*人魚姫* 作者/ひさこ ◆tON3cp20n

*4*



俺もプールへと飛び込む。

ジャバァッ。

「あー、すっげぇ気持ちいー!」

俺が言うと、美波がクスクスと笑って

「北島さん?」

と言った。

・・・・いや、北島さんは超気持ちいいだから・・・・。

またまた天然コメント。

でも俺はツッコまないことにした。

美波は美波でさっきからずっと水中を歩いている。

近くで見た美波は、水泳をやってるとは思えない白い肌と、

華奢な身体と、

胸下まである綺麗な髪の毛。

本当に可愛かった。

俺がつい見とれていると、

「ん?」

とのぞき込むように返事をしてくる。

「あっ、いやっ!何でもない・・・」

うわ、超テンパってんじゃん俺。

かっこ悪りぃ・・・・

さっきの美波と立場逆だし。

あー、話題変えよっ。

「なぁ美波、泳いでみてよ!」

美波は大きな目をさらに大きく開いて

「えぇ?!」

と言った。

・・・・え?

「な・・・何でそんな拒否んの?」

俺が聞くと、

「あっ、えっと・・・・あんまり・・・人に泳いでるとこ見られるの好きじゃない・・・から・・・・」

何だその理由ー!

俺がそのくだらない理由に爆笑していると、

「そんなに笑わないでよぅ・・・・・」

と顔を赤らめて言う。

どこまで可愛いんだぁーっ!!

「まぁ、とりあえず泳いでみてよ。そんなに見ないからさぁ♪」

俺が進めると、

「えぇっ、でもーでもーでもー・・・・・」

とか言いつつプールサイドへ上がり飛び込み台へ上がる。

ノリノリじゃんっ!!

「あ、ゴーグル貸してもらっていい?」

美波が言う。

「いいよ!」

ゴーグルを渡す時、少し手と手が触れた。

ちっちゃくて、温かくて、柔らかい手。

また鼓動速くなってく・・・・