*人魚姫* 作者/ひさこ ◆tON3cp20n

*11*



次の日も俺は部活に行った。

まぁ、昨日のは自主練だったけど。

着替えてプールへ行く。

おっ、全員来てるな。

部員は11人。

それにマネージャーが一人と、

顧問が一人。

そのマネージャーが・・・

「おっはよぉ!りょーまっ♪」

出た。

濃いメイクと、くるくる巻いた焦げ茶の髪の毛。

てか絶対染めてるだろ・・・・

目の前のこいつが橋本奈々。

俺はハッキリ言って嫌い。

水泳部に居てほしくないくらい。

でも水泳についての知識は抜群で、タイムの測り方も誤差がないから、

マネージャーをやめさせらない。

あぁめんど。

「・・・で何なわけ?」

うっとおしさを込めて答える。

「えぇー、だからぁ・・・・今日もがんばってねっ!」

そう言って奈々はどこかへ行ってしまった。

わけわかんないんですけど。

ほっときゃいいか。

今日は練習、練習・・・・

集中しようとしていると、後ろから声をかけられた。

「涼真くん、おはよう!」

また奈々か・・・

「さっきから何なんだよ?!」

俺は鋭い視線で後ろを振り向く。

そこにいたのは・・・・

美波だった。

「あ・・・」

間抜けな声を出してしまった。

「え、あたし何かしたかな・・・」

美波の目にみるみる涙がたまる。

ポタリ。

美波の目から涙が落ちると同時に、走って帰ってしまった。

だぁぁもー!!

女心ってほんと意味不明だ・・・

今日は最悪。