瞳を見つめた。

その瞳——、なんだか苦手だ。

全て分かっているような瞳が。

「琴音は、どうしてそんな風に、生きていけるの? それと……」

そう言いかけた私の言葉を遮るように琴音は言った。

「感情があるから。今まで生きてきた中でうれしい、悲しいとか感情を精一杯表現してきたからだよ」

——まるで、花が静かに咲くみたいだった。

まだ……私には少し難しかった。

でも、その通りだと思った。

琴音はものすごく真剣な表情をしてた。

全て分かっているようなその瞳。

Re: 花言葉の約束 参照300突破です!ありがとうございます! ( No.77 )
日時: 2010/07/29 10:53
名前: 空花 (ID: zhnbqHwV)

「今……何か言いかけたよね?」

琴音は私が何か言いかけていた事に気付いてそう言った。

「琴音は何でこんな時間に公園に居たの? って言おうとしたの」

私が疑問に思っていた事。

「えっと、それは……一言で言えば、夜のパトロール、ってとこかな」

「へえ、そうなんだ。 でも、夜のパトロールって何?」

今夜、月は見えない。

今夜、星は見えない。

だけど私達の知らないところで、雲の奥で輝いているはず。

そんな風に、私の心の奥でも、「強さ」と「優しさ」という存在が隠れているのかも、しれない。

今はまだ——

雲に隠れているのかな。

「自分の弱さ」という雲に。




Re: 花言葉の約束 参照300突破です!ありがとうございます! ( No.78 )
日時: 2010/07/29 21:48
名前: 空花 (ID: zhnbqHwV)

その雲を取り除ける日は、私には来るのだろうか。

「夜のパトロールって言ったら変かも……まあ意識ある夢遊病みたいな?」

琴音が黙っている私に向かってさっきのセリフに言葉を付け足した。

ていうか、意識ある夢遊病って。

病気?

「えっ、意識ある夢遊病?」

「まあ、でも体が勝手に動くわけじゃない。夢遊病って、言い方変だったね」

言葉は慌てているようだったけれど、琴音の顔は落ち着いていた。

「夢遊病……」

私は呟いた。

夢遊病って、確か夜中に眠ったまま起きて、勝手にどっか行くっていう病気だっけ。

その時の記憶はないとか……。

「夢遊病、ではないな。 自分からここに来てるんだ。いつも」

「え……いつもこの時間帯に?」

「今日はちょっと遅かった、いつもならもう少し早い」

琴音は笑ってた。

でも、笑って誤魔化しているようにも見えた。

「……ていうか何で自分から……」


Re: 花言葉の約束 参照300突破です!ありがとうございます! ( No.79 )
日時: 2010/07/30 14:25
名前: 空花 (ID: zhnbqHwV)

「……それは……」

琴音は黙った。

何か、隠している。

そう私は感じた。

思わず私も黙ってしまった。

重苦しい空気の中、やっと琴音が口を開いた。

「さっき、言ったでしょ。もう心が淋しい人もそれに傷ついて自.殺する人も増やしたくないって」

琴音は冷たく言い放った。

「でも、何で増やしたくないの? 元からそーゆうのに興味あったの?」

私の疑問は次々増えていく。

そして次々私の口から出る。

「……時が来たら話すよ。全部」

琴音は暗い表情をして言った。

「今は言えない、ごめん」

そう琴音は言うと、苦しそうにしゃがみこんでしまった。

「……琴音!?」


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