*人魚姫* 作者/ひさこ ◆tON3cp20n

*13*
ピピピピピピ・・・・・
何だようるっせぇーな・・・・
目覚ましを殴り、音を止める。
ついでに時間を確認。
・・・え?!
8:15AM。
「やっべぇぇぇ!!!」
集合時間15分も遅れてるし!!
俺はとび起き、ありえない速さで身支度をし外へ出た。
「ぬおーーー!!」
走りながら叫ぶと、よけい疲れるってことは分かってるんだけど。
なんとなく叫びたくなる。
そしたら近くで、同じ様な叫びが聞こえた。
「わあーーー!!」
・・・女か?
こいつも遅刻してんのかと思い、後ろを振り向く。
あ。
目、合った。
そこには額に汗を光らせ、ぽけーっとした顔で俺を見ている美波がいた。
「み、水谷くんも遅刻・・・なの?」
ゼエゼエしながら美波が喋る。
「う、うん・・・・」
俺もゼエゼエしながら答える。
『気づいたら8時15分でさぁ』
2人の声がそろった。
俺達は顔を見合わせ、吹き出した。
美波の笑顔、なんか久しぶりだな・・・
その笑顔は、太陽に負けないくらい輝いていた。

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