二次創作小説(映像)※倉庫ログ
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 東方崩壊譚
- 日時: 2018/06/27 23:03
- 名前: 彩都 (ID: J1W6A8bP)
少年は博霊神社で目覚め、何を思い、幻想卿を崩壊させるか──
始めましての方は始めまして、何度も彩都の作品を読んでいる方は有難う御座います。
彩都(サイト)と申します。
もう九作目ですよ、九作目! まぁ、一ヶ月一回更新が多いですねぇ……
まぁ、今回は『東方PROJECT』という原作者『ZUN』さんの三次創作となっております。
何故二次創作じゃないかって? それは秘密です☆
そんな話は置いといて、今回の物語は『幻想入りした少年が幻想卿諸共破壊する迄のお話』で御座います。
基本的に口調や喋り方は原作通りですが、間違っている部分があれば普通にコメントで説明してくれれば幸いです。
自分も原作(体験版のみですが)は少しだけ経験していますが、それでも新発見は多いです。
とまぁ、ここら辺でお話は止めまして、それでは、本編どうぞ!
目次
『東方崩壊譚』第一章 第一話
本編
>>1-15
後書
>>16
『東方崩壊譚』第二章 第二話
本編
>>16-46
後書
>>47
『東方崩壊譚』第三章 第三話
本編
>>48-62
後書
>>63
『東方崩壊譚』第四章 第四話
本編
>>64-78
後書
>>79
『東方崩壊譚』第五章 第五話
本編
>>80-94
後書
>>95
『東方崩壊譚』第六章 第六話
本編
>>96-110
後書
>>111
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
- Re: 東方崩壊譚 ( No.94 )
- 日時: 2018/03/28 21:52
- 名前: 彩都 (ID: YzSzOpCz)
「何とか……終わった……」
自分は左手を掴まれながら静かに発言する、そして静かに地面に頭部から落ちる文を見て、右手を見ながら呟く。
「……はぁ、能力、使用しないとなぁ──」
「……ん?」
文はゆっくりと目を覚まし、起きあがる、すると腹部と頭を擦った。
「いたたた……って、どうしてこの格好に……? この格好は華扇くんに着せていた服なのに……」
文がそう呟くと、はたてが『あんたねぇ』と呟く。
「全く……迷惑をかけて……私なら良いけれど、そもそも無関係である華扇にも迷惑をかけて……」
「迷惑? 迷惑ってどう言う事ですか? 華扇くん、少しばかり説明を下さいな?」
「えっ? 説明? 説明かぁ、大まかに言えば、『文、君は暴走していた』、ルーミアの時のようにね?」
「えっ……? それは本当ですか? 本当なんですか!?」
驚く文に対し、お互い頷く、そして自分は静かに右手を見せて発言する。
「そして暴走した文を二人がかりで協力し、助けた、って事、おまけに
右手の能力を使う羽目になった」
「お、おぅ……それは申し訳ない……でも、何時暴走したんですかねぇ? 何処で暴走したか、分かります?」
「暴走……家の中だね」
「えっ? 家の中ですって!?」
大声を出す文、そして文は一瞬で移動し、自分の部屋の前で大声で叫ぶ。
「あー!! こ、これは……何をしているんですか私はぁ!? ……記事を纏めた手帳もボロボロだぁ……」
「あーあ、大変だぁ、こりゃあ」
自分がはたてに掴まれて、宙を浮くと、文が振り向いて、悪魔のような笑みを浮かべる、そして自分に言う。
「そう言えば、華扇くんの右手は『元に戻す』能力でしたよねぇ……? だから、その能力でこの手帳を直していただきたいのですが……?」
「……面倒だなぁ」
自分はそう言って、文の手帳に右手で触れて能力を発動し、『元に戻』す。
「有難うございます! よし、それでは、私はご飯を食べに行きますかぁ……あぁ、チケットを渡したから、また一から、かぁ……」
そう呟く文を見て、自分は『仕方ないよなぁ』と思う。
そして文が食堂に走り去った──否、浮遊して、移動した──後、自分とはたては文の家の中に進入し、その場で座って、はたてが先に喋る。
「……それで? 『文に対して分かった事』、教えてくれる?」
「……そうだな、それじゃあ、『風の手』の話をしようか、あの『風の手』はね? 『風で自身の手を作り出しただけ』なんだよ」
自分がそう言うと、はたては『いや、それは分かる』と言う。
「じゃあ、その次か? 簡単だ、『文が何故か片手を前に出していた』、だから自分は予測、予想した、『自分の手が行っている行動を『風の手』も行う』、と、だから『風の手』は『文の手を模倣しているのでは?』とね? そう判断したら、物の見事に正解だった、って事だ、それ以外に質問は?」
自分が解説をして、はたてに聞く、するとはたては右手を挙げて、発言する。
「ねぇ、何で剛速球の丸太が文の腹部に当たった時、『風の手』とやらで掴まれたアンタも吹っ飛んだの? 色々と可笑しくない?」
「んー? 何処が可笑しいんだ? ……あぁ、そうか、はたては気づいていないんだ、『風の手』の使用範囲が」
「か、『風の手』の使用範囲? そ、それはどう言う事よ? まさか『風の手』に使用範囲があるとでも?」
「うん、あるに決まっている、多分だ、多分なんだけど、『風の手』の使用範囲は『軽く3メートルから5メートル以内』だと思う、まぁ、これは予想なんだけど……ってか、僕を掴んでいるんだから、一緒に吹き飛ぶんだよ、だって、『風の手』は『文の手を模倣している』からね?」
「……まぁ、よく分からないけど、そう言う事にしてあげる、それにしても、アンタの右手、結構便利ねぇ?」
はたてはそう言って、自分の右手をにぎにぎと触って確認する、まるで猫の肉球を触るように。
「くすぐったいなぁ……まぁ、でも、文みたいな状況になった時、気絶させるか、僕のこの能力、『元に戻す』能力を使用するしかない、と予測、予想されている……まぁ、自分みたいな能力を持った存在が仲間になってくれたらそれはそれで良いし、文みたいな事をしている存在も見つかって、案外簡単に倒せたら、それもそれで十分かな? ……ってか、一体文達を暴走させているのは誰なんだろうね? 僕には分からない……」
自分がそう言うと、はたても『私も知る訳ないでしょ?』と返答する。
「まぁ、それもそうなんだよなぁ……さぁ、後は文が帰ってきて、人里で新聞の契約をするだけかぁ……」
自分はそう呟いて、その場で溜息を吐いた──中々に面倒、重々に面倒だ、自分はそんな事を思いながら、その場で姿勢を崩した──もしも文や、レミリア、フランドール、ルーミア、アリスみたいに暴走した存在がこれからももっと登場するのなら……『僕の右手だけで救える』だろうか……? いや、救えない訳がないだろう、何故ならそれは『僕の右手の能力、『元に戻す』能力が右手にずっと宿っている限り救える』からだ、もしも右手の能力が消えたら、自分は一体どうなってしまうんだろうか? まるで存在価値がなくなる感覚がして、怖い……でも、それは『何時かの未来』だろう、今はまだ、その時ではない気がする──さぁ、早く文が帰ってこないかなぁ? 自分はそう思いながら、虚空を見つめた──
第五章 完
第五話 完
CHAPTER 3 終了
第六章 第六話 CHAPTER 1 に続く──
- Re: 東方崩壊譚 ( No.95 )
- 日時: 2018/03/28 21:55
- 名前: 彩都 (ID: YzSzOpCz)
駄文のような後書の様な何か
……あっ、初めましての方は初めまして、お久し振りの方は御久し振りです。
『お前誰だよ?』という方は此処に来ないで、本編をお読み下さい、彩都です。
いやぁ、今回で何とか書き終わりましたよ? 第五章? 毎週水曜日投稿になって、書ききれない、と思ったんですがね。
いやぁ、人間頑張りゃ、何でも出来るんだなぁ。
さて、今回の対象は文なんですが、構想の中では文でもはたてでも、誰でもなかったんですよね、じゃあ、誰が対象だったのか? それは分かりません……ですが紅魔組である、と思います。
そう、思うだけで、ですが。
今回の内容は、大まかなネタを雑談スレに上げると、『第二のかお君の女装!』と喜んでいる方が居て、内心嬉しい&恥ずかしかったです、因みに次の女装は天狗装束のかお君。
……矢張りかお君は女装キャラなんですね(白目)
まぁ、何はともあれ、毎週更新出来て嬉しいのですが、四月から、個人的に時間が取れなくなり、小説が投稿出来なくなる可能性も……(汗)
なので、四月以降の『東方崩壊譚』の更新は不明です。
多分更新出来ないのなら、『更新出来ません』ってスレッドに書くんでしょうけど。
それでは、長い後書も見たくない、って方の為に短縮させていただきます、それでは……!!
『なかよし』の『フェアリーテイル』を読みながら 彩都
- Re: 東方崩壊譚 ( No.96 )
- 日時: 2018/04/04 21:48
- 名前: 彩都 (ID: AQILp0xC)
東方崩壊譚(とうほうほうかいたん) 第六章 第六話 新聞屋、華扇
CHAPTER 1 西へ東へ、華扇よ走れ
はたてとの会話を終わらせ、自分は一人、文の自宅で待機していた、すると、『ただいまぁ』と言って、文が帰ってきた。
「あっ、お帰り」
「えぇ、ただいまです……よし、それじゃあ、さっさと人里に行って、新聞の契約を行いましょう!」
「はいはい……」
自分は文の発言を受け、外に出て、文に胴体を掴んでもらい、人里へと向かう──
「……最終的に」
自分がそう言って、文が首を傾げる。
「最終的に? 何がです?」
「最終的に、契約数は、どれだけ欲しいの?」
「……そうですねぇ? 出来るだけ大量に、という事でしょうね」
「成程、あい分かった」
「えぇ、ちゃんと宜しくお願いしますね?」
「あーい」
自分は文と会話し、ある程度頭の中に詰め込む、さぁ、今日も頑張らなければ……そう思いながら、人里の近くに到着した。
「えーと、華扇くん、まず、この紙を君に渡します」
文はそう言って、ボードに挟んである紙を渡す、何だこの紙は? 読めない文字の羅列だ、そう思ってると、文が説明する。
「まず、契約者の名前を左の項目に、右の項目に契約者の住所を書いて下さい、そして一番右には、新聞の部数を書いて下さい、この場所に書かれた数字の分だけ、新聞をその家に入れるので……分かりました?」
「あ、ある程度は……左の項目に契約者の名前、右の項目に契約者の住所、一番右に契約者の家に入れる新聞の数……でいいんだよね?」
「えぇ、それで大丈夫です、それでは、頑張って下さいね?」
「え、あ、うん……」
話を聞いて、少し面倒だ、と思いながら、自分は人里の中へ進入する──頑張って、部数を集めよう──
「すいませーん、文々。新聞、要りませんかぁ? 文々。新聞、読んでいて、損はないですよぉ?」
自分がそう言いながら、声を荒げていると、一人の自分とほぼ同じ背丈の少年が自分を指指して言う。
「おい、お前」
「は、はい? 何でしょうか?」
「お前、天狗?」
「え、えと、それは企業秘密と言いますか、何と言いますか……?」
自分がしどろもどろしていると、少年が言う。
「お前が人間なら……好きです! 付き合って下さい!」
そう言って、少年は自分に手紙を渡す、自分は少し焦りながら、少年に言う。
「へ、へぇ……私にそれをくれるんだぁ……? でも、新聞も一部でいいから、契約し、購読してくれると、私も嬉しいなぁ……?」
内心『何を言っているんだろう自分は?』と思いながら、少し高音ボイスで少年に言う、すると少年は『分かった! 一部取る!』と大声で言って、自分の手に持っていた紙を奪い、自身の名前、自身の住所、取る部数を書く。
「ふむ、ふむむ……笠瀬 善太(かさらい ぜんた)君ね……場所は、此処ら辺ね、部数は一……有難う! 善太君! 大好き!」
自分は書かれた紙を見て、善太君を首に手を絡ませ、抱き締める、すると善太君は顔を赤くして、『ご、ごめんなさーい!』と自分を押し倒して、走って逃げる。
「……と、とりあえず、一部ゲット、かなぁ……?」
自分はそう思いながら、頭を掻き、安堵する──そして次の相手を待つ間、善太君の手紙を確認する──
「はぁ、誰も来ないや」
自分はそう呟き、周りの人々を見て、『文々。新聞、要りませんかぁ?』と発言してみる。だが、新聞を見てくれるどころか、立ち止まってもくれない。
「……大変だ」
自分は頭を掻いて、呑気に待っていると、一人の青年が『新聞かぁ』と呟く。
「あっ、お兄さん、文々。新聞、どうです? 有益な情報が載っているかも?」
「う、うーん、最近新聞の高騰化であまり見ていないからなぁ、天狗の新聞なら少しは安いかもしれない……なぁ、一ヶ月の金額は?」
「えっ? 一ヶ月の金額? えーと、確か文に手渡された紙があったよな……」
自分はそう呟きながら、ボードの裏を確認する、そしてボードの上に書かれた金額表を青年に見せる。
「はい、これが金額表です」
「ふむ、一ヶ月は安いが、一年になると、普通の新聞屋と変わらんな……一ヶ月を何回も契約するって手段は出来るのかい?」
「い、いえ、流石にそれは出来ませんね……」
「そうか、それは大変だ……でも、物は試しって言うからなぁ……よし、一部だけ、一ヶ月だけ契約しよう!」
青年はそう言って、手に鉄槌打ちをして、『さぁ、契約の紙を渡してくれ!』と言う。
自分は言われた通りに紙を渡し、名前と住所を書かせる──そして紙が帰ってくる。
「えーと、然剛 嬉啌(ぜんごう うれしか)さん、ですね? えーと、一部の購読、と」
「おぅ! そうだぜ!」
「有難うございます……お兄ちゃん!」
自分は少し躊躇った後、高音、猫撫で声で嬉啌さんに言うと、嬉啌さんは顔を赤らめて、『お、おぅ……破壊力が凄い……! 善太君の言う通りだ……!』と言って、自分の目の前から去る。
……善太君の差し金かぁ、何か恐ろしいぜ……自分はそう思いながら、『文の選択も凄いな……』と判断する。
自分と同レベルの身長なら、男は抱き締める、女も抱き締める、逆に身長が高く、大人と思える人には、男性には『お兄ちゃん』と発言、女性には『お姉ちゃん』と発言……この発言、マジで効くとは思っていなかった……自分はそう思いながら、額の汗を拭った──
- Re: 東方崩壊譚 ( No.97 )
- 日時: 2018/04/11 22:16
- 名前: 彩都 (ID: N7iL3p2q)
「何だか賑やかね、何をしているの?」
そう言って、自分の目の前におかっぱっぽい少女が現れる、自分と同じ位の身長、だが、『雰囲気が違った』、格好が着物で、如何にも優雅な少女だった。
「……え、えと、『文々。新聞』、如何ですか?」
自分がおかっぱっぽい少女に言うと、おかっぱっぽい少女は首を横に振る。
「要らないわ。そんな情報過多ならぬ、情報過小な新聞。それなら人間が作った新聞がまだマシよ」
「えぅっ……さ、流石にそれは言い過ぎじゃないかな? この『文々。新聞』は、天狗が努力して作ったっていうのに……!」
「だからよ? 人間様の新聞を横取りして、人間の新聞屋も商売上がったりよ?」
「た、確かにそうかもしれないけれど……」
自分はそう言って、引き下がる事しか出来なかった、そして自分はおかっぱっぽい少女に向かって、名を聞く。
「そ、そんなに色々と言えるって事は、人間様のお偉いさんって所か? 名を聞こうじゃないか?」
自分がそう言うと、おかっぱっぽい少女は淡々と答える。
「私? 私は稗田阿求(ひえだ の あきゅう)、覚えておきなさい、天狗風情が」
そう言って、おかっぱっぽい少女──基、稗田阿求──は自分の目の前から静かに去った、…………天狗風情、かぁ、自分、一応人間何だけどなぁ?
「……はぁ、稗田阿求が来てから、誰も僕に寄らないぜ……これが稗田の一族の効果かよ?」
自分はそう言って、その場で溜息を吐く、……これ以上、居ても無駄だな、自分はそう判断し、荷物を回収し、文の所に戻ろうとすると、『待って!』と大声が。
自分が静かに振り向くと、そこには可愛い女の子が立っていた、危うく惚れてしまいそうだった。
な、何を考えているんだ自分は? 記憶を取り戻さないといけないだろう、そういう感情は記憶を取り戻してからだ、自分は静かに律し、可愛い女の子に言う。
「え、えーと、何かな? は、早く発言してくれないかな? 僕、時間がないし……」
「あっ、これは失礼しました! 私は本居 小鈴(もとおり こすず)と申します! 先程は阿求ちゃんが申し訳ありません!」
「……阿求ちゃん? という事は、君は稗田阿求の友達か何かか?」
「え、えと……まぁ、親友かもしれません……」
「……それで? どうかしたの? 急に謝って?」
「えっ? あぁ、ほら、少し前に貴女に罵詈雑言を吐いたじゃないですか? だから、私が代わりに謝りに来たんです……」
「そうか、でも、僕はあまり気にしていないから良いよ」
「そ、そうですか!? で、でも、それだと、こっちとして、色々と申し訳ないですし……! あっ、じゃあ、これを受け取って下さい!」
小鈴はそう言って、自分に二枚のチケットを渡した、文字が読めないから、何が何だか分からない。
「……これは?」
「これは私のお店、鈴奈庵(すずなあん)の無料貸し出しチケットです! それ一枚で十冊借りれます! あっ、鈴奈庵というのは私のお店で、本を貸し出す所なんです!」
「……へぇ、成程、此処で君の気持ちを無碍にする事も出来ないから、受け取っておくよ」
「はい! 有難うございます!」
自分は小鈴から鈴奈庵の無料貸し出しチケットを貰い、懐に収納する、すると小鈴が自分に聞いてきた。
「あ、あの! 差し支えなければ名前を教えてくれませんか!?」
「……名前、か……それはまた今度だ、今は名乗る程、強かない」
「そ、そうですか……それでは! 天狗さん!」
「…………」
自分は小鈴にそう言われながら、小鈴に背を向け、立ち去った──僕、人間なんだけどな?
「……あぁやぁ? いるぅ?」
自分が人里に出て、そう言うと、空中から、ゆっくりと文が現れる。
「はぁい? 呼びましたぁ?」
「え、えぇ、一応はね? でも、暇になったから、此処に戻ってきた」
「ありゃりゃ? それで? 契約者は何人程出来ました?」
「契約者? あぁ、二人だよ」
「おぉー! それは素晴らしいですねぇ! 矢張り華扇くんに任せておけばよかった……!」
拳を作る文、自分は静かに文に言う。
「それにしても、僕に嫌味を言う奴が現れて、そこから先、全然進まなかったわぁ」
「へぇ? 嫌味、ですか……それは一体どんな奴ですか?」
「えっ? あぁ、稗田阿求って奴」
「あっ……華扇くん、君は大変ですねぇ?」
文がそう言って頬を掻く、自分は不思議がって、首を傾げる。
「はぁ? どう言う事だよ?」
「簡単ですよ? 稗田はこの人里で重要な人物の一人です、だから稗田が言う事は大体が正しい、そして稗田は相当な権力を持っている、なので、話を聞かない人はあまり存在しない」
「……成程、つまり稗田が周りの面々に何かを言って、僕の所に行くな、と指図を……?」
「可能性は、拭えません」
「そうか……」
自分は文の発言を受けて、少し頭を垂れる、全く、僕は面倒な相手に絡まれたんだな、自分はそう思いながら、溜息を吐く、すると文が静かに言う。
「……おやつでも食べますか? 気分転換に?」
「いいねぇ? 何を食べるんだい?」
「そんなの決まっているでしょう? 団子です!」
「……団子、好きだねぇ」
自分は冷や汗を掻きながら、内心呆れる──そして文はその場で服を着替え、人里の人間の格好をし、僕と共に人里へ入り、団子屋へと向かう──
- Re: 東方崩壊譚 ( No.98 )
- 日時: 2018/04/18 22:44
- 名前: 彩都 (ID: CwTdFiZy)
自分と文は団子屋で椅子を見つけ、そこに座る。
「すみませぇん、三色団子四本!」
「あいよぉ!」
文が注文し、すぐに店員が団子四本を持ってくる、そして熱々のお茶を置いて、『ごゆっくりぃ』と言う。
「……はぁ、それにしても、今日は少し疲れた……それで? 目標はどうするの? 僕、早く霊夢のとこに戻りたいんだけど?」
「えっ? そ、そうですねぇ……後何人にしましょうか……?」
文がそんな事を考えていると、店員が団子四本を持ってきて、自分に渡す。
「有難う御座います」
「あら? 君可愛いわね? 新聞売っていた子じゃない? お隣はお姉さん?」
「い、いえ、僕は隣のお姉さんのお手伝いです、兄弟とか姉妹ではないです」
「あら? 結構可愛いのに姉妹じゃないのね?」
「え、えぇ……」
店員さんと少し会話して、店員は店内へ向かう。
……姉妹、かぁ、自分はそう思いながら、矢張りこの格好がダメなんだ、と理解する。
僕は男なのだ、女装している意味がない。
自分はそんな事を思いながら、団子を一口、口に運んだ。
「……うみゃい」
自分はそう言って、恍惚な表情になる、すると文が言う。
「ほう、それはよかったです」
文の発言を聞いて、頷く自分、すると自分の目の前にしたり顔の稗田阿求が現れる。
「あら? 妖怪が呑気に人里の人間とお茶会だなんて? この人里も終わったようね?」
「あっ!? 稗田阿求!? お、お前か……? お前と出会った後、新聞が契約出来なかったんだぞ!?」
「どうして私が原因になるのよ? 私はただ単に、『貴女の新聞は読む意味がない』と言っただけ、それの何が悪い?」
「悪いも何も……酷いじゃないか! 天狗だって頑張って新聞を作っている! 勿論人間よりかは面白くないかもしれない! でも、『人
間の新聞は人間目線、天狗の新聞が天狗目線での記事』だ! 一つの同じ記事でも、人間目線、天狗目線で色々と違う!」
団子の串で指す自分、すると溜息を吐いて稗田阿求は自分を見つめる。
「……はぁ、あほらしいわね? 貴女はバカなの? この人里では『妖怪に畏れて生活している』のよ? 貴女は知らないかもしれないけ
れど、『天狗は妖怪』なのよ? 分かっている?」
自分の発言を反論する稗田阿求、自分は『……そうなの?』と隣の文に言う。
「し、知らなかったんですか!?」
「えっ? あ、あぁまぁ……別に人間と同じ姿形だし、妖怪も人間も一緒なもんだと思ってる」
「…………」
「…………」
稗田阿求、文は自分の発言に唖然とし、驚愕している、そして自分は静かに言う。
「っていうか、僕は『妖怪、人間が握手し、手を取り合うような関係』にしたい、それは難しいかもしれないけれど、お互いがお互いを必
要とする関係にさせたいんだ、まぁ、これは僕の考えだけどね?」
「……無茶を、言うな!」
稗田阿求は自分の発言に睨んで怒りを表す。
「お前みたいな能天気な妖怪がいても、周りの人間はそれを『恐怖』と取るんだ! 寝言も寝て言え! バカも休み休み言え!」
「……稗田阿求、少し質問、良いか?」
自分は静かに発言する、稗田阿求は『何よ?』と首を傾げながら、返答する。
「……僕は、どんな存在だ? 稗田阿求から見て?」
「は、はぁ? そんなの『小さい女の子の天狗の妖怪』でしょ? アンタの事なんか私は見ただけで分かるわ」
そう言う稗田阿求、自分は文を見、文は自分を見、その場で口を手で隠して失笑してしまう。
「フフフ……勘違いしているよ文……フフッ」
「ほ、本当ですね……こりゃ面白い……」
「は、はぁ!? な、何を言っているの? 貴女達? 意味が分からないわ!」
声を荒げる稗田阿求に対し、自分は自己紹介をする。
「僕は華扇、博麗霊夢の博麗神社に住む人間だ、飛行能力はないし、能力もそれ程強くない、ただの一般人だ、そんな人間を妖怪の服を着
ただけで妖怪扱い? おいおい、それは酷いぜ?」
自分がそう言うと、稗田阿求は『華扇……?』と言って、頭を抱える、そして『あー!!』と大声を出した。
「あ、アンタがあの幻想入りして生き残っている人間!?」
「えっ? そう言われてるの? それなら多分そうだろうねぇ?」
自分がそう言って頭を掻く、そして稗田阿求が自分に言う。
「い、いや! 今はそんな事どうでもいいの! 何で貴女が妖怪の格好を!?」
「ま、まぁ、これには深い訳がありまして……だからこんな格好なんです……」
自分は稗田阿求から目を逸らし、文を見る、すると文は団子を三本食べていた。
「ふぅ、美味しかった」
「おい!? 文!? 待って!? お、お前、何本食った!?」
「三本です!」
「僕の分!?」
「誰が二本と言いました? 一本に決まっているでしょう? 契約が少ないのに?」
「こ、コイツ……!」
「……あー、何だか騒がしそうだし、面倒な事に足を突っ込みたくないし、それじゃあ、今日はこの位にしてあげる」
「えっ!? ちょっ!? 稗田阿求!?」
目の前を去る稗田阿求を叫んでも、稗田阿求は止まらない。
自分は『おいおい……』と思いながら、頭を垂れて、持った団子を食べる──団子を食べながら飲むお茶は少し塩味を感じる……自分はそう思いながら、二本団子が食べれなかった事を悲しむ──
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
この掲示板は過去ログ化されています。