複雑・ファジー小説

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
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さぁ 正義はどっち ? 参照13600ありがとう御座います!
日時: 2016/08/23 00:57
名前: メルマーク (ID: KzMBmi6F)

戦争と平和は正反対のものと考える人が多い世の中
それは本当なの?正義って何?悪って何?
答えが見つからないなら探せば良い。

多分異色な今までにない、正義についてのお話し。
答えはありませんが、きっと終わった後 何が正解か思い浮かぶはず。
時代は古きよき時代、中世頃にしようかと

オリキャラ募集一応締め切らせていただきます!
終章にもうじき突入予定なので‥・もしかしたらまた募集するかも・・・?


名前
性別
年齢
容姿
A国B国どちらの味方?(国名は長いので省略
性格
武器
サンボイ「」
職業は?下から選択下になければ新職業を書いてくれるとうれしいです

騎士 傭兵 盗賊 貴族 海賊 海軍 王室(王族をのぞく外交官・メイド・執事・王族のいとこ)関連
占い師 科学者(錬金術師) 芸術家 哲学者 商人 国民 旅人 魔法使い など

武器や変わった特徴などの要望も即採用です
結構な確率で”死ぬケース”もあるのでご了承ください!!

◇目次◆   


王国ルート001 >>5    帝国ルート001 >>43
王国ルート002 >>15    帝国ルート002 >>49
王国ルート003 >>20    帝国ルート003 >>50
王国ルート004 >>23    帝国ルート004 >>54
王国ルート005 >>31    帝国ルート005 >>63
王国ルート006 >>66    帝国ルート006 >>81
王国ルート007 >>67    帝国ルート007 >>83
王国ルート008 >>68    帝国ルート008 >>90
王国ルート009 >>71    帝国ルート009 >>91
王国ルート010 >>74    帝国ルート010 >>93
王国ルート011 >>101   帝国ルート011 >>114
王国ルート012 >>103   帝国ルート012 >>117
王国ルート013 >>106   帝国ルート013 >>118
王国ルート014 >>108   帝国ルート014 >>120
王国ルート015 >>110   帝国ルート015 >>122
王国ルート016 >>123   帝国ルート016 >>183
王国ルート017 >>127   帝国ルート017 >>184
王国ルート018 >>133   帝国ルート018 >>187
王国ルート019 >>142   帝国ルート019 >>191
王国ルート020 >>144   帝国ルート020 >>193
王国ルート021 >>194   帝国ルート021 >>207
王国ルート022 >>197   帝国ルート022 >>208
王国ルート023 >>200   帝国ルート023 >>209
王国ルート024 >>203   帝国ルート024 >>210
王国ルート025 >>204   帝国ルート025 >>212
王国ルート026 >>214   帝国ルート026 >>232
王国ルート027 >>217   帝国ルート027 >>238
王国ルート028 >>219   帝国ルート028 >>239
王国ルート029 >>223   帝国ルート029 >>246
王国ルート030 >>224   帝国ルート030 >>258
王国ルート031 >>286   帝国ルート031 >>298
王国ルート032 >>287   帝国ルート032 >>304
王国ルート033 >>288   帝国ルート033 >>309
王国ルート034 >>292   帝国ルート034 >>312
王国ルート035 >>295   帝国ルート035 >>314
王国ルート036 >>317   帝国ルート036 >>329
王国ルート037 >>319   帝国ルート037 >>331
王国ルート038 >>321   帝国ルート038 >>334
王国ルート039 >>325   帝国ルート039 >>335
王国ルート040 >>326   帝国ルート040 >>336
王国ルート041 >>340   帝国ルート041 >>372
王国ルート042 >>347   帝国ルート042 >>375
王国ルート043 >>352   帝国ルート043 >>378
王国ルート044 >>353   帝国ルート044 >>382
王国ルート045 >>357   帝国ルート045 >>386
王国ルート046 >>387   帝国ルート046 >>399
王国ルート047 >>390   帝国ルート047 >>402
王国ルート048 >>393   帝国ルート048 >>407
王国ルート049 >>395   帝国ルート049 >>408
王国ルート050 >>398   帝国ルート050 >>409
王国ルート051 >>425   帝国ルート051 >>431
王国ルート052 >>426   帝国ルート052 >>433
王国ルート053 >>428   帝国ルート053 >>434
王国ルート054 >>429   帝国ルート054 >>436
王国ルート055 >>430   帝国ルート055 >>437
王国ルート056 >>442   帝国ルート056 >>450
王国ルート057 >>443   帝国ルート057 >>451
王国ルート058 >>446   帝国ルート058 >>453
王国ルート059 >>447   帝国ルート059 >>454
王国ルート060 >>449   帝国ルート060 >>461
王国ルート061 >>462   帝国ルート061 >>471
王国ルート062 >>465   帝国ルート062 >>472
王国ルート063 >>466   帝国ルート063 >>476
王国ルート064 >>467   帝国ルート064 >>477
王国ルート065 >>468   帝国ルート065 >>480
王国ルート066 >>482   帝国ルート066 >>492
王国ルート067 >>483   帝国ルート067 >>493
王国ルート068 >>487   帝国ルート068 >>495
王国ルート069 >>488   帝国ルート069 >>496
王国ルート070 >>489   帝国ルート070 >>499
王国ルート071 >>504   帝国ルート071 >>516
王国ルート072 >>506   帝国ルート072 >>517
王国ルート073 >>507   帝国ルート073 >>520
王国ルート074 >>509   帝国ルート074 >>521
王国ルート075 >>510   帝国ルート075 >>525
王国ルート076 >>528   帝国ルート076 >>539
王国ルート077 >>533   帝国ルート077 >>543
王国ルート078 >>534   帝国ルート078 >>545
王国ルート079 >>537   帝国ルート079 >>547
王国ルート080 >>538   帝国ルート080 >>548
王国ルート081 >>551   帝国ルート081 >>560
王国ルート082 >>552   帝国ルート082 >>562
王国ルート083 >>553   帝国ルート083 >>563
王国ルート084 >>557   帝国ルート084 >>564
王国ルート085 >>558   帝国ルート085 >>566
王国ルート086 >>571
王国ルート087 >>574
王国ルート088 >>575
王国ルート089 >>578
王国ルート090 >>579


◇カメルリング王国味方

>>2 ルーク 主人公
>>1 ミルフィーユ 発明家・美食家・資産家
>>4 キリエ 牧師・哲学者
>>16 ノイアー 傭兵
>>25 ラグ 執事
>>28 サイト 商人
>>29 リグレット 僧侶
>>39 ツバキ 軍人
>>55 ユニート 魔導師
>>58 ラルス 騎士
>>58 リリー 暗殺者
>>75 ジョレス 傭兵
>>78 フランチェスカ 王女
>>87 ハニー 妖精
>>99 シラン 術士
>>221 カルマ 学者・錬金術師・魔術師
>>289 フランキール 王子
>>440 シュバルツ 海賊
>>457 リレーナ 竜騎士

◆ミカイロウィッチ帝国味方

>>14 エドウィン 主人公
>>6 ヴィトリアル 盗賊
>>11 アーリィ 魔女
>>12 ゼルフ 黒騎士
>>12 リン メイド
>>27 シフォン 貴族騎士
>>30 イヴ 術士
>>37 ウィンデル 大道芸人
>>59 クウヤ 剣士
>>60 ツヴァイ 科学者(薬学)
>>76 ミレア 傭兵
>>78 シェリル 皇女
>>85 ディルム 精霊
>>96 ライヤ 偵察兵
>>98 セイリーン ドッペルゲンガー
>>278 レイ 魔女
>>305 故)フィア 魔女の弟子
>>305 故)キオ 魔女の弟子

◎味方につかない者

>>163 ソーサラー(呼称) 占星術師・幻術師
>>163 スキンヘッドハゲ(呼称) 盗賊
>>227 ヨメナイヤツ アドバイザー

キャラ応募してくださった皆様心よりお礼申し上げます!素敵なキャラをありがとう!!

◇番外編◆

参照四桁祝
・イヌ派ネコ派の王国日常 >>146
・絶対に信じちゃいけない言葉で帝国日常 >>150
・執事採用試験 >>156
・団長の足取り >>157-158>>160
・ある幻術師の思い出 >>162>>164>>170>>173>>175>>176

参照二千祝
・とあるメイドの追走劇 >>248>>254>>257>>260
・傭兵の黒と従者の白 >>263>>264>>269>>272>>274>>280>>281>>282>>283

参照三千&四千祝
・魔法使いの弟子 >>360>>363>>364>>367-368
・帝国サイド盗賊団と加担者でチビキャラ全員集合イラスト >>371

参照4500祝
・王国・番外ルートで抜粋チビキャラ集合イラスト >>404

銀賞&殿堂入り祝
・メイドと騎士と仲介人 >>415>>417-418>>421>>423

参照5000祝
参照6000祝
参照7000祝
金賞祝
参照8000祝
参照9000祝
参照10000祝!
参照11000祝!!
参照12000&13000祝!!!
保留
どんどん保留祝が増えて行っている…本編終わったら一気に大感謝祭とかやりたいなぁ、なんて考えてます

・・・業務連絡・・・

2014の冬の小説大会で銀賞もらえました!ありがとうございます!
2015の夏の小説大会で金賞もらえました!!ありがとうございますっっ!
参照5000祝いと6000祝、7000祝、8000祝9000祝そして10000祝。11000祝はのちほど…ッ!


時間軸まとめ >>234

Re: さぁ 正義はどっち ? 参照2000ありがとう御座います! ( No.260 )
日時: 2013/08/29 12:16
名前: メルマーク ◆kav22sxTtA (ID: V8vi7l6T)

参照二千記念 番外編016 とあるメイドの追走劇
—————————————————————————


「・・・・・・あ」
リンと白衣少年はお互い無言で視線を交えていたが、白衣少年の姿を見るとすぐに抱いていた白猫が腕から飛び出した。
マリのように飛び跳ねる白ネコは白衣少年の足元までやってくると、なれなれしい様子でニャーと鳴く。
”ご飯まだー?”というような飼い主に対する鳴き方ではなく、”おー、また会ったな”というような鳴き方である。
そして”ちょっと待ってろ”というように白猫が物陰へと走り、何かを口にくわえて戻ってきた。
猫には大きいが人には小さい青魚を白衣少年の目の前に落とすと、なにやら先輩風を吹かせて”ほら食え”というように鳴く。
・・・どうやらこの猫、白い姿に青と黄色のオッドアイという情報だけを頼りに、白衣少年に同族意識を持っているらしかった。

(猫に貢がせている・・・)
白衣少年が無言で青魚を指でつついている光景を見て、リンは衝撃的なものを見たというように目を見開いていた。
はいはい、だけど今度魚持ってくるときは解剖できるような珍しい魚をだね・・・などともう猫と慣れ親しんでいる少年を見て、リンは首をかしげた。
(この少年は・・・猫と仲のいい魚類学者?猫を手なずけて魚を調達しているのかな?)
どこからどう見ても”怪我をした人や病気の人を無償で手当するとかなんとか言って拉致しようとする、白衣を着た妙な少年”には見えない。
普通の”魚類学者の弟子っぽい風貌の、白猫みたいな少年”にしか見えないので、リンは自分が見当違いだったとうなだれた。
そして白猫と戯れる—というか、またこの猫か、というようにうんざり相手をしている少年の邪魔をしないようにそこからこっそり立ち去った。
そしてエディの行方を必死に考えていたため、白衣少年が「あーあ、実験素材がどこか行っちゃった。折角新しい薬開発したのに」とつぶやいたのを聞く事はなかった。

「お嬢様どこ行っちゃったんだろう?一端、仕立て屋に戻ろうかな」
路地から抜けると、市場通りだった。このにぎやかな市場を抜けた先に、仕立て屋がある。
人ごみでごった返すにぎやかすぎるその市場へ、リンは歩き出した。
するとふと通り過ぎた人が「あれ、ポケットに指輪が入ってるや・・・」と何かおかしそうに微笑むような声で独り言をつぶやいた。
「?」と頭上にクエスチョンマークを浮かべて振り返ろうとしたとき、前方で一人の貴族のような目立つ衣装を若者が焦ったように辺りを見回しているのが目に留まった。
どうやら傍にいる婚約者と思しき貴族娘に何かプレゼントを贈ろうと思っていたのだろうか、貴族娘が腕を組んでまだ?とまごついている。
「指輪のケースはあるのに、なんでないんだぁ?」
「落っことすような小さな指輪をプレゼントするなんて、見損ないました。せめて5カラットはないと結婚なんてありえません」
貴族娘はふてぶてしい態度で愛想が尽きたという表情を浮かべて立ち去り、焦って貴族男がその後を追いかけていく。

更に進むと、アイスクリーム屋台が出ており、リンは目を輝かせた。
アイスクリームはリンの大好物であり、むしろミカイロウィッチ帝国生まれのものにアイスクリームを嫌いなものはいない。
「お嬢様を見つけたら一緒に食べよ・・・ん?」
わくわくしながら手を合わせてつぶやくと、人ごみが徐々に割れ、担架を担ぐ人々が早歩きで目の前を通り過ぎる。
担架に寝転がるその人に見覚えがあり、だが別にその人に興味がないので声をかけずに見送るリン。
別に彼女が心無い人だと言うわけではなく、その担架に寝転ぶ人は有名なナンパ師であり、リンもしつこく声をかけられた被害者の一人である。
大方、仕立て屋の主人の噂に出ていた、”少女をナンパしようとしたら兄らしき人物に半殺しにされた”とかいうアレだろう。
人々の噂話を移動中に耳に挟み、大体概容が見えてくる。
ナンパ師がしつこく少女に声をかけ、兄らしき人物が微笑みながら剣を抜いたことに驚き、そのまま逃げようとして転び、顔面を強打して気絶したというらしい。
なんと情けない。

「あ、お嬢様!しかもアイスを食べていらっしゃる!?」
市場を駆け足で抜けて仕立て屋まで走ったリンは、その入り口でアイスを食べながらこちらを呑気そうに見るエディを発見した。
「ご無事で何よりです!」
「それよりリン、ドレスのなんかは出来たの?」
そうでした、とリンは仕立て屋の中へエディを連れて行く。
適当でいいよと言うエディの言葉に、リンはとりあえず自分好みで選んだドレスを貰おうとするのだが、今度は主人がいない。
数十分前、ドレスを見ていた金髪の少女に、君にはまだ早いよと声をかけてそのまま行方をくらませた主人は、現在も見つかっていない。




とあるメイドの追走劇おわり—え?この番外編の属性?・・・もちろんカオスですがなにかw

Re: さぁ 正義はどっち ? ( No.261 )
日時: 2013/08/29 12:32
名前: アルビ ◆kCyuLGo0Xs (ID: A/2FXMdY)

こんにちわっ(=・ω・)/

おおお最終話でアノ組織全員登場wwwカオスですねーっ( *´艸`)

ちょ、ヴィトリアルさん意外がフツーに恐ろしいっ( ゜Д゜)ww
((あ、でもヴィトリアルさんに指輪盗まれたヒトは災難ですね(;´∀`)))

ツヴァイと一緒にいた猫がさりげなくちょっと気になる件について(笑

はい、シスコンは正義ですね(`・ω・´)←

アーリィに消され……いえいえどこかに行っちゃった主人さんどうしたんでしょう(・ω・ノ)ノ

ものすごいカオスでホント面白かったです!リク答えてくれてありがとですっ(#^^#)

追記

フランスのアイスと言えばジェラートしか思い浮かばない私←
アイス類グミ類は断然グレープ味が好きですね〜個人的に(笑

Re: さぁ 正義はどっち ? 参照2000ありがとう御座います! ( No.262 )
日時: 2013/08/29 12:49
名前: メルマーク ◆kav22sxTtA (ID: V8vi7l6T)

たしかに実験体を探している白衣少年とか笑顔で剣抜いちゃうシスコン兄とか人を消しちゃう年齢三桁の幼女とかに比べると無意識盗賊が平和に見えるw

カ オ ス だ が 後 悔 は し て い な い 

すみませんwでも楽しんでもらえて何よりですカオスだけど

オッドアイの白猫君はまたきっといつかどこかでw
三桁幼女に消されryいえ、何処かへ行っちゃった主人もいつかどこかでw

アイスはチョコチップが好きですかねー
グミはグレープですw
カキ氷は断然正統派いちご!まれにメロンへ浮気

さてお次の番外編は、過去の遭遇です!この回でも過去の遭遇が多々ありますがw

Re: さぁ 正義はどっち ? 参照2000ありがとう御座います! ( No.263 )
日時: 2013/08/29 15:42
名前: メルマーク ◆kav22sxTtA (ID: V8vi7l6T)

参照二千記念 番外編017 傭兵の黒と従者の白
—————————————————————————


夜間でしかも待ち伏せの戦闘をひかえると、いつもうとうとしてくる。ゼルフは岩に寄りかかり腕を組んで目をつぶっていた。傍には黒い剣が突き刺さっており、夜霧のせいで少し濡れている。
その剣に隔てられたゼルフのすぐ横に、銀髪の少年と緑色の髪の少女が
うずくまるように眠っている。ゆっくりと眠りの底へといざなわれるゼルフの耳に、足音がひとつ、ふたつみっつ・・・とりあえず沢山聞こえてきた。
「おい、ジョレス、ミレア、起きろ」
その足音を捕らえたゼルフは傭兵仲間に声をかけ、地面に突き刺さった黒い剣をすらりと抜き取って構える。
中間達が起き上がるのを横目で見つめながら、霧の向こうに揺らめく複数の黒い影に微笑む。
「奴らがやっと来たぞ」


その一週間前—・・・・
現在は帝国と王国との大戦が終了してから二年後、両国復興が進む中盗賊たちの活動も多い。
まだ齢16になりたてのゼルフは、盗賊から雇い主を守る用心棒になり金稼ぎをする輩に混じって、傭兵になろうとしていた。
「傭兵は名声を得ないとやっていけないんだ」
「盗賊を殺すのか?」
ゼルフの言葉に、机にあごを乗せて伏せていたジョレスが、少し不安そうな顔をしてゼルフを見上げた。
銀色の髪の間から緑色の瞳が覗く、クールそうな凛々しい風貌の少年だが、実はロリコンという残念なスキルを所持している。
「私たちが生きていくためには、そうするしかないでしょ!」
そのジョレスを見つめながら、腰に手を当てて強気に言うのはミレア。流れるような緑色のストレート、母なる大地の茶色の瞳を持つ男勝りだが仲間思いの彼女は、ゼルフ同様大戦で両親を亡くした。
ミレア・ゼルフが16歳で共に両親が無いのに対して、ジョレスは15歳、両親はかろうじて戦火を免れていた。

現在三人は傭兵として雇われるために、どうやって名声を得ようとミカイロウィッチ帝国の宿屋で相談していた。
あまり持ち合わせは無いのだが、それでも少しずつ樹海で暴れている動物の駆除をやって稼いだお金である。
「帝国と王国、どっちで盗賊狩りをするんだ、ゼルフ?」
「王国だ。王国と帝国どちらも又にかけて襲う盗賊集団がいて、そいつらが指名手配されているのをたまたま聞いた。そいつらを倒せば、すぐに俺達の名前は知れ渡ると思うぞ」
ゼルフは両手を組みながら椅子の背もたれに寄りかかり、自分の黒い剣を眺める。
するとミレアがテーブルに両手を置いて、茶色の目を少し怒らせて反応した。
「私もその盗賊団の事は聞いた。やっと復興してきた矢先に貴族を襲うならまだしも民家を襲うなんて!」
ミレアは正義感が強く、そして戦争で家族を一気に失ったため、もてあそぶように無害な人々の命を奪う輩が許せないのだ。
何か強い決意を湛えた茶色の目を光らせて、ミレアが椅子から勢い欲立ち上がる。
あっけに取られたように眺めるゼルフとジョレスの目の前で、彼女はやる気満々といった様子で宣言する。
「よし、そいつらを潰しに行きましょ!」


あの人とあの人の遭遇です!
ある意味アノ人とコノ人も遭遇します!

Re: さぁ 正義はどっち ? 参照2000ありがとう御座います! ( No.264 )
日時: 2013/08/29 18:01
名前: メルマーク ◆kav22sxTtA (ID: V8vi7l6T)

参照二千記念 番外編018 傭兵の黒と従者の白
—————————————————————————



帝国王国を又にかける盗賊集団。彼らの行動はかなり目立つくせに、散々探し回らないと彼らの情報は見つからなかった。
帝国の酒屋などから情報を聞きだすこと一週間、やっと彼らの情報が集まった。
「二日前に樹海入りをしたらしい。俺達は樹海に待機して、奴らが帰ってきたところを潰す」
それでいいな?と宿屋のいつものポジションでゼルフが確認すると、ジョレスもミレアもすでに剣呑そうな雰囲気を漂わせながら頷く。

そして一週間後—…真夜中まで盗賊団を樹海の中で待ち伏せしていた彼らの前に、夜霧に包まれて盗賊団がやってくる。
ゼルフは黒い剣を構え、ミレアはレイピアを、ジョレスは双剣を構える。
大収穫だったのだろう、嬉しそうに笑いあいながらロバに引かせた荷車を転がして、ゼルフの斬程圏内へと足を踏み込む。
盗賊たちにとって未曾有の瞬間—霧を掻き分けて黒いシルエットが空中に踊った。
「奇襲だ—」そう先頭にいた男が叫ぶ前にゼルフが思い切り振りかざした剣がその男に突き刺さる。
それを皮切りに、ゼルフの傍からジョレスやミレアも飛び出し、盗賊団と戦闘していく。
完全に出鼻をくじかれた盗賊団は霧の中、間違えて仲間を刺したり、ロバが怯えて逃げるのを防ごうと武器を使えないという不運が続き、どんどんその数を減らしていく。
ミレアが金品を抱えて一人だけ逃げようとする盗賊団の背中から胸にかけてを刺し貫き、すぐに引き抜いて横一線に盗賊へ鋭い針で線を引くように切り裂く。
その合間に混じってジョレスが双剣を凪ぎまわし、殺すまではいかないが身動きの取れないほどの怪我を負わせる。
ジョレスはまだ、ゼルフ・ミレアと組んでから人の命を奪ったことが無く、殺すという行為をためらっていた。
だが傭兵になれば近いうちに誰かの命を奪わなくてはならない。

「ちっ、こんなガキどもにやられるとは情けないやつらね」
三人の剣にかかって盗賊団は2人を残し、後は戦闘不能・もしくは死んでいた。
先ほどまでゼルフが寄りかかって眠っていた岩には、生々しい戦いの痕がこびりついている。
残った男女2人の盗賊はほぼ無傷であり、盾のように仲間を使っている卑劣な屋輩だった。
とりあえず盗賊団の中でも彼らは強い部類に入るのだろう、持っている長めのサーベルもどこか使い古されたような印象がある。
「なんと言おうが、お前たちの命は貰う」
冷静にそう呟いたゼルフは黒い剣を構えて間合いをつめた。
オオカミが狩をするときのように獲物をぐるりと取り囲む、そのような陣形に広がりながら、二人の盗賊を輪の中に納めると、盗賊がにやりと笑う。
「俺はガキを殺すのがすきなんだ」
そう叫ぶなり、男がミレアに飛び掛り、女は助けに入ったジョレスに切りかかる。
ミレアの刀身の細いレイピアは硬いけれど本来突き刺すための剣だ。それが強い力を込められたサーベルを長時間支えるのは無理があり、いつ亀裂が入るかわからない。
だがむしろ視界の端で自分を助けに来ようとして女にサーベルで切りかかられているジョレスが気になってしょうがない。
敵にとどめをさせないという甘いところがあり、双剣で相手の隙を突いて心臓や腹部に剣をさせるチャンスがあっても、それが出来ない仲間は見ていて危なっかしい。
追い詰められるジョレスをゼルフが助けに入り、大きな黒い剣で女をサーベルごと弾き飛ばす。

「えぃ、やッ!」
それを見て安心したミレアは、足の力を抜いて背中から倒れる。
そのまま後転し、曲げた両足を思い切り突っ張って男の腹部を蹴り上げ、転がる勢いに任せて男を投げ出す
男はそのまま飛ばされ、顔面から地面に放り出され、すばやく立ち上がったミレアにとどめを刺される。
振り返ると、サーベルの女がゼルフに完璧にとどめを刺されているところであり、ジョレスが呆然とその光景を見つめている。
 サーベルの女が事切れると、ゼルフは遺体を一箇所に集めようとずるずる引きずっており、ミレアもジョレスもそれに習って凄惨な彼らを一箇所にまとめる。
「そのロバちゃんどうする?」
サーベル男の片手を引っ張りながらミレアがゼルフにたずねると、ゼルフは穏やかな表情でロバに触ろうとしているのが見えた。
結構動物が好きらしく、剣を手放すと穏やかな一面が舞い戻ってくる。
大人しくゼルフに撫でられているロバをしげしげと眺めながら、「どうせ盗賊団の連中が何処かから盗んできたんだろ?返しに行こう」とジョレスが言う。
—が、語尾が終わる前に、ジョレスが何か叫んだ。
意味を理解できないまま硬直していたミレアは、急に風を感じて視線を落とす。
すると、自分がとどめを刺したはずのサーベル男が、残忍な笑みを浮かべたままサーベルをミレアの腹に叩き込もうとふるっていた。



傭兵たち楽しい!バトルバトル!
戦闘が入ると妙に楽しい
テンションが異常ですねわかります


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