コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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こちら藤沢家四兄妹
日時: 2014/10/27 23:29
名前: 和泉 (ID: l5ljCTqN)

初投稿です。
よろしくお願いします。


☆special thanks☆

ちゅちゅんがちゅんさま

冬の雫さま

紫桜さま

猫又様

はるたさま

八田 きいちさま

夕衣さま

波架さま

また、読んでくださっている皆様。


☆目次☆

日常編 

>>1 >>3 >>5 >>7 >>10 >>11 >>14 >>18 >>19
>>22 >>23

夏祭り編

>>26 >>27 >>28 >>31 >>32 >>33 >>34 >>37
>>45 >>47

長男過去編

>>55 >>58 >>61 >>63 >>65 >>68 >>71 >>73
>>77 >>78 >>79 >>84

双子お使い編

>>86 >>89 >>90 >>92 >>93 >>96

次女誘拐編

>>100 >>102 >>103 >>104 >>105 >>107 >>108 >>109
>>111

長女デート編

>>112 >>114 >>117 >>118 >>119 >>120

長男長女の文化祭編

>>122 >>123 >>124 >>129 >>131 >>132 >>133 >>134
>>135 >>136 >>137 >>140 >>141 >>146 >>147 >>148
>>149 >>150 >>154

佐々木杏奈の独白

>>157 >>158 >>159 >>163

同級生と藤沢家編

>>164 >>165

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Re: こちら藤沢家四兄妹 ( No.1 )
日時: 2013/08/08 14:00
名前: 和泉 (ID: ZFblzpHM)



#1 「どうも、長男です 上」



蝉がうるさい。
みんみん通り越してもうすでにジャージャーとしか聞こえない。
いっぺん黙れ!!と叫んでみたいが、蝉相手に本気で叫んだら、明らかに夏の暑さで頭をやられたかわいそうなやつという目線を向けられることは明白なので、部屋の窓を閉めてこらえてみる。


俺の名前は藤沢ナツ。
名前がナツだから夏が好きなんでしょ、とかいうやつが多いが、それは多大なる誤解である。

俺は、夏が、大っ嫌いだ。


「あー、暑い暑い」


言いながら夏休みの宿題と格闘すべく勉強机に向かった時だった。



ごんごんごんごんごんごん!!!!!!


もはやノックの音を通り越した勢いでドアが叩かれた。
いったいなんだと恐る恐るドアを開けてみる、と。



そこには鬼が立っていた。



——もとい、鬼のような顔をした、次女、リカが立っていた。


「お、おう。リカどうした。顔が、顔がすごいことになってるぞ」

「ナツ兄、私今年高校受験なんだけど。」

「知ってるよ、頑張ってるもんな、兄ちゃんはよーくお前の頑張りを知ってるよ。
よし、冷凍ミカン食うか」

「冷凍ミカンも冷凍バナナもどうでもいい。
 どうでもいいから、こいつらを預かって」


凍えるような無表情と冷たい声で、リカは俺の部屋に子供を二人突っ込んだ。え、と停止した俺の脚に、二人がすがりついてくる。


「・・・お前らどうした」


藤沢家末っ子の双子、アヤとヒロだった。

藤沢家は四兄妹である。

長男が高2の俺、ナツ。
長女が現在中三のリカ。
次女、次男が五歳のアヤとヒロである。

そして、そんな末っ子二人組はというと。

「リカ姉がどなったぁ〜」

「リカ姉が怒ったぁ〜」

俺の脚に縋り付いたままぎゃんぎゃん泣きわめいている。
やめてくれ、おいヒロジーパンに鼻水つけんな。

そしてリカはというと激しく冷たい視線を二人に向け、

「黙んなさいよ。あんたらが遊べ遊べうっさいのが悪いんでしょ。
 その口米で引っ付けてやろうか」

脅しが怖くないですよ、お姉さん。
なんて思いながらリカを見ていたら、リカが双子に優しく声をかけた。

「私は勉強する、遊びたいならそこの暇人に頼みなさい」

「え、俺別に暇じゃ…」

「そこの暇人に遊んでもらいなさい」

「はーい、暇人でーす」

やだもう、うちの長女怖い。


ばたん、と音を立てて部屋を出て行ったリカを見送って、俺は双子に声をかけた。

「よし、ヒロ、アヤ。
 兄ちゃんと遊ぶかー」

『やだ、リカ姉がいい』


……、俺、そろそろ泣いてもいいですか。

Re: こちら藤沢家四兄妹 ( No.2 )
日時: 2013/08/08 14:26
名前: ちゅちゅんがちゅん (ID: Um9v9XPS)

初めまして!
ちょっと題名が気に入ったので、シュタッ!
ちゅちゅんがちゅん登場!!

なんと!! 一話から面白いだなんて!!
尊敬しまっす!! そしてリカちゃん怖い!

えー…、ではでは更新がんばって下さい!
暇が有ればまた来ます!

……まあ、いつも暇ですが。

って、あっ!!! 暇と言えば、ナツ君とお揃いだ!! いえーい!

こちら藤沢家四兄妹 ( No.3 )
日時: 2013/08/08 14:36
名前: 和泉 (ID: ZFblzpHM)


#2 「どうも、長男です 下」


さて、泣きわめく双子をなだめすかして遊びだした俺たちだったが。

「三分だけまってやる!」

「目が、目がぁぁぁぁぁぁぁ」

「ばるす!!!!」

「ちょっと待てお前ら」

遊びがカオスすぎるだろ。

「それは何の遊びだ?」

『ム●カごっこ!!』

「おう、もう俺はびびらないぞ。
 はい。でアヤは何の役だ?」

突っ込みたい気持ちを抑えて、アヤに問う。
聞かれたアヤはといえば、満面の笑みで

「ムス●1!」

1ってなんだ1って。

「……ヒロは?」

「●スカ2!」

……お前らちょっと待て。

「なんで二人もいるんだよ!あんな悪役一人いりゃ十分だ!!」

しかし、こてんと首を重ねたアヤが俺に問う。

「でもリカ姉がね、【大佐には萌という名の夢が詰まってるんだよ】っていってたよ?」

「リカァァァァァァァァ!?
 五歳児に何教えてんのぉぉぉぉぉ!?」

ダメだ、藤沢家はすでに末期だ!

頭を抱えた俺は、はたと気づいて二人に問う。

「そういや、俺はいったい何役だ?」

まさか飛行機とか言わねえよな。
俺泣くぞ。
そう思いながら双子に尋ねると、双子の答えはさらに斜め上をついていた。

『え、ラピュ●だよ?』

「俺に空飛べと。しかもセリフねえじゃねえか」

こいつら、いったいどうしてくれようか。




夕方も近くなってくると、散々遊び疲れて眠くなったのかアヤとヒロがうとうとしだした。
あんなテンションで騒ぎ倒したら、そりゃ眠くもなるだろう。

「おーい、アヤ—。ヒロ—。寝るのか?」

二人の頭をなでながら聞いてみても、目をこするだけだ。

そろそろ寝るかな、なんて思いながら頭をなで続けていると。
ぽつりとアヤがつぶやいた。

「リカ姉、アヤのこときらいになっちゃったかなぁ?」

ちいさなちいさな、一言だった。

「……どうして?」

「リカ姉、おべんきょー大変なのにいっぱいじゃましちゃったの。
 アヤのこと、きらいになっちゃったかなぁ」

ぽつり、ぽつりとつぶやくアヤの声は、今にも消えてしまいそうだ。
そんなアヤに、俺は疑問をぶつけてみる。

「なんで、お前らそんなにリカに遊んでほしがるんだよ?」

「だって、リカ姉いったもの」



あたしが、あんたたちといつまででも遊んであげるから。

もう、ふたりぼっちじゃないよ。



それはすごく優しくて、悲しい約束だと思った。




「アヤ、起きたらリカにごめんなさいしよう」

目が開かなくなってきたアヤに話しかける。

「うん……」

「兄妹はな、ごめんなさいしたらすぐに仲直りできることいっぱいあるんだよ。兄妹だから、許されることもいっぱいある。
だからごめんなさい、しような。
 それで、次からもうちょい、リカの気持ちも考えてやれ」

うん、とつぶやいたアヤの声はすぐに寝息に変わった。



藤沢家四兄妹には、秘密がある。
みんなが持っていて、守らなきゃいけない秘密がある。



それを話すのは、きっともう少し先になる。


眠ってしまった双子をなでながら、俺は赤い空を見上げた。



ちゅんちゅんがちゅんさんへ ( No.4 )
日時: 2013/08/08 14:38
名前: 和泉 (ID: ZFblzpHM)


ありがとうございます。

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これからも暇なときにでも読んでいただけるとうれしいです。


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