二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- 東方崩壊譚
- 日時: 2018/06/27 23:03
- 名前: 彩都 (ID: J1W6A8bP)
少年は博霊神社で目覚め、何を思い、幻想卿を崩壊させるか──
始めましての方は始めまして、何度も彩都の作品を読んでいる方は有難う御座います。
彩都(サイト)と申します。
もう九作目ですよ、九作目! まぁ、一ヶ月一回更新が多いですねぇ……
まぁ、今回は『東方PROJECT』という原作者『ZUN』さんの三次創作となっております。
何故二次創作じゃないかって? それは秘密です☆
そんな話は置いといて、今回の物語は『幻想入りした少年が幻想卿諸共破壊する迄のお話』で御座います。
基本的に口調や喋り方は原作通りですが、間違っている部分があれば普通にコメントで説明してくれれば幸いです。
自分も原作(体験版のみですが)は少しだけ経験していますが、それでも新発見は多いです。
とまぁ、ここら辺でお話は止めまして、それでは、本編どうぞ!
目次
『東方崩壊譚』第一章 第一話
本編
>>1-15
後書
>>16
『東方崩壊譚』第二章 第二話
本編
>>16-46
後書
>>47
『東方崩壊譚』第三章 第三話
本編
>>48-62
後書
>>63
『東方崩壊譚』第四章 第四話
本編
>>64-78
後書
>>79
『東方崩壊譚』第五章 第五話
本編
>>80-94
後書
>>95
『東方崩壊譚』第六章 第六話
本編
>>96-110
後書
>>111
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- Re: 東方崩壊譚 ( No.54 )
- 日時: 2017/08/20 22:10
- 名前: 彩都 (ID: XGjQjN8n)
「!? 中々やるわね! だけど私も体が熱くなってきたわ!」
アリスはそう言って、人形を更に増やす、計十体も人形を操っていて、僕は驚愕する。
「中々人形捌きが上手だね! 凄いや……だけど、僕だって負けたくない!」
僕はそう言って、弾幕を避け、アリスに近づく、と、とりあえず、人形に触れて、『元に戻』せば、人形は『作る前に『元に戻』せる』から、人形に触れる事が出来るか、出来ないかの勝負だな、と思いながら僕はゆっくりとアリスに近づく、だがそう簡単にアリスも近づけさせてはくれない。
そして僕は弾幕を見逃してしまい、腹部に弾幕を受けてしまう。
「うわぁっ!」
僕は弾幕の威力を受け、吹き飛ばされてしまう、そして木の幹にぶつかって、何とか静止する。
僕が腹部を確認すると、服は破れ、傷がついていない腹部から赤い鮮血が現れていた、僕は急いで右手で腹部に触れ、『元に戻』す、あっ、序でに服も戻さないとな、そう思い、服にも触れて、能力を発動し、服を『破れる前迄『元に戻』』し、アリスを見つめる。
中々やるな、僕はそう思いながら、ゆっくりと立ち上がり、アリスの手を見る、すると可憐で細く、美しい指先が微かに動く、動いた、という事は『次の行動を人形達に命令した』、という事、僕は周りを確認し、何処から人形が現れるかを確認する──だが、人形達は僕の思い掛けない行動を行っていた。
それは『背後からの奇襲』である、人形達は僕の背中に張り付いて、爆発した──
「ぐあぁ!?」
背中が焼け爛れる感覚を覚える、熱い、痛い、背中が、もの凄く痛い……そう思いながら右手を背後に回そうとした、すると残っていた人形達が僕の頭を掴み、地面に押しつける。
「うっ……ぐっ……」
頭が地面に着いていなかったから簡単に背中に触れる事が出来たが、地面に顔をつけて背中を触れる事の難しさを知った僕は、必死に右手を背中に当てようとする、当てようとした瞬間、右手の前腕部分に不思議な痛みが走る、僕が横目で確認すると、アリスが僕の右腕を踏んづけていたのだ、そしてアリスが一言。
「終わった、わね……」
「た、確かに、これはアリスの圧勝だな、よって華扇は負け」
アリスの言葉を聞いて、淡々と発言する魔理沙、くっそぉ、僕は負けたのか……僕はそう思いながら、全身の力を抜いて降参した──
「はぁ……やっと離してくれたぁ」
僕はそう言って、アリスの足を睨む、アリスは『終わって離したんだから許してよ?』と発言する、まぁ、確かにもう終わったのだ、睨む理由もないか、と考え、自分は右手を背中に当て、ダメージ、傷を『受ける前迄『元に戻』』す、そして破れた服にも能力を発動し、『元に戻』す、するとアリスが不思議な眼差しで僕を見つめながら顎に手を当てて言う。
「ねぇ? 貴女は博麗の巫女の様に胸にサラシをしないのかしら?」
「ぶっ!」
「うっ!!」
アリスの発言で魔理沙は笑い、僕は顔を赤らめる。
「アッハッハッ! アリス、それはいらねぇよ、だって華扇はサラシを巻く胸すらないんだから!」
「た、確かに僕は胸が成長していないから要らないよ!」
うぅっ、女性同士でこんな会話をするのか……? 僕はそう思いながら『女性』という存在に対し、少し不思議な感覚を覚えた──
「それじゃあ、アリス、華扇と戦って、何か意見は?」
魔理沙の急な発言に、あっ、僕も忘れていた、と思いながらアリスの発言を待つ。
「そうねぇ……全く以て、『弱かった』わね、でも、楽しい戦いだったわ」
「僕も、結構貴重な体験が出来て嬉しいよ、まさか人形と戦うなんてね……」
「まぁ、私位な者ね、人形を使うのは」
アリスがそう言うと、魔理沙が笑いながら言う。
「でも、人形を大量に一人で使うのはやっぱり考えられん、何人か仲間が居るんじゃないか?」
「いえ、全部一人で操っているわ」
魔理沙の発言をきっぱりと斬るアリス、でも、あんなに大量の人形を操るのはやっぱり凄いと思う、僕はそう思いながらアリスと魔理沙の会話を見つめる──
「それじゃあ、戦闘データも手に入れれた事だし、今日の所は帰るわね……後、魔理沙、ちゃんと本は返してね? 読んでいない本だってあるんだし」
「大丈夫大丈夫、死ぬ迄借りるだけだ、死んだら返してやるよ」
アリスがそう言うと、魔理沙は口角を上げて、笑いながら言う、するとすぐさまアリスが言う。
「返される間に読むたくなったらどうするの! それじゃあ! ちゃんと死ぬ前に返してね!」
「へいへい……」
アリスは人形を操りながら魔法の森の中へと消える、僕は隣の魔理沙を見る、魔理沙は両手を頭の後ろで組んで笑っていた、ちゃんと借りた本は返しておきなよ……? 僕はそう思いながら上空を見上げる。
もっと……もっと、強くならないとなぁ、僕は明るくてまだ見えない星々にそう願って綺麗な青空を見つめる──果たして僕は強くなる事が出来るのだろうか……? 僕にはまだまだ伸びしろがあるのか? それは僕には分からない、そして僕は『霧雨魔法店』の店内に入って、『魔法』を習得する為に読めない文字を解読していく──果たして、何時解読出来るかは僕には分からなかった──
- Re: 東方崩壊譚 ( No.55 )
- 日時: 2017/08/20 22:10
- 名前: 彩都 (ID: XGjQjN8n)
「おぅい、華扇ー? もう晩ご飯の時間だー」
「はぁい!」
僕は部屋に籠もって『魔法』の文字を解読していた、すると夜になっていて、僕は驚愕した、結構な時間僕は解読に費やしていたのか、と思いながら食卓に着く。
「ほう、美味そうだ」
僕はそう言って、魔理沙の手料理を食べる、うん、美味しいなぁ、僕はそう思いながら、満腹になる迄晩御飯を食べる──そして満腹になって、僕はまた部屋に籠もって、『魔法』の文字の解読を進める、中々難しい解読だが、一文字一文字に新たな発見と驚き、楽しみがある、僕は解読に夢中になっていた。
そして時間が過ぎ、部屋に魔理沙が入る。
「もう寝る時間だ、今日の所はそれでいいだろう」
「えぇ……後数ページだけだし、もう少し夜更かしを……」
「バカ! 魔法使いも人間も体力と睡眠が基本だ! 両方どちらかが欠けたら、健全な魔法だって使えない!」
「は、はい……」
僕は頭を垂れて魔理沙の説教を受ける──魔理沙の少しばかりの説教を受け、僕が憔悴しきっていると、魔理沙が布団を敷いてくれる。
「全く……ほら、さっさと寝ろ!」
「はいはい……分かりましたぁ」
「はいは一回!」
「はい……」
魔理沙に寝る最後の時迄叱られて、僕は欠伸をして、寝る事にする。
魔理沙もはぁ、と深い溜息を吐いて、部屋の電気を消し、部屋を出る、でも今日の出来事は凄かったなぁ、と思う、人形と戦って、人形遣いに負けて、『魔法』の解読が進んで……今日みたいに充実した毎日が送れたらいいなぁ、僕はそう思いながら目を閉じ、寝息を立てながら、眠り始める──
「朝よぉ?」
聞き慣れた声を聞いて僕は片目を開ける、すると目の前にいたのは、寝転がって、僕の布団の中に人形を入れて人形の手で僕の顔を叩くアリスだった。
「…………えっ?」
「えっ? じゃないわ、もう朝よ? だから私が起こしに来たの、あっ、『起こしに』と『お越しに』ってのを掛けたんだけど?」
「いや、そんな話をしているんじゃないんですよ、お姉さん? 何で 僕の寝室に侵入してきたんだって話なんですよ」
「あら? ちょっとしたドッキリよ?」
「ちょっとしたっていうレベルを優に超えていますけどね?」
僕はそう言って、布団から起き上がって、その場で欠伸をし、背筋を伸ばして、眠気を吹き飛ばす。
そして少々乱れた髪を指で梳いて、目を擦って、完全に眠気を吹き飛ばして、正座になり、起き上がるアリスを見つめる。
「驚く様な起こし方をしないで下さいよ……驚きましたよ、少々」
「あら? 少々なの? じゃあ今度から人形を爆発させて起こしましょうか?」
「生命に関わる大事件を起こしてんじゃねぇ!」
「大丈夫よ、火薬は少量にするから」
「火薬が入っている時点で少量でも危ないわ!」
「でも火薬が入っていないと爆発出来ないわよ?」
「いや、爆発させるなよ!」
「えっ? でもそうでもしないと驚かないわよ?」
「驚かせないで下さい!」
怒鳴る僕を見て、アリスは不思議そうな顔をして、ハッ! とした顔になって、優しい笑顔になって僕に言う。
「あら? 華扇、貴女、もしかして、今日女の子の日だった? ゴメンね、それはカリカリイライラするわよねぇ……」
「…………!」
違う、そうじゃない、完全にそうではないぞアリス嬢よ……って、女の子の日って何なんだ? いや、今は其処に気を取られている場合ではないぞ華扇、僕はイライラする頭の中で冷静に考えてアリスに言う。
「いや、女の子の日とか、そういうのではなくて!」
「あら? やっぱりそうよね、だってこんなに幼いんだもの、まだ女の子の日じゃないわよね、私は何を勘違いしているのかしら……」
だからそうじゃねぇ! ムラムラと沸き上がる怒りを抑えつけながら、ゆっくりと説明する。
「いや、そう言うのではないのですが……」
「あら? それじゃあ何なの?」
「その前に爆発させて起こす、という事はしないで下さい! 命に関わる可能性もあります! いや、それ以前の問題だ! 火薬を入れて爆発させないで下さい!」
僕の声を聞いて、アリスは不思議そうな顔をして僕に言う。
「爆発は……火薬が入っていないと、起きないわよ?」
「いや、その前に『爆発させない』という事は考えないのですか!?」
僕の言葉を聞いて、アリスは驚愕した表情になる。
「そ、それは考えていなかったわ……!」
「もうダメだぁ……この人……残念美人って言うの? そういう人種だよぉ!」
僕は布団の家で泣きそうになる顔を抑えて涙を堪える、するとアリスがいきなり立ち上がって僕に言う。
「分かった! それじゃあ火薬を使用せずに爆発させるわね!」
「お前は人の話を聞いていたのか!?」
も、もうダメだ……この人が前にいると僕がツッコミ係になるのか……僕はその場で頭を垂れて、深い深い溜息を吐く──もうこの人には何を伝えても無駄だ、そう思いながら僕は静かに布団を片づける……もうこの人と会話して、完全に目が覚めた……さぁ、この後は本の解読か……僕は頭を掻いて、布団を片づけた後、ご飯を摂る為に食卓へと移動する──果たして魔理沙はアリスが来ている事を知っているのだろうか? 僕はそう思いながら食卓への道中を歩く──
- Re: 東方崩壊譚 ( No.56 )
- 日時: 2017/08/20 22:11
- 名前: 彩都 (ID: XGjQjN8n)
深紅に染まる指先、そして指先から爪へと滴り落ちる紅き雫──その紅き雫を舌舐めずりの様に舐め取って、静かに睨む。
目の前にいるのはメイドの格好をした羽が生えた存在──妖精だ──だった、その存在の格好は白いエプロンを纏っていたが、紅き雫を舐め取った存在の攻撃により、白いエプロンは深紅に、濃い紅へと染まっていった──
「ど、どうしたんですかお嬢様!?」
妖精の悲鳴を聞きつけた銀髪の少女──十六夜咲夜だ──は現在の惨状を見て、『お嬢様』と呼ばれた紅き雫を舐め取った存在に言う。
そして十六夜咲夜の姿を見て、紅き雫を舐め取った存在はゆっくりと言葉を発した。
「……今から」
「今から?」
十六夜咲夜は紅き雫を舐め取った存在の言葉を繰り返す、そして紅き雫を舐め取った存在は高らかに宣言する。
「今から! この『幻想郷』に血の雨を降らそう! 数十年間も『何もしなかった』のではない! 数十年間も『力を蓄えていた』だけだ! 今! ここに宣言する! 我が紅魔館の主、『レミリア・スカーレット』は、『幻想郷』に血の雨を降らせ、『幻想郷』という空間を支配する! 『幻想郷』の住人は皆、我が『レミリア・スカーレット』という名を聞いただけで、身を縮こまらせ、畏怖! 恐怖させる事を此処に誓う! そして私に従う者! 急いで武器を取れ! 今から『幻想郷』を攻撃するのだ! 躊躇も躊躇いもない! さぁ! 急ぐのだ! 『レミリア・スカーレット』に従う者よ! 楽しみだ! 『幻想郷』を支配する時よ! 笑いが止まらん!」
「……は、はい……? お、お嬢様? 急にどうしたんですか?」
紅き雫を舐め取った存在──レミリア・スカーレットだ──はそう言って高笑いをしながら前に進む、そんな中十六夜咲夜だけが一言たりともレミリア・スカーレットの言葉の内容を理解出来なかった。
支配? 攻撃? 血の雨を降らせる? 一体何を言っているんだ……? 十六夜咲夜は不思議に思いながらその場で立ち尽くす事しか出来なかった、そしてレミリアは紅魔館のテラスに出、上空を見上げる、空は曇り模様で、太陽は雲に隠れていた──まるで雨が降りそうな天気だった──
「よぉ、華扇? アリスの起床方法に驚いたか?」
「えっ……?」
僕は食卓に座って茶を啜る魔理沙を見て、驚愕する。
「ま、まさか、アリスが来ていた事はもう知っていたって事? もしかして僕の起床が遅いからアリスに起こしに来てもらったの?」
「どうだかな? 私はただ朝っぱらからアリスが来たから家に入れただけだが?」
「入れた所為で僕がどんな酷い目に遭ったか……知らないだろう?」
「知る気もない」
「え、えぇ……」
魔理沙に今朝の事を話す、だが魔理沙には興味がない様で適当にあしらわれる。
すると僕の寝室兼解読室からアリスが現れる。
「あら、もう魔理沙と出会ったの華扇? 早いわねぇ」
「早いぃ? そんな事より、今は普通に起こしてもらう方法を話していたのだけれど?」
僕がアリスにそう言うと、魔理沙は口の端を歪ませてアリスに言う。
「華扇が言うには『もっと激しくして起こしてほしい』んだそうだ、だから華扇の腰の近くに座って、揺らして起こしてみたらどうだ?」
「おっ!? お前!?」
流石にそれはダメではないか? だ、だって僕の性別がバレるぞ!? 僕は冷や汗を流しながら魔理沙を睨むと、魔理沙は悪い顔をして笑っていた、コイツ……と、僕が思っていると、アリスが笑顔で言う。
「魔理沙、貴女たまには良い事言うじゃない! じゃあ明日からそうしましょう!」
「いや! いやいやいやいや! ちょっと待ってよ! もしもトイレが近かったらどうするの!? アリスが僕の腰に座った瞬間に僕がお漏らししてもいいの!?」
僕が何とか回避しようとすると、アリスが言う。
「大丈夫よ? 優しく乗るから」
「乗るってどう言う事だ!? 座るって話だろ!? 何で乗るんだ!?」
僕が怒鳴り声を上げてそう言うと、魔理沙はお茶を飲み干して僕に言う。
「まぁまぁ、落ち着けよ、アリスだって冗談で言っているんだよ」
魔理沙がそう言って横目でアリスを見る、だがアリスは衝撃的な事を言う。
「えっ? 全部『本気』だけど……?」
「…………」
「…………」
アリスの発言を聞いて、魔理沙が僕の首根っこを掴んで、風呂場へと運ぶ。
「おいおいおいおい!? どう言う事だ!? こんなアリス、私の知っているアリスじゃないぞ!?」
「僕だってアリスとあまり関わっていないから『そうだ』とは断定出来ないけど……魔理沙も遊んでないで助けてくれよ! だから言ったろ!? 『僕がどんな酷い目に遭ったか』って!」
「私もあそこ迄とは思わなかったんだよ! どうせ冗談混じりに言っているんだろ感覚だった!」
魔理沙が声を荒げると、空を切る音が外で聞こえた、そしてその瞬間、『ドンッ!』という巨大な音が風呂の近くで起きた、僕と魔理沙は急いで風呂場を出て、家を出る、家を出て、音の方へと向かう、すると其処に居たのは、人形を出しているアリスと紅き槍を持っているレミリアだった。
「れ、レミリア……? どうして此処に? だって此処は魔法の森……妖怪とかが立ち寄らない場所……」
「い、今は立ち寄らないとかは関係ない、今は『何故、此処に来たか』ってのが重要だ……!」
魔理沙がそう言って、僕の前に手を出す、僕は手を出すなってか。
「吸血鬼・レミリア・スカーレットね……どうして此処に?」
人形を出しているアリスが言う、するとレミリアが僕達三人に向かって言う。
「そんなの簡単だ人間共……我が紅魔館の主、レミリア・スカーレットは『幻想郷』を支配する為に動いているのだ、少しでも邪魔なモノは壊しておくのが、支配の基本だろう?」
「…………」
僕はレミリアの発言を受け、驚愕する、レミリアってこんな事をするか? いや、今迄の事を考えたら、それは『有り得ない筈』だ! 僕はそう思いながら宙に浮くレミリアを見つめる──
- Re: 東方崩壊譚 ( No.57 )
- 日時: 2017/08/20 22:11
- 名前: 彩都 (ID: XGjQjN8n)
「……!」
僕はとりあえず、戦闘態勢になる、するとレミリアが僕を見つめ、言葉を発す。
「お前が……私の妹、フランドールを助けた者、だったな……」
「華扇だ」
「華扇、か……覚えておこう、だが、私の計画を邪魔するのなら……抹殺も考える」
「……たしかレミリアの計画って、『『幻想郷』の支配』だったよね?」
「あぁ……それがどうかしたか?」
僕はレミリアの発言を受け、強い眼差しでレミリアに言う。
「巫山戯んな! 『幻想郷の支配』だぁ!? そんなもん、僕が阻止する! 僕が無理なら霊夢! 魔理沙! アリス! 早苗! 諏訪子! 神奈子! 色々な幻想郷の住人がレミリア、お前の野望や計画をぶち壊す!」
「…………口が過ぎるぞ、ガキが」
僕が怒鳴った後、少しの間が経って、レミリアが威圧する、僕はあまりにも強い威圧で体が固まってしまう、これが吸血鬼・レミリア・スカーレットの威圧! 僕はレミリアの威圧を肌で感じて恐怖する……するとレミリアが言葉を続ける。
「華扇、と言ったな? 貴様は『僕が阻止する』と言ったな? という事は『私の計画の邪魔をするモノ』だな?」
「……そ、そりゃそうだけど?」
僕がそのまま答えると、レミリアは僕を睨みつけて発言する。
「だったら……抹殺だ」
レミリアはそう言って、一瞬で僕の目の前に移動し、殴りかかる、だが横から人形の攻撃をするアリス、な、何とか助かった、僕がそう思い、アリスが作った隙を突いて、レミリアから逃げる、すると片手で簡単にアリスの人形を壊したレミリアが僕に向かって紅き槍を投げる、だが、魔理沙が僕の背後に立ち、八卦路からビームだか光線だか分からない攻撃を放ち、槍を消し飛ばす。
「華扇を抹殺なんてさせない!」
「そうよ! 彼女には私ともっと戦ってほしいもの!!」
「何つー本音だアリス……」
僕がアリスの発言にツッコミを入れると、二回も攻撃を防がれたレミリアが言う。
「ふむ、二回も防がれては、吸血鬼として名が恥じるな──華扇と言ったな? 今日の所は見逃してやる、だが、今度会ったら……抹殺だ」
レミリアはそう言って、僕達の前から消える──そして曇っていた天気がゆっくりと日の光を照らし始める、な、何とか僕は生き延びたのか……僕はそう思いながらその場で尻餅をついて、一気に息を吐く、すると魔理沙、アリスも胸に手を置いて、一気に息を吐いていた、二人共緊張していたのかな? 僕はそう思いながら二人に声を掛ける。
「だ、大丈夫? アリス、魔理沙?」
「だ、大丈夫なんてモノじゃないわよ……流石吸血鬼、威圧が凄かったわ
……気を抜いていたら、完全に死んでいたわ……」
「た、確かに……前の『異変』の様に恐ろしかったぜ……」
「…………」
二人の言葉を聞いて、僕は眉を顰(ひそ)めて、無言になる、ぼ、僕の所為だ、僕の所為で二人がこんな目に……!
「おい、そうやって『自分が悪い』とか思うな?」
不意に聞こえる魔理沙の声、次にアリスが言う。
「そ、そうよ……貴女は何も悪くはないわ……だって、悪いのは『異変』を起こす存在そのモノなんだから……逆に貴女は勇気があるわ」
「ゆ、勇気?」
「あぁ、そうだ……『私達は何も言えなかった、だけど華扇、おまえ一人だけがあの威圧された空間の中で口を出したたった一人の張本人』なんだ……『勇気がないとあんな行動は出来ない』よ……」
「え、えぇ、魔理沙の言う通りよ……あの威圧された空間の中でレミリア・スカーレットに力強く言ったのは貴女、華扇のみなのよ……!」
僕は二人の言葉を聞いて、首を横に振る。
「そ、それは違う! レミリアが前に来た時、助けてくれたのはアリス、君じゃないか! そして僕はアリスの人形が前に来て、隙が出来たからあの威圧された空間から逃げた……! 完全に僕は卑怯だ! レミリアに姑息な手で逃げた卑怯な存在だ!」
「それは違う!」
僕の声をかき消して、魔理沙が怒鳴る、次にアリスが僕を見つめて言う。
「そうよ! 私は華扇、貴女が襲われそうだから救っただけ! 卑怯だなんて思っていないわ!」
「アリスの言う通りだな……華扇、三人の中で一番弱いのは、華扇、お前だ……そしてお前の能力は『元に戻す』能力、レミリアも何かがあって、フランドールみたいになっているだけだと思う……だから、レミリアを救えるのは『華扇、お前ただ一人』なんだよ」
「僕……一人……? な、何を言っているんだよ、魔理沙やアリス、霊夢、早苗、神奈子、諏訪子だって居るじゃないか! 最悪紫、藍達が……!」
僕が泣きそうな顔を必死に堪えながら二人に言う、すると魔理沙が力強く言う。
「『フランドールの時はどうだった』んだ? お前がフランドールに触れて、元に戻ったじゃないか」
「!!」
魔理沙の力強い言葉を聞いて、『確かに』、と思ってしまう……確かにあの時、僕が右手で触れなかったら……もっと被害は拡大していた筈だ、だけれど、『僕がフランドールに触れて元に戻した』からこそ、被害が収まった筈だ、だから……今のレミリアを救えるのは『僕のみ』となる! フランドールの時と同じか分からないけれど、僕の右手で救える存在が居るのなら、『全部、全員救いたい』! 僕はそう思いながら、ゆっくりと立ち上がって、アリスと魔理沙に言う。
「有難う……二人共、僕が、僕が頑張ってレミリアを救う! この右手に賭けて!」
僕はそう言って高らかに右腕を上に上げる、そして僕は右手に誓う、『レミリアを救ってみせる』と……!
- Re: 東方崩壊譚 ( No.58 )
- 日時: 2017/09/17 22:06
- 名前: 彩都 (ID: kEC/cLVA)
東方崩壊譚(とうほうほうかいたん) 第三章 第三話 茸と魔法と人形遣い
CHAPTER 3 運命を操る程度の能力 レミリア・スカーレット
僕と魔理沙、アリスは、今朝のレミリアの襲撃の疲れを癒すべく、『霧雨魔法店』で休憩を取っていた。
僕は体力を『元に戻』して、すぐさま紅魔館に迎えるが、魔理沙、アリスの事を思い、休憩を取る事にした。
「さて、どうする? バカみたいに突っ込んではダメだからな、アリス、何か案は?」
魔理沙はそう言ってアリスに案を聞く、するとアリスは両手を顎に当てて魔理沙に向かって言う。
「そうね……これはどうかしら? 『人形を使用して紅魔館を爆破させる』とか? 太陽に晒して自然消滅、とか?」
「待て待て待て待て! 怖い! 怖いですアリスさん!?」
「やっぱり?」
「でしょうね!」
アリスの発言に自分はツッコミを入れる、そして魔理沙に聞く。
「んで、発言者の魔理沙は何か案が?」
「そうだな、『マスタースパーク』で紅魔館を攻撃して、太陽に晒す──」
「お前もか! お前もか!」
自分はそう言って、その場で溜息を吐く。
「お前等どういう思考回路してんだ!? 紅魔館は壊さない方向で!」
「えぇっ!? それは難しい!」
「えぇ……!」
「爆破と破壊に力を注ぐな!」
自分はそう言って魔理沙とアリスに怒鳴る。
全くどういう考えをしているのか……自分はそう思いながら自分の考えを述べる。
「そうだなぁ、僕の考えとしては、やはり正攻法で突破、更に一気にレミリアの部屋に突っ走って、すぐさま触れて能力発動、って感じかな? スピードに関しては魔理沙の箒に乗ればいいし」
「成程、私を足にするってか」
「うん」
「それじゃあ弾幕勝負出来ない!」
「すんな!」
自分はそう言って、魔理沙に怒鳴る、あーもう! 何でコイツ等こんなに攻撃的なの!? 自分はそう思いながら右手を見る。
「うーん……もっと確実な方法がある、と考えれば良いが……実際問題、ないんだよなぁ、はてさて、どうすれば……」
自分はそう呟いて顎に手を当てる、一体どうすれば……そう思っていると、アリスが自分に言う。
「それじゃあ侵入とか?」
「それだ! 侵入さえすれば、後はこっちのモノ!」
「でも侵入する方法は? 紅魔館に侵入するとかあの門番を倒さないと……」
「あぁ、そうか」
アリスはそう言って顎に手を当てる──正解、それでいいんだ、侵入すればいい! 自分はそう考えて、魔理沙に言う。
「いや、侵入で良い、急いで向かわないと! 魔理沙、急いでくれ!」
「はぁ? 他に考えがあるのか?」
「ない、だけれど、侵入は違う意味で正攻法だ、何故なら『門以外で侵入すればいい』からね」
自分の発言を受けて、魔理沙が不思議がる。
「はぁ? 何を言っているんだ? ってあぁ、そうか、言いたい意味が分かった」
「分かった? 何の話?」
僕と魔理沙の話に割って入るアリス、魔理沙はアリスに説明する。
「つまりはさ、『門以外守っていない』って事なんだよ、門番って仕事は……」
「なぁるほど、裏口で侵入すると?」
「そう言う事」
自分はアリスにそう言って、頷く、そして自分は魔理沙の箒に乗って、紅魔館に向かう──
そして自分とアリス、魔理沙は紅魔館へと来ていた。
次に魔理沙に箒で飛んでもらい、裏口を探す、逆に箒で一人一人運ぶののは危険だ、見つかってしまう場合がある。
なら一気に裏口から入って侵入した方が早い。
少し落ち着く為に深呼吸をしていると、魔理沙が戻ってきて、自分達に言う。
「裏口は見つけた、だけれど……」
「だけれど?」
「裏口は『水の中』なんだよ、『霧の湖』だ」
「……水の中だと濡れるよね?」
自分がそう言うと、魔理沙が言う。
「何の為の『元に戻す』能力なのか?」
「三人の為に乱発するのはよしてよ?」
「そうよ、華扇ちゃんの言う通りだわ」
自分の言葉に対し、アリスが参戦する、すると魔理沙は小声でアリスに言葉を投げかける。
「もしも湖の中に入ったら、華扇が濡れる場面を確認出来るが?」
「……分かったわ、湖を潜って侵入しましょう」
「えっ!? いきなりアリスどうしたの!?」
「背に腹は代えられないわ、お願い華扇ちゃん、私達の為に能力を使用して?」
「……流石にそこ迄言われたら使用するしかないか……分かったよ、能力で戻せばいいんだろ? それじゃあ湖の中に入って移動しようか、魔理沙、案内は宜しくね」
「あぁ、分かったぜ」
魔理沙はそう言って、箒を腰につけて、湖の中へとダイブする、アリスも躊躇わずに湖にダイブ、自分も少し躊躇ってから湖の中にダイブ、そして薄らと見える魔理沙の姿を追って、紅魔館の内部へと侵入する。
そして魔理沙が水面に顔を近づけたので、もうすぐか、と思い、水面に顔を近づける、すると其処は紅魔館の内部だった、そして周りを確認する。
周りは木々と土しかなく、どうやら紅魔館の中に出来た湖──いや、池か? よく分からないが──のようだ。
自分達は侵入してきた所から出、水に濡れる魔理沙、アリスを見る。
こうして二人を見ると、肉付きの差が分かる、魔理沙は全体的に細い、だがアリスは……何も言わないでおこう、自分はそう思い、自分、魔理沙、アリスの順番で能力を使用していく。
さぁ、後は潜入してレミリアに触れるだけ、自分はそう思いながら紅魔館の館を見つめる──
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