複雑・ファジー小説
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- シークレットガーデン 〜小さな箱庭〜【氷国の民編】
- 日時: 2019/09/08 08:53
- 名前: 姫凛 (ID: 9nuUP99I)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode=view&no=19467
これから綴る物語は忌まわし呪われた血によって翻弄され
哀しき封印から少女達を救い
少女達と共に謎の不治の病に侵された小さき妹を
助けるため小さな箱庭を行き来し愛と絆の力で闘い続けた
妹思いな少年と個性豊かな少女達の絆の物語である
-目次-[シークレットガーデン〜小さな箱庭〜]
登場人物紹介 >>166-168
-用語紹介- >>169
-魔物図鑑- >>23
-頂きもの-
高坂 桜様(元Orfevre様)より シル(オリキャラ)>>10
はる様より リア・バドソン(オリキャラ)>>11
ブルー 様より ヒスイ(オリキャラ)>>12 ヒスイ(キャラ絵)>>205
レム様より エリス(オリキャラ)>>66
華那月様より ヨナ(キャラ絵)>>08 ランファ(キャラ絵)>>09 シレーナ(キャラ絵)>>38
むらくも(キャラ絵)>>39
むお様より リオン(キャラ絵)>>37
自作:エフォール(キャラ絵) >>217
-あらすじ(第九章)
山の国の何処かにあると言い伝えられている女神が誕生した遺跡 アンコールワットで見事試練を乗り越え真実の歴史を知ったルシア達は遺跡を出てリオン、リティと別れ時渡の樹が生えた広場でヒスイと合流を果たした。
新たに出来た旅の目的。四つの国にある四つの遺跡を巡りかつて女神と共に邪神と戦った王達の力を受け継ぐ旅の始まり。
——さてどこの国の遺跡から行こうか?
-章の目次-
*1分〜10分(読むスピードで個人差があります)で物語の概要が分かるスキップ物語☆
*本編を読むだけでも物語を楽しめますが個別の短編も読むことでより深く楽しむことが出来る作りとなっています。
序章 出会いと別れ >>05-07 -スキップ物語- >>22
第一章 物静かな看護師の闇
荒くれ者 ザンク編 >>13-20 -スキップ物語- >>40
シレーナの封じた過去編 >>24 >>26-36 -スキップ物語- >>50-51
(より抜き「 魔女と呼ばれた少女の物語」完結済み)>>152)
第二章 汚された草競馬大会 >>43-47 -スキップ物語- >>52
第三章 大都市で起きた不可解な事件
宿屋での選択肢 >>48-49 -スキップ物語- >>53
[ムラクモを探す- >>55] [後をついて行く- >>54 …正体END]
遺体のない葬儀編 >>56-61 -スキップ物語- >>68
立食パーティー編 >>62-63 >>67 -スキップ物語- >>79
第四章 監禁・脱走 >>69 >>73 >>76-78 -スキップ物語- >>124
(叢side「椿の牢獄」>>158完結済み)
(別side「菊の牢獄」>>)
第五章 美しき雌豚と呼ばれた少女
コロシアム編 >>82 >>85-90 >>93 >>97 >>100-101 >>104 >>107-108
-スキップ物語-上中下>>125-127
シルの封じた過去編 >>111-113 >>119-123 -スキップ物語- >>128
(続編「美しき雌豚と呼ばれた少女とおくびょう兎と呼ばれた少年」完結済み)>>153)
第六章 闇と欲望の国
アルトの封じた過去編 >>129-133 >>136-138 >>143-145 -スキップ物語- >>146
裏カジノ編 >>147-150 -スキップ物語->>151
(幕間「感情のない少女の物語」>>224)
敵の本拠地へ編 >>154-156 -スキップ物語->>157
第七章 賢者たちの隠れ里 >>159-163 -スキップ物語上下- >>164-165
第八章 からくり遺跡
女神の試練編 >>170
[勇気の試練>>183-186 ] [知恵の試練>>177-182] [力の試練>>171-176]スキップ物語->>187-189
[仲間->>185…生贄end] [友人->>186…見損ないend][本当->>181] [嘘->>180…神のお遊戯end]
[棺を開けない- >>173-176][棺を開ける- >>172…死神end]
隠された真実編 >>194-197 -スキップ物語->>193
(修正前>>190-192)
第九章 荒くれ者の最期 >>198-202 -スキップ物語->>207
(幕間「殺戮人形と呼ばれた少女の物語」>>224)
第十章 殺戮人形ト色欲妖怪
王家の墓編 >>208-216 -スキップ物語->>
リアの封じた過去編 >>218-2231
[受け入れる>>220-221]…喪失END [受け入れない>>222-223]…永眠end
(→狐の銅像「親殺しの青年の物語」>>)
第十一章 嘘ツキな臆病者
氷国の民編>>225-229 …達筆中
ひと時の休息編
第十二章 賽は殺りと投げられて
偽りの仮面編>>
真実の泉編 >>
???の封じた過去編>>
最終章 最終決戦
Aルート >>
Bルート >>
cルート >>
Dルート >>
-掲示板-
達筆開始日 2014/3/4
2017/11/25:URL先を新しくしました。雑談板にあります、設定資料集スレにしました。
2019/9/8:URL先を新しく書き始めたリメイク版の方に変えました。
-おしらせ-
2017夏☆小説カキコ小説大会【複雑・ファジー小説部門】で【銅賞】を頂きました。
投票してくださった皆様、本当にありがとうございました<(_ _)>
完走(完結)目指して頑張りたいと思います!
20119/9/03→『氷国の民編』『新章』追加
参照100突破!3/6 200突破!3/11 300突破!3/15 400突破!3/21 500突破!3/28 600突破!4/4 700突破!4/9 800突破!4/15 900突破!4/22 1000突破!4/28 1100突破!6/2 感謝♪
2017年 2600突破!/1/30 2700突破!1/31 2800突破!2/7 3200突破!8/31 3300突破!9/1 3400突破!9/7
3500突破!9/12 3600突破!9/19 3700突破!9/26 3900突破!10/10 4000突破!10/17 4100突破!10/31
4200突破!11/6 4300突破!11/14 4400突破!11/23 4500突破!11/28 4600突破!11/3 感謝♪
2018年 5000突破!1/7
返信100突破!2014/4/28 200突破!2017/11/14 感激♪
-神様な読者の方々-
蒼欒様:初コメを下さいました!もう嬉しさMaxです♪
レム様:エリスちゃんの生みの親様です♪いつも温かい励ましコメありがとうござます!
ブルー様:オリキャラ ヒスイちゃんを投稿してくださいました!
出せるまでに一ヶ月以上もかかってしまったのに、見捨てずに見て下さっているお優しい方です(T_T)
- Re: シークレットガーデン 〜小さな箱庭〜【女神の試練編】 ( No.176 )
- 日時: 2017/10/08 07:25
- 名前: 姫凛 ◆x7fHh6PldI (ID: IkQo2inh)
「終った…の?」
最初に口を開いたのは誰だっただろう_?
「やった…の?」
「やった……やったんだよ! アタシ達!!」
「本当に? 本当の本当にっ」
「なのよねっ!? 間違いないのよね!?」
「まーた、変な薄気味悪い笑い声出しながらご登場ってことはないだろなぁ?」
一回沈黙。死神”ディオス・デ・ラ・ムエルテ”が眠っていた封じられていたと思われる大きな棺の中をみんなで恐る恐るチェックしてみる。
異常はない。中身は空っぽだ。
"よくぞ倒されました"
またあの声が頭の中に直接語り掛けてくる。
此処力の試練と呼ばれる祠堂に入れと指示したあの女性の声だ。
ルシアは仲間たちと顔を見合わせる。みんなにもこの声は聞こえているようだ。
"かつての英雄達ですら弱体させ封じることがやっとだった”ディオス・デ・ラ・ムエルテ”をよくぞ倒されました"
「あぁそういえばあの鎌持ったおっさんそんな名前だったけ、ふ〜ん」
「り、リアさんっ」
リアの暴言に少しひやひやさせられつつ
"あの者を倒すことが出来たあなた方は世界の命運を託すに値する者”
ギギギと何か重い物が引きずられ動かされている音が祠堂内に響き渡る。
なんの音だと。辺りを見回してみると
「扉が!」
「……開く」
祠堂唯一の出入り口である巨大な扉。岩で出来ているそれは押しても引いてもビクともしない。死神
”ディオス・デ・ラ・ムエルテ”の強烈な斬撃でもっても斬ることが出来なかった頑丈な扉。それが今まさにすこしずつだが開かれようとしているのだ。
やっと出られる。外に出られるのか…と思うと自然に安堵のため息がでてしまう。
"さあ_道は開かれました。あなた方が欲した真実はすぐ目の前に"
「アッタシがイッチバ〜ン」
「あ。待ってランファ!」
誰よりも先に走り出したランファを追いかけ二番手に扉の前へ立ったルシアの視界は
「眩しいっ」
薄暗い暗闇の祠堂に差し込む外の世界からの暖かな日差しの眩しさに思わず目を庇うように腕で隠し瞼を閉じる。
"目を開けてみなさい_ルシア"
優しくまるで母親のように語り掛けてくる謎の声。その声に従いうっすらと瞼を開き、視界に入ってきた光に眩しさを感じつつも、慣れた数秒後、ルシアが見たものは——
力の試練-終
- Re: シークレットガーデン 〜小さな箱庭〜【女神の試練編】 ( No.177 )
- 日時: 2017/10/09 10:15
- 名前: 姫凛 ◆x7fHh6PldI (ID: B0dMG1jJ)
第八章 からくり遺跡-女神の試練編-
-知恵の試練
仲間達とも話し合い、ルシアが選んだ試練は[知恵の試練]
"あなた方はその試練を選びましたか”
謎の声は言う
"では向かって左側にある祠堂へ進みなさい”
謎の声の指示に従い五つある祠堂の一番左端にある祠堂。緑色の風になびく木の葉が描かれた扉の前に立つとその場にいた誰も触れていないのにも関わらず、自然と自動的に扉が開きルシア達御一行を祠堂の中へと招き入れる。
ゴクリと唾が喉を流通る。知恵の試練とはどのような試練なのだろうか_と。
「あてしょんぷりーず♪ ヨウコソ知恵の試練へ〜〜〜きゃはは♪」
「は?」
祠堂の中へ一歩足を踏み入れてすぐの事だった。石の壁で出来た祠堂の中を響く少し耳障りにも思える幼女を思わせる無邪気な甲高い声がルシア達を出迎える。
不規則に描かれた緑色の木の葉の画。扉に書かれていたものを模したような、子供のらくがきのような画、それが左右に広がる壁一面に描かれている。
「そんなにきょろきょろしちゃってどうしたのかな〜?? きゃはは♪」
謎の声は嬉々として言っている。その声に何故か嫌悪感を感じると同時に恐怖を感じるのは何故だ。
「さっきの奴とは違う奴なのか」
リアが声の主に向けて質問する。が、その質問には答えられませーんっと返され
「ここではアタシが質問する側なの!」
と怒られてしまった。ハァ? とみんな一様に首を傾げる。
謎の幼女のような声の主は知ってか知らずか、構わず話を勧め此処知恵の試練で行われる試練の内容の説明を始めた。
眼前に真っ直ぐと伸びる一本の通路。その先には大きな扉がありその扉の先にも六つ同じ扉があるらしい。扉を開くためには、これから彼女謎の声が出題する問題を計六問全て答え正解することが出来れば試練達成、此処から出られるらしい。
「全て答えて正解?」
少し可笑しい言葉に違和感を覚えるルシア。普通なら全問正解するということを優先とするところを何故この声の主は全て答えることを最優先事項にしているのだろうか。
「どうしたドウシター??? やっぱヤメちゃうのーきゃはは♪」
まさか。此処までやってきて何もせずに帰るなんてありえない。
少し気にはなるが、ここは謎の声の指示に従い、知恵の試練を受けることにし第一問の扉の前に立つ。
「あ、言い忘れたケドケド、一人にツキ答えていいモンダイは一門限りねっ。
誰がコタエルのかはジブン達で決めてイイヨ〜きゃはは♪」
付け足された新たなルールでも特に問題はなさそうだ。答える人物をこちらで決めていいのであったら得意分野の人がやればいいだけのこと。
——何故このタイミングで付け加えたのかそれが逆に不思議だ。
- Re: シークレットガーデン 〜小さな箱庭〜【知恵の試練編】 ( No.178 )
- 日時: 2017/10/10 12:12
- 名前: 姫凛 ◆x7fHh6PldI (ID: KACJfN4D)
読者の皆様も一緒に解いてみては如何でしょう。
◇◇◇◇◇
第一問「「アナログ時計が今、12時ピッタリを指している。
この時計が今から24時間(2周)回り続ける。
24時間経つ(2周回る)間に、長針と短針は何回重なるだろう?」
◇◇◇◇◇
扉の前に置かれた、両手で持てるサイズの置時計がひとつ。
答えがわからずみんな頭を悩ませ首を右へ左へ傾けている。答えられるのは一人だけ。仲間内で相談するのは駄目らしい。
「きゃははっ♪ しょうがないなぁ。最初の問題だしトクベツにヒントをひとつアゲルよ♪」
ヒント:分からない場合、1時間刻みで考えてみよう。
一時間に長針と短針は何回重なるかな?
ただしこの問題は少しワナが仕掛けられているようだ。
◇◇◇◇◇
第二問「川に立派でかなり大きなボートがあり、川の前に3組の夫婦がいる。
この夫婦達は川の向こう側へ渡りたいらしい。
仮にこの夫婦をA&a・B&b・C&cとしよう。
この夫婦達の婦人、夫がいない時に他の男と一緒にいることは許されない。
(例として、aはAがいない場合、BやCと一緒にいてはいけない)
さらにこのボート、男が漕ぐと片道1分×人数、女が漕ぐと2分×人数、時間がかかる。
さあ、この夫婦が無事に全員渡りきるのに、最低でも何分かかるでしょう?」
◇◇◇◇◇
一つ目の問題を解いたのはシル。朝から晩まで動物のお世話をして暮らしていたシルは、よく両親から何時までに何をして何時からなにをするのよ、と時計の時刻をみて教わっていたそうだ。
そして今度は二つ目の扉と問題がルシア達の行く道を塞ぐ。
六つの小さな人形と木々が生い茂る森に流れる川を再現したジオラマ。
—これを使って考えろという事か。
◇◇◇◇◇
第三問「ある殺人を犯した犯罪者がいた。
その犯罪者は自分の犯した罪の自首をしただけで、まだ肝心の死体や凶器は発見されていなかった。
犯罪者の唯一の身寄りは、自分の母だった。母は農家をやっていて、自分の作物で生計を立てていた。
そんな母から時々手紙が来るが、その中に、『もう自分の畑を耕せなくなった』とあった。
この犯罪者はどうにかして親孝行をしたいと考えた。
そして、あるアイデアを思い付いた。
どうも『ある人間達に自分の犯した罪の事を詳しく言うと、母の畑を耕しに行ってくれる』らしいのだが
さてその人間達とは誰のことだろう?
『ひらがな4文字』で答えてほしい」
◇◇◇◇◇
二つ目の問題を答えたのはシレーナだ。生まれは海の国だった彼女。山の国でもよく森で薬草を探す姿がみられた彼女はそのへんのことも詳しかったのかもしれない。
そして今度は三つ目の扉と問題がルシア達の行く道を塞ぐ。
いきなり不愉快な気持ちにさせる問題だ。
「きゃははっ♪これは難しいかもしれないからヒントをアゲチャウよ〜♪」
ヒント:罪を詳しく話したら、畑を耕してくれるとあるが…
罪に関することと畑がどう関係しているのだろう?
◇◇◇◇◇
第四問「次の『??』に当てはまる言葉は何だろう?
どうもその前の言葉に何か秘密があるらしいのだが…
皿+サイコロ=舞妓
家+ボール=研究
豆腐+寿司=朝刊
車+鉛筆=??
◇◇◇◇◇
三つ目の問題を答えたのはリア。答えた彼曰くこうゆうのは慣れてるからとのこと。アルトの死体を処理したときもそうだが、彼は死というものに他の人下よりも慣れ過ぎている部分があると思われる。
そして今度は四つ目の扉と問題がルシア達の行く道を塞ぐ。
文字が書かれた石板がひとつ。今度はこれを見て答えるのか。また難しい問題に行き詰まりを感じる。
「え〜またヒントがホシイの〜? 仕方ないなぁ、きゃははっ♪」
ヒント;足し算の式ということは、前の言葉の何かを足すと、答えが出てくることになるが…
◇◇◇◇◇
第五問「・甘い
・酸っぱい
・辛い
・苦い
・旨い
・しょっぱい
これらは全て味の種類(味覚)を表す形容詞たちだ。
この中に一つだけ仲間外れの形容詞があるという。それはどれだろうか?」
◇◇◇◇◇
四つ目の問題を解いたのはルシア。以外なことにも。昔から病弱で家の中でしか遊べないヨナの為にこんな感じの謎解きクイズみないなものを出し合って遊んでいたそうだ。
そして今度は四つ目の扉と問題がルシア達の行く道を塞ぐ。
◇◇◇◇◇
五つ目の問題を解いたのはランファ。本人曰く食べ物はお任せあれ♪ だそうだ。
そしてついに最終問題。六つ目の扉と問題がルシア達の前へ立ちふさがる。
扉の前にリボルバー式拳銃がひとつ台座の上に置かれていた。
「すごいスゴイ〜」
謎の幼女の嬉々とした声と拍手喝采が祠堂内に響きこだまする。きゃははっ♪という甲高い笑い声が頭の中で反響し頭痛が酷い。
「最後の問題がイッチバ〜ン簡単だよ♪」
「どうゆうふうに簡単なの」
「だってアタシの質問に答えるだけでいいんだもん♪」
ルールはこうだ。
装弾数は標準で六発の空のリボルバーの銃口を頭に向けて、謎の幼女がする六つの質問が[本当]の事だと思うなら何もせず、[嘘]だと思うなら引き金を引く、制限時間内にどちらの行動意思を示さなかった場合、一問につき一つ弾薬を装填される、ただそれだけのこと。だと声は平左に言う。
「ある意味私が最後で良かったわねっ」
ガンナーであるリティは慣れた手つきでリボルバーを手に取り、決めポーズを構える。
その姿を見てリアは小バカにしたように鼻でふんっと笑い
「そうだなある意味なっ」
「な、なによ…」
「問題の答えが解らなくて見てただけだなんて言えないもんなー」
「こ、このおおおぉぉ」
リアに構え引き金を引くがリボルバーは空砲、弾は発射されない。「危ないだろ馬鹿」「うるさいあんたの方が馬鹿よ!」とまた喧嘩を始める二人にあははとみんなで苦笑い。
謎の幼女はだんまりを決め込んでいる。以外だ。声の感じから察するにこうゆう修羅場は好きなのだとばかり思っていた。
リアとリティの喧嘩にある程度決着がついたところで
「——じゃあハジメチャオウカ♪」
「そうね。こんなところでこんな奴と犬死だけはごめんだものね」
「はいはい。そーですかっ」
謎の幼女からリティされる十個の質問。
—ルールは簡単 [本当]の事だと思うなら引き金を引かない
[嘘]だと思うなら引き金を引く
ただそれだけのこと_?
- Re: シークレットガーデン 〜小さな箱庭〜【知恵の試練編】 ( No.179 )
- 日時: 2017/10/10 12:09
- 名前: 姫凛 ◆x7fHh6PldI (ID: KACJfN4D)
扉の前に仁王立ちするリティ。その右手には光が反射し銀色に輝くリボルバー式拳銃が握りしめられている。それを自らの頭に押し当て瞼を閉じて集中する。
「じゃあサイショは簡単なシツモンにするね♪」
『あなたはリリアン族である』
—それは本当の事ね。[本当]の場合は引き金を引かない——つまり何もしないってことね。
「セ〜〜カイッ! まあその見た目でリリアンじゃナイって言われてもムリアルけどね=きゃははっ♪」
つかさず二つ目の質問。
『あなたは男性である』
—ふざけているのかしら? んなわけないでしょ! どっからどう見たって私は女! 答えは[嘘]
リティはカチリと引き金を引いた。このリボルバーは空砲。弾は出ない。
「セ〜〜カイッ! いくら怪力魔人でもニクタイはオンナだもんね〜きゃははっ♪」
—言わせておけば言いたい放題ねっこの子。あとで懲らしめてやろうかなっ。
そして三つ目の質問。
『あなたの出身地は海の国である』
—。
「ドッウシタノかな〜?? 答えないと弾入れちゃうよ〜♪」
——ちょっと考えていただけでしょ! そんなの[本当]決まっているわ!
「ブッブー!!」
—は?
「ザッンネ〜ン。違いま〜す。アナタのコキョウは和の国でした〜きゃははっ♪」
——意味が分からない。まだ山の国ならわかる。リリアン達の楽園 隠れ里があるから。
でもなに? 和の国ですって? なんでそんな全く関係のない場所が私の生まれ故郷なのよ。
悩み考え込むリティは無視され次の質問へ。
『あなたは父親・母親・妹の四人家族だった』
——。
答えられないリティ。だって彼女には過去の記憶がないから。
『攫われる前あなたは母親と二人で暮らしたかった』
——知らないわよ。そんなの。
「そんなんじゃコタエたことにナリマセッ〜〜ン」
幼い頃に人攫いに合い人身売買で売り飛ばされそうになったところを奇跡的にリオンの両親に救われて家族として暮らしていたリティ。
『あなたは母を殺せませんでした』
——母親の事なんてしらないけどね! 私が人殺しをした? そんなわけっ
「はいっ! 時間切れ〜〜〜」
リボルバーには二つ弾薬が装填されている。もし[嘘]だと思う質問があっても六分の二の確率で弾が発射される。
これでよけいども迂闊には答えられなくなった。
休憩なく容赦なく追い詰めるように質問は続けられる。
『あなたの父は死にました。死因は他殺でした』
——知らない。
『あなたの妹は死にました。死因は他殺でした』
——知らないっ。
『あなたの母親は殺されました』
——知らないって言っているでしょ!?
『あなたの手によって—』
——ッ。
一瞬脳に何かの映像がフラッシュバックしたように気がした。
地面には長い漆黒の夜空のような綺麗な髪の女性が血まみれで倒れていました。お腹には無数の刺し傷。彼女が着ていた白かった白衣が血で真っ赤に染まっています。
無言で女性の傍らに立つ少女の姿。赤黒い血で錆た手のひらサイズの小さな果物ナイフを握りしめ、彼女の顔は返り血でべっとりと赤黒く汚れて
—いやあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!
「きゃははっ♪きゃはははははははははははははははははははははははははははははははははっ♪」
リティの悲鳴。心が自信を護るためにあげた悲鳴。
嬉々とし狂った謎の幼女の笑い声。
二人の叫び声が祠堂内に響きこだまするその光景を傍で見ていることしか出来ないルシア達。
「じゃあ最後のシツモンだよ♪」
——やめて。もうやめ
『殺された。あなたにはもう愛するは家族はいない』
リボルバーには五つの弾薬を装填されている。六分の一の確率で運が良ければ弾は発射されない。しかし逆を言えば六分の五の確率で弾は発射される。弾はリティの頭を貫くだろう。
選んで欲しい——リティは引き金を引くべきか、否かを貴方(読者様)の手で。
——[本当]引き金を引かない
——[嘘]引き金を引く
- Re: シークレットガーデン 〜小さな箱庭〜【知恵の試練編】 ( No.180 )
- 日時: 2017/10/10 12:42
- 名前: 姫凛 ◆x7fHh6PldI (ID: KACJfN4D)
『殺された。あなたにはもう愛するは家族はいない』
—そんなの嘘に決まってる。さっき見えたモノがなんだったのかは分からない。
本当の家族とか記憶を失っている私に分かるわけない。
でも一つだけ確かなことがある。分かることがあるわ。
リオン。そしてリア。この二人は私の大切な友人であると同時に幼い頃からずっと一緒に育ってきた大事な家族も同然の存在。
彼らが居る限り、私は一人じゃない。家族は——いる! 六分の一の確率に賭けることにするわっ!
——[嘘]引き金を引く
リティは引き金に指をかけゆっくりと "それ"を引いた。
——パァァァァァンッ!!!
祠堂内に響き渡る一発の銃声。
「リティィィィィィィィィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!」
祠堂内に響き渡る愛する者を失った者の嘆きの叫び声。
「きゃはははははははははははははははっはははっはははははっはあっははははっ♪」
祠堂内に響き渡る謎の幼女の嬉々とした狂った笑い声。頭痛が治まりそうない。吐き気がこみ上げる。
まるでスローモーションのようにゆっくりと横に倒れ込むリティを地面に叩きつけられる前に受け止め抱きしめるリア。
「なんで…なんで…お前まで逝っちまうんだよ…。俺を独りにしないでくれよ……なぁリティ…。
もうふざけたりしないから、目を開けてくれ……リティ」
何度も彼女の名を呼びかけ蘇生を試みるが、頭から血を流す彼女にその声は届かない。
—即死だった。
死んでしまった者に回復魔法は効かない。回復魔法は傷を癒すもの。死者を蘇らせるものではない。
もし死者を蘇らせることが出来る者がいたとすれば、それは神以外ありえないだろう。
——だが神は人の子の願いなど聞き入れない。そして叶えるなどありえない。
観測するだけだ。直接的な干渉はしない。してはいけないのだ。
その証拠に女神が誕生した神殿と言われる場所で死者が出たのだから。
神々が提示したくだらないその場の退屈しのぎで始めたゲーム如きで。
[神々のお遊戯end]
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