社会問題小説・評論板

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花言葉の約束 完結しました、有難うございました。
日時: 2010/12/04 14:07
名前: 空花 (ID: 44GDRR0m)

sorakaに名前変更しました。大して変わっていません。

小説の実力はあまりないですが、宜しくお願い致します。

以前この話は「キャスフィ」というサイトでも書いていました。
文章とか題名とか違いますが、でももうそっちの方は挫折してしまったのでこちらのサイトでは完結させます。

前、ここでも同じような内容(っていうか同じですが)の小説を書いていました。それはその修正版です。
前は「心に刻まれたこの傷を  —虐待—」っていうタイトルでした。

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2010年 夏の小説大会大賞、有難うございます!

※この小説は完結しました。今まで応援してくれた方々、本当に有難うございました。

次回作でまたお会いしましょう。

Re: 花言葉の約束 ( No.15 )
日時: 2010/11/03 11:02
名前: 空花 (ID: jUXSyEEQ)

痛い。

もう慣れてるはずなのに。

「もう、あんたなんてね!! 生きていてもお母さんの期待を裏切るだけなのよ!!」

ズキッと、心が痛む。

——お母さん。

「お母さんの『期待』って、何?」

……気付いたら、聞いていた。

どうしても今浮かんだ疑問をそのままぶつけずにはいられなかった。

お願い。答えて。

お母さん。




——ドンッ

突き飛ばされた。

壁に体が当たって、痛かった。









「あんたなんかもう信じない」








答えて欲しかった。

私が言って欲しかったのは、そんな事じゃないのに。

バカだ。私。

Re: 花言葉の約束 ( No.16 )
日時: 2010/11/03 11:09
名前: 空花 (ID: jUXSyEEQ)
プロフ:

今更期待しても無駄だった。

もう随分前から分かっていた。

けれど期待しないと自分が壊れてしまいそうで。

——ガチャッ

お母さんは黙って部屋から出て行った。

ズキズキと、さっき叩かれた跡が痛む。

「あはは……」

少しだけ、笑った。

いつも、信じていた。

お母さんはきっといつか、私に笑ってくれるって。

元の優しいお母さんに戻ってくれるって。

本当は、そんな事ないって分かっていたはずだったのに。

Re: 花言葉の約束 ( No.17 )
日時: 2010/11/03 11:11
名前: 空花 (ID: jUXSyEEQ)
プロフ:

私はふらふらと立ち上がった。

——ズキッ

「痛っ…!」

私の右手に鋭い痛みが走った。

何が起こったの……?

——見るのが怖い。

そう思った。

私は『見るのが怖い』という気持ちを抑え、なんとか視線を右手に向けた。

「ひっ……」

ガラスが、私の手に刺さってる。

右手は血で赤く染まっていた。

Re: 花言葉の約束 ( No.18 )
日時: 2010/11/03 11:12
名前: 空花 (ID: jUXSyEEQ)
プロフ:

しばらく呆然と立ち尽くしていた。

その間にも、痛みは更に増していった。

でも……私が一番痛いのは、心——。

お母さんが答えてくれなかった事が悲しかった。

どうして答えてくれなかったの。何で。

手が小刻みに震えていた。

血はまだ流れていた。

——ポタッ

真っ赤な血の雫が私の手をつたって、やがて床のカーペットに落ちていった。

血の雫は、床のカーペットに小さなシミを作って、やがて広がっていった。

その間も、血は私の手をつたって流れ続ける。

でも、もう怖くはなかった。

Re: 花言葉の約束 ( No.19 )
日時: 2010/11/03 11:14
名前: 空花 (ID: jUXSyEEQ)

それから、何分経っただろうか。
私は、やっとの思いでガラスを取り除いた。

時間が経つごとに、痛みは少しずつなくなっていった。

けれど、心の痛みは少しもおさまらない。

どうして答えてくれなかったのか、という思いがずっと頭の中にあった。

こんな事をされる辛さが、お母さんには分からないのだろうか。

知って欲しいのに。

でも、他人の心など誰にも分からない。

でも……私に一瞬でもいいから笑って。お母さん。


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