社会問題小説・評論板

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花言葉の約束 完結しました、有難うございました。
日時: 2010/12/04 14:07
名前: 空花 (ID: 44GDRR0m)

sorakaに名前変更しました。大して変わっていません。

小説の実力はあまりないですが、宜しくお願い致します。

以前この話は「キャスフィ」というサイトでも書いていました。
文章とか題名とか違いますが、でももうそっちの方は挫折してしまったのでこちらのサイトでは完結させます。

前、ここでも同じような内容(っていうか同じですが)の小説を書いていました。それはその修正版です。
前は「心に刻まれたこの傷を  —虐待—」っていうタイトルでした。

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2010年 夏の小説大会大賞、有難うございます!

※この小説は完結しました。今まで応援してくれた方々、本当に有難うございました。

次回作でまたお会いしましょう。

Re: 花言葉の約束 ( No.255 )
日時: 2010/11/18 19:38
名前: soraka ◆h/HZltt1j. (ID: 3WEStcxt)

>>修也@

【空華・空花】煩悩ぼんのうにとらわれた人が、本来実在しないものをあるかのように思ってそれにとらわれること。病みかすんだ目で虚空を見ると花があるように見えることにたとえたもの

正確にはこういう意味↑

すごくなんかないよw
だってさ、私はぶりっこいじめは書きたくないから。
面白いですね〜とか言われても、それはぶりっこの口調とかがって事でしょ? 
私はそんなことはどうでもいい。話の内容がすごいって言われたほうが嬉しいし。

大事なのは、タイトル、内容だと思う。
タイトルは最近適当に付けてる人が多いような…;
タイトルで読むか読まないか決める人も居るから私はこのタイトルに結構こだわったw

表現の仕方は、直感でやってるw
一行考えるのに時間かかることもある。なかなか思いつかなくて。ていうか毎回だけどw

次回作の事で頭がいっぱいだ^^;
何とか…頑張る!

Re: 花言葉の約束 ( No.256 )
日時: 2010/11/19 22:15
名前: soraka ◆h/HZltt1j. (ID: 3WEStcxt)

七海目線

既に、壁は少し欠けていたのかもしれない。

頭を下げたままのお母さんを見ていると、少しだけ罪悪感を感じた。

お母さんの表情は見えなかったが、真剣に謝っている事はもう、分かっている。

お母さんが嘘をついているようには見えなかったし、何か事情があるように見えた。

許したくないという気持ちの中に、少しずつ新しい気持ちが混ざっていく。

許してもいいかもしれない。

許したくない。

対立する2つの気持ち。

もう、どうすればいいのか分からなくて混乱する。

「お母さん、顔上げていいよ」

私は、それくらいしかお母さんに掛ける言葉が無かった。

お母さんはゆっくりと顔を上げ、私を真剣な眼差しで見つめる。

その眼差しから逃げるように思わず私は目線を逸らした。

Re: 花言葉の約束 ( No.257 )
日時: 2010/11/20 15:18
名前: soraka ◆h/HZltt1j. (ID: 3WEStcxt)

     七海目線

「お母さん……」

震える声で私は呟いた。

「許さないのは分かってる。気が済むまで何してもいい」

私が目線をお母さんに戻すと、お母さんはやっぱり真剣な表情をしていた。

私が"悪"ならお母さんを殴っていただろう。

けれど、そんな事しても、罪悪感が増えていくだけ。

悪には、なれなかった。

私は、善にもなれない。

許していいかなんて自分自身が決める事なのに、少しだけ琴音に頼ろうかと考えてしまった。

さっきから琴音はずっと黙っている。

ずっと夢見た事が既成事実になっているのに、私はまだ混乱していた。






「もういいよ、お母さん。無理しなくていい」

しばらく考えた末に、出た言葉はこれだった。

「七海……?」

「私は、許せないほど辛かったけれどお母さんだってきっと辛かったんだよね?」

「自分の気持ち隠さなくていいのよ、七海」

お母さんは少し泣き声になっていた。

本気で許してもらえないのを覚悟していたんだろう。

「隠してなんかない、お母さんだって辛かったはずなのにそれに気付けずに私もお母さんを傷つけてた。これでおあいこだよ」

もう、嘘はつかない。

最初から、お母さんが本気で謝っているのを分かっていた。

とっくに、十分責めたよ。

Re: 花言葉の約束 ( No.258 )
日時: 2010/11/21 14:00
名前: 修也@ ◆ohF1HVPuR. (ID: BsB4CdF8)

>>soraka
 直感でかぁ・・^^
 sorakaの直感、すごっ!!!

 七海・・・、優しいなぁ・・・
 今まで酷いことしてきた優奈を許せるなんて・・!!!
 ヤベ、半泣きになっちゃったかも><;

 sorakaなら頑張れるさ!
 がんばってね^^d

Re: 花言葉の約束 ( No.259 )
日時: 2010/11/21 18:58
名前: soraka ◆h/HZltt1j. (ID: 3WEStcxt)

        七海目線

「そんな簡単に許していいの? お母さんの事なんか心配しなくていいの」

お母さんは目の前に起こった出来事を信じれていないようだった。

私も、信じれなかった。

「確かにお母さんは一生許されなくてもいいくらいの事をした。私はお母さんが謝ったからそれだけで許したわけじゃないの。お母さんが本気で謝ってるの、分かってたから……」

「七海、信じてくれてありがとう」

そう言ってお母さんは私に笑顔を見せた。

けれどその目には涙が浮かんでいた。

それがお母さんの頬を伝い、アスファルトへと落ちていく。

何年も見ていなかったお母さんの笑顔。

懐かしすぎて私も泣きそうになったけれど、じっと堪えた。

「お母さん……ありがとう」

そして、涙の代わりにお母さんにそう言った。

お母さんは笑顔のまま、涙を流し続けている。

その時琴音が私とお母さんに近づき、こう言った。

「何も言わずにこれだけ言って帰るなんて、と思われるかもしれませんが……2人が、元の幸せな親子関係に戻れることを祈ってます。それでは」

不自然なほど大人びた口調の琴音は、別人のように見えた。

「また、あの公園で会おうね」

琴音は私にそっと囁き、走って帰っていった。

本当に"何も言わずにこれだけ言って帰るなんて"だよ。

でも、きっと私達の事を思ってなるべく空気を壊さないように黙っていたんだろう。

『あの子、誰?』

いつもならお母さんはそう私に聞いていただろう。

けれどお母さんはその事については言わずに、涙をポケットから出したハンカチで拭きながらお母さんはこれだけ言った。

「七海、そろそろ帰ろうか」

「うん、お母さん」

私がそう返事をすると、お母さんは黙ってハンカチをしまった。

その時にはもう、お母さんの涙は止まっていた。

「じゃあ、行こうか」

それだけ言ってお母さんは私と手を繋いで歩き出した。

笑顔のままのお母さんと、手を繋いで歩いていく。

私がずっと望んでいた光景だった。


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