二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- 東方崩壊譚
- 日時: 2018/06/27 23:03
- 名前: 彩都 (ID: J1W6A8bP)
少年は博霊神社で目覚め、何を思い、幻想卿を崩壊させるか──
始めましての方は始めまして、何度も彩都の作品を読んでいる方は有難う御座います。
彩都(サイト)と申します。
もう九作目ですよ、九作目! まぁ、一ヶ月一回更新が多いですねぇ……
まぁ、今回は『東方PROJECT』という原作者『ZUN』さんの三次創作となっております。
何故二次創作じゃないかって? それは秘密です☆
そんな話は置いといて、今回の物語は『幻想入りした少年が幻想卿諸共破壊する迄のお話』で御座います。
基本的に口調や喋り方は原作通りですが、間違っている部分があれば普通にコメントで説明してくれれば幸いです。
自分も原作(体験版のみですが)は少しだけ経験していますが、それでも新発見は多いです。
とまぁ、ここら辺でお話は止めまして、それでは、本編どうぞ!
目次
『東方崩壊譚』第一章 第一話
本編
>>1-15
後書
>>16
『東方崩壊譚』第二章 第二話
本編
>>16-46
後書
>>47
『東方崩壊譚』第三章 第三話
本編
>>48-62
後書
>>63
『東方崩壊譚』第四章 第四話
本編
>>64-78
後書
>>79
『東方崩壊譚』第五章 第五話
本編
>>80-94
後書
>>95
『東方崩壊譚』第六章 第六話
本編
>>96-110
後書
>>111
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- Re: 東方崩壊譚 ( No.84 )
- 日時: 2018/01/31 21:20
- 名前: 彩都 (ID: ???)
河城にとりと別れて、自分と文は『妖怪の山』を飛行していた、ふむ、紅葉が美しいなぁ、と思っていると、下の方に二人の少女がキャッキャウフフしていた、楽しそうだなぁ、と思っていると、文が言う。
「あれは……華扇くん、あまり関わらない方がいいですよ、あれは『神様
』なので」
文の発言を受けて、自分が返答する。
「『神様』? それって神奈子や諏訪子みたいな?」
「えっ? 何で華扇くんがそのお二方を……? まぁ、いいでしょう、あの『神様』は『秋の神様』です、だからあまり関わらない方がいいでしょう」
「何で関わっちゃいけないの?」
「あの二人は『秋の行動をしている』のです、紅葉にさせたり、作物を育てたり、とか……色々と忙しいのですよ、なので『神様の仕事』の邪魔をさせてはいけません──ていうか、華扇くんが関わったら、あの神様に華扇くんの『初物』を奪われてしまいますしね──」
「ん? 何か言った?」
「いえ、何でもないです、独り言です」
文はそう言って、口に手を当てて、口を閉じる、そして紅葉を見ながら自分と文は前に進む──
そして紅葉を見た後、少し移動すると、目の前に巨大な建物がある事を確認する、何これ? そう思っていると、文が言う。
「此処が私が住んでいる場所です」
「は、はぁ……!? でっかい家だなぁ……」
「いえ、流石に一人で住んでいる訳ではありません……色々な天狗が集まって住んでいるんです」
「はぁ、成程……って、もしかして、『妖怪の山』に入った時のあの天狗も?」
「ま、まぁ、そうですね……」
自分がそう言うと、文は頭を垂れる、そして文は大きな建物の中へと進入する。
建物の中は案外綺麗な感じだった、まるで集合住宅っぽい、そして文は廊下に足を乗せ、体重をやっと下に下ろした。
「いやー空の旅って案外面白いなぁ、文はこんな風景を毎日見れるから凄いよ、僕も毎日見れたらなぁ?」
「アハハ……まぁ、華扇くんは人間ですし、霊夢みたいな能力は持っていないからねぇ……」
文はそう言いながら、スカートのポケットから鍵を取り出し、近くのドアの鍵穴に入れ、ドアを開錠させる。
「此処が私の家、射命丸宅です!」
「うおぉ……おぉっ!」
自分はそう言って、文の部屋を見て、驚愕の声を荒げる──
「きったねぇ!」
自分はそう言って、文の部屋の中にツッコミを入れる、こ、これ、完全に魔理沙より汚……いや、それを本人の前で言うのは止めておくか、と考えて、『汚い』以外の発言は控えた。
「な、何これ……? 本当に部屋なの?」
「部屋ですよ! 一応新聞記者ですし、ネタ帳とかをメモして置かなくちゃいけません! なので、こんなにぐちゃぐちゃに……」
「……それにしても、汚過ぎない……?」
自分はそう言って、首を傾げる、まさか新聞記者の部屋が汚いのかなぁ……? 自分はそう思いながら、腕を組む。
「少しは……片づけようとしないの? だって、幾ら新聞を作る、と言ったって、休み位はあるでしょう?」
「ま、まぁ、ありますよ? でも、それを潰してでも、新聞のネタが欲しいんですよ!」
怒鳴る文を見て、『こりゃ完全に末期だわ』と思う、そして自分は溜息を吐いて、足元のモノを横にどけて、その場に座る。
そして文も机の前に座って、自分を見つめる。
「それで? 僕に向かって『体で支払え』ってどういう意味なの?」
目を細めて言う自分に対し、文は急いで正座をして、目をまん丸にして、自分を見、発言する。
「えぇ、そうなんです! 実は華扇くんに、『体で支払って』頂きたいのです!」
そう言う文に対し、自分が溜息を吐いて言う。
「うん、分かった、『体で支払えばいい』んだね? でも、どうやって『体で支払う』の?」
「そりゃあ、勿論! 『華扇くんの体力』で、でしょう!」
文はそう言って、自分の履いているスカートの端を掴んで、上に上げる、自分はスカートを踏んで座っているので、後ろにころりーん、と転んで、背中を打つ。
「痛い! 本が! 本の角が僕の背中に!?」
あまりの痛みで周りを転げる自分に対し、文が『動くな!』と叫ぶ、だから自分は背中を右手で押さえながら、動きを制止させる、すると文は『自分のスカートを脱がして、褌姿にさせる』、そして次に上も脱がして、スッポンポンにさせる。
「さ、寒い……だから、服を返してぇ?」
そう言う自分だが、文は『体でまだ支払っていませんけど?』と発言する、ってか、何で『体で支払う』のに、『脱がない』といけないんだよぉ!? 自分はそう思いながら、ぐへへ、ぐへへ、と笑う文に対し、襲われた──そして幾らか時間は過ぎ、文は額の汗を拭い、『ふぅ……』と目を細めて息を吐いた、そして自分も目を腕で隠し、息を荒くして呼吸する。
「はぁはぁ……終わった……大変だった……」
「アハハ……確かに色々ありましたもんねぇ……」
文はそう言って、自分の格好を見る、自分の格好は『文の格好をしていた』、つまり自分は『文に自身の服を着させられた』と言う事だ。
自分は暴走する文に対し、暴れたので、息を荒くして、呼吸をしているのだ。
「全く……暴れなきゃ、そんなに疲れないんですよ……」
文はそう言って、机に肘を突き、頭を抱える、文は自分に向かって『でも、結構似合ってますよ?』と笑われる、『黙ってろ』と自分は返答する。
果たして、僕は文の格好をして、どうなってしまうのだろうか? それはまだ分からない──
- Re: 東方崩壊譚 ( No.85 )
- 日時: 2018/02/07 21:47
- 名前: 彩都 (ID: ???)
東方崩壊譚(とうほうほうかいたん) 第五章 第五話 体で支払う天狗世界
CHAPTER 2 西へ東へ、華扇よ走れ
何とか息を整え、最初に座った場所に座り直す僕、文も正座のまま、机の前に座る。
「……それで? 何で僕は文の服を着ているの?」
「え、えーと……『これ』が『体で支払う』条件の内の一つです……」
そう言う文に対し、自分は聞き返す。
「それで? 『体で支払う』、ずーっと、そう言っているけど、『僕の体で何をする気』なの? さぁ、言って?」
「…………」
無言を貫く文に自分は服を脱ごうとする、すると文が『はーい!! 分かりましたから脱がないで!』と叫んで脱ぐ事を止めさせる。
「え、えーと……実は『その格好で私の新聞を売って』くれませんか?」
「は、はぁ……? そ、それじゃあ、この格好じゃなくても……」
「いえ! その格好でないとダメなんですよ!」
「はぁ? 何でさ?」
「そんなの簡単じゃないですか! 『可愛いから』ですよ! 華扇くんみたいな女の子に見える子に『新聞を買ってくれませんか?』と上目遣いで言ってみて下さいよ!? 世の人里の男共は購入するに違いないです! だから華扇くん、君が女子の格好をして、私が発行する『文々。新聞』を売って下さい! だから『体で支払え』って言う事です! 『華扇くんが里の中を東奔西走し、華扇くんの見た目、体で新聞を売って下さい』!」
自分の事を睨んで発言する文に対し、自分はその場で溜息を吐く。
「……はぁ、分かりましたよ、一応『体で支払う』って約束だし……」
「やったぁ! 有難う御座います! それじゃあ、新聞を売るのは明日からにして、夜も遅いので、今日は寝ましょうか?」
文はそう言って、二組の布団と枕を取り出し、床に敷く、そして自分は文の服が寝ている間に皺がいかないように博麗の巫女に着替えて、文と共に二つの布団にくるまって、寝息を立てながら眠る──
そして朝になった。
自分は静かに起き上がって、周りを確認する、隣には文が寝ていた。
まぁ、昨日はお互い寄り添って寝ていたようなもんだ、別にそこ迄可笑しい事はない。
「……眠いな、だが、今の時間が分からないから、寝るにも恐怖……」
自分はそんな事を呟きながら、首を横に振って、周りを再度確認した、だが、周りを探しても時計というモノは存在せず、一体今が何時かが分からない……自分は仕方なく、スヤスヤ寝ている文の肩を掴んで揺らす。
「おーきーろー? 朝だぞー?」
自分が大声でそう言うと、『う、うーん……』と声を出してやっと目を覚ます文、そして文は『どうしたんですかぁ?』と言って、目を擦る。
「いや、もう朝だよって……」
「何だ、朝の事ですか……私は地味に疲れたんですよ……寝ている華扇くんの世話をしたので……」
「な、何やってんだアンタ……?」
自分はあ頭を垂れながら、文に言う。
「ってか、朝食はどうするの?」
「朝食ですかぁ? そうですねぇ、私は基本摂らないですねぇ……どうも朝は食が細くて……」
「いや、僕は食が細くないんだけど……?」
自分はそう言って、首を掻く、すると文が起き上がって、『仕方ないですねぇ』と言って、四つん這いで何かを探す、その時、スカートの中からチラリと見える文の太股、足、お尻にドキッとしたのは秘密だ。
「あったあった、これで勝手に食べて下さい、無料券なので、安心して食べられます」
「成程、つまりこれで勝手に朝食を摂れ、と?」
自分がそう言うと、文は首を縦に一回振る。
「そうです、それでは私は二度寝をします、だから私が起きる迄、家の前で遊んでいて下さい」
「あい分かった」
自分は文の発言を受けて、大きく頷く、そして文は布団の中に潜り込んで、寝息を立てる──何でそんなに眠いのさ? 自分はそう思いながら、はぁ、と息を吐いて、靴を履き、文の家を出る──
「ハハッ、色々な意味で詰んだわこれは」
自分はそう言って、頭を掻く、それもその筈、『文から貰った無料券の使い道、無料券が使える場所を聞いていなかった』からだ、あーあ、こりゃ完全に詰んだわ、完璧に詰んだ、紺碧に詰んだわ、自分がそう思っていると、一人の少女が浮きながら自分に声をかける。
「アンタ……博麗の巫女、人間ね? こんな天狗だらけの場所で何してんの? いや、天狗に誘拐された、か?」
「あっ、えっと……」
自分は突然現れた少女に対し、頭が真っ白になる、そして少女は自分の前に降り立ち、自分の顔を覗き込む。
「ふむ、ふむむ……何だ、まだ『食べられていない』のか、少し珍しいわね……おっと、独り言ゴメンね? それで? 君は何をしているの?」
「えっと……この無料券の場所を探していて……」
自分がそう言って、少女に無料券を渡す、そして少女が無料券を見て、『あぁ、そこかぁ』と呟く。
「よかったわね、私もその場所に向かう途中だったのよ、一緒に行こう?」
「えっ? 一緒に!? やったぁ、流石に一人は心細かったし……安心しました……」
「いやいや、流石に博麗の巫女だけに心細くはないでしょうよ……?」
少女はそう言って、細目で自分を見る、何言ってんだコイツ? と思いながら、自分の格好を見る。
あっ、そっか、今の自分の格好は博麗の巫女だった、文の格好は寝る前に脱いだんだった……自分はそう思いながら、先に進む少女の後を追いかける──
- Re: 東方崩壊譚 ( No.86 )
- 日時: 2018/02/14 23:38
- 名前: 彩都 (ID: ???)
「それで? アンタ博麗の巫女なのに何でこんな所に来たの? 天狗を壊滅させる為?」
そう言う少女に対し、自分は首を振って答える。
「違うね、まぁ、自分にも色々とあるんだ、詳細は省かせて頂こう」
「……何それ? つまんないなぁ」
「つまんなくてもいいさ、その前に僕は腹の虫を押さえないといけないから、早くご飯が食べたいんだよ……」
「はっ! ただの食いしん坊ね……それで、アンタ名前は?」
「僕の名前か? 僕は華扇だ」
「華扇? うーん、何処かで聞いた事がある名前だわ……何だっけ?」
首を傾げ、顎に人差し指を当てる少女に対し、自分は『忘れとけよ?』と思う。
そして自分と少女は前に進む──
「あっ」
少女はそう言って、虚空を見つめながら自分の方を振り向いた。
「そう言えば、アンタ、名前は華扇、と言ったわよね?」
「えっ? あぁ、まぁそうだな」
「逆に私、アンタに名を名乗ったっけ?」
「いや、一回も名乗っていないね?」
自分がそう言うと、『あちゃー、忘れてたかぁ』と言って、少女が名を名乗る。
「忘れていたのなら名乗ろうか、私の名前は姫海棠 はたて(ひめかいどう ──)、鴉天狗よ」
「へぇ……姫海棠『はやて』、ね」
「違うわよ、私の名前は姫海棠『はたて』!」
「成程、姫海棠『はやせ』か」
「……姫海棠! 『はたて』!」
「分かった分かった、姫海棠『ほたて』」
「貝類じゃないわよ! ……はぁ、もう姫海棠で良いわ」
「冗談だよはたて」
自分はそう言って、口の端を歪ませる、するとはたては自分の方に向いて、胸倉を掴んだ後、自分を近くの壁にぶつけた後、自分の股に足を突っ込んで、動きを制止させる。
「……あまり、天狗を舐めない様に?」
「舐めていないさ、ちょっとばかしのお巫山戯さ?」
「あぁっ?」
ドスが聞いた声で言うはたてに対し、自分は飄々に言う。
「おいおい? たかが人間のガキに対して、イライラしているのかぁ?」
「……チッ、こんのクソガキ……!」
舌打ちをして、はたては自分の胸倉から手を離し、足も離す、そして歩き始める。
「さっさと付いてこい!」
「……はいはい、ついて行きますよ、さーせんした」
自分は後頭部に手を組んで、のんびりと歩き始める──さぁ、一体何処に到着するのか、自分には分からない──
そしてのんびり歩いて数分が経過した、自分ははたてに殴られるのかなぁ? と思いながら歩いていた、するとはたてが静かに自分に言う。
「そういやアンタ、『次世代の博麗の巫女』か?」
「…………」
無言ではたての言う言葉を頭の中で復唱する、『次世代の博麗の巫女』って何なんだよ? ちっともさっぱり分からない言葉に対し、自分は静かに返答する。
「……あぁ、そうだ」
「成程、んで、あの博麗の巫女に幻想郷を見て回れ、とか言われたのか?」
「近いっちゃ近いね」
「あらそう? それなら……」
はたては振り向いて、自分に犬歯を見せて発言する。
「『ちゃんと妖怪の怖さも見せないと』ねぇ……?」
そう言って、謎の雰囲気を放出するはたてに対し、自分は静かにはたてに返答する。
「……それは」
「?」
「その『妖怪の怖さ』ってのは『吸血鬼より怖い』のか?」
「そ、そうねぇ……別に吸血鬼よりかは怖くないわ、逆に吸血鬼の方が怖いわね」
「……そうか」
自分ははたての発言を受け、静かに安堵した、流石にレミリア、フランドールより怖い妖怪が居てたまるか、自分はそう思いながらはたてに言う。
「そうか、それなら、大丈夫だ、僕は安心した」
「は、はぁ? もしかしてアンタ、吸血鬼と戦った、なんて言わないでしょうねぇ?」
そう言って、腰に手を当て、上半身を自分の方に曲げて近づけさせるはたてに対し、自分は両手を前にして両手を振る。
「ばっ、バカな事は言うなよ!? 僕だって吸血鬼とは直接戦った事はないよ! 戦うにしてももっと仲間が必要さ!」
「は、はぁ? 何で戦う話になるのよ? ……まぁ、良いわ、さっさとご飯を食べましょう?」
「あ、あぁ、そうだね……何か白熱しちゃったなぁ?」
自分はそう言って、頬を掻く、全く、何で自分は要らない所で熱くなってしまうのだろうか? 自分はそんな事を考えながら、息を漏らした。
そしてのんびり歩いていると、目の前に大きな建物が見えた、更に出入り口には黒い翼が生えた存在が建物の中に吸収されていく。
「うわぁ……何だこのでっかい建物……紅魔館よりでけぇ」
「そりゃでっかいわよ、何せ此処はアンタと私が目指していた『ご飯処』よ? ってか、天狗って、案外体が大きいのばっかなの、だから必然的に建物も大きくなるのよ」
そう言うはたてに対し、自分は静かに納得する、ふぅん? 文やはたてよりも大きい天狗、ねぇ……そんなの見た事がないけれどなぁ? でも、はたての言う言葉だ、自分ではまだ見た事がないので、信憑性は薄いんだよなぁ、自分はそう思いながら、目の前の建物を見つめる。
「さぁ、さっさと入るわよ? さっさと入らなかったら、ご飯も食べれないんだから?」
「あっ? そうなの? それじゃあ、急いで入店しないと……」
前を先に進むはたてに対し、自分ははたてを追いかける──さぁ、一体何を食べようかなぁ? 自分はそう思いながらはたての後ろにひっつく──
- Re: 東方崩壊譚 ( No.87 )
- 日時: 2018/02/21 21:39
- 名前: 彩都 (ID: ???)
「ほら、さっさと行くわよ」
「わ、分かったって!」
自分が先に進むはたてを追いかけると、横から来た人と自分はぶつかって、お互い倒れた。
「いたっ」
「ひゃっ!?」
「あ、アンタ何をしているの……? 大丈夫?」
はたてがそう言って、自分にぶつかった人に手を差し伸ばして、立ち上がらせる、自分は自らの力で立ち上がって、ぶつかった相手を確認する。
するとぶつかった相手は昨日、文と自分を『妖怪の山』に入れさせようとしなかったあの白狼天狗だった。
「あっ」
「あっ」
お互いそう言って、驚いた顔でお互いを見つめる、するとはたてが静かに言葉を発す。
「ど、どうしたのよアンタ達?」
「ひ、姫海棠さん!? こ、こいつ……人間の分際でこの天狗の、『妖怪の山』に進入したんですよ!?」
「そりゃそうじゃない、だって博麗の巫女なんだし?」
「そ、そう言う問題じゃなくて……」
はたてに何を言っても聞かないので、呆れる白狼天狗に対し、自分は静かに言う。
「だから博麗の巫女じゃないって……」
「じゃあ、貴様は何の為に此処に来たんだ!?」
「何の為って……体を売る為?」
自分がそう言うと、白狼天狗とはたてが驚愕する。
「体を売る為!?」
「あ、アンタ巫女なのに何売女みたいな事を……」
「うーん、巫女じゃない、と何度言えば……」
自分はその場で溜息を吐いて、店の中に先に入ろうとする。
「それじゃあ、はたて、僕はお腹が減ったから、先に入るよ?」
「あっ、ちょっと……」
自分の事を追いかけるはたてに対し、白狼天狗は怒りを露わにして、自分に言う。
「お前……私を無視するなぁ! 人間の癖にこんな所来るんじゃねぇ!」
白狼天狗は怒鳴って、両手の人差し指の先から弾幕を発射する、背を向けていた自分は、振り向いて、弾幕の量を確認し、右手の能力を発動させる。
「人が腹減って、飯を食べたいのに、何で自分を攻撃するかねぇ? せめて、能力を使う場合は飯を食べた後の運動にしてほしいなぁ……」
自分はそう言って、白狼天狗が放った弾幕を能力を発動した右手で触れて、『弾幕を目の前から消滅させ、『元に戻』し』た、『目の前の弾幕が消えた』事にはたて、白狼天狗、店の中の店員、他の客が呆然と自分を見る、そして自分は右手を四方八方、右往左往、上下斜めに動かして、白狼天狗が放った弾幕を『全て目の前から消し、『元に戻』し』た、すると白狼天狗が驚愕しながら、その場で膝を突き、自分に言う。
「あ、アンタ……何よそれ……? 何よそれぇぇぇ!?」
両手を蟀谷(こめかみ)に当てながら叫ぶ白狼天狗に対して、自分は静かに言う。
「……その前に店の中の自分に向かって弾幕を放つなよ? もしも僕が能力を発動せず、避けたらどうなっていたか?」
「そ、そんなの関係ないじゃない! あ、アンタ……博麗の巫女よねぇ!? だったら……だったらその『能力』は『何なの』よぉぉぉ!?」
「…………」
自分はその場で呆れながら、白狼天狗に近づいて、頭を掴んで白狼天狗に言う。
「……はぁ、分かったよ、言えばいいんだろ? 僕は華扇、博麗神社に現れた『外来人』だ、そして『右手で触れた大体のモノを『元に戻す』能力』の持ち主だ! 分かったか!?」
自分がそう言うと、『あー!!』と大声で口を手で隠すはたて、そしてはたては大声で自分を指指して言う。
「あ、アンタが『あの』幻想入りの人間か! まさかアンタだったとは……」
「えっ? はたて、僕の事を知っているのか?」
「し、知っているも何も……あの『レミリア・スカーレット、フランドール・スカーレットの両名の吸血鬼を倒した』って噂の!」
…………はぁ? お前は何を言っているんだ……? た、確かに倒した、というより、『触れた』と言った方が正しいんだが……自分はそう思いながら、頬を掻く。
「うーん、少し語弊はあるけれど、一応、『大まかに区分すれば合っている』な……でも、倒した、のではなく、『触れた』が正解だ」
「そんなの関係ないわよ! まず、『あの吸血鬼姉妹を倒した』って所が凄いのに!」
「あっ、はい、そうですか……」
自分ははたての発言を受け、もう面倒だ、と思いながら返答する、すると周りの客の天狗が自分に近づいて、手を差し出す。
「おぉー! アンタがあの人間かぁ! 記念に握手してくれぇ!」
「俺も俺もぉ!」
「僕も握手しーたーいー!」
「ねぇ、君? 私にも握手してくれるかしらぁ?」
「え、えと……何だこの集まりは……?」
自分が呆れていると、はたてが腕を組んで言う。
「そりゃアンタ、『吸血鬼姉妹を倒した』って事で有名なんだよ? そりゃ、こんなに集まるだろうさ? もしもアンタが『吸血鬼姉妹を倒していなかった』ら、こんなに集まらないんだけどなぁ?」
「えぇっ……?」
自分ははたての発言を受けて、涙目になる、まさかレミリアとフランドールを『言葉の綾』だが、倒したってだけで、こんなに集まるのか……? それ程迄に吸血鬼、レミリアとフランドールは強いって事か? 自分はそう思いながら頬を掻く。
そして自分は握手をせがむ大量の天狗、白狼天狗に押し潰されそうになる、だ、誰か助けて……? 心の中でそう思っても、はたても誰も助けてくれないのは事実だった──自分は何時になったらご飯を、朝御飯を食べる事が出来るだろうか? それは握手を終えないと分からない……?
- Re: 東方崩壊譚 ( No.88 )
- 日時: 2018/02/28 21:50
- 名前: 彩都 (ID: ???)
「うぅっ……た、大変だった……」
自分は目を回しながら、何とか人混みを脱出した、すると宙に浮いていたはたてが笑う。
「アハハ、お疲れ様ぁ」
「てめぇ……一人だけ逃げやがって……」
「んー? 逃げてなんかいないわよ? 私は人混みの邪魔にならないように浮いていただけだしぃ?」
そう言うはたてにイライラを募らせる自分、すると、自分の事を睨む白狼天狗を見つけた。
「……アンタ、まだ僕に喧嘩と弾幕をふっかける気か?」
「そ、それがどうかしたか?」
「いい加減にしろよ? お前と僕とじゃ、ある程度差は離れているんだ、だから戦っても僕が勝つ、君がどれだけ攻撃しても、右手の能力で『痛みを『元に戻』せ』ば、無限に攻撃する羽目になり、君が疲れるだけだから?」
自分がそう言って、店員の方へ向かう、白狼天狗は『畜生!』と叫びながら、自分の背を見つめた──
「えーと、これ下さい」
自分は店員に文から貰ったチケットを渡す、店員は『分かりやしたぁ!』と言って、チケットを受け取る。
「よし、これで朝御飯が食べられる……」
自分はそう言って、その場で安堵し、料理が完成するのを待機する。
すると店内に入って食券を購入し、店員に渡した後、自分の隣にはたてが来て、自分に話しかける。
「まさか……貴女があの幻想入りした人間だったとはねぇ……もっと早く言いなさいよ?」
「はぁ? 何でさ? 何で僕は貴女に言わないといけないんだ?」
自分が目を細め、横目ではたてを確認すると、はたては鼻息を荒くして、何処からか文と似たような形の紙を見せる。
「実は私、新聞記者なの、『花果子念報』って新聞の、ね? だから取材させてちょうだい! 勿論取材料は弾むわ! だから私に取材をさせてぇ!」
……何だ、文と一緒の存在か、まぁ、自分に取材をしないだけまだマシ、あっちはあっちで新聞を売る為に自分の体を利用しようとしている悪魔天狗だが……自分はそう思いながら、首を横に振った。
「無理だ、僕はもう他の人に取材された、だから今から僕の事を新聞に書いても無駄だ、新鮮味がないと思うよ?」
「な、何ですって!? それはどう言う事!? だってまだ貴女に対しての記事は書かれていない筈……! 体の隅から隅迄書きたいのに! 貴女が隠している情報、全て書き明かしたいのに!」
ぷんすかぷんすか鼻息を荒くするはたてに対し、自分は仕方なく、文の名前を出す事にした。
「もう書かれたよ、一人の烏天狗、射命丸文に、ね?」
自分がそう言うと、はたては『文に!?』と、大声で叫んだ、大声を出した影響で自分は少し前後に揺れた。
「えっ? 嘘でしょ!? 貴女……もう文に記事を書かれたというの!?」
「う、うん……一応はね……でも『幻想郷に新たな幻想入り!』っていう小さな記事にしてもらったけどね……僕はあまり目立ちたくないし……」
自分の発言を聞いて、はたては『くぅぅ……またしても先にネタを盗られたぁ……!』と小さな声をひりだすはたて、自分はそんなはたてに対し、料理が運ばれてくる迄時間があるので、質問を受ける事にした。
「……はぁ、あぁもう分かったよ! 料理が運ばれてくる間だけ質問を受け付ける! それでいいだろう!?」
「えっ!? いいの! 有難う! それじゃあ、一つ目の質問! 『貴女の名前は何ですか!?』」
「まずそこからかぁ!?」
はたての質問に対し、自分はツッコミを入れてしまう、するとはたてが言う。
「そりゃそうじゃない! 私は此処に来る道中自己紹介したもん! 『姫海棠はたて』って! でも貴女は一つたりとも言っていないじゃない! 名前を! だから名前を教えて下さい!」
そう言うはたてに対して、自分は肩を落とし、頭を垂れさせ、名を名乗る。
「えーと……僕の名前は──」
そう言った瞬間、厨房の店員が『博麗の巫女さぁん! 料理が出来ましたぁ!』と言って、お盆の上に乗った料理を置く、自分はそんな様子を見ながら、料理を受け取って、『有難うございますぅ』と、可愛い声を出して、厨房の店員に頭を下げて、はたてに言う。
「……料理来たから、質問は終了ね?」
「それは反則よぉぉぉ!?」
自分の発言を受けて、はたてが叫ぶ、で、でも、一応は『料理が運ばれてくる迄質問を受け付ける』って言ったからなぁ……するとはたてが『はっ!』と閃いて、自分に指を指して反論する。
「待った! 貴女はまだ質問を受け付ける事が出来る!」
「はぁ? 何言ってんだよアンタ? 僕は最初に言ったぞ? 『料理が運ばれてくる間だけ質問を受け付ける』、と……」
「そう! でも貴女は『料理が運ばれてくる間だけ質問を受け付ける』としか言っていない!」
「えっ? ま、まぁ、そうだけど……な、何が言いたいんだ?」
自分がそう言うと、はたては目を細めて自分に指を指す。
「『料理が運ばれてくる間だけ質問を受け付ける』とは言ったが、『貴女の料理が運ばれてくる間だけ』とは言っていない! この解釈は『私の料理が運ばれてくる間だけ』とも解釈出来る!!」
「なっ……!? そんな解釈は酷いよ! 普通は『僕の料理が運ばれてくる間だけ』って解釈だろ!?」
「黙れ! 言い出しっぺの癖に! 言い出しっぺなんだから折れろ!」
「は、はぁ……?」
自分はそう言って、溜息を吐いた後、空いた机に目をやり、料理が乗ったお盆を置いて、再度溜息を吐く、そしてはたてに言う。
「あーもう、分かったよ、君の料理が運ばれてくる間だけ質問を受け入れよう……」
自分は仕方なく、はたての質問に付き合う事にした──
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