二次創作小説(紙ほか)

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

【マギ】〜光陰の姫巫女〜 最後のお知らせ
日時: 2015/03/18 19:09
名前: リーフ (ID: gC.HkZm.)
プロフ: http://sakurasaku

初めまして、リーフと申します。
この度、マギで二次小説を書きたいと思いました!!
ちなみに高校生ですので、いつ更新できるかわかりませんが、なっが〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っい目で見てやってください_(._.)_

でわでわ、次回スレッドより詳細を。


【目次(章別)】  >>2
【アイデア募集】  >>35
【オリキャラソング】>>105 >>117
《読者の皆様へ!!》
お話は○章で構成されています。各章の章数前の印にご注目下さい。

*…ほぼ本作の真髄。半分以上が重要です(多分)!
#…日常編です。伏線は無いに等しいです。
@…↑どちらもです。注意して読むと…おや?

8話です ( No.21 )
日時: 2014/01/13 11:20
名前: リーフ (ID: O72/xQMk)

今回、かなり長文になりました…。

8話


「逃げられた…この私が」

静かに波立つ黒い海を、リリィは静かに見つめた。
やがて、にぃいっと口角を持ち上げる。

「まあいいでしょう…次はありません」

踵を返し、藍色の髪が街の闇に消える。
それと同時に、深夜を告げる鐘が、シンドリアに静かに響いた。



シンドリア国高台に位置する、シンドリア王宮。
明かりの灯された宮中を兵や女官が忙しそうに動き回り、上階の広間には、9人の人間が、渋い顔で席についていた。
その面子即ち、2人欠けた八人将とシンドリアの食客であるアラジン、アリババ、モルジアナである。

「…どーすんだ、これ?」
「だから今話し合ってるでしょ?」

お手上げだと言うようにため息をついた褐色の剣士を、海色の髪を持つ
女魔導士が窘める。
いずれも、八人将のシャルルカンとヤムライハだ。いつもならここで罵り合いの一つや二つ起りそうなものだが、今はそんな状況ではない。

「ジャーファルが、連絡を怠るとは思えん」
「ああ。アイツに限ってそれはねえよな」

同じく八人将のドラコーンとヒナホホが、その竜のような体と二m越している大きな体を揺らして同意する。

「やはり、何か事件に巻き込まれたのでは…」
「ねえヤム。もう一回鳥さんたちに訊いてくるー?」

スパルトスは真剣に、一方ピスティは気だるげに意見した。
そんな二人に続き、シャルルカンがもう一度溜息をつく。

「どこ行っちまったんだろ…ジャーファルさん」

そう。シンドリアの要人であり守護天使と呼ばれる八人将が、どうしてこんな真夜中に顔を突き合わせているのかといえば。
ジャーファルが行方不明なのである。
実を言えば、彼の優秀な政務官が夜遅くまで皆の前に姿を現さないというのは、多くはなくも少なからずあった。
しかしそういう時は、執務室に籠っていたり、資料室を歩き回っていたりだ。しかも律儀な性格の彼は、外出の際は何時間ほどで戻る、というように、兵や女中に伝えていたのである。
しかし、今回は明らかに状況が違う。誰にも何も告げず、ひとりでに王宮から消えてしまった。

「ねえヤムさん。お兄さんは、何か用事があったのかい?」
「いいえ、私は聞いてないわ…どう、アリババ君?」
「用事って言ってましたけど…帰り、遅すぎますよね?」
「私もそう思います」

食客である3人の子供たちもそれぞれ意見するが、名案は出ない。
この3人は、バルバット国から来た子供たちで、アリババはその国の王子である。アラジンとモルジアナは二人の大切な仲間であり、その中でもアラジンは『創世の魔法使い』と呼ばれるマギという存在だ。

「俺たちが出て、国民を不安にさせるわけにもいかねぇし…」
「うむ。王であるシンドバットがいない今、問題を大きくはできん」

今島では20人ほどの兵がジャーファル捜索にあたっているが、真夜中という時間ゆえ海に面した崖や森は危なくて捜索できず、住民への迷惑も考え、大声も出せずにいた。
はっきり言って、捜索は難航していたのである。

「あの……私も捜索に加わります」
「!…モルさん?」
「私なら、崖や森も平気です。官服を着ていないから、目立ちもしません」

無表情な彼女でも、きゅっと眉を寄せて街をチラチラとみている。やはり、ジャーファルが心配な気持ちは周りと同じなようだ。

「モルさんが行くなら僕も!」
「俺も行くぜ!…どうですか、師匠?」

食客である3人なら目立つこともなく、しかも兵より自由に探せるかも
しれない。
不在の王シンドバットに代わり、ドラコーンが大きくうなずいた。

「頼めるか。アリババ、アラジン、モルジアナ」
『はいっ!!』


こんばんわー ( No.22 )
日時: 2014/01/14 00:23
名前: とむ吉 (ID: aNM7VPh4)

初めまして、小説の方へのコメント感謝しております、とむ吉です。


暗殺者リリィかっこいいです! もちろんリリィと闘うジャーファルも同様に!><///



受験ものすごい大変だと思いますが、頑張ってください!

小説の方も、楽しみに待ってます。@^−^@  


よければまた小説の方、見に来てくださいね。 感想とか聞かせてもらえると嬉しいです!


では。


返信 ( No.23 )
日時: 2014/01/14 22:58
名前: リーフ (ID: O72/xQMk)

>> とむ吉 様

来て下さって光栄です!
頑張って更新します。


9話 ( No.24 )
日時: 2014/01/18 16:21
名前: リーフ (ID: O72/xQMk)

9話

波が打ち付ける海岸。ここは、シンドリアの森側にある、狭い浜辺だ。
人口の多いシンドリアだが、こんな夜中では、人気は全くない。
そんな場所に、一人の女性が立っていた…否、木枝を集めていた。

「はあ…何故こんなことに…」

事は、数時間ほど前に遡る。



彼女の名はノエル。本日昼過ぎ、シンドリアに入国した女旅人だ。
白めの肌、藍色の髪、灰色の目…そして何より、端整な顔立ち。こんな目立つ彼女が国で騒がれないはずもないが、幸いそんな事はなかった。どうしてと問われれば、ローブで顔を隠しながら宿に入りその後は景色を眺めるだけで街へ繰り出さなかった…というだけの話であるが、それはさて置き。
深夜。漆黒に染まる空を見上げ、ノエルは旅に使ってきた愛用のローブマントを羽織った。自分が目立つということは経験上わかっていたし、何より彼女は『そういった面倒事』が嫌いなのだ。

「しかし…この国は熱いな」

南国ということはわかっていたものの、まさかここまでとはな…。と、
ノエルはトントンとブーツを鳴らした。
最近は北西を回っていた彼女の今の服装は、南国の楽園シンドリアでは
まず見かけない装いだ。
ぴったりした上下は、黒の薄布で七分丈。その上に青色のチュニックの
様なものを着、腰を帯で締めている。足元は黒のブーツだ。
旅…運動に適した服装だが、こんな格好で日中のシンドリアを出歩いたら、半日で服を着替える羽目になるだろう。

「仕方ない…明日買いに行くか」

溜息をついて、ノエルは宿を出る。人はおらず、街の熱もいくらか覚めていた。
どうして彼女がこんな時間に出歩いているのかといえば、答えは簡単。
散歩である。
服装からして昼間は出歩けないし、かといって宿に籠っていては街を知れない。そこでノエルは、夜のうちに街を見て回ることにしたのだ。

「小さい島だが…七海の覇王の国か…」

首をめぐらせれば、王宮のほうは明かりが灯っている。観光客用の施設もあると聞いたから、まだ起きている連中はいるのだろう。

「ほう…へえ…こちらは森か…」

街を巡ること数分。ノエルは、シンドリアの森の前にたどり着いた。それなりに大きく、好奇心も沸いたが、時間を考えてやめておく。…と、
気が付いたことがあった。
森の奥から、濃く磯、砂の香り。波の音。

「そうか…海もいいな」

ノエルは脳裏に、入国時に見たシンドリア国の地図を思い出す。森の向こうは断崖絶壁だったが、少しくらいは浜があっても不思議はない。
ノエルは森の脇に道などがないか探すが見当たらない。仕方なく、森の手前に広がる海岸から、シンドリア海岸を散策することにした。
しかし。
彼女は思ってもみなかった。
この夜の散歩が、自分の人生を変えることになろうとは。
これも…。
大いなる運命(ルフ)の導きか…。

10話 ( No.25 )
日時: 2014/01/20 17:19
名前: リーフ (ID: O72/xQMk)

次回、やっとジャーファルさんが戻ります。

10話


入国初日の夜。ここで本題が始まるのである。



シンドリア海岸。断崖絶壁の南海孤島ではあるが、ほんの僅かな個所になら、白い砂浜も存在する(?)のである。

「ああ。気持ちのいい海風だ…」

磯の香り。静かな波音。海面を照らす星空。
それはまさに、絶景というべき景色である。

「ふむ、この奥は崖か……ん?…ッ!?」

浜が途切れ、宿へ帰ろうとしたノエルの視界に移ったのは、白い物体だった。よく見れば、俯せに倒れた人間である。

「な…おいお前!」
「……う…」

近づいてゆすれば、微かにうめき声をあげる。死んではいないらしい。
だが、その白い服に覆われた手足に、少なくない量の血が染みていた。
どこか崖の岩にでも強打したのか、腹部の布も破れている。

「これはシンドリアの官服…。この前掛けは文官の…?」
「ぐ……!」

体を確かめていると、グレーの髪を持つ色白の男は、また苦しそうに呻き声をあげた。

「くそっ、仕方ない!」

ノエルは周りを見、近いところに波の影響でできた洞窟を見つけた。
中に誰もいないことを確認し、男を中に運び込む。

「んん…っと。…ふう」

女性にしては力のあるノエルだが、あと少し距離が遠ければ、彼を助けようとは思わなかっただろう。
そう。ノエルは彼を助けることにしたのだった。



何事にも、火というものは必要で。
それを起こすには、火種と薪が必要である。

「よし、もう十分か」

夜の散策中のトラブル発生から数時間後の、シンドリア深夜過ぎ。
ノエルは最後の小枝を拾うと、洞窟へと戻っていった。


Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82