複雑・ファジー小説

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シークレットガーデン 〜小さな箱庭〜【氷国の民編】
日時: 2019/09/08 08:53
名前: 姫凛 (ID: 9nuUP99I)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode=view&no=19467

これから綴る物語は忌まわし呪われた血によって翻弄され
哀しき封印から少女達を救い
少女達と共に謎の不治の病に侵された小さき妹を
助けるため小さな箱庭を行き来し愛と絆の力で闘い続けた
妹思いな少年と個性豊かな少女達の絆の物語である

-目次-[シークレットガーデン〜小さな箱庭〜]

登場人物紹介 >>166-168
-用語紹介- >>169
-魔物図鑑- >>23
-頂きもの-
高坂 桜様(元Orfevre様)より シル(オリキャラ)>>10
はる様より リア・バドソン(オリキャラ)>>11
ブルー 様より ヒスイ(オリキャラ)>>12 ヒスイ(キャラ絵)>>205
レム様より エリス(オリキャラ)>>66
華那月様より ヨナ(キャラ絵)>>08 ランファ(キャラ絵)>>09 シレーナ(キャラ絵)>>38
むらくも(キャラ絵)>>39
むお様より リオン(キャラ絵)>>37
自作:エフォール(キャラ絵) >>217

-あらすじ(第九章)

山の国の何処かにあると言い伝えられている女神が誕生した遺跡 アンコールワットで見事試練を乗り越え真実の歴史を知ったルシア達は遺跡を出てリオン、リティと別れ時渡の樹が生えた広場でヒスイと合流を果たした。

新たに出来た旅の目的。四つの国にある四つの遺跡を巡りかつて女神と共に邪神と戦った王達の力を受け継ぐ旅の始まり。

——さてどこの国の遺跡から行こうか?


-章の目次-
*1分〜10分(読むスピードで個人差があります)で物語の概要が分かるスキップ物語☆
*本編を読むだけでも物語を楽しめますが個別の短編も読むことでより深く楽しむことが出来る作りとなっています。

序章 出会いと別れ >>05-07 -スキップ物語- >>22

第一章 物静かな看護師の闇
荒くれ者 ザンク編 >>13-20 -スキップ物語- >>40
シレーナの封じた過去編 >>24 >>26-36 -スキップ物語- >>50-51
(より抜き「 魔女と呼ばれた少女の物語」完結済み)>>152

第二章 汚された草競馬大会 >>43-47 -スキップ物語- >>52

第三章 大都市で起きた不可解な事件
宿屋での選択肢 >>48-49 -スキップ物語- >>53
[ムラクモを探す- >>55] [後をついて行く- >>54 …正体END]
遺体のない葬儀編 >>56-61 -スキップ物語- >>68
立食パーティー編 >>62-63 >>67 -スキップ物語- >>79

第四章 監禁・脱走 >>69 >>73 >>76-78 -スキップ物語- >>124
(叢side「椿の牢獄」>>158完結済み)
(別side「菊の牢獄」>>)

第五章 美しき雌豚と呼ばれた少女
コロシアム編 >>82 >>85-90 >>93 >>97 >>100-101 >>104 >>107-108
-スキップ物語-上中下>>125-127
シルの封じた過去編 >>111-113 >>119-123 -スキップ物語- >>128
(続編「美しき雌豚と呼ばれた少女とおくびょう兎と呼ばれた少年」完結済み)>>153

第六章 闇と欲望の国
アルトの封じた過去編 >>129-133 >>136-138 >>143-145 -スキップ物語- >>146
裏カジノ編 >>147-150 -スキップ物語->>151
(幕間「感情のない少女の物語」>>224
敵の本拠地へ編 >>154-156 -スキップ物語->>157

第七章 賢者たちの隠れ里 >>159-163 -スキップ物語上下- >>164-165

第八章 からくり遺跡
女神の試練編 >>170
[勇気の試練>>183-186 ] [知恵の試練>>177-182] [力の試練>>171-176]スキップ物語->>187-189
[仲間->>185…生贄end] [友人->>186…見損ないend][本当->>181] [嘘->>180…神のお遊戯end]
[棺を開けない- >>173-176][棺を開ける- >>172…死神end]
隠された真実編 >>194-197 -スキップ物語->>193
      (修正前>>190-192
第九章 荒くれ者の最期 >>198-202 -スキップ物語->>207
(幕間「殺戮人形と呼ばれた少女の物語」>>224

第十章 殺戮人形ト色欲妖怪
王家の墓編 >>208-216 -スキップ物語->>
リアの封じた過去編 >>218-2231
[受け入れる>>220-221]…喪失END [受け入れない>>222-223]…永眠end
(→狐の銅像「親殺しの青年の物語」>>)

第十一章 嘘ツキな臆病者
氷国の民編>>225-229 …達筆中
ひと時の休息編

第十二章 賽は殺りと投げられて
偽りの仮面編>>
真実の泉編 >>
???の封じた過去編>>

最終章 最終決戦
Aルート >>
Bルート >>
cルート >>
Dルート >>


 
-掲示板-
達筆開始日 2014/3/4
2017/11/25:URL先を新しくしました。雑談板にあります、設定資料集スレにしました。
2019/9/8:URL先を新しく書き始めたリメイク版の方に変えました。

-おしらせ-
2017夏☆小説カキコ小説大会【複雑・ファジー小説部門】で【銅賞】を頂きました。
投票してくださった皆様、本当にありがとうございました<(_ _)>
完走(完結)目指して頑張りたいと思います!
20119/9/03→『氷国の民編』『新章』追加

参照100突破!3/6 200突破!3/11 300突破!3/15 400突破!3/21 500突破!3/28 600突破!4/4 700突破!4/9 800突破!4/15 900突破!4/22 1000突破!4/28 1100突破!6/2 感謝♪
2017年 2600突破!/1/30 2700突破!1/31 2800突破!2/7 3200突破!8/31 3300突破!9/1 3400突破!9/7
3500突破!9/12 3600突破!9/19 3700突破!9/26 3900突破!10/10 4000突破!10/17 4100突破!10/31
4200突破!11/6 4300突破!11/14 4400突破!11/23 4500突破!11/28 4600突破!11/3 感謝♪
2018年 5000突破!1/7
返信100突破!2014/4/28 200突破!2017/11/14 感激♪

-神様な読者の方々-
蒼欒様:初コメを下さいました!もう嬉しさMaxです♪
レム様:エリスちゃんの生みの親様です♪いつも温かい励ましコメありがとうござます!
ブルー様:オリキャラ ヒスイちゃんを投稿してくださいました!
出せるまでに一ヶ月以上もかかってしまったのに、見捨てずに見て下さっているお優しい方です(T_T)

Re: シークレットガーデン 〜小さな箱庭〜復帰! ( No.126 )
日時: 2017/01/31 10:24
名前: 姫凛 (ID: sxkeSnaJ)




-スキップ物語-(コロシアム編 )中



一歩 外に出てみればそこは不思議な世界。不思議の国のアリスになったような気分だ。

和の国

別名サムライの国。鎖国国家で他国との交友を一切禁じられている。

そのため他の国にはない独自の文化を誇っている。

国民は皆 着物と呼ばれる衣装を身にまとい 男はちょんまげと呼ばれる不思議な髪形をしている。

日本刀と呼ばれる細い剣をを扱う剣士をこの国ではサムライと呼んでいる。

コツ

コツ コツ

コツ コツ コツ

なにか軽い音が聞こえる。音がする方を見てみると

翡翠色の美しい髪で若草色の蝶の模様が入った着物を着ている少女が、棒切れのような物でコツコツと地面を叩き

そこに何もないのかと 確かめながら 一歩 一歩 ゆっくりとルシア達の方へ歩いて来ていた。

「(…目をつぶってる…あの子、目が見えないのかな?)」

ルシアは少女が目をつむり不思議な歩き方をしているのが気になり

「(あの女…只者ではないな)」

ムラクモは少女から感じるただならぬ気配を感じ取り警戒している。

彼女に見とれているとすれ違いざまに 不意に声をかけられた。どうやら彼女もコロシアムに行きたようだ。

目的地が同じなので一緒に行くことにした。彼女の名はヒスイと言うらしい。


「「オォォォオォォォ!!!」」

さすがコロシアム。熱気であふれている。

すごいなぁと感心しているとコロシアムのチラシを貰らった。

そういえばエリスが言っていたビックな景品ってなんだろうと、何気なくチラシを見てみると

「ッ!!?」

唾を飲む内容が書かれていた。

景品はなんと 競馬大会でお世話になった あのシルだったのだ。

友を救うため迷わずルシア達もコロシアムへ出場することを決める。

ルシア的にはムラクモとヒスイには参加してほしくなかったのだが…誰か一人でも友情できればシルを救えるのだ。

だからごめんっ手伝ってと二人にお願いしたのだった。

コロシアムのルールは四つのブロックで別れたバトルロイヤル式。

各ブロックで参加者たちは殺し合いをし、生き残った合計四人でまた殺し合いをして

最後の一人が優勝とゆう仕組みだ。


Aブロックはムラクモの圧勝。

続いてBブロックではヒスイがカンフー兄弟を倒し、他の出場者に棄権するように伝えるがその言葉に誰も耳を傾けない。

凄腕の猛者たちが一斉にヒスイに襲いかかったそのとき

ヒュゥ〜〜〜ウ

冷たい風がコロシアムに吹いた。

地面が凍っていく。やがてそれは足元を伝ってヒスイ以外の猛者たちを飲み込んでゆく。

数分の出来事だった。

ヒスイ以外の猛者たちは皆 氷のオブジェと化したのだ。

「ほんま、怖い人達やわ。こんなか弱い少女大人数で襲い掛かるやんて…」

凍り付いたリングの上に突如現れた女。名をナナと言い、ドルファ四天王の一人 裏社会のボス。

ナナはヒスイに優しく声をかけたあと、ユウ、次にムラクモ、そして最後に

ルシアを睨みつけたのちヒスイと一緒にリングを出て行った。

その後、係りの者たちが生きたまま氷漬けになってしまった猛者達を回収して回る。

だがもう彼らが生きて今までどうりに生活することはない。

なぜなら海に捨てられるか、死体置き場に捨てられるかだ。

ここでは“敗者に用はない”

Cブロックはルシアが Dブロックはモブが 勝ち残ったが特に何もなかったので割愛。

モブは割愛されたショックにその場を逃げ出し係りの者達の手によって始末された。




Re: シークレットガーデン 〜小さな箱庭〜復帰! ( No.127 )
日時: 2017/01/31 11:03
名前: 姫凛 (ID: sxkeSnaJ)




-スキップ物語-(コロシアム編 )中


決勝戦が開幕される——

コロシアムの決勝戦は原則 四人で行う事。

だがDブロックのモブは始末された。

ここにはルシア ムラクモ ヒスイの三人しかいない。

あたふたする司会者をユウは嘲笑う。

ボクがいるじゃないか……と。

リングの上へユウは降り立ちルシア達へ挨拶をする。

こいつがコロシアムの王。シルを雌豚 家畜と侮辱しコロシアムの景品とした張本人。

「出でよ、ファヌエル!!」

と叫けび天高く上げていた腕を勢いよく下に振り下ろした。すると上空に巨大な魔方陣が現れた。

それはまるでザンクが、アルミサイルを召喚した時のような…光景だった。

ユウは飛び上がり特別席へと戻える。リングの足元が三等分に別れ、ルシア達はそれぞれの足場に一人ずつに分けられた。

上空に現れた魔方陣は、だんだん光り輝やき始めそして

「グオォォォォォン!!」

大きな雄叫びをあげながら、巨大な闘魚が魔方陣から降って来たのだ。

あの闘魚がファヌエル。 ユウが召喚獣だ。

ファヌエルは三つに分けられたリングの中央の水辺へ落下し、凄い水しぶきをあげる。その水がルシア達にかぶさる。

ユウは特別席の豪華な王の椅子に座り、ゆうゆうと高みの見物だ。

ファヌエルの体は鋼鉄で出来ている。生半可な攻撃では歯が立たない。

ルシア達は苦戦を強いられる。

ぽたんっ。

ヒスイは目が見えない代わりにその他の語感が通常の人よりも発達しているのだ。

水の音を聞きファヌエルの行動パターンを把握した。

水しぶきをあげ跳びあがるファヌエルとすれ違う一瞬の瞬間 閃光がはしった。

ファヌエルが水に落ちた瞬間、ヒスイも刀を鞘に終う。

これはほんの秒数単位の出来事だった。

なのにスローモーションを見てるかのように 永遠に感じられるような一瞬の出来事だった。

「グハッ!」

硬直した時を動かしたのはユウの吐血音だった。

我に返った観客たちからは 歓声や悲鳴 様々な声があがった。

その光景にあっけにとられる ルシアだったが地面に剣を落とすムラクモの姿を見て 自分のすべきことを察する。

司会者もまた武器を置いた二人を見て 自分の今すべき仕事を思い出す

「ユ ユウ様が敗れ 二人が武器を置き棄権した…」

吐血しながらもユウは試合続行を望むが

「……ゆ、優勝者は……」

コロシアムにおいてルールは絶対。それは決勝戦が始まる時 ユウ自らが言った言葉だ。

「盲目の剣士、ヒスイだーーー!!新チャンピオンの誕生だーーー!!」

ヒスイの優勝が決まった瞬間だった。

観客たちからは惜しげの無い 拍手と声援がヒスイに贈られる。

この喜びをムラクモと一緒に喜びたいルシア。

…だけどどこを探してもムラクモの姿はなかった。




アリーナコロシアム地下深くのとある場所。

この場所の事はコロシアム関係者のごく一部の者しかしらない秘密の地下室。

此処には大量の火薬や爆弾が隠されている。

その威力はコロシアムどころか、和の国そのものを跡形もなく吹き飛ばし灰にきす程の威力を秘めている。

何故、コロシアムの地下にそんなものが隠されているかというと…それは。

「ハァ…ハァ…」

腹を押さえ、おえっとまた血を吐き、壁に手を付き足を引きづり、苦しげに呼吸しながら

此処。秘密の地下室へとユウが下りて来て

「まだ…だ、ボクはまだ、負けてなんか、いない」

地下に隠してある爆弾の中で最大級の破壊力を持つ、とある兵器の前で立ち止まった。

「これだ…このスイッチを押せば……コロシアムごとあいつらを……フフ…アハハ……ぁぁっ」

壊れた。彼は壊れてしまった。

彼はすべてを巻き沿いにし自滅をはかろうとした。

…が

「…?」

腹に違和感を感じる。ゆっくり視線を下へ向けると、剣が腹を貫いていた。

ゆっくり後ろを振り返ると仲間だと呼ばれていた過去の戦友の姿が、そこにはあった。

「ム……」

彼は最期の力で奴の名を呼ぼうとしたが

「敗者に用などない」

「ぐぅ……あぁ…ぁぁぁ」

言い終える前に突き刺された剣が抜かれ、原型がなくなるまでにぐちゃぐちゃに切り裂かれた。

かつて戦友であった者のなれの果て 今はただの肉塊から剣を抜くと

「すべては、王の望むままに……」

奴はその場を立ち去っる。友の目には一滴の水が流れていた。



Re: シークレットガーデン 〜小さな箱庭〜復帰! ( No.128 )
日時: 2017/09/01 10:06
名前: 姫凛 (ID: KACJfN4D)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode=view&no=19170




-スキップ物語-(シルの隠した過去編)

見事 狂気に狂ったドルファ四天王が一人

ユウを打ち負かしたルシアとヒスイはコロシアム出口に用意されている 優勝景品受け渡し所にやってきた。

受けた渡し所の中央には、四角い猛獣用の檻の中でグッタリと倒れている、シルの姿があった。シルの腕には手錠がかけられていた。

作業員から鍵を受け取り、檻の扉を開けてシルに駆け寄る。

衰弱しきったシルの体は冷たくて軽い。

弱々しい声でシルはルシアに「ありがとう」と感謝の意を伝える。

ルシアが優しくシルを抱きかかえ、良かった…シルさんが無事で とひと安心していると

『あらあら〜まぁまぁ〜、ずいぶんとなかつつましいことですことぉ〜』

頭の中に直接 あのちょっとウザ臭がする妖艶的な女性の声が聞こえてきたのだ。

そう。シレーナのプリンセシナに入ったさい色々お世話になって

何故か必要以上に懐かれたあのパピコだ。

何故パピコの声がルシアの頭の中に直接聞こえてくるのか尋ねてみたのだが返ってきた答えは…

『それは、私とご主人様の愛の力がなせる技でございます!!』

だった。

まぁそれは質の悪い冗談として。 本当はパピコがくれたブレスレットのせいらしい。

二転三転と話があらぬ方向へゆくパピコの話は割愛するとして本題へゆこうか。

パピコの話ではシルもまたデスピル病に感染してしまったらしい。

また発病していなかったのが幸いした。発病していなければまだ少しばかりの猶予が残されているからだ。

お人好しで正義感が強いルシアはすぐにでもシルのプリンセシナへと向かうことを決めた。

「モォ〜ウ」牛の鳴き声だ。

入ってすぐに聞こえて来たのは牛の鳴き声。 動物の鳴き声。

温かい日差しや青々と生い茂る草木の香りだ。

どうやらシルのプリンセシナ内部は牧場が舞台のようだった。

プリンセシナは十人十色。

百人いれば百通りのプリンセシナが存在するのだ。

第一階層では小さいシルを発見。

話しかけてみたが少し警戒された。仲良くなるために家のお手伝いを手伝ってあげることにした。

少し小さいシルともうけとけられたような気がする。

シルの母が娘を呼ぶ声がする。

「——」

?

多少の違和感を感じた。


第二階層では魔がい物に襲われている農家のご夫婦を救出。

小さいシルの事を訊いてみるが二人は知らないと言う。

牧場の娘だと言うと

「——」

まただ。またあの違和感だ。

夫婦の話では、小さいシルは少し前に行方不明になってしまったそうだ。

今は森緑の騎士団が探しているそうだが、見つからないらしい……。

第一階層と第二階層の間で起きた出来事を見るには、シルとの深い絆が必要らしい。

今の絆度では到底無理らしいのだ。

現状ではここまでが手一杯だ。仕方なくルシアはプリンセシナを出る事となった…。


シルが隠した過去の闇とは—?

コロシアムで司会者が告げた「パクホー伯爵暗殺事件」とは—?








(この物語の続きはスピンオフ作品でお楽しみくださいませ♪ URL貼ってあります)

Re: シークレットガーデン 〜小さな箱庭〜復帰! ( No.129 )
日時: 2017/01/31 12:56
名前: 姫凛 (ID: sxkeSnaJ)






第六章 闇と欲望の国-アルトの封じた過去編-


ガポー

「うわぁー 高い〜」
「すごーい」
ルシア達ご一行は上空三千メートルを跳ぶ飛行船の中。
窓から見える景色に、ルシアとシルは無邪気な子供のように大興奮だ。
「二人は飛行船初めて?」
「はい」
「うんっ こんな鉄の塊が空を飛ぶだなんてびっくりだよ!
 落ちたりしないのかな?」
「ルシアさん 怖い事言わないでください。もし本当に落ちたらどうするんですかっ」
「あわわっ ごめんなさい」
二人の愉快なやり取りにヒスイは思わず口が緩む。
「この飛行船は仮面の科学者達が今現在の科学技術をすべてつぎ込んで作ったハイテク機なんだよ?」
「「へぇー そうなんだ」」
ルシアとシルから驚きが止まらない。
ずっと森の中でヨナと二人きりだったルシアにとって、外の世界は驚きの連発だ。


[仮面の国〜当機は旅の終着点 仮面の国へと着陸いたします]


「着いたみたいだね」
飛行船はゆっくりと着陸した。ルシア達は飛行船の出入り口に向かう事にした。
出入り口では仮面の国への入国審査が行われているようだ。
検査官っぽい服装の男二人が出入り口を塞ぎ 飛行船に乗っていた客を一人一人 ボディチェックしている。
「はい。おけぃ。次ー」
チェックはベルトコンベヤー作業のように緩やかに 速やかにささっと済まされ客達はどんどん飛行船を下りてゆく。
「じゃ僕たちも…」
入国審査を受けようと続けようとしたルシアの言葉をヒスイが遮る。
「待って」
「え?」
「こっち」
何故かヒスイはルシアの手を引き出入り口は反対方向へと連れて行く。
不思議に思いながらもシルも二人のあとをついていく。


ヒスイは盲目の少女。いつも歩くときは杖が欠かせない。
なのに今は杖なしで飛行船内を駆け足で行く。飛行船の業務員たちにみつからないように 慎重にそして大胆に。

Re: シークレットガーデン 〜小さな箱庭〜復帰! ( No.130 )
日時: 2017/01/31 13:55
名前: 姫凛 (ID: sxkeSnaJ)







「ここ」
ヒスイが立ち止まったのは飛行船の一番後方にある従業員用出入り口だった。
「ここから出よう」
「どうして?怪しまれる」
少しヒスイへの警戒心をあらわにシルが訊く。…がヒスイはなにも答えない。
ヒスイにはヒスイなりの考え合っての行動なんだろうとルシアは、考えることにした。
ヒスイのいう通りに従業員用出入り口から出て、ランファ達との待ち合わせ場所へと向かうことにした。


「あーー!!ルーシーアー!」
待ち合わせ場所に着いた途端、ランファが大きな声で手を振りながらルシアを出迎えてくれた。
「ランファ!それにシレーナとリアさん! みんな無事だったんだね」
ランファの傍には、もちろんシレーナとリアの姿がある。
みんなに近づくとランファがルシアに抱き付いた。勢い余って強く閉めすぎている、少し苦しい…。
「…ぅ」
「ルシア…元気そうで…よかった」
「シ シレーナ…もね。 ランファ苦しいよ」
苦しいので腕を放して離れてくれるように頼んでみるが、ランファは全然聞く耳を持ってくれない。有頂天だ。
「それにしても〜 へぇ〜」
なにやらニヤニヤと邪な笑みを浮かべたリアが、ルシアとシルとヒスイの三人を順番に見ていく。
そしてルシアにひとこと
「両手に花で羨ましいですなぁ〜ってな ニヤニヤ」
「なっ!?」
かぁーとルシアの顔が赤くなっていく。耳まで真っ赤だ。
「あー!私が認めた人としかダメだって言ったのに〜〜このっ浮気者〜〜!!」
閉められていた腕が放されて苦しくなくなったのは良かったが、今度はポカポカッと頭を殴られ始めた。…痛い。


「い、痛いってば! それにシルさんとヒスイとはそんな関係じゃっ」
「ソンカンケイって〜? ニヤニヤ」
リアの茶化しはまだ終わらない。ついでにランファのポカポカも。
こんなにからかわれたら、いくら温厚で優しいルシアでも反撃にでる。
「そういうリアさんだって、両手に花じゃないかっ!」
ランファとシレーナの二人で。…という意味でルシアは言ったつもりだったのだが
「は?俺のは片手に花だけど?」
全然効果がなかった。みしろどちらかと言うと
「えー!?ひっどいんだー、シレーナさんこんっっなにカワイイのに数にいれてあげないんなんて〜」
ランファの方に効果を発揮したようだ。まぁ…だがすぐそれも
「いや 君のことだけどもね」
「へ?」
「俺 子供にキョーミないんだよね〜」
と論破されてしまうのだが…。


「ムキー!!」
子供かっ。とツッコミを入れたく動作でランファは怒りを表現している。
足をバタバタして 地面を踏みつけて 腕をブンブンとめちゃくちゃに振り回す。
「まぁ…まぁ…落ち着いて」
ルシアがなだめようとするが効果なし。
そんなのお構いなしとリアはシレーナの手を取り
「…ってことでシレーナさん、俺とどこか デートに行きます?」
口説き始めた…。
シレーナはそっとリアの手を自分の手から放し、静かに
「…女装癖は…ちょっと」
「えぇ〜」
フッた。
それを見たランファは
「きひひっ。や〜い、フラれてやんのー」
元気復活!ベロベロべーとリアを馬鹿にしてお尻ペンペン!
こんなアホくさいことでも目の前でやられたら誰だって、イラッとくるものだ。
もちろんリアも
「こらっ待てー」
「きゃ〜、リアが怒ったー」
イラッと来てランファを追いかける。喧嘩してるのに二人は楽しそうだ。とてもいい笑顔で笑っている。
知らない人が見れば、だたの兄妹喧嘩にしか見えないのだろうな。

ランファとリアの二人が自分の知らない間に随分と仲良くなったんだな…と少し寂しくも嬉しく思うルシアなのでだった。

「そうだ、シレーナ。ランファからの手紙でヘルプって書いてあったんだけど、なにがあったの?」
プイッ。顔を逸らされなにも答えてくれかった。
なんか怒っているようだった。だがルシアにはシレーナを怒らせた原因に心当たりが全くなかった。
なんでシレーナは起こっているのだろと、考えていると肩をつつかれた。ふり返るとシルが
「彼女さんなにか勘違いをしてるみたいですよ?」
「か、彼女!?」
「違うの?」
「違いますよ!僕とシレーナはただの幼馴染ですよっ」
「ふーん」
顔を真っ赤にさせたルシアは慌てて訂正する。シルはまだなんか納得がいってないような顔だ。
近くにいたヒスイはよくわからないと言いたげな顔をしている。
そしてシレーナを見てみると
「ひっ」
何故か先ほどよりも怒っているようだった…。無言の圧がすごく怖かった。


「ほらっ つーかまえた!」
「わ〜ん つかまっちゃった〜」
「あ。 あっちも終わったみたいだね!」
なんかこの空気に耐え切れなくなってきたルシアは、話題を変えようと追いかけっこをしていたランファとリアの話をする。
…が三人の女の子は無言のままで、空気もなんか重たいままだった。


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