二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- 東方崩壊譚
- 日時: 2018/06/27 23:03
- 名前: 彩都 (ID: J1W6A8bP)
少年は博霊神社で目覚め、何を思い、幻想卿を崩壊させるか──
始めましての方は始めまして、何度も彩都の作品を読んでいる方は有難う御座います。
彩都(サイト)と申します。
もう九作目ですよ、九作目! まぁ、一ヶ月一回更新が多いですねぇ……
まぁ、今回は『東方PROJECT』という原作者『ZUN』さんの三次創作となっております。
何故二次創作じゃないかって? それは秘密です☆
そんな話は置いといて、今回の物語は『幻想入りした少年が幻想卿諸共破壊する迄のお話』で御座います。
基本的に口調や喋り方は原作通りですが、間違っている部分があれば普通にコメントで説明してくれれば幸いです。
自分も原作(体験版のみですが)は少しだけ経験していますが、それでも新発見は多いです。
とまぁ、ここら辺でお話は止めまして、それでは、本編どうぞ!
目次
『東方崩壊譚』第一章 第一話
本編
>>1-15
後書
>>16
『東方崩壊譚』第二章 第二話
本編
>>16-46
後書
>>47
『東方崩壊譚』第三章 第三話
本編
>>48-62
後書
>>63
『東方崩壊譚』第四章 第四話
本編
>>64-78
後書
>>79
『東方崩壊譚』第五章 第五話
本編
>>80-94
後書
>>95
『東方崩壊譚』第六章 第六話
本編
>>96-110
後書
>>111
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- Re: 東方崩壊譚 ( No.49 )
- 日時: 2017/07/16 21:30
- 名前: 彩都 (ID: SsbgW4eU)
僕が掃除を初めて数十分、霊夢が急に立ち上がって、肩を慣らしながら僕の所に来る、一体何なんだろう? 僕はそう思いながら霊夢の事を見つめると、霊夢はめんどくさそうな表情で頭を掻きながら僕に言う。
「華扇? アンタ、早く魔理沙の所に行きたくてうずうずしているでしょう?」
急に僕の心の中の思いに気づいた様な言い方をしたので、僕は焦りながら返答する。
「え、えと、確かにそうだけど……」
僕がそう言うと霊夢は溜息を吐きながら、僕が持っている箒を奪い、掃除をし始める。
「じゃあさっさと魔理沙の所に行きなさい、私や博麗神社の事は気にしないで良いから、どうせ私は一人でも大丈夫だから」
「えっ……でも軽く二日三日残ってるけど……?」
僕の発言を聞いて、霊夢は怒鳴りながら言い返す。
「大丈夫って言っているでしょう!? この特訓馬鹿!」
「…………」
霊夢の怒鳴り声を聞いて、確かに、と頷いてしまう僕、いや、頷いている場合ではない、僕は急いで自分の部屋に戻り、支度をして、博麗神社を出る準備をする、そして僕は霊夢の前に立って、言葉を発す。
「ごめん、霊夢……僕、魔理沙の所に行ってくるね、そして少しでも強くなってくるから!」
僕はそう言って走って博麗神社の石の階段を下りる、そして地面に辿り着き、走って右の方へ向かう──僕が石の階段を下りた後、霊夢は『あのバカ……』と呟いて上から僕を見ていた──
流石に魔法の森の所在地を知らぬまま出た僕ではない、僕は人里へと出向き、魔法の森の所在地を人里の人間から聞いていた、ふむふむ、成程な、此処に位置するのか、この道を真っ直ぐに進めばいいのか、と僕は頭の中で魔法の森迄の道程を頭の中で思い浮かべながら、人里を出、魔法の森迄のんびりと歩いていた、だけど魔法の森に着いた所で肝心の魔理沙の家は知らないのだ、そこだけが僕の失敗点だった、まぁ、魔法の森の中に入ってしまえば、何れは見つかるだろう、僕はそう思いながら深呼吸をする、すると何時の間にか、魔法の森に着いていた、良かった、何気に道が合っており、助かった、後はこの中に入るだけ──と、その時だった、急に女性の声がし、僕の動きを止めてしまう。
「ちょっと!? 貴方自殺でもする気!?」
「何を言っている? 僕はこの中に入って家を探すだけだが……?」
僕が魔理沙の情報を出さずに説明すると、金髪に赤いカチューシャを着用している、青いドレスに可愛い人形二体を宙に浮かせて操っている女性が僕に向かって怒鳴る。
「此処は魔法の森! 一般人が入ると息をするだけで体調を崩してしまう所なのよ!? 分かってるの!?」
「何でそんな怒声で僕は怒られなきゃならんのだ! 流石に息をするだけで体調を崩してしまう場所、魔法の森の事位知ってらぁ! 僕はこの魔法の森に入って特訓するんだよ! そして強くなるんだよ! 邪魔をするなよ人形のお姉さんよぉ!?」
僕が怒声で怒鳴られたので、怒鳴り返すと金髪の女性は僕の怒声に驚き、後方に足をずらす。
「分かったか!? という事でさよならお姉さん」
自分がそう言って魔法の森に入ろうとすると、金髪の女性は、人形を使用し、僕の四肢の動きを止める、そこ迄してこの魔法の森に入れない気か!? 僕はそう思いながら、人形が持っている、僕の四肢の動きを止める糸を右手で掴んで『元に戻』して、自分の体から糸を離す、その時、金髪の女性はどうやって人形の糸から離れたのか、不思議がっていた。
「アンタ……どうやってこの強固な糸の束縛から離れたの!?」
「は、はぁ? そんなの簡単だろ、右手で掴んで、はい終了って──」
「そんな簡単に私と人形の糸の束縛から逃れるなんてどんな右手よ!? と、とりあえず、貴方の魔法の森に入りたい欲を消さない限り私は糸で貴方の事を縛るわ!」
金髪の女性はそう言って、人形の量を増やし、最初に連れていた二体から、三体、四体と人形を増やしていく、と、とりあえず、誰だか分からないけど、今此処で倒さなくてはならないのか、僕はそう思いながら物を掴む様な感じで右手を前に出す、今自分の身を守ってくれるのはこの右手のみ! 僕はそう思いながら、金髪の女性の人形を見つめる、さぁ、どう動くか!?
その瞬間だった、自分の頭に『まぁ、待て、落ち着けよ』と言って、箒の柄の先端をぶつける存在が居た、その存在は魔理沙だった、魔理沙は箒に乗りながら、箒の柄の先端で僕の頭を小突いたのだろう、何気に痛いぞ魔理沙? と、僕はそう思いながら背後の魔理沙を睨む。
「落ち着けよ二人共、このガキンチョは私の客人であり、特訓相手だよ、アリス」
「魔理沙? 何だ、貴女魔理沙の家に行こうとしたのね、それを早く言いなさい? 魔理沙の家位私だって知っているし、案内出来たのに……」
金髪の女性はそう言って臨戦態勢の人形を落ち着かせる、な、何とか助かったのか……? 僕はそう思いながら、ほっと、胸を撫で下ろした。
「それにしても魔理沙がこんな可愛い女の子相手に特訓ねぇ、貴女気をつけなさい、魔理沙の特訓は相当大変でヘビーだから」
金髪の少女は腕を組んでにやり、と笑う、僕と魔理沙はお互いに顔を見合わせ、同時に溜息を吐く──
- Re: 東方崩壊譚 ( No.50 )
- 日時: 2017/07/16 21:31
- 名前: 彩都 (ID: SsbgW4eU)
「あーうん……女の子ね……」
僕はそう呟いて頬を掻く、魔理沙も『まぁ、仕方ないよな』と呟いて金髪の女性に自己紹介を促す。
「とりあえず、二人共自己紹介をしたらどうだ? 先にアリスな」
「なっ!? いきなり過ぎるわよ!? ……えー、私の名前はアリス・マーガトロイド、一応魔理沙と同じ魔法使いよ、宜しく」
金髪の女性──アリス・マーガトロイドだ──はそう言って、綺麗な手を差し出す、僕も握手する前に自己紹介でもしておこうか、僕はそう思い、自分の名を名乗る。
「僕の名前は華扇(かおう)だ、宜しく、アリス」
僕はそう言って、アリスの手を両手で握って握手する、アリスはいきなり両手で握手された事により、少し驚いていた。
「きゃっ! 貴女、いきなりね……宜しく華扇──それで、貴女と魔理沙、どんな関係なの?」
急にアリスは僕の顔に自身の顔を近づかせる、アリスの呼吸音と息が間近に聞こえ、感じ、少しドキドキしてしまう、すると魔理沙は笑いながら僕と魔理沙の関係を話し始める。
「ん? 単純に霊夢ん所に預けられたガキンチョだが? このガキンチョは強くなる為に私に教えを請うたんだ、だから霊夢の巫女装束を着ているって訳さ」
「成程……という事は人里の人間って事?」
「いや違う、コイツは『何時の間にか幻想郷に来ていた』んだ、記憶を取り戻すと同時に強くなろうって魂胆だ」
魔理沙はそう言って、僕の頭を撫でる、ちょっと激しいかな? 僕はそう思いながら乱れた髪を整えてアリスに言う。
「アリス、魔理沙の言った通り、僕は幻想郷に来た存在で、記憶を取り戻すと同時に強くなろう、と思っているだけ、んで、魔理沙に特訓をして貰おう、と此処に来たんだ、これで僕と魔理沙の関係を分かってくれたかな?」
自分が少しばかり補足して説明すると、アリスは手を頭に当てながらふむふむ、と頷く、何だろう、一挙手一動作が可愛いな……と僕は思う。
「成程ね、貴女は魔理沙に強さを教えて貰う為にこの魔法の森へと……だけど魔理沙、今の話を聞くに、彼女はただの一般人、魔法の森に入ってはこんな華奢な体がもっと華奢になってしまうわ、マスクや口頭巾でもあるのかしら?」
アリスの言葉に反応して僕は反論しようとした。
「えっと、アリス、何だか勘違いしているようだけど、僕はおどっ!?」
僕が性別を男だと訂正しようとした所、魔理沙が背中に弾幕を当てて、黙らせる、てめぇ、魔理沙ぁ……?
「あー……えっと、華扇は結構な人見知りで、今いるこの状況に対し、少しおどおどしているようだ、そして勘違いしているって言ったのは、性格の訂正をしたいようだ、『僕は実はおどおどしている性格なんだ』ってな」
「あらそうなの? 私の糸を右手の力だけで解いた時の威勢は何だったのかしらねぇ? まぁ、私には関係ないか」
アリスはそう言って首を傾げる、何で此処で僕の性別を言わないのだろうか? 僕はそう思いながら頬を掻く。
「それにしても貴女の右手、少し不思議ね? だって私の人形の糸を解いたもの」
「あぁ、あれは僕の能力だよ、少しややこしい説明になるけれど──」
僕はそう言って頭を掻く、すると魔理沙が簡易な説明をする。
「あー、華扇の能力は簡単に言えば、『元に戻す』能力っつってな、『右手で触れたモノ全般を一つ前に戻す』能力なんだよ、つまり『弾幕撃って、撃った弾幕を右手で触れて能力を発動すれば、元々その空間に弾幕という物は存在しないから、消す事が出来る』、みたいな? そんな感じの能力なんだよ、だからアリスにした事は、『元々人形の糸は自分に纏われていないから、それを右手で触れて『元に戻す』事で、『糸に纏われていない自分』に『元に戻』した』って所かな?」
魔理沙がそう言うと、アリスは頭に手を当てながら少し唸る、あ、ある程度は分かってほしいな、そう思いながら僕はアリスを見つめる。
「ふ、む……大まかに言えば、『自分の右手の能力で、『人形の糸に纏われていない自分』に戻した』、という事かしら?」
「まぁ、そんな感じだな」
アリスの発言に魔理沙は静かに頷く、普通頷くのは僕の筈なんだが……僕はそう思いながら頭を掻く。
「それじゃあアリス、またな、私は華扇と共に特訓をするから──あっ、華扇、これを口に着用してくれ、魔法の森はお前みたいな一般人が居ると、体調を崩してしまうからな、そのマスクをしようすればある程度は身を守ってくれるだろう、もしもそれを着用してても体調を崩したのなら……私は知らん」
魔理沙はそう言って、僕を箒に乗らせる、するとアリスが僕に言う。
「貴女、同性だからって魔理沙を襲わない事、良いわね? 流石に女の子同士はダメだと思うから……」
アリスはそう言って顔を赤らめて、魔法の森へと走って消えた……いや、だから男だっつーの、僕はそう思いながら深い深い溜息を吐く──
そして僕は口にマスクをして、魔法の森を魔理沙の箒に乗りながら見物する、色々な植物があるんだなぁ、流石森、と思いながら魔理沙の箒の動きが止まる、そして魔理沙が言う。
「ほら、着いたぜ、私の住処、『霧雨魔法店』になぁ!」
魔理沙はそう言って、僕に自宅を紹介する、『霧雨魔法店』、如何にも魔法使いが通いそうな名前だな、僕はそう思いながら魔理沙に案内されて、『霧雨魔法店』の店内へと侵入していく──
- Re: 東方崩壊譚 ( No.51 )
- 日時: 2017/07/16 21:32
- 名前: 彩都 (ID: SsbgW4eU)
「えっと、これは……」
僕はそう言って、頬を掻く、それもその筈、『『霧雨魔法店』の店内はとても汚かった』からだ、これでは冷や汗と共に頬を掻いてしまう。
「あぁ、汚いだろ? だけどこれが『霧雨魔法店』なんだよ」
そう言って魔理沙は僕の為にさっさと足で物をどけ、道を造る、まるで獣道を彷彿させる。
「さぁ、華扇、『魔法』を習得しようか……と言っても、一日二日で手に入れられる物ではないから、ちゃんと特訓して使える様にしないとな」
「ふむ、そう簡単に手に入れられる物じゃないんだね、『魔法』って」
「そりゃそうさ、私だって頑張って習得中だしな」
魔理沙はそう言って机の上の本を手に取る、そして魔理沙は僕に言う。
「現在この本はパチュリーの本棚から盗んで……いや、借りてきた本だが、この本は中々興味深くてな、私も夜も寝る間を惜しんで読んでいる、中々に興味深いからな」
「成程」
「まぁ、習得出来るのは何時になるか分からないけれどな」
魔理沙はそう言って手に持っている本を奥へと投げる、借りている物なのだろう? そんな乱暴に扱っていいのだろうか? と、僕はそう思いながら魔理沙に言う。
「んで、魔理沙は僕にどんな魔法を教えてくれるんだい?」
「ん? そうだなぁ、大まかに言えば、『火の魔法』かな? よくある火の玉を出す様な感じの『魔法』」
魔理沙がそう言って自分の人差し指から小さな火の玉を出す、おおっ、詠唱なしで出せるとは流石魔法使いだ。
「凄いね、何も言わずに出すなんて、『魔法』ってのは詠唱が必要じゃないのか?」
「簡単な『魔法』は詠唱は不要だぜ、逆に心の中で唱えたりとかするんだよ」
魔理沙はそう言って人差し指上の火の玉を消す、そして自分に一冊の本を奥から取り出して渡す、これが『魔法』の本か、自分はそう思いながら静かに唾を飲み込む、今日からこの本を読んで、『魔法』を習得するのか……! 何だか燃えてきた気がする、そして僕はすぐさま『魔法』の本を開き、ページを確認する。
「あっ! おいおい……」
魔理沙がそう言って止めようとしたが、僕は本の内容を読んで絶句した、それもその筈、『僕には読めない文字』だったからだ、霊夢から『大吉、中吉、小吉』とかを習ったが、この文字はそんな生易しい物ではない、僕は読めない文字からそれを受け取った。
「…………」
「お前じゃ読めないだろう……」
「うん……」
僕はそう言って、本を閉じる、そ、その前に文字を読む特訓から始めないといけないのか、僕はそう思いながら溜息を吐いて肩を下げる──
「それじゃあまずは文字を読む特訓から始めるか……と言っても私は他の本を読むのに忙しいし……文字を翻訳した紙でも渡すから自分で解読しろ」
魔理沙はそう言って、少し汚れた紙を僕に渡す、紙には色々な文字の読み方が書いており、結構難しそうな内容だった。
「つまり自分で頑張れ、と?」
「そうだぜ」
僕は魔理沙の言葉を聞いて、溜息しか出なかった、結構大変そうだぜ、僕はそう思いながら魔理沙から個室を借り、一人で静かに解読する事にした。
確か魔法の森の入り口で出会ったアリスって奴も魔法使いとか何とか言っていたな、あの人もこの難しい文字を読んでいたりするのかな? だったら親身に教えてくれるかもしれない、そう思いながら僕は一文字ずつ解読していく、この本は結構簡単な『魔法』を書いてはいるが、文字を読む初心者の僕にとっては苦痛、苦悩、苦労する程の大変さであった、普通に解読したのを読みたいが、魔理沙はそんな事をしないだろう、『自分で解読する経験をしないとダメだろう』とか言いそうだ。
「おぉい、華扇ー? お茶を持ってきたぜぇ」
魔理沙がそう言って、個室の戸を開けてお盆に乗ったお茶を持ってくる、お茶は湯気が出ていて、入れたてだった。
「あぁ、有難う」
僕はそう言って、お茶を受け取って、文字の解読を再開する、すると魔理沙が僕の隣で正座しながら文字の指摘をする。
「華扇、此処は間違っているぜ、この文字はこの文字とよく似ているから気をつけて読むんだ」
僕の顔面数センチの近さで魔理沙の顔が近づく、そしてつん、と香る魔理沙のいい匂い、いい匂いと魔理沙の顔の近さで僕は少しドキッとしてしまう、魔理沙ってこんなに可愛かったっけ? と勘違いしてしまう感覚を覚える。
「華扇? どうしたんだよ?」
ついフッと我に返って、自分が何を考えていたのかを思い出し、冷や汗を掻く、もしも魔理沙が『相手の心を読む魔法』を覚えていて、それを使用されたら、恥ずかしくて、魔法の森を縦横無尽で走り回っていただろう、僕はそう思いながら、我に返った事に安堵する。
「い、いや、何でもない、この文字とこの文字は似ているんだね、気をつけないとね」
僕はそう言って紙に字の違いを記していく、魔理沙も正座で腰に手を当て、笑顔で僕の解読を見る、あの……見られると恥ずかしいのですが……僕はそう思いながら文字を解読していく──
そして時間はもう夜になってしまった、ちぇっ、解読出来たの、たったの数ページかよ、僕はそう思いながら深い深い溜息を吐く、もっともっと解読するスピードを上げないとなぁ、僕はそう思いながら『霧雨魔法店』の窓から夜空を見上げる、やはり幻想郷の夜は美しい──
- Re: 東方崩壊譚 ( No.52 )
- 日時: 2017/07/16 21:33
- 名前: 彩都 (ID: SsbgW4eU)
あれっ? そう言えば魔理沙は……? 僕はそう思い、その場から立ち上がった時、急に個室の戸が開いた、戸を開けたのは割烹着姿の魔理沙だった、何だろう、可愛い、それしか思い浮かばなかった。
「おーい、華扇ー? 晩ご飯が出来たぜぇ、早く来いよぉって、何だ、料理の完成に気付いていたのか」
「いや、たまたま立ち上がっただけだけど……料理を作っていたのか、道理で僕の隣から離れたのか……ちょっと寂しかったな」
僕がそう言うと、魔理沙ははぁ、と息を吐いて僕に言う。
「何だよ、たまたまかよ……まぁ、いいか、早く来いよ、お前だって腹が空いているだろう、なぁに、今日は豪勢な料理達だぜ、期待してくれたって構わない」
魔理沙の言葉を聞いて、僕は少し喜んだ、豪勢な料理、もしかして『魔法で作った合成の料理』って訳じゃないよな? 僕はそう思いながら魔理沙について行く。
「おおっ……!?」
僕は魔理沙の料理を見て、とても焦る、こ、これが料理!? 僕はそう思いながら露骨に厭な顔をする、それもその筈、何故なら『変な色のキノコ料理』だからである……その料理の中には、赤と白の水玉の危険そうなキノコや、残機が1増えそうなキノコ、更にパワーが増えそうな赤色のキノコ、点数が増えそうな蒼いキノコ、そして体の何処かが大きくなりそうな赤いキノコが存在していた、いや、どれも食べたくない、僕はそう思いながら席に座って冷や汗を掻きまくる、魔理沙は割烹着を脱いで、席に座って両手を合わせ、『頂きます』と言う、うぅっ……食べないとダメそうだ、僕は意を決して、両手を合わせ、変な色のキノコ料理を食べる──このキノコ、食べてもお腹下さないよね? 深夜が怖いんだけど、僕はそう思いながら変な色のキノコを口に入れる──ん、案外美味しい。
「ふぅ、食べ終わったぜ」
僕はそう言って腹をさする、何だ、案外食べれる変な色のキノコだったな、と思う。
「よし、華扇、風呂の準備が出来たから、先に入ってこい、私は片づけをするから後で入る」
「あぁ、分かった、先にすまない」
僕はそう言って風呂場へと向かう、それにしても魔理沙の家の風呂はどんな感じだろうか? 守谷神社みたいな一室の風呂場なのか、もしくは霊夢のドラム缶のお風呂みたいな一人用なのか……僕はそう思いながら魔理沙に案内された風呂場に到着し、戸を横にずらす、すると其処は脱衣所がある風呂場だった、何だ、守谷神社とほぼ同じか、と思いながら、巫女装束を脱ぎ、下着を脱ぐ、そして戸を開けて、湯船に向かう、湯船には湯が張っており、湯船の中に手を突っ込んで湯船の温度を確認する、湯の温度はいい温度であった、熱くもなく、温くもなく、冷たくもない、程良い暖かさの湯の温度であった、僕は湯船の中に入って、ふぅ、と息を吐く、風呂は良いな、僕はそう思いながら肩迄浸かる──するとドタバタと誰かが走る音がして、僕が入っている湯船に近づいてくる、魔理沙かな? こんな急にどうしたんだろう? と思いながら湯船と脱衣所の境目の戸を見つめる、するとその戸を開けて魔理沙が入ってきた、魔理沙は顔が真っ黒であった、えっと……何が起きたのでしょう? 僕の目の前に真っ黒い魔理沙が現れた? 何だその怪現象、僕はそう思っていると、魔理沙が僕に話してきた。
「うわー! 危なかったぁ! 聞いてくれよ、華扇、私が液体と液体を合わせようとすると分量を間違えてその場で爆発しちまった! いやぁ、何とか煙が出たから後方に避けたが、爆発の中心地から少し離れただけだったから爆発をモロに受けてしまった!」
アハハ、と笑う魔理沙を見て、何をやっているんだか、と思っていたが、その次の瞬間、湯船は鮮血に塗(まみ)れる事になった。
それもその筈、『顔面が真っ黒になる程の爆発なのだ、服も被害を受けている』筈だ、そう『魔理沙の服が爆発によってボロボロになっている』のだ……つまり『今の魔理沙の格好は『薄いつるぺたの胸が丸見え』状態』なのだ、その姿を見た僕は顔を赤らめた後、一気に鼻血を出して湯船に凭れる。
「ぐっはぁぁぁ!!」
鼻血を出した僕を見て、魔理沙は驚いている、『えぇ!? 急にどうしたんだよ華扇!?』と言って、僕の肩を掴み、揺らす、そして僕が最後の力を出して、指を魔理沙のつるぺたの胸に指す、魔理沙は自分が出した指先の方向を見て、じわじわと顔を赤らめて、目に涙を溜めながら僕の頬を叩く。
「見っ……見るなぁっ!」
この魔理沙の一撃(と言う名の平手打ち)を受けて、僕は気絶する……じ、地味に痛いよ魔理沙……僕はそう思いながら風呂場で力が抜ける──
痛い、未だにまだ痛い、気絶から復帰し、湯船を出た僕はそう思いながら自分の叩かれた頬をさする、それにしても湯船を出た後、綺麗な薄い胸を見てしまった僕は魔理沙と会話出来そうにない、それもそうだろう、『魔理沙の胸を見た張本人』だし、そ、そりゃあ魔理沙だって女の子だ、恥ずかしい、という感情もあるだろう。
あーあ、明日から特訓はどうなるだろう? まさか筆談か? 筆談って僕、記憶喪失だし、文字とかあまり読めないぞ? 僕はそう思いながら個室から窓を覗き、夜空を見る、僕は痛い目に遭ったのに、夜空だけは綺麗だ、これは完全に理不尽である、僕はそう思いながら布団を用意し、寝る準備をする──魔理沙が今日の出来事を寝たら忘れます様に、そう思いながら僕は睡眠を取る──
- Re: 東方崩壊譚 ( No.53 )
- 日時: 2017/08/20 22:09
- 名前: 彩都 (ID: XGjQjN8n)
東方崩壊譚(とうほうほうかいたん) 第三章 第三話 茸と魔法と人形遣い
CHAPTER 2 アリスVS華扇
翌日──
「うー……魔理沙に話しかけたけど、やっぱり素っ気ない態度が……ダメだな、こりゃあ」
僕こと華扇はそう呟いて、『霧雨魔法店』の店前を箒で払う、すると僕の目の前に一人の人形遣い──アリス・マーガトロイドが現れる。
「あら? 貴女は?」
「華扇です」
「そうだったわね、んで、魔理沙は店内にいるかしら?」
「一応は居ますけど……昨日一悶着あって、僕とは会話出来そうにないですね……」
僕がそう呟くと、アリスは頭を傾げて僕に言う。
「それはどうして?」
「……実は昨日、魔理沙の裸を見てしまいましてね、同性異性だろうと、自分の裸を見られるのは恥ずかしいでしょう? 特に自分は幻想入りしてたった数日、数週間の存在、気を許す相手ならまだしも、まだまだ気を許していない相手だと思います、自分は」
「……確かにそれは有り得るわね、貴女も不運ね」
アリスはそう言って、手で頭を支える、アリスは僕の性別を知らない、だからバラせる時にバラした方がいいだろう、自分はそう思い、自分の性別を隠したのだ。
「それにしても……幼いから胸が薄いのね」
「な゛っ!?」
急に恥ずかしい話になり、僕は顔を赤らめて、もじもじする。
「流石に気の知れない相手にそれを言うのはちょっと……」
僕はそう言って、アリスにツッコミを入れる、だがアリスは不思議そうに僕に言う。
「どうして? だって貴女は『女の子』でしょう?」
……あ、うん、そう言う事か、僕はそう思い、心の奥底で溜息を吐く。
「あぁ、うん、もう分かりました、うん……」
僕はそう言って、『霧雨魔法店』の戸を開けて、アリスを店内に入れる。
「魔理沙ぁ?」
アリスがそう言って魔理沙を呼ぶ、すると奥から涙を流す魔理沙が現れる。
「別に彼女に体を見られた位良いじゃない、たかがそんだけの事」
「そんだけじゃねぇよ! い、色々あるんだよ……!」
魔理沙はそう言って帽子で自分の顔を隠す、するとアリスが優しく抱き締める。
「まぁまぁ、偶然なんだし、許してあげたら? 彼女だって悪気があって見た訳じゃないでしょう?」
「……まぁ、確かに悪気があって見た訳じゃないしなぁ」
僕は頭を掻きながら答える、すると魔理沙は大きな溜息を吐いて二人に言う。
「あーもう分かったよ! 華扇も許すから気を落とすな! 偶然だから見た事を忘れろ! いいな!」
「まぁ、いいけれど……って、気は落としていないよ? 落としたのは魔理沙じゃないか……」
僕は持っていた箒を抱き締める、と、とりあえず、機嫌が直ったから良いか、と自分は思い、室内から出ようとする、すると自分の首根っこを掴むアリス、一体何なんだろう?
「ねぇ、華扇……私、貴女とのちょっとした戦いが未だに脳裏から離れないの、出来たら私と戦闘してくれないかしら? 戦闘データを使用して人形を作る事も可能だし……」
「戦闘ねぇ……僕は良いけれど、魔理沙がいいかどうか……」
アリスの言葉を聞いて、自分は発言する、すると魔理沙が自分に言う。
「ん? 強くなる為に頑張っているんだろう? だったら少しは戦って戦闘の経験値を入れないとなぁ?」
「ぐぅぅ……反論出来ない!」
自分はそう言って、静かにアリスに言う。
「という事で戦っても良いようだ、それじゃあ表に移動しようか」
「魔理沙の了承も得たし、後は戦うだけね」
「そうだね」
自分はそう言って箒を室内に置いて、外に出る、アリスも外に出て、両者は少し離れて体を動かして慣らす。
アリスの戦い方は少しだけ見た、そう『人形での攻撃』だ、この攻撃だけを避ければ大丈夫だろう、自分はそう思いながら深呼吸して準備完了を宣告する。
「あら? もう準備完了? 案外早いわね」
アリスがそう言うと、僕は頷く。
「アリスだって、早く戦いたいだろう? 僕は素手で何時も戦っているからね、準備はあまりない」
「へぇ、飛び道具、式神、人形、魔法を使わないのね?」
「まだ魔法は使えないしね、飛び道具も式神も使えない、万能じゃない人間さ」
「人間なのに万能じゃないのね、道具を使えないお子ちゃまなの?」
「生憎そうなんだよなぁ……」
アリスの発言を受け、自分は静かに頷く、そしてアリスも体を慣らし終え、人形の動作を確認する。
「私の方も準備が完了したわ、何時でもかかってきなさい?」
「ほう? それなら魔理沙に試合開始の審判をして貰おうか?」
アリスの言葉を受け、僕は魔理沙に試合の審判を頼む、すると魔理沙は『私!?』と言いたげな顔をして、嫌々僕とアリスの真ん中に立って、箒に乗り、言葉を発す。
「えー、それでは、試合開始ぃ!」
魔理沙の発言を受け、いきなりアリスが動き出し、僕に弾幕を放ってくる、成程、魔理沙が箒に乗った理由が分かった、『アリスの弾幕から一人逃げる為』だったのか! 僕はそう思い、魔理沙が試合開始の声を出した場所を見る、そこに魔理沙は居らず、何時の間にか上空に避難していた。
……生憎僕だって、『弾幕を避ける』事位出来る! 僕は自分の右手を見、アリスの弾幕を避けていく、避けられない場所に弾幕が来たのなら、僕の『元に戻す』能力で弾幕を『元に戻』し、回避する。
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