「知る・触れる」編 ~知るきっかけづくり~

【第2回】 『人が驚く瞬間』を、知っていますか?

「驚く」とは……
1.意外なさまにビックリする 2.ふいに気がつく 3.目覚める 
という意味を持ち、日常よく使われています。

驚きは「人」によって幅があります。
心臓がとまるほどびっくりしたり、ちょっと驚いたけどまあ別に……といった反応の差です。

また「同じ人」でも、場の状況や心理状態によって幅が出ます。
・小さい頃は驚いたけど、大人だから今はこの程度じゃ驚かないぜ
・一瞬本気でビクッとしたけど、そんなことだろうとすぐ察しがついたわ
・うわっ!と驚いたけど、落ち着いたらちょっと楽しくなってきたな
・まさかここでこんなことが起こるはずないと思っていたから、腰が抜けるほど驚いたじゃないか!
などなど…、「Aさんが驚く」ことはたくさんあっても、一つとして同じ驚きではないだろうと分かります。

驚きの瞬間そのものは、神経の反射です。
けれど、この反射とともにあるいは遅れて出る、その人の「心」があります。
驚きは意外なほど複雑な感情を伴った動作だったりもしますね。

1.1ミリも受けたことのない物理の授業をアフレコしてみた

2.Frozen Grand Central

3.こんな感激するプロポーズは他にあるだろうか

4.ラップで機内アナウンス(日本語字幕つき) The Rapping Flight Attendant

5.Food Court Musical

6.海外のドッキリ

喜びの驚き、悲しみの驚き、怒りの驚き……、全く情況が異なりますね。
また、外側に現れる表現・動作の大きさが必ずしも気持ちの大きさを表すとは限りません。

動画を見れば分かる通り、「驚いた」瞬間やその後の反応は、人によって様々な違いがあります。
反射した後の「心」を細かく意識・イメージしながら(文字にするかは別として)書くことは、生き生きと人間を見せる上でとても大事です。その人の、取り繕わない生き様が垣間見える、絶好の描写タイミングだからです。

驚きは、エンターテイメント要素の一つです。
上記動画などから「驚かせる」+「笑顔にさせる」というのは、難度の高い試みであることが分かります。
なぜそれを見た人が驚くのか、なぜ驚いた後に笑うのか(不快になるのか)、その心理を考えてみると執筆のヒントが見つかるかもしれません。読み手に良い驚きを与えるには、誰もが大変苦心します。それだけに、驚かせたその人を最高の笑顔にできたら、一表現者としてきっと最高の気分を味わえますね。

海外と日本では、文化や反応に大きな差もみられますが、根本的な「心」は人類共通です。

表現する者の心には「自分のため」「人のため」両方の気持ちが存在しています。
表現を見る者にも「拒否」「肯定」の両方で同時に驚く感情があります。

それらを踏まえて、上手に表現に『仕掛け』て「作品」と「読者の感情」の両方を共に生かせると良いですね。