BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

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沖土I 始まり
日時: 2013/09/07 06:14
名前: 羅紗 (ID: SfeMjSqR)

5月4日 午前6時
沖田はいつものように土方の部屋を目指していた
「今日はどんな事をしてやりましょうかねぇ・・・」
隊士達は黒い笑みを浮かべている沖田におびえながら、横を通り過ぎていく
土方の部屋まで来ると中で近藤と土方が話といるのに気づき
沖田は耳をすまして壁にもたれて話を聞く事にした
「トシ、少し休んだらどうだ?最近働きすぎた。」
近藤は土方の体を心配して部屋まで来ていた
「大丈夫だ、働いていた方が落ち着くー・・・ゴホッ!」
土方は口に手を当て苦しそうに咳をしすぐにその手を後ろに隠した
「大丈夫じゃないだろ!トシ!」
「近藤さん・・・」
「何だ?!」
苦しそうな顔をしている土方に近藤は歩みよる
「・・・いや・・・何か体に良さそうな物食いてぇと・・・」 
「分かった!栄養たっぷりの飯を持ってきてやるからそこで寝てろよ!」
近藤は急いで土方の部屋から出ていく
沖田には気づかず走って行く近藤を見て沖田は少し笑った。

一輪の花 二十八 ( No.240 )
日時: 2014/09/15 16:46
名前: 羅紗 (ID: GeNBR54o)

銀時side

ごめんな...十四郎、俺はお前に嘘をついちまった......

俺は、先生の形見だった刀を、十四郎にあげたんだ。これで良かったと思ってる
彼奴には、俺の私物は何一つあげたことなかったから
俺の大好きだった場所にも、連れていけた
過去も全て話した......
もう、俺が教えることは何もないんだ。俺の全てを教えたから.......

剣術は、お前が一人で生きていく為に、教えたんだ
自分の命は、自分で守れるようにと...
お前は強いから、俺がいなくても、生きていけるって信じてる

心残りがあるならば、それは、お前をもっと愛してやりたかった...
愛を知らない十四郎に、もっと愛注いでやりたかった
そして、愛してると、言ってほしかったんだ......





俺は、先生が愛した国。お前がいる国を守るため、幸せに暮らせる国をつくるため戦う

これが最後の戦いなんだ...




大切な人を守るために、今一度、刀を振るう俺を...十四郎は許してくれるだろうかー......

一輪の花 二十九 ( No.241 )
日時: 2014/09/15 21:59
名前: 羅紗 (ID: IgsYLD4q)

俺は十四郎が作ってくれたお握りを持って、彼奴等が集まる場所を目指した

「遅いぞ銀時!遅刻だぞ!大の方のトイレが長引いたのか?!」
「んなわけねぇだろヅラ...
そう言うテメェだって、今来たところだろ、あ?テメェはその長い髪が、トイレに詰まったんですかぁー?」
「なんだと!?銀時!」

「オイ!!お前等いい加減にしろ!大事な話を今からするんだ!」
高杉のドスのきいた声が、ここに集まった同士達を一瞬で静まり返らした
「今日の深夜、天人が群をなして来るそうだ。
一匹の天人がゲロったんだが、どうやらボスがいるということだ...
今回の戦であちらさんも終わりにしたいらしいな...」
そう話す高杉は、俺の方をチラッと見てきたんだ
その表情は、本当にお前はこのままでいいのか?なんて顔をしていた

...分かってるよ

俺は話す高杉の声を遮って

「俺達は!命をかけて先生が愛した国。そして、愛する者が住むこの国を守るんだ!
いいな!途中で逃げ出すなんて真似だけは絶対にするな!!
戦を終わらせるんだ!!分かったな!!」
そう叫んだ
「オオォォォォォー!!」
俺が叫ぶと共に、集まった何百人の同士も雄叫びを上げたんだ
    

一輪の花 三十 ( No.242 )
日時: 2014/09/15 23:03
名前: 羅紗 (ID: IgsYLD4q)

逃げ出してはいけないんだ...
俺は自分自身に、そう言い聞かせたんだ


「オイヅラ、刀余ってねぇか?」
「ん?銀時、あれを無くしたのか?!」
「んな事...テメェには関係ねぇだろ...」
俺は、ヅラこと桂小太郎から刀を奪い取ると、一振りしてみたんだ
そんな俺をヅラはジッと見ていた。こいつも十四郎を知っている。俺がアイツを好きだって事も...

「銀時、今ならまだ...」
「黙ってろ」
すぐに答えた。お前等が言いたいことは、痛いほど分かるんだ。
しかし、これは俺が一度決めたことなんだ。逃げ出すことなんて出来ないし、するつもりもない
分かってるんだ......
十四郎と出会う前に、お前等に
俺が天人のボスを殺す
って言った時から...分かってたんだよ。俺は無事に帰る事なんて出来ねぇって

お前等が十四郎の為に、今ならまだ引き返せるって言いたいことも...
でもなぁ...先生を守れなかった俺が、今度ぐらい、命を懸けて愛する者を守ると誓っても、罰はあたらねぇだろ......









俺は、もう会えなくなる十四郎の事を思いながらー......
この青く澄み切った空を仰いだんだ




      

一輪の花 三十一 ( No.243 )
日時: 2014/09/20 17:44
名前: 羅紗 (ID: OjDUGINw)

空を見上げ、大きく息を吸い込んだ時だった。誰かが俺の肩に、手を置いたんだ

「高杉...」

俺には高杉が、今から喋ろうとしていることが、何となく分かっていた

どうせ、十四郎の事なんだろ?

「銀時、お前、十四郎はどうすんだ......」

ほら......

「彼奴なら大丈夫だ。もし俺が居なくなったって、一人で生きていけるさ」
「死ぬ気なのか?」
「......」
「十四郎には、言ってあるのか?」
「......」

笑ってごまかした

ハイ、死ぬかもしれないのでサヨウナラ。なんて口が裂けても言えるわけないだろう
言ったら彼奴は、何が何でも俺に着いてくるって分かってるから...
これ以上、彼奴を巻き込みたくないんだ

それに、死ぬつもりで戦う訳じゃない
勝つために、生きて幸せに彼奴と暮らせるために、俺はもう一度、刀を握るんだ......



十四郎には嘘をついたんだ。後悔はしてないさ...



ただ
一言
十四郎には言ってもらいたかった言葉があったんだー...



続     

一輪の花 三十二 ( No.244 )
日時: 2014/09/27 14:30
名前: 羅紗 (ID: 9fWLjRBi)

日が沈み、辺りが暗くなりや出した頃、俺達は刀を携え、此処を後にした


「勝つぞ!!絶対に!!」

「オオォォォォ!!!」

先頭に立っている俺が叫ぶと、後ろに続く同士が雄叫びを上げたんだ

もうこれで...本当に引き返すことが出来なくなったんだな......

俯いていた俺は、グッと拳に力を込めると、顔を上げて足を前へと踏み出した


これで全てを終わらせるんだ!!!



「銀時」

「ん?」

「一人も欠けることなく勝つんだ...」

「...」

「それが俺達の言う勝ということだ...」

「分かってる。高杉、テメェこそ......必ず生きろ」

「あぁ...」

「それと、大ッッ嫌いなお前に、俺から...一生の頼みがある......」









天人の姿が俺達の目に飛び込んできた


「...そうならない事を、信じている」

お前はそう言って、天人の群の中へ飛び込んでいった
それに続いて、俺達も群へと駆けていったんだ    


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