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- 沖土I 始まり
- 日時: 2013/09/07 06:14
- 名前: 羅紗 (ID: SfeMjSqR)
5月4日 午前6時
沖田はいつものように土方の部屋を目指していた
「今日はどんな事をしてやりましょうかねぇ・・・」
隊士達は黒い笑みを浮かべている沖田におびえながら、横を通り過ぎていく
土方の部屋まで来ると中で近藤と土方が話といるのに気づき
沖田は耳をすまして壁にもたれて話を聞く事にした
「トシ、少し休んだらどうだ?最近働きすぎた。」
近藤は土方の体を心配して部屋まで来ていた
「大丈夫だ、働いていた方が落ち着くー・・・ゴホッ!」
土方は口に手を当て苦しそうに咳をしすぐにその手を後ろに隠した
「大丈夫じゃないだろ!トシ!」
「近藤さん・・・」
「何だ?!」
苦しそうな顔をしている土方に近藤は歩みよる
「・・・いや・・・何か体に良さそうな物食いてぇと・・・」
「分かった!栄養たっぷりの飯を持ってきてやるからそこで寝てろよ!」
近藤は急いで土方の部屋から出ていく
沖田には気づかず走って行く近藤を見て沖田は少し笑った。
- Re: 沖土I 始まり ( No.131 )
- 日時: 2013/11/24 14:48
- 名前: 羅紗 (ID: 4icP.gIH)
土方はゆろめく足を引き吊り坂田の前まで来ると、いきなり襟首をつかんだ
「おい・・・このクソ天パ、お前何か知ってるだろ・・・」
「何かって、何?」
坂田は軽く笑うと土方の手を払いのけた
土方が明らかに怒りを露わにしているのを坂田は感じていた。
だが、そんなことは坂田には関係なかった
「おかしいと思っていたんだ・・・あの時から・・・」
「あの時?」
坂田はいつもの魚のような目で土方を見ていた
土方は真っ直ぐ坂田を睨むと自分の財布を取り出す
「お前が財布を俺に渡したときから・・・」
「・・・」
坂田の目が少し揺れた気がした
「俺は、見回りには財布を持っていかない。それなのに何故お前があの時、持っていたんだ?俺は最近は見回り以外屯所は出なかった。だから、財布を落とすなんてありえねぇんだよ。俺の部屋に来る以外にはな・・・」
「・・・・」
坂田は何も言わなくなっていた
「お前はずっと、見回りの時俺をつけていた・・・あの日、俺が向かってくるとは思わなかったお前は驚き、そして、とっさに財布を言い訳にした・・・箱を置きに来た時に盗んだ俺の財布を・・・」
坂田はグシャグシャに顔を歪め狂ったように笑った
- Re: 沖土I 始まり ( No.132 )
- 日時: 2013/11/24 15:08
- 名前: 羅紗 (ID: 4icP.gIH)
「アハアハハハハははははハハハはははははハ!!!」
坂田は涙を流しながら笑った
(このクソ天パ・・・狂ってやがる・・・)
坂田の狂いっぷりに土方は数歩後ずさった
「アハハ!・・ハッ・・・あー・・・でも、それで、別に俺が犯人って分かんなくね?」
さんざん笑った坂田は土方を睨み返す
「あぁ・・・俺も何かの間違いかと思いつづけていた・・・山崎がああなるまで・・・」
「・・?」
土方は小さな透明な袋を出してきた
「それが・・・何?」
「山崎がやられた時に俺の部屋にあった髪の毛だ」
土方は袋に入っている髪を取り出す
坂田の顔から笑みが消えた
「この毛は白い・・・最初はまさか、と思ったが厳重に見回りしていて、屯所に入ってこれる奴なんかお前ぐらいだろう・・・髪が白くてな・・・」
土方は自分の刀に手をおく
「それと、その日置かれていた箱の中にも同じ髪の毛が入っていた・・・調べた所、同一人物だとさ・・・」
俯き少し笑う土方は刀を抜いた
「何が目的で、俺に毎日箱を届け、付きまとい、挙げ句、山崎を斬ったんだぁ!!」
土方の怒りは頂点に達していた
振りかざしてきた刃をよけた坂田は、素早く土方の後ろに回り込んだ
- Re: 沖土I 始まり ( No.133 )
- 日時: 2013/11/24 15:32
- 名前: 羅紗 (ID: 4icP.gIH)
「くそがあぁ!!」
土方は後ろに回った坂田に切りかかる
我など忘れ、無我夢中で自分を切りかかってくる土方に坂田は興奮した
「逃げんじゃ!!あっ?!!」
何かに躓き、少しよろめいた土方を坂田は抱きしめた
「なにっ!!しやがる!!!」
土方は余りの気味の悪さに寒気がした。必死に逃げようとするが、ピクリとも動かない
「十四郎・・・もう離さねぇから・・・」
抱きしめられながら、耳元で囁く坂田に土方は本気で恐怖した
「離せっ!ぶっ殺してぇ!!んぁ!!」
いきなり、口を重ねられた土方は混乱した
「ぁ・ぅ・・・ふぁ・・」
クチュクチュという音が土方の耳を支配する
「はぁむ・・・・はぁ・・・!」
深く濃厚なキスをされ、ただでさえ足に力が入らなかった土方はその場で崩れた
「あははは・・・そんなに気持ち良かったの?俺のキス・・」
土方は坂田を睨みつける
「そんなことしても、逆効果だよ・・・十四郎」
坂田は土方を押し倒すと、激しいキスを繰り返す
「ふぁっ!・・やめっ!!ぁ・・」
土方はいつしか刀を手放していた
あああぁぁー・・・やっと十四郎が俺だけを見てくれた!!
坂田はキツクきつく土方を抱きしめた
- Re: 沖土I 始まり ( No.134 )
- 日時: 2013/11/24 16:06
- 名前: 羅紗 (ID: 4icP.gIH)
コロス殺す殺すコロス殺す殺す殺す殺す殺すコロス!!!
土方は涙を流し、唇を噛みすぎて血がでていた。それを坂田は優しくなめる
「かわいいよ!かわいい!!俺の十四郎!」
「誰がテメェのだああぁ!!」
悔しくて、悲しくて、こんな奴に犯されるなら、いっそのことー・・・
「させないよ・・・」
坂田は土方の口の中に自分の舌をいれ、キスをした
「ふぁ・・ぁ・・ふっ・・・」
「舌を噛みちぎるなんて、俺が許さない・・・」
坂田は土方の髪を撫でる
「ごめんね・・・十四郎・・・」
坂田は土方の腹に鋭い一撃を食らわした
「ガハアアァ!!!」
土方は空気を一気に吐き出すと、そのまま倒れた
「さて、ジミー君の記憶を消してくるか・・・さすがに殺したら、十四郎悲しむしねぇ・・・」
坂田は笑うと、土方を監禁し、万事屋を後にした
その日病院では、土方が居なくなったと事件になっていた
(土方さん!!どこに行ったんでぃ?!)
沖田は病院を飛び出した
その時、横を通った男には隊士はもちろん沖田でさえ気づかなかった
坂田は静かに笑いながら山崎の部屋を目指した
- Re: 沖土I 始まり ( No.135 )
- 日時: 2013/11/25 16:49
- 名前: 羅紗 (ID: TZkODFX/)
「ごめんね、ジミー君」
坂田は山崎の病室に来ていた。ここに来る途中、誰も坂田には気づかなかった。もちろん気づかせないようにした
「だ・・・んな・・どう・・して・・」
「君は知らなくていいことさ・・・これは俺と十四郎との問題ー・・・っていうより、約束かな・・・」
坂田は一人笑うと、小さな瓶をポケットから取り出した
その笑った理由が山崎には到底分からなかった
「ジミー君にはこれを飲んでもらうよ?」
「こ・・れは・・・」
坂田は瓶の蓋を開け、山崎の鼻を摘むと、中の液体を無理矢理飲ました
ゴクリッ・・・という音が聞こえると、山崎は次第に虚ろな目になっていった
「この薬は、忘れ薬だよ。あの時のことは忘れてもらうから、大丈夫、体に害はないから。ただ少し眠くなるだけだから」
そう話す声は意識が遠のく山崎には届かなかった
坂田は山崎が意識を失ったのを確認すると、まだ何も入っていない花瓶に一輪の花をいれた
開いた窓からの風に、その花は病室を出ていく坂田を見送るように悲しく揺れていた
「じゃあね・・・ジミー君」
自分の声が震え、寂しそうに響いていた事はその一輪の花だけが知っていた
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