二次創作小説(紙ほか)

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【マギ】〜光陰の姫巫女〜 最後のお知らせ
日時: 2015/03/18 19:09
名前: リーフ (ID: gC.HkZm.)
プロフ: http://sakurasaku

初めまして、リーフと申します。
この度、マギで二次小説を書きたいと思いました!!
ちなみに高校生ですので、いつ更新できるかわかりませんが、なっが〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っい目で見てやってください_(._.)_

でわでわ、次回スレッドより詳細を。


【目次(章別)】  >>2
【アイデア募集】  >>35
【オリキャラソング】>>105 >>117
《読者の皆様へ!!》
お話は○章で構成されています。各章の章数前の印にご注目下さい。

*…ほぼ本作の真髄。半分以上が重要です(多分)!
#…日常編です。伏線は無いに等しいです。
@…↑どちらもです。注意して読むと…おや?

Re: 【マギ】光と影−日常事件帳− ( No.6 )
日時: 2013/12/20 16:51
名前: リーフ (ID: O72/xQMk)

2話


シンドリア王宮。昼飯時を過ぎ、殆どの人間が胃を休めているであろう時間帯。だが政務官室では、一人の男が黙々と文机に向かっていた。
緑色のクーフィーヤを被り白い肌を持つ、童顔の男の名はジャーファル。この国シンドリアの、政務官長である。
涼しげな顔でペンを走らせる彼だが、右側におかれたもう一つの文机に山積みにされた書類と巻物を見て、微かに顔をしかめた。

「……よし。これを回してくるか」

ふう、と一息つくと、ジャーファルはペンを手放した。案件の整理と書名は終わったが、仕事自体は終わっていない。次はこの書類を、各役所へ回さなければいけないのだ。

「よいしょ、と」

両手に目一杯の書類を抱きかかえ、ジャーファルは政務官室を出る。するとそこに、休憩を終えた政務官たちが戻ってきた。

「ジャーファル様、水道工事の書類は…」
「ああジャーファル様。例の移民の件ですが…」
「すごい量ですな…お手伝いいたしましょうか?」

声をかけてくる同僚たちに笑顔を向け、的確な指示を飛ばしていく。政務官長である彼だからこそできることだった。

「いえ、これは私一人で。ありがとうございます。それから、書類ができたら私の机の上に置いておいて下さい。明日までには目を通して、また何かあれば言いますので」
『はい』
「では」

さっと身を翻すと、ジャーファルは廊下を進んでいった。



ようやくすべての書類を配り終え、ジャーファルの今日の責務は終了した。時刻はもう夕刻である。
今日、王であるシンドバットは、この国にいない。護衛をつけて、貿易相手国との会談に応じているためだ。よって帰国は、早ければ数時間後、遅ければ深夜や明朝になるだろう。

「まあ、居てもいなくても仕事はしないんですが…」

一人呟き、思わず苦笑いを浮かべる。
あのお方のことだから、どうせ酔って帰ってくるが…護衛にマスルールがいるから、心配はないだろう。
王の護衛には、必ず一人、シンドリア最強の戦士、八人将がつく。その中でもマスルールの信用は折り紙付きだ。最強の戦闘民族である上に、彼なら泥酔したシンドバットでも片手で持ち上げて帰国するだろう。
そんなことを思うジャーファル自身が、実は八人将の筆頭だったりするのだが。
考えつつ夕陽を見ていると、まだ目を通していない書類があることを思い出した。夕飯までに、少しは減らしたいものである。
急いで政務室に戻ろうとした時、一陣の風が吹く。王宮の最上階でテラスとなったここは、風通しがとてもいいのだ。

「ん。……っ!!?」

その風の中、ジャーファルは久々にこの匂いを嗅いだ。
濃厚な、血の匂い。
元暗殺者だからか、こういった匂いには敏感だ。風に乗って運ばれるくらいなのだから、相当な出血が起こっているはずだ。しかし眼下の町はいつも通りで……いや。

「あれは………。」

ジャーファルを誘うかのように、人の居なさそうな裏路地で、美しい藍色が揺れていた。

Re: 【マギ】光と影−日常事件帳− ( No.7 )
日時: 2013/12/20 17:25
名前: リーフ (ID: O72/xQMk)

3話


ジャーファルは、急ぎ足で王宮の門へ向かっていた。
途中で、金髪の少年に声をかけられた。
彼の名はアリババ。今は王宮に食客として暮らしている、バルバット共和国の王子である。この時間なら、剣術の稽古も終わった頃だろう。
ちなみに彼の師匠は、八人将が一人、シャルルカンである。

「あ、ジャーファルさん!」
「おやアリババ君。稽古は終わりましたか?」
「はい。あの、これから夕飯ですけど、外出ですか?」
「ええ。少し用事を思い出しまして」

笑顔で誤魔化し、アリババが納得したのを見届けると、また急ぎ足で街へ向かう。
あの純粋で優しい、勇気ある少年は、うまく誤魔化されてくれたようだった。



街の大通りを、迷いなく進。目指すのは、人気のない裏路地だ。
あの、禍々しく美しい、藍色の揺れていた。

「あれ、ジャーファル様?」
「ご苦労様です」

行き会ったのは、シンドリアの衛兵だ。町の見回りを終えたようだが、整列した数人の顔を見る限り、あの血の匂いに気付いたものは一人もいないようだった。
もしかしたら、私の勘違いかもしれないな…。
一瞬そんなことを思いつつ、しかしジャーファルは衛兵達と別れ、裏路地を目指した。

「…確か、この辺りでしたね…」

空気に乗って微かに漂う、薄れた鉄の匂い。血の匂い。
近いな。
ジャーファルは確信し、どんどん人気のない路地へ入り込む。夕飯時のため、野良猫一匹さえ通りはしない。

「……!こっちか」

元暗殺者としての技術は廃れていない。ジャーファルは腕に巻かれた愛用の暗殺器に、官服の上から触れた。
まったく、飛び出してきてしまったな。
随分勝手なことをしている自分に気づき、呆れた笑みを浮かべる。だが今ここでジャーファルに、戻るという選択肢はない。

「っ………!」

そして、見つけた。
自分を誘うように揺れた、あの藍色を。

「あら?…まあ」

傍に倒れ、真っ赤に濡れた衛兵の屍を。
これは…なんだ。

「………」

ジャーファルは見つけた。
禍々しい光を放つ、美しい、藍色の暗殺者を。

Re: 【マギ】光と影−日常事件帳− ( No.8 )
日時: 2013/12/23 16:55
名前: リーフ (ID: O72/xQMk)

4話


そこにいたのは、一人の少女だった。いや、もう大人といっても良い年頃であろう娘だった。
一言でいえば、清楚で可憐。中々に美しい少女だ。
…その衣と白い頬に、真っ赤な返り血が飛んでいなければ。

「まあ、もう見つかってしまいましたわ。あの時、まさかとは思っていましたけれど…やっぱり、見られていましたのね」

私ったら、はしたない。と恥じるように笑みをこぼす少女は、ジャーファルの目に気味の悪い少女として映った。
つくられた笑顔、言葉使い。
だが、目と口角に、彼女の本性がにじみ出ている。
人形のような瞳と、歪んだ笑み。

「このような格好で失礼いたしますわ。私、リリィと申しますの。微力ながら、暗殺業を営んでおりますわ。どうぞよろしく」

透き通るようなソプラノで、彼女はつらつらと口上を述べる。胸に左手を添え血に濡れたチュニックの裾を右手で持ち上げ、軽く低頭。あまり見かけない礼法だったが、気品を感じた。

「失礼ながら、お名前をうかがっても?」
「…貴女の様なご令嬢に名乗るほどの者ではありませんよ、私は」
「……ふ、ふふ。ふふふっ、お上手ね」
「光栄です」

笑う彼女は朗らかで、しかしどこか冷たい。対するジャーファルは、登録されたように発言した。

「そこの衛兵は、あなたが?」
「ええ」
「この国の…シンドバット王の兵と知っていて?」
「ええもちろん。だって…」

リリィは、花が咲き誇らんばかりの笑顔と声音でつづけた。

「だって私、シンドバット王様を狙ってこの島に来ましてよ?」

さあっ、と。背中に流れる藍色の髪が揺れる。
仕事への影響を考えてか、顔にかかる部分だけを、まとめて後頭部で留めていた。沈み切る直前の夕陽に、銀の髪留めが光った。

そして。

「…さようですか」

リリィのそのセリフで、ジャーファルが動くのは必然といえただろう。

「…お前を殺す」
「ふふ。…参ります」

Re: 【マギ】光と影−日常事件帳− ( No.9 )
日時: 2013/12/23 17:27
名前: 桜吹雪 (ID: ZFLyzH3q)

来ました!^^


おお…。
さっそく大波乱ですな。
ジャーファルとリリィちゃんの戦いがどうなるのかが気になります!

次も頑張ってくださいね!

Re: 【マギ】光と影−日常事件帳− ( No.10 )
日時: 2013/12/24 14:49
名前: リーフ (ID: O72/xQMk)

ありがとうございます!桜吹雪さん!!
コメント、すっごく嬉しいです♪

これからもどうぞよろしく_(._.)_


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