複雑・ファジー小説

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シークレットガーデン 〜小さな箱庭〜【氷国の民編】
日時: 2019/09/08 08:53
名前: 姫凛 (ID: 9nuUP99I)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode=view&no=19467

これから綴る物語は忌まわし呪われた血によって翻弄され
哀しき封印から少女達を救い
少女達と共に謎の不治の病に侵された小さき妹を
助けるため小さな箱庭を行き来し愛と絆の力で闘い続けた
妹思いな少年と個性豊かな少女達の絆の物語である

-目次-[シークレットガーデン〜小さな箱庭〜]

登場人物紹介 >>166-168
-用語紹介- >>169
-魔物図鑑- >>23
-頂きもの-
高坂 桜様(元Orfevre様)より シル(オリキャラ)>>10
はる様より リア・バドソン(オリキャラ)>>11
ブルー 様より ヒスイ(オリキャラ)>>12 ヒスイ(キャラ絵)>>205
レム様より エリス(オリキャラ)>>66
華那月様より ヨナ(キャラ絵)>>08 ランファ(キャラ絵)>>09 シレーナ(キャラ絵)>>38
むらくも(キャラ絵)>>39
むお様より リオン(キャラ絵)>>37
自作:エフォール(キャラ絵) >>217

-あらすじ(第九章)

山の国の何処かにあると言い伝えられている女神が誕生した遺跡 アンコールワットで見事試練を乗り越え真実の歴史を知ったルシア達は遺跡を出てリオン、リティと別れ時渡の樹が生えた広場でヒスイと合流を果たした。

新たに出来た旅の目的。四つの国にある四つの遺跡を巡りかつて女神と共に邪神と戦った王達の力を受け継ぐ旅の始まり。

——さてどこの国の遺跡から行こうか?


-章の目次-
*1分〜10分(読むスピードで個人差があります)で物語の概要が分かるスキップ物語☆
*本編を読むだけでも物語を楽しめますが個別の短編も読むことでより深く楽しむことが出来る作りとなっています。

序章 出会いと別れ >>05-07 -スキップ物語- >>22

第一章 物静かな看護師の闇
荒くれ者 ザンク編 >>13-20 -スキップ物語- >>40
シレーナの封じた過去編 >>24 >>26-36 -スキップ物語- >>50-51
(より抜き「 魔女と呼ばれた少女の物語」完結済み)>>152

第二章 汚された草競馬大会 >>43-47 -スキップ物語- >>52

第三章 大都市で起きた不可解な事件
宿屋での選択肢 >>48-49 -スキップ物語- >>53
[ムラクモを探す- >>55] [後をついて行く- >>54 …正体END]
遺体のない葬儀編 >>56-61 -スキップ物語- >>68
立食パーティー編 >>62-63 >>67 -スキップ物語- >>79

第四章 監禁・脱走 >>69 >>73 >>76-78 -スキップ物語- >>124
(叢side「椿の牢獄」>>158完結済み)
(別side「菊の牢獄」>>)

第五章 美しき雌豚と呼ばれた少女
コロシアム編 >>82 >>85-90 >>93 >>97 >>100-101 >>104 >>107-108
-スキップ物語-上中下>>125-127
シルの封じた過去編 >>111-113 >>119-123 -スキップ物語- >>128
(続編「美しき雌豚と呼ばれた少女とおくびょう兎と呼ばれた少年」完結済み)>>153

第六章 闇と欲望の国
アルトの封じた過去編 >>129-133 >>136-138 >>143-145 -スキップ物語- >>146
裏カジノ編 >>147-150 -スキップ物語->>151
(幕間「感情のない少女の物語」>>224
敵の本拠地へ編 >>154-156 -スキップ物語->>157

第七章 賢者たちの隠れ里 >>159-163 -スキップ物語上下- >>164-165

第八章 からくり遺跡
女神の試練編 >>170
[勇気の試練>>183-186 ] [知恵の試練>>177-182] [力の試練>>171-176]スキップ物語->>187-189
[仲間->>185…生贄end] [友人->>186…見損ないend][本当->>181] [嘘->>180…神のお遊戯end]
[棺を開けない- >>173-176][棺を開ける- >>172…死神end]
隠された真実編 >>194-197 -スキップ物語->>193
      (修正前>>190-192
第九章 荒くれ者の最期 >>198-202 -スキップ物語->>207
(幕間「殺戮人形と呼ばれた少女の物語」>>224

第十章 殺戮人形ト色欲妖怪
王家の墓編 >>208-216 -スキップ物語->>
リアの封じた過去編 >>218-2231
[受け入れる>>220-221]…喪失END [受け入れない>>222-223]…永眠end
(→狐の銅像「親殺しの青年の物語」>>)

第十一章 嘘ツキな臆病者
氷国の民編>>225-229 …達筆中
ひと時の休息編

第十二章 賽は殺りと投げられて
偽りの仮面編>>
真実の泉編 >>
???の封じた過去編>>

最終章 最終決戦
Aルート >>
Bルート >>
cルート >>
Dルート >>


 
-掲示板-
達筆開始日 2014/3/4
2017/11/25:URL先を新しくしました。雑談板にあります、設定資料集スレにしました。
2019/9/8:URL先を新しく書き始めたリメイク版の方に変えました。

-おしらせ-
2017夏☆小説カキコ小説大会【複雑・ファジー小説部門】で【銅賞】を頂きました。
投票してくださった皆様、本当にありがとうございました<(_ _)>
完走(完結)目指して頑張りたいと思います!
20119/9/03→『氷国の民編』『新章』追加

参照100突破!3/6 200突破!3/11 300突破!3/15 400突破!3/21 500突破!3/28 600突破!4/4 700突破!4/9 800突破!4/15 900突破!4/22 1000突破!4/28 1100突破!6/2 感謝♪
2017年 2600突破!/1/30 2700突破!1/31 2800突破!2/7 3200突破!8/31 3300突破!9/1 3400突破!9/7
3500突破!9/12 3600突破!9/19 3700突破!9/26 3900突破!10/10 4000突破!10/17 4100突破!10/31
4200突破!11/6 4300突破!11/14 4400突破!11/23 4500突破!11/28 4600突破!11/3 感謝♪
2018年 5000突破!1/7
返信100突破!2014/4/28 200突破!2017/11/14 感激♪

-神様な読者の方々-
蒼欒様:初コメを下さいました!もう嬉しさMaxです♪
レム様:エリスちゃんの生みの親様です♪いつも温かい励ましコメありがとうござます!
ブルー様:オリキャラ ヒスイちゃんを投稿してくださいました!
出せるまでに一ヶ月以上もかかってしまったのに、見捨てずに見て下さっているお優しい方です(T_T)

Re: シークレットガーデン 〜小さな箱庭〜復帰! ( No.121 )
日時: 2017/02/03 11:12
名前: 姫凛 (ID: 13XN7dsw)

第一階層




視界を覆っていた 体を包み込んでいた
光が消えて見えてきたのは、先ほどと同じ風景 同じ牧場だった。
とりあえず僕たちはあたりを探索してみることにした。何もわからない状況だからね。
しばらく牧場内を歩いていると

『うんしょ うんしょ…』

大きなバケツを持った女の子が手前の方向から歩いてくるのが見えた。
重たいバケツなのかな?女の子は右に左にってあっちこっちにゆらゆらしながら歩いている。
白いワンピースを着た女の子。誰かに似ているような気がする…。

「あっ もしかしてシルさん!?」

そうだっ あの女の子は小さいシルさんだ! 顔になんとなく面影が残っている。

「何をしているのでじょう?」

「聞いてみよう」

「はい♪」

小さいシルさんに近づいて行き

「こんにちは」

『…こんにちは』

軽く声をかけてみた。
いきなり知らない人に話しかけられて、小さいシルさんは警戒しているみたいだ。
僕は警戒を解くために優しく話ける。

「ねぇ何をしているの?」

『えと…おうまさんたちにあげる おみず…くみに』

「へぇ お家のお手伝い?偉いね」

『…そんなこと…ない』

まだ警戒心は解けないみたいだ…。
まぁそうだよね、いきなり知らない人に話しけかられてすぐに打ち解けたら危ないよね…。
どうしたら打ち解けられるかな…? んー、そうだ!

「僕も手伝うよ」

『…え なんで?』

「だってそれすっごく重たそうだよ? 僕が持ってあげるよ」

小さいシルさんは少し考え込んだあと

『‥…はい』

小さな手を差し出しバケツを渡した。
受け取ったバケツは見た目以上に重かった…。よくこんな重たいもの、あんな小さな女の子が持ててたなぁ…。

「うぅ」
『…だいじょうぶ?』
「う うん。へーきだよ?」

本当は全然平気じゃないけど…。腕と足がプルプルだよ。

「…っ えっとどこまで運べばいいのかな?」
『あっち!』

小さいシルさんは赤い小屋が見える方向を指差し、そこへ向かって走って行っちゃった。

「あっ 待って」
「ファイトです!ご主人様っ」
「う、うん」

なんか安請け合いして失敗したかも…。
ちょっと泣きたくなってきたけど、引き受けたからにはしょうがない。
僕は何度かこけそうになりながらも、赤い屋根の小屋に向かって歩きだした。

「よいしょ…よいしょーーっと!」

数分後なんとかたどり着いた。

『ありがとう、お兄ちゃん』
「はは… どういたしまして」
「お疲れ様です。ご主人様」

つ、疲れた…。
もう体銃がバキバキだ…。今日は筋肉痛確定だな…これは。

『ヒヒーン』

『あ シルビア!』

小さいシルさんの元に白い子馬が近づく。シルビア…そうかあの子が。

「ま 子馬ですか?」

『うんっ。わたしがうまれたひにこの子もうまれたんだよ』

「じゃあ 君たちは姉妹なんだね」

『わたしがおねえちゃんで、シルビアがいもうとなの』

『ヒヒーン!』

シルビアは大きな声をあげる。そうだよって小さなシルさんの意見を肯定してるみたいだ。
二人は本当に仲が良いんだね。二人を見てたらフレアを思い出してきたよ。
あいつ元気にしてるかな…? 宿屋のおばさんに迷惑 かけたりしてないかな…? くすっ。

『゛−−−゛ご飯よ』

『あっママだ!』

え…? 今

『じゃあね、おにいちゃんたちー ばいばいー』

「待ってシルさっ」

止める間もなくシルさんは走り出し、あっという間に見えなくなってしまった。

「どうかなさいまし?ご主人様?」
「…いや」

今確かに゛−−−”って……聞き間違いだったのかな?

[ギギギギィ]

遠くから次の階層への扉が開くいた音が聞こえてきた。
ちょっと気にはなるけど、今は先に進むしか出来ない。この場に留まっていてもこれ以上得るものはないみたいだし…。
僕らは第二階層と書かれた扉を探し出し、扉をくぐり抜けた。

Re: シークレットガーデン 〜小さな箱庭〜復帰! ( No.122 )
日時: 2017/02/03 11:16
名前: 姫凛 (ID: 13XN7dsw)


第二階層?



目を開けなくてもわかる。
暖かい日差し 動物の鳴き声 青々とした草木の香り

「また牧場だね」

「そうでございますね」

第二階層もまた牧場だった。シルさんはどこにいるんだろ?
シルさんを探そうとまた牧場を探索しようとしたその時

『きゃああ!!?』

『だ、誰かたすけてくれー!!』

「「っ!?」」

女の人の悲鳴と男の人の助けを求める声が聞こえてきた。声はそう遠くない、近くだ!

「パピコさん!」

「はいっ!」

僕たちはすぐに声がした方へ走って行った。

「あれはまがい物!?」

プリンセシナに巣喰うバケモノ まがい物が農家のおじさんのような格好の男の人とその奥さんらしき女の人に襲いかかっていた。

『た…たすけ』

『…ぁああ』

「グルル」

意思のないバケモノ。あいつらには知性も理性もない、あるのは喰うという本能だけ。
あの人たちを助けないと! 僕は考えるよりも先に剣を抜き

「はぁぁぁ!!」

「グギャァァァ」

まがい物を真っ二つに切り裂いていた。

「はぁ…はぁ。 大丈夫ですか」
『ぁ…ありがとうございます』
『た…助かったのか…私たちは…』

二人は緊張の糸がほつれ安堵の表情をしている。良かった二人共 怪我とかはないみたいだ。
そうだ。あの二人ならシルさんがどこにいるのか知ってたりしないかな。

「あのすみません。 シルさんがどこにいるかご存知ないですか?」

『シル…さんですか?』

「えっとあそこの牧場の女の子なんですが…」

『あぁ。″−−−″ちゃんのことね』

あ…まただ。またあの違和感を感じる。

『なんだ。あんた知らないのかい?』

「?」

「あの子、少し前に行方不明になったそうなんですよ」

「えっ行方不明!?」

「ええ。今は森緑の騎士団の方々が探しているらしいけど…」

「まだ見つからないらしいよな」

「そんな!?」

第一階層と第二階層の間になにがあったんだ!?
シルさん、どこへいってしまったんだ。とにかく第三階層へ早く行かないと!
いや第一階層と第二階層の間の階層?
う〜〜ん、僕だけじゃわからないや。ここはパピコさんに相談してみよう。

「教えてくださってありがとうございました。
 じゃあ僕らはこのへんで…」

『あ?あぁ。助けてくれてありがとよ』

『本当にありがとうございます』

二人と別れてすぐにパピコさんに聞いてみる。

「第一階層と第二階層の間にあった出来事って見ることはできないのかな?」

「…できないことはありませんよ」

「えっ そうなの!?」

良かったならすぐにでも見に……行こうと思ったけどパピコさんの表情が浮かない。

「もしかして…絆度が?」

「はい…。この記憶はシルさまにとっては最も見られたくない記憶の一部なのでしょう。
 ですから内容がカットされていたのです」

「そっか…」

僕はまだシルさんに信用してもらえてない。
絆度が足りない今の状態ではここらへんが限界ということなのか…。

「でもでもぉ、絆が深まればこっちのもの♪
 意図的に消された、幻の扉も出現するというものです」

「幻の扉?」

パピコさんいわく、幻の扉とは本来は存在しないもの / ありえないもの らしい。
深い絆で結ばれた者同士だけだ出現させて、開くことができる扉らしい。

「ささっご主人様。お帰りの時間でございますよ」

「うん…わかった」

体が光に包まれていく。

「シルさまとご主人様の絆が深まり、幻の扉が出現しましたらまた 愛のラブコールにておせらせ致しますね〜♪」

と言っていたパピコさんの言葉を最後に僕の意識はプツンと、電池の切れた機械のように 途切れ視界は真っ暗になった。


(-ルシアside-終)


Re: シークレットガーデン 〜小さな箱庭〜復帰! ( No.123 )
日時: 2017/01/31 11:16
名前: 姫凛 (ID: sxkeSnaJ)




「……ん」
「ルシアっ」
「…ぁ ヒスイ?」

目を覚ますとそこはシルのプリンセシナへ向かった時と同じ場所、宿の部屋だった。
ルシアはベットにもたれかかるような体制だった。駆け寄って来たヒスイの手を借り椅子へと腰を移す。
「どうだった?」
「…じつは」
ルシアはかいつまんで要点だけをヒスイへ伝えた。
「そうだったんだ…まだ治すことは出来なかったんだ…」
「…うん。でも絶対に僕が治してみせるよ!」
「ルシア」
「…あ そういえばもう朝なんだね…」
カーテンでしめられた窓からはうっすらと朝日と思われる日差しがさしこんでいる。
「そうよ。ルシアがあっちに行ってからもう 十時間くらいはたっているかな?」
「そ、そんなに?」
プリンセシナでは外の世界のような時間の概念がない。
外でいかに時間が経過しようとプリンセシナでは全くと言っていいほどに時間は進まない。


「あそこに長くいすぎたら、浦島太郎状態になっちゃうな」
「ふふっそうなんだ?」
「「あははっ」
ルシアとヒスイは顔を見合わせ楽しそうに笑い出す。
先程までずっと長く苦しい戦いが続き 身も心も磨り減っていた二人にはつかの間の休憩だ。
だがその休憩もすぐに終わった。突然の来訪者によって
「クワー!」
「うわっ!?」
「きゃっ!?」
閉じていたはずの窓が突然開き、大きな鷹が部屋の中へ入り込んできたのだ。
「鷹!?なんでこんな街中に鷹が!?」
鷹はルシア達の頭の上を一周回り机の上へ着地した。
どうやら敵意などはないようだ。鷹は左足をルシアの前へ差し出した。
「え…なに? あ 手紙が」
鷹の差し出した足には一通の手紙が括り付けらていた。


「伝書鳩ならない、伝書鷹?」
「さ、さぁ…?」
不審に思いながらもルシアは鷹から手紙を受け取り読んでみることにした。
手紙にはただ一言だけ
[ルシアー、ヘルペスミー!飛行船で、仮面の国へゴー!]
とミミズがはったような汚い次で書かれていた。
「どなたから…なんと?」
目が見えないヒスイはルシアに尋ねる。
手紙を読んでルシアは思った…。このつたない感じはたぶん
「…ランファだな」
「ランファ?」
ヒスイは首をかしげる。
「はぐれた僕の仲間の一人なんだ。いつも騒がしい女の子で…」
「元気いっぱいな子なんだね」
「あれは元気すぎるというか…なんというか…」
あははっと二人はまた笑う。


「…仮面の国へ行くの?」
不意にヒスイが真剣な顔で言った。先程まで見せた笑とはかけはなれた氷付いた怖い顔だ。
「もちろん」
「どうして?罠かもしれないよ?」
「それはないですよ。
 もし罠だとしたら、もっとしっかりしてるシレーナやリアさんを差出人にするだろうし」
そもそも伝書鷹で手紙を送ったりしませんよ。…と苦笑いしながらルシアは続けた。
だがヒスイの表情は硬いままだ。
「くぅー」
待ちぼうけをくらっている、鷹がバサバサと翼を羽ばたかせながら鳴く。
「あぁっ ごめんね。ランファには明日の便ですぐに行くから待ってて、伝えてくれるかな?」
鷹はクワッと大きくひと鳴きすると翼を大きく広げ、入ってきた窓から外へ向かって飛び立って行った。


「…ねぇ」
「あっ シルさん 起こしてしちゃいましたか?」
目を覚ましたシルはゆっくりとべっとから起き上がり
「私も一緒に行っていい?」
とルシアに尋ね続けて
「私もお願い!」
ヒスイも一緒に行きたいとルシアに尋ねてきたのだ。
「でも僕らの旅は…」
「助けてもらったお礼まだしてない」
「私も何かお手伝いがしたいの!」
「でも…」
自分の旅は命の危険が伴うもの。女の子を旅に巻き込むことに躊躇するルシアだったのだが
「「お願いします!!」」
二人の押しの強さに根負けし
「わかった。わかりました!これからよろしくお願いします」
「やった」
「ふふ」
二人が旅の新たな仲間になることを了承したのだった。


「でも今日は二人共ゆっくり休むんだよ?絶対ですからね」
「「は〜い」」
こうして三人は新たな新天地 仮面の国へ向けて各々準備と体を休めるのだった。











宿の外では。

「…はい。計画どうり彼らは仮面の国へと向かうようです。
 カジノへ向かわせれば良いのですね?…了解いたしました」


何者かが木の陰で何者かと連絡を取り合っていた。
連絡を終えると何者かは、何事もなかったように宿へと戻り平然と過ごし傍から見れば、誰もアノヒトが裏切り者だとは気がつかないだろうう…。




-シルの封じた過去編-終

Re: シークレットガーデン 〜小さな箱庭〜復帰! ( No.124 )
日時: 2017/01/31 08:58
名前: 姫凛 (ID: sxkeSnaJ)




-スキップ物語-(第四章)


虚ろ意識の中、ルシアンは何処かで聞いた事のある声の主達が話しているのを聞いた。

話している内容はよくわからなかったが、ただ一つだけわかったことがある。

それは、ヨナをさらった憎き宿敵が叢と言う名前だということだ。

虚ろな意識の中でも゛あいつ”の声だけは聞き逃さなかった。

いや 聞き逃すわけがない。あいつはルシアにとってたった一人の大切の家族を奪った憎き仇なのだから。

声の主たちが出て行く音を聞いた後 目を開けるとそこは鉄筋コンクリートで出来た寂しい部屋だった。

とにかくここから脱出し仲間と合流せねばと、ドアに体当たりすると案外 ドアは脆く 簡単に崩れ道が開けた。

外の通路も鉄筋コンクリートで出来ていて迷路のような作りになっていた。

日頃から狩りで鍛えてきた 勘を頼りに歩いていると、なにやら難しい顔をして考え込んでいるムラクモを発見した。

ルシアは知り合いを見つけて嬉しくなり声をかけるが ムラクモをビックリさせてしまった。

正義感の強いルシアは 此処は危険だからとムラクモを(半ば強引に)引き連れて脱走する事にしたのだった。

此処は迷宮だ。

ふとルシアはそう思った。

あれからもう何時間たったのだろうか…?

一向に出口が見えてこない。ずっと鉄板コンクリートの通路だから方向性を見失いそうになる。

あっちこっち彷徨っていると 兵士の休憩室の様な場所に辿り着いた。

その部屋では二人の兵士が 煙草を片手に仕事をサボり愚痴大会を開いていた。

「おれっ、あいつらから聞いたんだ。この椿の牢獄の何処かに隠し階段があってその先が外の世界につながってるって…」

兵士たちの会話から有力情報を得たルシア達は 隠し階段を目指すことにした。

案の定 隠し階段は魔物の巣と化していた。

だがこれまでの旅で成長したルシアの敵ではない。

ムラクモも中々に強い。もしかすると一顧戦隊並かもしれない強さだ。

あと少しで出口! こんな魔物の巣窟から脱出できると思ったその時

「うぐ」

ムラクモのお腹を鉄の重い分銅が直撃する。

敵の攻撃だ。

敵の名はロックスと言い。武器は鎖鎌。自称ムラクモの彼氏らしい…。

椿の牢獄 監守のロックスVS体力を消耗しきったルシア&深手を負ったムラクモのバトルが幕を開けた。

ルシアは傍聴人。事実上はムラクモとロックスの戦いだ。

ロックスは深手を負ったムラクモに対しても容赦攻撃を繰り出す。

勝敗は最初から決まっていた物かと思われたが——

油断した。

勝利を確信した者 あるある 勝利を確信すると気が緩んでヘマをする。

ロックスもまたそのたぐいだった。

彼の投げた分銅があらぬ方向へ飛び、天井に配線されているパイプにくくり巻き付いたのだ。

そのチャンスをムラクモのは見逃さない。

たとて卑怯だの 卑劣だの 罵倒されようとも

ロックスを斜めに切り裂いた。虫の息のロックスを容赦なくめった刺しにしてモザイク無しではお茶の間には流せない状態

ただの肉塊と化した——


猛烈な吐き気に襲われる。

…が吐かずに出口を目指す。またいつ次の追ってが来るかわからないから。

外に出ると真っ暗だった。

灯りのない真っ暗な夜。此処が何処なのかまったくわからない。情報がなかった。

シュッ。

闇雲に歩いていると、ナイフが飛んできてムラクモの頬を掠めた。

頬から血が流れ落ちる。

投げた主と戦おうとしたムラクモだったが

投げた主は以外にもムラクモの流した血の臭いから

ドラゴンネレイドだという事を知り、自らの家へ招き入れた。

ムラクモが何故 自分がドラゴンネレイドだと知りながら招き入れたたかと聞くと

「…同族だから」と彼女は静かに答えた——


Re: シークレットガーデン 〜小さな箱庭〜復帰! ( No.125 )
日時: 2017/01/31 09:36
名前: 姫凛 (ID: sxkeSnaJ)




-スキップ物語-(コロシアム編 )上



ルシアが目を覚ますとそこまた見知らぬ部屋だった。

壁の色はタンポポ色。壁に駆けられている写真には 若い男女と小さな女の子の三人家族の写真が飾られていた。

ここはあの写真の家族の家かなと考えているとドアがガチャと開く音がした。

ヨナ?

いや違う 違う女の子。

齢十くらいでヨナと同じくらいの背丈の子。写真に写っていたあの女の子だ。

彼女の名前はエリスというらしい。

ご飯が出来たので呼びに来てくれたようだ。

起きたばかりで 眠気まなこな頭では上手く考えられない…。

どうして…自分が…此処に…

ああ!! 暫く 悶々と考えながら頭を右へ 左へ 揺らしていたら思い出した!

自分の身になにがあったのかを! エリスが言っていたお連れの人が誰なのかを!

慌てて急いで部屋を出ようとしたが 気づけば今の自分は真っ裸だ。

これはいけないっとエリスが用意してくれていた 和服に着替える。…のが着物というものは着慣れていない素人には大変に難しいものだった……。

なんとか着替え部屋を屋で見ると ここは二階のようだ。 階段を下りていくと

「あっ、お先に失礼してまふっ」

モグモグと朝ごはんをほおばって食べているムラクモの姿があった。

なんだかハムスターの食事シーンのようなだ。あの膨れている頬には食べ物が詰まっているのかな?

テーブルの上にはルシアがまだ見たことのない 美味しそうな料理が三人前並んでいた。

おや?三人前?

いただきます。と一口食べてみる。

美味しい!


味は素朴だが家庭的でお袋の味といった感じの なんだか懐かしい気持ちになるお味だった。

不意にムラクモからロックスに受けた怪我は大丈夫かと聞かれた。

ルシアは傷口を見てみたのだが…。傷がない 完治したというよりもこれは、初めから傷なんてなかったと言うべきだろうか。

よくわからない現象にルシアは疑問形で答えておいた。

話しはそれ、ここは和の国と呼ばれる場所らしい。

いつのまにやら海の国にいたルシアは国境を超えていたらしい。

ルシアの服はリフルと言う旅商人がくれた物らしい。何処かで出会ったらお礼を言わないとな…と思う 律義なルシアだった。

さて話の議題はこれからのことになる。

まずははぐれた仲間 ランファ シレーナ リアと合流するべきだろう。

だが情報が全くと言っていいほどない。何もないのだ。 はてなにから手を付ければいいものか…。

「…貴方達、腕に自信は?」

どうしようかと悩んでいると不意にエリスがそう尋ねた。

どうやらこの先にあるコロシアムでビックな景品が出るとかで 世界中の色々な猛者や著名人が集まっているらしい。

沢山の人が集まるコロシアム。

もしかしたら仲間たちの事を知る人もいるやもしれない。

ルシア達は最後までそっけのなかったエリスと別れ、コロシアムへと向かうのだった。



朝ごはんにと用意された料理が、三人前しかなかった事が心残りだった。

だがその事をエリスに訊くにはまだルシアとエリスの絆の強さが足りなさすぎだ。


今はまだ他人に心を開けないでいるエリスの闇を浄化する事は出来ないのだ——


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