複雑・ファジー小説
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- さぁ 正義はどっち ? 参照13600ありがとう御座います!
- 日時: 2016/08/23 00:57
- 名前: メルマーク (ID: KzMBmi6F)
戦争と平和は正反対のものと考える人が多い世の中
それは本当なの?正義って何?悪って何?
答えが見つからないなら探せば良い。
多分異色な今までにない、正義についてのお話し。
答えはありませんが、きっと終わった後 何が正解か思い浮かぶはず。
時代は古きよき時代、中世頃にしようかと
オリキャラ募集一応締め切らせていただきます!
終章にもうじき突入予定なので‥・もしかしたらまた募集するかも・・・?
名前
性別
年齢
容姿
A国B国どちらの味方?(国名は長いので省略
性格
武器
サンボイ「」
職業は?下から選択下になければ新職業を書いてくれるとうれしいです
騎士 傭兵 盗賊 貴族 海賊 海軍 王室(王族をのぞく外交官・メイド・執事・王族のいとこ)関連
占い師 科学者(錬金術師) 芸術家 哲学者 商人 国民 旅人 魔法使い など
武器や変わった特徴などの要望も即採用です
結構な確率で”死ぬケース”もあるのでご了承ください!!
◇目次◆
王国ルート001 >>5 帝国ルート001 >>43
王国ルート002 >>15 帝国ルート002 >>49
王国ルート003 >>20 帝国ルート003 >>50
王国ルート004 >>23 帝国ルート004 >>54
王国ルート005 >>31 帝国ルート005 >>63
王国ルート006 >>66 帝国ルート006 >>81
王国ルート007 >>67 帝国ルート007 >>83
王国ルート008 >>68 帝国ルート008 >>90
王国ルート009 >>71 帝国ルート009 >>91
王国ルート010 >>74 帝国ルート010 >>93
王国ルート011 >>101 帝国ルート011 >>114
王国ルート012 >>103 帝国ルート012 >>117
王国ルート013 >>106 帝国ルート013 >>118
王国ルート014 >>108 帝国ルート014 >>120
王国ルート015 >>110 帝国ルート015 >>122
王国ルート016 >>123 帝国ルート016 >>183
王国ルート017 >>127 帝国ルート017 >>184
王国ルート018 >>133 帝国ルート018 >>187
王国ルート019 >>142 帝国ルート019 >>191
王国ルート020 >>144 帝国ルート020 >>193
王国ルート021 >>194 帝国ルート021 >>207
王国ルート022 >>197 帝国ルート022 >>208
王国ルート023 >>200 帝国ルート023 >>209
王国ルート024 >>203 帝国ルート024 >>210
王国ルート025 >>204 帝国ルート025 >>212
王国ルート026 >>214 帝国ルート026 >>232
王国ルート027 >>217 帝国ルート027 >>238
王国ルート028 >>219 帝国ルート028 >>239
王国ルート029 >>223 帝国ルート029 >>246
王国ルート030 >>224 帝国ルート030 >>258
王国ルート031 >>286 帝国ルート031 >>298
王国ルート032 >>287 帝国ルート032 >>304
王国ルート033 >>288 帝国ルート033 >>309
王国ルート034 >>292 帝国ルート034 >>312
王国ルート035 >>295 帝国ルート035 >>314
王国ルート036 >>317 帝国ルート036 >>329
王国ルート037 >>319 帝国ルート037 >>331
王国ルート038 >>321 帝国ルート038 >>334
王国ルート039 >>325 帝国ルート039 >>335
王国ルート040 >>326 帝国ルート040 >>336
王国ルート041 >>340 帝国ルート041 >>372
王国ルート042 >>347 帝国ルート042 >>375
王国ルート043 >>352 帝国ルート043 >>378
王国ルート044 >>353 帝国ルート044 >>382
王国ルート045 >>357 帝国ルート045 >>386
王国ルート046 >>387 帝国ルート046 >>399
王国ルート047 >>390 帝国ルート047 >>402
王国ルート048 >>393 帝国ルート048 >>407
王国ルート049 >>395 帝国ルート049 >>408
王国ルート050 >>398 帝国ルート050 >>409
王国ルート051 >>425 帝国ルート051 >>431
王国ルート052 >>426 帝国ルート052 >>433
王国ルート053 >>428 帝国ルート053 >>434
王国ルート054 >>429 帝国ルート054 >>436
王国ルート055 >>430 帝国ルート055 >>437
王国ルート056 >>442 帝国ルート056 >>450
王国ルート057 >>443 帝国ルート057 >>451
王国ルート058 >>446 帝国ルート058 >>453
王国ルート059 >>447 帝国ルート059 >>454
王国ルート060 >>449 帝国ルート060 >>461
王国ルート061 >>462 帝国ルート061 >>471
王国ルート062 >>465 帝国ルート062 >>472
王国ルート063 >>466 帝国ルート063 >>476
王国ルート064 >>467 帝国ルート064 >>477
王国ルート065 >>468 帝国ルート065 >>480
王国ルート066 >>482 帝国ルート066 >>492
王国ルート067 >>483 帝国ルート067 >>493
王国ルート068 >>487 帝国ルート068 >>495
王国ルート069 >>488 帝国ルート069 >>496
王国ルート070 >>489 帝国ルート070 >>499
王国ルート071 >>504 帝国ルート071 >>516
王国ルート072 >>506 帝国ルート072 >>517
王国ルート073 >>507 帝国ルート073 >>520
王国ルート074 >>509 帝国ルート074 >>521
王国ルート075 >>510 帝国ルート075 >>525
王国ルート076 >>528 帝国ルート076 >>539
王国ルート077 >>533 帝国ルート077 >>543
王国ルート078 >>534 帝国ルート078 >>545
王国ルート079 >>537 帝国ルート079 >>547
王国ルート080 >>538 帝国ルート080 >>548
王国ルート081 >>551 帝国ルート081 >>560
王国ルート082 >>552 帝国ルート082 >>562
王国ルート083 >>553 帝国ルート083 >>563
王国ルート084 >>557 帝国ルート084 >>564
王国ルート085 >>558 帝国ルート085 >>566
王国ルート086 >>571
王国ルート087 >>574
王国ルート088 >>575
王国ルート089 >>578
王国ルート090 >>579
◇カメルリング王国味方
>>2 ルーク 主人公
>>1 ミルフィーユ 発明家・美食家・資産家
>>4 キリエ 牧師・哲学者
>>16 ノイアー 傭兵
>>25 ラグ 執事
>>28 サイト 商人
>>29 リグレット 僧侶
>>39 ツバキ 軍人
>>55 ユニート 魔導師
>>58 ラルス 騎士
>>58 リリー 暗殺者
>>75 ジョレス 傭兵
>>78 フランチェスカ 王女
>>87 ハニー 妖精
>>99 シラン 術士
>>221 カルマ 学者・錬金術師・魔術師
>>289 フランキール 王子
>>440 シュバルツ 海賊
>>457 リレーナ 竜騎士
◆ミカイロウィッチ帝国味方
>>14 エドウィン 主人公
>>6 ヴィトリアル 盗賊
>>11 アーリィ 魔女
>>12 ゼルフ 黒騎士
>>12 リン メイド
>>27 シフォン 貴族騎士
>>30 イヴ 術士
>>37 ウィンデル 大道芸人
>>59 クウヤ 剣士
>>60 ツヴァイ 科学者(薬学)
>>76 ミレア 傭兵
>>78 シェリル 皇女
>>85 ディルム 精霊
>>96 ライヤ 偵察兵
>>98 セイリーン ドッペルゲンガー
>>278 レイ 魔女
>>305 故)フィア 魔女の弟子
>>305 故)キオ 魔女の弟子
◎味方につかない者
>>163 ソーサラー(呼称) 占星術師・幻術師
>>163 スキンヘッドハゲ(呼称) 盗賊
>>227 ヨメナイヤツ アドバイザー
キャラ応募してくださった皆様心よりお礼申し上げます!素敵なキャラをありがとう!!
◇番外編◆
参照四桁祝
・イヌ派ネコ派の王国日常 >>146
・絶対に信じちゃいけない言葉で帝国日常 >>150
・執事採用試験 >>156
・団長の足取り >>157-158>>160
・ある幻術師の思い出 >>162>>164>>170>>173>>175>>176
参照二千祝
・とあるメイドの追走劇 >>248>>254>>257>>260
・傭兵の黒と従者の白 >>263>>264>>269>>272>>274>>280>>281>>282>>283
参照三千&四千祝
・魔法使いの弟子 >>360>>363>>364>>367-368
・帝国サイド盗賊団と加担者でチビキャラ全員集合イラスト >>371
参照4500祝
・王国・番外ルートで抜粋チビキャラ集合イラスト >>404
銀賞&殿堂入り祝
・メイドと騎士と仲介人 >>415>>417-418>>421>>423
参照5000祝
参照6000祝
参照7000祝
金賞祝
参照8000祝
参照9000祝
参照10000祝!
参照11000祝!!
参照12000&13000祝!!!
保留
どんどん保留祝が増えて行っている…本編終わったら一気に大感謝祭とかやりたいなぁ、なんて考えてます
・・・業務連絡・・・
2014の冬の小説大会で銀賞もらえました!ありがとうございます!
2015の夏の小説大会で金賞もらえました!!ありがとうございますっっ!
参照5000祝いと6000祝、7000祝、8000祝9000祝そして10000祝。11000祝はのちほど…ッ!
時間軸まとめ >>234
- Re: さぁ 正義はどっち ? 参照2000ありがとう御座います! ( No.280 )
- 日時: 2013/09/01 22:40
- 名前: メルマーク ◆kav22sxTtA (ID: V8vi7l6T)
参照二千記念 番外編022 傭兵の黒と従者の白
————————————————————————
王都の中枢に配置されているカメルリング城の第一印象は、デカイ、だった。
乳白色の石造りの壮大な城は、晴天と言うよりは曇り空が良く似合いそうだ。光を浴びると淡く紅色に染まる、角ばった城。取り囲むような壁と、天に向かって三角形のブロックを取り付けたような塔が目立つ、正統派の城だった。
「すご・・・」
城は小高い丘に設立されている様で、長いスロープが城をぐるりと取り囲むようにあり、王国兵士がずらりとそこに立ち並ぶ。
騎士が大切にされている国らしくいたるところに剣を天に向けた、馬に乗る騎士の石造が置いてある。
ラルスが三人と荷車を城へいれてくれと頼み込んでいる間、手に入れた視覚的情報はこれくらいだった。
「盗賊団を?—あの子供たちが?」
そうです、とラルスが三人の、盗賊団を締め上げたという手柄を話すが門番のような男達は笑って相手にしない。
保留 さようなら夏休み!
保留解除!続きは↓
- Re: さぁ 正義はどっち ? 参照2000ありがとう御座います! ( No.281 )
- 日時: 2013/09/01 22:42
- 名前: メルマーク ◆kav22sxTtA (ID: V8vi7l6T)
参照二千記念 番外編023 傭兵の黒と従者の白
————————————————————————
「仕方ないですね、俺が師匠にあなた方のことを話してちゃんと名声を得られるようにしてもらいます」
ラルスは困ったように3人にそう告げると、城のスロープを駆け上がって消えた。
やることがなくそこに突っ立ったままでいた三人の前で、ふいにロバが暴れだした。
ガゴンと音を立ててロバの後ろ蹴りを喰らった荷車から戦闘不能の盗賊たちと財産が転がり落ち、ロバはそのまま鎖が取れて走り去る。
それだけならまだしも、今がチャンスだとかろうじて動ける盗賊たちが脱走を図りだした。
「あ、こら待て!」
「ジョレスはロバを追いかけろ、盗賊は俺達が追う」
一番ロバに近かったジョレスにそう指図すると、ゼルフは逃げ惑う盗賊団の生き残りを追いかけて走る。
ミレアが盗賊団の一人の襟首をつかんで引き倒した光景を尻目に、ジョレスはロバを追って走り出した。
ゼルフやミレアに任せれば、盗賊団はすぐ捕まえられるだろうなぁなどと考えながらロバを追っていくと、徐々にあたりの景色が変わる。
穏やかな辺鄙な場所へと変わり、木々や花の植えられた道が続いていく。
ロバが爆走しようが、幸いなことに人気がないため怪我人は出なかった。だがのうのうと走らせていいわけではない。
四足歩行に二足歩行が追いつくわけがないが、運がいいことにロバは疲れたのかスピードを落としたため、ジョレスは数分後無事にロバを捕らえることに成功した。
ンガーと言うような、ロバの奇妙な鳴き声にわかったから黙れよ、と相槌を打ちながらジョレスは辺りを見回す。
「なんだあれ・・・古代遺跡?」
のどかな景色の向こう、ひときわ目立つ白皙の建物に目を奪われたジョレスは引き寄せられるようにその建物へと歩み寄っていく。
手綱は軽く握る程度だったが、ロバは大人しくジョレスと並歩してその建物へたどりついた。
白くて美しい・・・神殿のような建物。
異様なほどの美しさに、ジョレスは口を半開きにしたまま緑色の目を丸くした。
カメルリング城が曇りの似合う建築物なら、この神殿は秋晴れと寂しげな風の似合う建築物だ。
時を忘れるほど美しい光景に心奪われていると、ンガー、と不意にロバが何かに気付いたように鳴きはじめ、神殿から誰かがこちらをひょっこり覗いているのが目に留まった。
薄茶色の髪に空色の宝石のついた髪飾りをつけた、幼い少女。彼女が恐る恐ると言った感じでジョレスを見つめ、口を開いた。
神殿から10メートルほど離れていたが、神殿の入り口のいる少女の声がはっきりと聞き取れた。
「あの・・・どうかいたしました?道に迷われたのでしょうか?」
「え、あ・・・建物を見ているだけで—」神殿に人が住んでいたことに驚き、挙動不審になったジョレスは無言でこちらを見つめる少女に慌てて弁解する。
「べ、別に怪しいものとかそんなんじゃ—」
「ロバですね?触ってもよろしいでしょうか?」
だがそんなことに興味がまったくないらしく、海のように深い瞳を輝かせてたずねてきた。
変な子だなぁ?と思いながらも幼い子好きなジョレスは頷いて、それを了承してやる。
「ありがとう御座います!」
「ッ!」
心底嬉しそうに微笑んで駆け寄ってくる少女の顔を見た瞬間、一目で心を奪われた。
遠目では別になんともない普通の少女の気がしたが、間近で見てしまうと天使のような子供だった。
神殿と同じ純白の長いスカートの背に、白い羽根がついていたら完璧だったのに。
「これがロバですね、初めて触りましたが、ごわごわしていらっしゃるのですね。何を食べるのですか?」
「あ・・・わら・・・とか?」
もとよりロリコン属性のジョレスはかなり取り乱しながらも彼女の質問に答える。
かなり棒読みの答えに、彼女は変な顔せず更に感激したようにロバを撫で回す。
その愛くるしい様を見て、ジョレスは更に取り乱し、素数を数えることも忘れた。
(え?この子人間?俺はロバを追跡中に実は死んでいたのか?これはお迎えか?俺の好みにあわせて神様がこの天使を迎えに来させたのか?)
「お嬢ちゃんって、ここに住んでるのか?」
かろうじて出てきた言葉はこれだけであったが、彼女は微笑んで頷く。
「今日からここに住むのです。引っ越してきたばかりで、まだ知り合いもいません」
ここでじゃあ俺が知り合い第一号になどと言うことは口走らず、あえて慎重に言葉を選んだ。
「貴族か何かの娘なのか?神殿に住むなんて・・・」
「あれは修道院ですよ。わたくしは・・・貴族の延長線の娘・・・です」
なぞめいた言葉を発した彼女は、少し寂しそうに笑い、それから思いついたように口を開いた。
「あ、あの!もしよろしければわたくしと—」
「—フランチェスカ様!」
すると突然鋭い声が響き、彼女の言葉をかき消した。
ロリコンと幼女の出会い
良く考えたら今日日曜日で学校は明日からだったw
- Re: さぁ 正義はどっち ? 参照2000ありがとう御座います! ( No.282 )
- 日時: 2013/09/02 18:38
- 名前: メルマーク ◆kav22sxTtA (ID: V8vi7l6T)
参照二千記念 番外編024 傭兵の黒と従者の白
————————————————————————
神殿の入り口には黒い法衣に身を包んだ修道女たちや、彼女の引越しを引導してきた輩が、蟻が巣穴から出てくるようにワラワラと群がってきた。
中には剣を構えているものもおり、その殺気を感じてかロバが興奮したようにいななく。
どうどうと落ち着かせようとするが、剣を持った輩や修道女が張り詰めた顔でこちらに向かってくるので、ロバはジョレスを引きずりながら後退し、ついにその手から逃れて走り出した。
「あ、こらまてロバ!」
「あ、待ってください—せめてお名前を!」
脱兎の如く逃げ去るロバを追いかけていくジョレスに、背後からフランチェスカが声をかけるが、修道士達の声にかき消される。
「フランチェスカ様、王位継承権第二位という御身の立場をお考えください!」
「ですが・・・わたくしは・・・」
同年代ほどの知り合いが欲しかったフランチェスカはまごついたように、走り去るロバと少年の背中を見る。
「王位継承権を狙うものは少なくありません。すぐ修道院の中へ!」
熱心なその言葉に、フランチェスカは頷いて彼らと共に修道院へ戻っていった。
その後ロバを無事回収したジョレスは、名残惜しいもののゼルフとミレアに合流すべく、街へ帰った。
「やっと回収してきたか。こっちはすべて終わったぞ」
城門の前では6人の盗賊が完璧に気絶し、そいつらの脇に座り込んだゼルフと、荷車に座るミレアがすでに待機していた。
「遅かったわね、何かあったの?」
ミレアが腕組みしながらたずねると、ジョレスが荷車に馬車をくくりつけながら、惚けた様に口を開く。
「天使に会ったんだ・・・」
「天使?・・・さてはあんた小さい女の子に遭遇したんだ?」
まったくもうと言いたげにミレアが腕を組みため息をつくと、ゼルフが首をめぐらせて彼らの背後を見つめた。
ミレアとジョレスが釣られて背後を見ると、ラルスが精悍な騎士をつれてやってくる光景が見えた。
ラルスの師匠に話を通してもらい、国王と面会した彼らは名誉の称号をもらい、国王からじきじきに礼を尽くしてもらった。
このまま我国で傭兵として暮らさないかと持ちかけられ、三人はそろって目を合わせる。
白い大理石でかたどられ、柱やシャンデリア、窓の飾りなどにふんだんに金が装飾される謁見の間に敷かれた赤い絨毯に跪く三人は、少しだけ時間をくださいと告げて頭をたれた。
国王はシワのある顔を柔和そうにゆがめて笑うと、玉座から頷いた。
「よかろう、そなたらの働きを私は気に入った。王城の客間にそなたらを招待しよう。もう下がってよいぞ」
国王に深くお辞儀をした後、三人は王城の客間に通され、その豪華さに目を見張っていた。
贅の限りを尽くした・・・という成金趣味の部屋ではなく、その一部屋丸ごとが芸術品のような優雅さにあふれていた。
その部屋のソファに腰掛けたゼルフは、すぐに本題を切り出した。ゼルフはこれと言って豪華な品物に興味がないらしく、しり込みせずにどうどうとソファに腰掛けている。
「お前たちは国王の申し出を受けるのか?」
「お前たちはって・・・じゃあゼルフは受けないの?どうして?」
大理石の飾り棚に乗っていた小瓶をしげしげと眺めていたミレアは、ゼルフの言葉に眉を寄せた。
「俺はラルスとか言う見習い騎士と戦いたい。練習ではなくて、戦地で直接剣を交えてみたい。だから、王国の・・・ラルスの味方にはつかない」
ソファに片肘を突きながらつぶやいたゼルフに、ミレアは困ったように腰に手を当てる。
「ほんっと、戦うことしか考えてないんだから!」
やれやれと天を仰いだミレアは、これからのことについて真剣に悩み頭を抱えた。
両親を失って絶望のふちにいたミレアを奮い立たせ、共に戦おうとした二人の仲間と離れるのはイヤだ。
国王の申し出は目が飛び出るほど嬉しいものだったが、仲間と別れてもいいほどのものではない。
ま、しょうがない、と心を決めたミレアはまさか、仲間同士がばらばらに別れ行く結末を迎えるとことを、まだ知らない。
思ったより長編だー
だけど次で終わりですねー
- Re: さぁ 正義はどっち ? 参照2000ありがとう御座います! ( No.283 )
- 日時: 2013/09/02 20:16
- 名前: メルマーク ◆kav22sxTtA (ID: V8vi7l6T)
参照二千記念 番外編025 傭兵の黒と従者の白
————————————————————————
コンコンコン、と三連のノックが不意に聞こえ、扉が開けられる。
扉から顔をのぞかせたのは、干し草色の髪の少年。ラルスだ。
「何か用か?」
ラルスの顔を見ると、ゼルフがぶっきらぼうに言い捨てる。その指は、黒剣の柄をゆっくりと撫でており、今にも戦いたそうだ。
「用って程ではないんだけど、ちょっとね」
ゼルフに出鼻をくじかれ呑気に遊びに来ただけ、とはいえなかったらしく、ラルスが居心地悪そうに客間に足を踏み入れた。
まぁ座ったら?と順応性の早いミレアが椅子のひとつを指し示し、くつろいだように肘掛け椅子にもたれかかる。
「なんかみんなすごく順応性高いね」
豪華な部屋の装飾を壊さないようにゆっくりと座り込むラルスが苦笑いしながら言うと、ジョレスがその話題には興味なさそうに首を傾げて口を開く。
「それで、どうかしたのか?」
たいしたことじゃないけど、とジョレスが適当に注いだ紅茶を啜りつつ、言うラルス。
「国王に面会してもらったけど、残念ながらフランチェスカ王女とは会えなかったね。俺達がついたころには修道院へ住み込んだ後だったらしいよ」
突然けたたましい、食器の砕け散る音が部屋中に響いた。ジョレスがティーポットを落としたのだ。
「おい、どうした」
あぁ王室の大事な家財道具が!とミレアとラルスが慌てて割れたガラス片を拾う中、微動だにしないジョレスを見て、ゼルフが不審そうに声をかける。
だがゼルフの声にはこたえず、ジョレスは目を見開いたままラルスに詰め寄った。
まだガラス片が散らばる中に飛び込み、しゃがみこむラルスにたずねる。
「フランチェスカって子、青い髪飾りをしていたか?白いスカート着て、ずっと丁寧語ばっかり話して、真っ白の遺跡みたいな神殿に住んでいて・・・」
「なんだ、修道院に行ってフランチェスカ様に会ったのか?」
掴みかからんばかりに質問攻めにされたラルスはジョレスの言葉のどれをとっても、イコール王女なので、不思議そうに首を傾げる。
衝撃を受けたように目を見開いて再び硬直したジョレスをおしのけ、ラルスはガラスの破片を回収すると、三人を見回して訪ねた。
「みんなは、国王様の申し出を受けるのか?」
「本当は・・・それをたずねに来たんだろ?」
ソファに身をゆだねていたゼルフがつぶやき、残念ながら、と首を振る。途端にラルスの顔が曇るが、ゼルフは顔色ひとつ変えず淡々と続けていく。
「国王の申し出はありがたいが、俺はお前と戦いたい。俺は強い奴と戦う必要があるから、お前のいる国に加担はしない」
「そうか・・・」
俺はまだまだ未熟者だけどな、と笑うラルスは、ゼルフの答えは薄々わかっていた様だった。
「私も、帝国の力になれる傭兵になりたいから、国王には悪いけど断ることにしたわ」
「ミレアもか」
ミレアのきっぱりとした答えに、ラルスは残念そうに頭をかいた。
この二人が国王の申し出を受けないとなると、その弟分のジョレスの答えも容易に想像できてしまう。
「俺は、国王の申し出を受けることにする・・・」
だが、ジョレスは緑色の瞳をラルスにむけ、予想外な答えをつぶやいた。
どうして、なんで、と雨霰の様に降る言葉に、ジョレスはたった一言、どうしても守りたい人がいる、と答えた。
その人が戦争に負けて悲しむ姿は見たくないと、断固として言い張り、翌日を迎えた。
そして翌日ミレアとゼルフは二人帝国へと帰り、ジョレスは王国へ留まり、王国の傭兵となった。
その後帝国へと帰ったジョレスとミレアは共に名声を上げ、ゼルフは帝国の黒騎士になり、ミレアは帝国の皇女の護衛となった。
両国へ分裂してしまった傭兵中間達が次に再開するときは戦地であり、お互いの安否も風の便りだけが頼りだった。
過去の遭遇編おわり
戦闘シーン書けて楽しかったです!
ちなみに、この二年後にジョレスさんとフランチェスカ再会してますが、フランチェスカはジョレスのことを記憶の人と同一人物だと言うことに気付いておりません
ただ、二年前に出合った”平和そうな誰かさん”として覚えています
お粗末さまでした!
- Re: さぁ 正義はどっち ? ( No.284 )
- 日時: 2013/09/02 21:22
- 名前: アルビ ◆kCyuLGo0Xs (ID: A/2FXMdY)
こんばんわ〜(/・ω・)
番外編、傭兵チームはこれで完結ですか〜
こうしてジョレスさんはロリコン本能に従っt((王女のために王国についたんですね!←
ゼルフさんとラルスさんの因縁も解明しましたねw
これからまた楽しみですっ( *´艸`)
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