二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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東方崩壊譚
日時: 2018/06/27 23:03
名前: 彩都 (ID: J1W6A8bP)

 少年は博霊神社で目覚め、何を思い、幻想卿を崩壊させるか──

 始めましての方は始めまして、何度も彩都の作品を読んでいる方は有難う御座います。
 彩都(サイト)と申します。
 もう九作目ですよ、九作目! まぁ、一ヶ月一回更新が多いですねぇ……
 まぁ、今回は『東方PROJECT』という原作者『ZUN』さんの三次創作となっております。
 何故二次創作じゃないかって? それは秘密です☆
 そんな話は置いといて、今回の物語は『幻想入りした少年が幻想卿諸共破壊する迄のお話』で御座います。
 基本的に口調や喋り方は原作通りですが、間違っている部分があれば普通にコメントで説明してくれれば幸いです。
 自分も原作(体験版のみですが)は少しだけ経験していますが、それでも新発見は多いです。
 とまぁ、ここら辺でお話は止めまして、それでは、本編どうぞ!

 目次

『東方崩壊譚』第一章 第一話
本編
>>1-15
後書
>>16

『東方崩壊譚』第二章 第二話
本編
>>16-46
後書
>>47

『東方崩壊譚』第三章 第三話
本編
>>48-62
後書
>>63

『東方崩壊譚』第四章 第四話
本編
>>64-78
後書
>>79

『東方崩壊譚』第五章 第五話
本編
>>80-94
後書
>>95

『東方崩壊譚』第六章 第六話
本編
>>96-110
後書
>>111

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Re: 東方崩壊譚 ( No.1 )
日時: 2016/08/20 22:21
名前: 彩都 (ID: J85uaMhP)  

東方崩壊譚(とうほうほうかいたん) 第一章 第一話 謎の少年

CHAPTER 1 異変

 ……此処は何処だ……? 一体此処は何処なんだ……? そう思いながら、僕は周りを見やる。
 此処は神社の境内の様だ──でも何でこんな所で僕は寝ているのだろう……? 記憶云々が無いので、何故此処に来たのかも分からなかった。
 でも境内の石畳に寝転がっていたのは不思議だった、僕は暴行でもされたのだろうか? いや、肉体に腫れ等無いので、その線は無い。
 でも一体誰が……? そう思っていると、赤と白のコントラストが美しい──見た目は高校生位だろうか?──巫女さんらしき人物がカツンカツンと石の階段を昇ってきた──そして僕と目が合った。
「あら……」
 そう言って、巫女さん? は目を輝かせた。
「参拝客!? こんな時期に珍しい、早くお賽銭頂戴」
「いや、参拝客ではないんですけど……」
 そう言った瞬間、彼女──巫女さんは俯いてしまった、仕方ない、少しはお金を入れよう、そう思った時だった、空から白と黒のエプロン姿の金髪少女──巫女さんより少し幼い感じだった──が巫女さんに近付いた。
「おーい、霊夢ぅー? 今日、レミリアがお茶会を──誰だコイツ?」
 誰だコイツ、とは酷い言い様だ、まぁこの金髪少女の方が正しいかもしれないけど──
「あっ魔理沙、丁度良い所に……彼を知らない?」
 巫女さんの問いかけに金髪少女は箒から僕の居る石畳に降りた。
「ふむ……ってお前はぁ!?」
 おっ、僕を知っている様だ、そう思いながら待機する。
「誰だ?」
 そのコメントで僕と巫女さんはズッコケた──まるで昭和のコントの様に転ける──そして金髪少女は言った。
「そういやお前の名前は何だ? 私は霧雨魔理沙(きりさめ まりさ)──魔理沙で良いぜ」
「私も自己紹介していなかったわね──私は博霊霊夢(はくれい れいむ)──この神社──博霊神社って言うの──の巫女よ」
「巫女さんの霊夢さんに──」
「私は魔法使いだ」
「魔法使いの魔理沙さん」
 僕がそう言うと、二人は笑う。
「呼び捨てで良いわよ」
「私もそれが良いぜ、言われ慣れてるからな」
「そうですか? 霊夢さ……霊夢に魔理沙、宜しく」
「あぁ」
「えぇ……でも、貴方は誰?」
 それを言われ、僕は黙った、勿論隠したくて黙った訳ではない、何故なら『覚えてない』からだ、すると霊夢が言った。
「まさか……記憶が無いの?」
 ドキリ……いきなり的中した為、胸の奥がきゅうぅ、と締め付けられる。
 僕はゆっくり頷いた。
「成程……それは仕方無いわね……」
「記憶喪失か……他に思った事を言って良いか?」
 魔理沙が深刻な声を出して言ったので、僕は少し固唾を飲んだ。
「いやさぁ? このガキの寝床やご飯はどうするのかなぁ〜って……」
 魔理沙がそんな話をするから、僕の胃が鳴った、お腹が減っているのか。
「随分大きな音……まぁ、戻ってきたらお昼にしようと思っていたから、二人共食べない?」
「おう! 食べるに決まっている!」
「いいのか? こんな初対面の僕を……」
「良いわよ、困った人を助ける、それが『博霊の巫女』だから……」
 目を逸らしながら、言う……その顔は憂いに感じる……

「木のお櫃(ひつ)……」
 こんな古臭いのを、霊夢は新しい炊飯器にしないのだろうか? そう思いながら、周りを見る、博霊神社の中は見た目の割に内装は綺麗だった、そして炬燵……今は少し暑い春なので、早めに直さないと……
「珍しいわね、櫃を知っているなんて」
 霊夢はそう言いながら、木製の茶碗に少し山盛りのご飯を盛る、それを僕に渡す、男の子だから沢山食べる、とでも思っているのだろうか? それは分からないが、その倍以上の量を魔理沙に盛っていた……
「頂きます」
 霊夢の分も盛って手を綺麗に合わせ言う、魔理沙も霊夢と同じ様に真似る、そのまま動かないので、『あっ、僕か』と思いながら、僕も手を合わせる、そして数秒してから二人は箸に手をつける、何て礼儀正しいのか……結婚したら霊夢は良いお嫁さんになるだろうな、そう思いながら僕も箸に、ご飯に手をつけた、目の前の食卓は鰯の塩焼きに味噌汁、少しばかりの漬け物だった。

「ふぅ、食った食った」
 まさかあの量を食べるなんて、魔理沙の食欲は凄いな、そう思いながら僕は食後のお茶を飲む事にした、おぉーこのお茶美味いなぁ、そう思いながら顎に手をやった。
 さて、こんな事をしている場合ではない、自分の記憶を少しでも早く思い出さないと、そう思いながら目を瞑り、一気に今迄の事を思い出す、うんあまり記憶が無い、短過ぎるからだ。
 すると霊夢は外出用の服を着始める、一体どうしたんだろう?
「少し出掛けるわよ二人共──場所は紅魔館よ」
「お茶会か」
 魔理沙がそう言うと、『それもそうだけど』と霊夢が付け加える。
「レミリアは知ってるかもしれない、彼の事を……」
 僕は思った、『レミリア』って『人』は僕の事を知っていそうだな、と……

Re: 東方崩壊譚 ( No.2 )
日時: 2016/08/20 22:23
名前: 彩都 (ID: J85uaMhP)  

「あら、霊夢じゃない、魔理沙の話を聞いた様ね──それで、隣の男は誰? 霊夢の夫?」
「彼は名前が無いの、記憶喪失みたいで……レミリアなら何か知ってると思ってね……」
 そう言いながらピンクのドレスの少女──レミリアという少女は玉座の様な椅子に座り、左足を上に、足を組みながら頬杖をかく──は右肘にいる少女に話しかける。
「逆に聞くけどフラン?」
「あら、どうしたの御姉様?」
 フランと呼ばれた少女──赤いドレスの少女は幼く、幼女でも見て取れる、小学生と間違われそうだ──は僕を見ながらにやにやと薄ら笑う。
「ふぅん……中々壊しがいがある人間ね」
「フラン、壊さないでね、あくまで今はこの少年の記憶を取り戻し、人間界へ戻す事だから……」
「分かってるわよ……でも他にも聞く相手は居るんじゃない? 八雲紫や四季映姫・ヤマザナドゥとか……その『人間』が『幻想郷』に『来た』ではなく、『死人(しびと)』が『幻想郷』に『迷い』込んだ、とかね……」
 そう言いながら、くすす、と笑うレミリア、何かありそうな話だな、そう思いながら僕は霊夢を見た。
「その可能性もあるわね──でも、『死人』ではなかったら?」
 その話を聞いて、レミリアは不思議がる。
「ちょっと待って霊夢……貴女の言い分だと、彼は『生者』って言いたいの? それなら大問題よ?」
「分かってる、でもそれしか思い付かないの──でも、迷い込んだって訳でも無いの──もしくは『誰か』から『連れて来』られた──か」
 その話を聞いて少し考えるレミリア、これはお茶会をしよう、とかほざいていられない空気、感覚、雰囲気だった。
 するとレミリアが言った。
「こんな事をするのは一人──絶対にただ一人──」
 霊夢も発言する。
「うん、今更ながら私もそうだ、とは断言出来ないけど、貴女が言うならそうかもしれない──」
 そして二人の声が重なった。
「八雲紫──!」
 カツン、その瞬間、僕の真後ろで靴が鳴る音がする、僕が振り向くと、紺色の白いエプロンをしている吊り目の女性──メイドだろうか?──が現れる。
「!?」
 僕が驚くと、そのエプロンの女性は静かに言った──
「お嬢様──紅茶の準備が出来ました──」
「有難う咲夜──今はお茶会を楽しみましょう? 未だ時間はあるんだから──」

 その後僕等はお茶会をした、そして僕はレミリアとフランの説明を受けた──
「私はレミリア・スカーレット──この紅魔館の主であり、高貴なる吸血鬼よ──レミリアで良いわ、この娘は──」
 隣の少女の話をしようとすると少女本人が割って割いた。
「はいはーい! 私はフランドール・スカーレット──御姉様──レミリア御姉様の事ね──の妹よ、高貴なる吸血鬼の妹──私もフランで良いわ」
「そうか、レミリア、フラン、僕の過去が分かったら、霊夢の所に連絡が欲しい」
「私も少しは協力するわ──今回は何だか面白そうだからね──」
「私も協力するわ、感謝しなさい」
「あぁ、感謝する」
 するとレミリアはあっ、と声を上げた。
「咲夜の事を教えてなかったわね──咲夜、自己紹介しなさい」
 そう言うと『はい、分かりましたお嬢様』と言って、咲夜と呼ばれたエプロンの人は自己紹介をする。
「私は十六夜咲夜(いざよい さくや)──お嬢様、妹様のメイドで御座います──」
 単純な解説で終わった、すると、レミリアの服の様な色の少女が現れる──片手には分厚い本を持っていた──そしてレミリアに話しかける。
「ねぇ、レミリア──この本に載ってる本が欲しいんだけど──あら、人間……珍しいわね、私への小間使いかしら?」
「違うわ、パチュリー……彼を救うのを手伝うのよ、霊夢等と共にね」
 ふぅん、そう言ってパチュリーと呼ばれた少女は僕に話しかける。
「貴方、名前は?」
「僕の名前? それが記憶喪失で忘れていて……何でこの世界にいるのかも分からなくて……」
「ふぅん……丁度こんな所に本があるの、人間の記憶の戻し方に『本の角に頭をぶつける』って言うのがあるけど、試してみる?」
「それ、迷信だよ? そんなんで戻ったら、逆に嬉しいよ」
「あら、そうなの? そう言えば自己紹介が遅れたわね、私はパチュリー・ノーレッジ──ただの本好きよ」
「ただの本好きが何で図書館レベルに迄本を所有してんだ」
 と、魔理沙にツッコまれるパチュリー、するとパチュリーは厭そうに魔理沙に言う。
「そんな事を言う暇があったら早く本を返してよ──何冊貸したと思ってるざっと──」
「あーあー! うるせぇ! それはまた今度な!」
 どうやらパチュリーと魔理沙は相性が悪い様だった。
 その後パチュリーもお茶会に参加して、色々とお話をした、特に女子会の様な経験した事の無い感覚で、周りから話を聞くだけになってしまい、自分は一人で紅茶を飲むばかりだった──何時の間にか、昼に出発した筈が、もう夜になっていた。
 僕は一人でベランダに出ていた、女子会の雰囲気に耐えられなかったからだ。

Re: 東方崩壊譚 ( No.3 )
日時: 2016/08/20 22:24
名前: 彩都 (ID: J85uaMhP)  

 すると隣に霊夢が現れた。
「あっ……霊夢……もっと楽しんできなよ、その方が楽しいだろう?」
 そう言うと霊夢は言った。
「何でよ? 皆と一緒に絡んで一緒に楽しむ、それが楽しいのよ? でも何で貴方は此処に?」
「僕は何で此処に居るのかが不思議でさ──こんな身に覚えの無い僕を見てくれたり、ましてや昼ご飯、お茶会に迄連れて行ってくれたりさ……全く……記憶を取り戻した後が怖いよ、皆に感謝しなきゃね──」
「そんな事をしなくても良いわよ──私はどんな人も助ける、それが私の生き甲斐……」
「へぇ……それは凄いなぁ……」
 そう言いながら僕は少し欠伸をする、少し眠たくなってきた様だった。
「では、今日は紅魔館で寝泊まりにしましょう? 記憶探しはまた明日」
「うん……そうしようか」
 そう言いながら、僕等は紅魔館で寝泊まりする事にした、レミリア達も僕等を寝泊まらせた。

「……起きなさい、貴方……起きなさいって……」
 そう言いながら、僕に馬乗りになるパチュリー──ん? 一体何なんだろう?
 そう思いながら、僕は起き上がる、こんな夜遅くに何だろう?
「貴方、この字は読めるかしら?」
「えっ? 字?」
 そう言いながらパチュリーは外へ歩く、僕もパチュリーに着いて行った。
 着いたのは大きな図書館だった、そしてパチュリーは一冊の小さなサイズの本を取りだした。
「これよ……貴方には読める?」
 そう言われながら、僕はその本を見る。
「……これは『坊ちゃん』……だね──夏目漱石だっけ?」
「あら、読めるのね、ではこれは?」
 そう言いながら、パチュリーはまたもや同じ位のサイズの本を取りだした。
「何が言いたいのか分からないけど、これは『銀河鉄道の夜』──宮沢賢治だね──パチュリー、君は何が言いたいんだ?」
 そう言いながら、問い詰める、するとパチュリーは言った。
「貴方がこれらを読めた、つまり、貴方は外の世界──日本の人間と言う事、貴方は日本人かもしれないわ──」
「へぇ、そんな事が考えられるパチュリーは凄いなぁ……」
 そう言うと、少し顔を赤くして、パチュリーは顔を隠した。
「そっそんなんじゃないわよ!早く紅魔館から人間臭いのが消えたら良いなって思ってるだけよ! それだけよ、では私はお風呂に入るわね──そう言えば貴方はお風呂に入ったの?」
「いや、霊夢達を待っていたら寝ていたよ、だから今から入る予定だよ」
「あらそう、私は入る時間が長いから急いでね」
「うん、分かったよ」
 僕の国が分かるだけで結構な収穫だったな、そう思いながら、僕はお風呂に向かった。

「ふぅ……広いなぁ、紅魔館って所は本当に広いなぁ、簡単に壊れなさそうだ……」
 そう言っていると、お風呂場の戸を開ける者が居た、それは咲夜だった。
「ん? ……」
「あっ」
 二人は声を出した、そしてそのまま硬直。
「ぴゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
 最初に声を出したのは僕だった、僕は急いで後ろを向く、咲夜も後ろを向いた。
「……」
「……」
 無言のまま、声を上げたのは咲夜だった。
「あの……すみませんが、私も入って良いですか? どうも此処は寒くて……」
「あっはい、後ろ向いているので」
「あぁ、すまない……」
 そう言いながら咲夜は僕と同じ湯船に入った、すると、咲夜は話しかけてきた。
「お前はどうやって此処に来たんだ?」
 その質問は何回目だっただろうか? そう思いながら、答える。
「それが分からないんです、博麗神社の石畳の上に起きたら、起きる前の記憶が無くて……」
「成程な……だったらこの幻想郷や、スペルカードは分からないな」
「スペルカード? 幻想郷?」
 僕がアホらしく聞くと、溜息を吐きながら咲夜は言った。
「スペルカード──大まかに言えばこの世界、幻想郷での争いに使われるカードの事、まぁ強い存在に制限をかけましょうって言う感じね、そして幻想郷──紅魔館を含むこの世界の事──貴方達人間の世界とは少し隔離されてるけどね──」
 ふぅん、と頷いてから僕は言った。
「でもスペルカードについて一言、制限って?」
「あぁそれは簡単よ、この幻想郷を『いとも簡単に壊せる存在』が居るからよ、その対処法としてスペルカードが存在するの」
「へぇ……何れこの幻想郷って言う場所を見回ってみたいね」
 そう言うと咲夜は言った。
「あぁ気を付けた方が良いわよ、貴方達人間を食べる妖怪が跋扈しているんだから、幻想郷を『いとも簡単に壊せる存在』って言うのが、神様や人を食べる妖怪よ?」
「えっ? そうなの? それは怖いなぁ……」
 そう言いながら僕は立ち上がる、そして咲夜に感謝する。
「有難う、為になったよ……では僕は上がるよ、有難う咲夜」
 そう言いながら僕は脱衣所に入る、そして体を拭いて、服を着る。
 さぁ、もう寝ようか、大きく深呼吸を一つして、僕は自分の寝床に向かった──
 そして、目覚める、そして寝惚け眼のまま起き上がる、そして大きな欠伸をして僕は部屋を出て、朝御飯を食べに行こうとした、すると入口には霊夢が居た。
 僕は霊夢と共にご飯を食べに向かった。


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