BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

沖土I 始まり
日時: 2013/09/07 06:14
名前: 羅紗 (ID: SfeMjSqR)

5月4日 午前6時
沖田はいつものように土方の部屋を目指していた
「今日はどんな事をしてやりましょうかねぇ・・・」
隊士達は黒い笑みを浮かべている沖田におびえながら、横を通り過ぎていく
土方の部屋まで来ると中で近藤と土方が話といるのに気づき
沖田は耳をすまして壁にもたれて話を聞く事にした
「トシ、少し休んだらどうだ?最近働きすぎた。」
近藤は土方の体を心配して部屋まで来ていた
「大丈夫だ、働いていた方が落ち着くー・・・ゴホッ!」
土方は口に手を当て苦しそうに咳をしすぐにその手を後ろに隠した
「大丈夫じゃないだろ!トシ!」
「近藤さん・・・」
「何だ?!」
苦しそうな顔をしている土方に近藤は歩みよる
「・・・いや・・・何か体に良さそうな物食いてぇと・・・」 
「分かった!栄養たっぷりの飯を持ってきてやるからそこで寝てろよ!」
近藤は急いで土方の部屋から出ていく
沖田には気づかず走って行く近藤を見て沖田は少し笑った。

一輪の花 三十八 ( No.250 )
日時: 2014/10/05 20:25
名前: 羅紗 (ID: XhcgQ6Qp)

「俺なら一人で大丈夫だ。俺は強いから...」

胸倉を掴んでいる高杉の手をどけて、俺は天を見上げた
今にも雨が降りそうな程黒い雲が、俺達の頭上を支配していた

「高杉、俺の頼み、覚えているか?...」

「あぁ、分かってる。お前の一生の頼みだ...必ず果たす」

「分かってんなら、なおさら帰れ...」

「......」

「先生が愛した国は、必ずこの坂田銀時様が守ってやる」

お前の瞳を見つめてそう呟いた。その瞳は揺れることなく、まっすぐ俺を映し出す
そして一言こう言ったんだ

「俺も、この国を守りたかった...」

お前の瞳が今初めて揺らいだ気がした

「あぁ、知ってる。でも、それは俺の役目だ...
それとな、高杉...今までこの国を守ってきたのは、テメェ等だ
十分じゃねぇか...十分守ってきたじゃねぇか。お前等が居なかったら、この国は既に終わっていた...
後は任せてくれ...お前等の思い全てのせて、俺はこの国を守ってみせるから...」

そう言って笑った俺の視界に、天人の群が映った

「...なら、俺からの一生の頼みだ」           



















「生きろ」 

一輪の花 三十九 ( No.251 )
日時: 2014/10/05 21:26
名前: 羅紗 (ID: XhcgQ6Qp)

お前はそう呟いて、俺の返事を待たずにきびすを返し、生きている同士の元へ走っていった

遠くから見えるお前等は、立ちはだかる天人を倒しながら、走って行く

そして、お前等は一斉に俺の方へと振り帰り、一斉にババッと頭を下げていった
遠くから見えるお前は、周りの奴等の誰よりも長く、深く頭を下げていた
片手に少し赤く染まった紙切れを握りしめて
そして、顔を上げたお前は

「ありがとう」

そう言っているように見えたんだ

俺は小さく微笑で呟いた

「さようなら」


俺の周りには、いつの間にか、天人の群で溢れ返っていた









白く美しく、戦うと鬼のように強い姿から俺は
白夜叉
と呼ばれるようになっていった
だが今は、白夜叉としてではなく、一人の男として...愛する者のために-...
十四郎のために-






声を張り上げ叫んぶ俺は、天人の群へと走っていったんだ









「坂田銀時ッ!!!最後の戦だぁぁぁぁぁぁッ!!!!」      

一輪の花 四十 ( No.252 )
日時: 2014/10/14 18:06
名前: 羅紗 (ID: EFzJ4NBH)

土方side

一週間と一日が過ぎようとしていた
この静かな小屋で、今日の終わりを再び一人で迎えようとしていた
窓から丸い月が、明るく俺を照らしていた
寒くて寒くて、何時しかもう自分の手足の感覚が無いって事に気づいた

足音が微かに聞こえた

耳を澄ましてみる。間違いじゃない、誰かがこの小屋に歩いてきていた


ずっと、ずっと待っていたんだ......


涙が自然に溢れてきた
感覚のない体に力を込めて、立ち上がろうとしたんだ
でも、ずっと動かしていなかった体がすぐに動く訳なくて
俺の体はバランスを崩して、前のめりに倒れてしまったんだ
口も上手く動かせなくて、愛しいアンタの名すら呼ぶことが出来ないんだ

動けなくても、早く迎えに行きたくて...ズルズルと這い蹲って、やっとの思いで玄関まで来たんだ
扉を勢いよく開けた
「...ぎんッ.....」











-...真っ白だった

あたり一面に雪が積もり、俺の目に映る全てが白と化していたんだ

言葉が出なかった......そして、誰もそこには居なかったんだ...
ただ、俺の目の前には、少し赤く染まったおにぎりの包み紙が落ちていたんだ......

 

一輪の花 四十一 ( No.253 )
日時: 2014/10/15 22:12
名前: 羅紗 (ID: 9fWLjRBi)

あの足音は、そら耳だったのだろうか
あの時、アンタが帰ってきたんだと喜んだ俺の気持ちは何だったんだろうか...





なぁ...銀時


別れの言葉ぐらい......

紙なんかに書かずにさ...俺の目を見てアンタの口から伝えてくれよ

紙なんて...要らないからさ...




銀時...俺は、何の為に今まで生きていたんだろう...
何をするために今まで生きていたんだろう...?










涙が......溢れて、溢れて...止まらないんだ...








こんなに息が詰まるほど苦しくて、悲しくて辛くて怖くて不安な気持ちを味わうって最初から分かってたら...
ずっと昔に死んでおけば良かったのかもしれないね...
銀時に出会わなければ良かったのかもしれない...
そもそも俺なんて、産まれてこなければ良かったのかな?
俺の存在が...誰かを幸せにした事なんてあったかな?
生きていた意味、あったのかな-...?


俺は、今にも飛んで行ってしまいそうな紙切れを、手を伸ばして掴んだんだ
       

一輪の花 四十二 ( No.254 )
日時: 2014/10/19 15:12
名前: 羅紗 (ID: kG5vJqWm)

-十四郎へ-

この手紙を十四郎が読んでるって事は、もう俺は十四郎の元へは帰れなくなったって事なんだ。
こんな形でお別れする事を、本当に申し訳ないと思っています。

本当は手紙で言いたくなかったけど、直接言うことがもう出来ないから、手紙になることを許してください。

俺は一人の男として、十四郎の事が大好きでした。
本当はもっともっとお前を愛してやりたかった。ずっと、ずっと一緒に暮らしたかったんだ。
お前が笑ってくれると、俺も嬉しかったし、毎日が本当に有り得ないほど楽しかったんだ。
十四郎と出会った日の事。毎日ご飯を作ってくれた事。何気ないことで笑い合った事。
お前が戦場にやって来た事。小屋を出ていった時の事。刀を渡した時の事。
綺麗だった雪や蛍、朝日を一緒に見た時の事。
この二人の思い出は、俺の中で一生消えることはないよ。一瞬たりとも忘れた事もないんだ...

十四郎、俺に生きる希望を与えてくれてありがとう。
俺の心を癒してくれてありがとう。俺を受け入れてくれてありがとう。
俺に出逢ってくれてありがとう。そして、幸せな時間をありがとう。

俺を、十四郎の男にしてくれて本当にありがとう-...


Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52



小説をトップへ上げる
題名 *必須


名前 *必須


作家プロフィールURL (登録はこちら


パスワード *必須
(記事編集時に使用)

本文(最大 7000 文字まで)*必須

現在、0文字入力(半角/全角/スペースも1文字にカウントします)


名前とパスワードを記憶する
※記憶したものと異なるPCを使用した際には、名前とパスワードは呼び出しされません。