二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- 東方崩壊譚
- 日時: 2018/06/27 23:03
- 名前: 彩都 (ID: J1W6A8bP)
少年は博霊神社で目覚め、何を思い、幻想卿を崩壊させるか──
始めましての方は始めまして、何度も彩都の作品を読んでいる方は有難う御座います。
彩都(サイト)と申します。
もう九作目ですよ、九作目! まぁ、一ヶ月一回更新が多いですねぇ……
まぁ、今回は『東方PROJECT』という原作者『ZUN』さんの三次創作となっております。
何故二次創作じゃないかって? それは秘密です☆
そんな話は置いといて、今回の物語は『幻想入りした少年が幻想卿諸共破壊する迄のお話』で御座います。
基本的に口調や喋り方は原作通りですが、間違っている部分があれば普通にコメントで説明してくれれば幸いです。
自分も原作(体験版のみですが)は少しだけ経験していますが、それでも新発見は多いです。
とまぁ、ここら辺でお話は止めまして、それでは、本編どうぞ!
目次
『東方崩壊譚』第一章 第一話
本編
>>1-15
後書
>>16
『東方崩壊譚』第二章 第二話
本編
>>16-46
後書
>>47
『東方崩壊譚』第三章 第三話
本編
>>48-62
後書
>>63
『東方崩壊譚』第四章 第四話
本編
>>64-78
後書
>>79
『東方崩壊譚』第五章 第五話
本編
>>80-94
後書
>>95
『東方崩壊譚』第六章 第六話
本編
>>96-110
後書
>>111
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- Re: 東方崩壊譚 ( No.74 )
- 日時: 2017/12/17 22:05
- 名前: 彩都 (ID: A4fkHVpn)
東方崩壊譚(とうほうほうかいたん) 第四章 第四話 デンジャラス・アリス・ワールド
CHAPTER 3 救世主X
「…………」
僕がフランスパンを食べて、数分、数十分が経った、自分はごろごろしながら時間を潰していた。
すると、自分の窓をノックする存在が現れた。
誰だろう? と思い、自分は『入って良いですよ』と叫ぶ。
そして、窓を上に上げて、魔理沙が侵入してきた。
「あれっ? 華扇、お前は何をしているんだ? 緊縛ごっこ?」
魔理沙が登場した事により、自分は心の奥底で安堵した、魔理沙よ、来てくれて助かった、さぁ、手錠、足枷を壊してもらおう、自分はそう思い、魔理沙に話しかける。
「ね、ねぇ、魔理沙? この手錠と足枷を外してくれない? 実はアリスにやられちゃって……」
「お前は何をされたんだ何を……? まぁ、いいけれど……」
魔理沙はそう言って、八卦炉を取り出し、手錠にビームを放とうとする、自分は急いで手錠を上に上げて、そのビームを回避する。
「ちょっと待てぇぇぇ!! 待って! 色々と待って! 死ぬ! 僕の腕が死ぬ! 少しは加減を考えろ!」
「おいおい? それが人に頼む態度か? 助けようとしているのに、そんな言い方はないだろう?」
そんな事を言う魔理沙に対し、自分は静かに魔理沙を睨む。
「……そう言う意味じゃないよ、人を助けるには、もう少し他の方法があるでしょって事……そんな光線めいたモノで助けては欲しくないな、そうだなぁ……刃物でこの手錠を切ってよ?」
「何という我侭な……わぁったよ、それでいいんだな?」
「あぁ、そうだね」
自分はそう言って強く頷く、すると魔理沙は八卦炉を少しいじって、光る刃のようなモノを出す、そしてその刃は素早く前後へと動く、一体これは何なんだろう? 自分はそう思いながら、右腕の手錠を八卦炉から出た刃で切っていく。
そして右手の手錠を切った、こ、これで自分の右手は自由だ! 自分はそう思いながら、右手を下に下げ、手錠を手首付近に落とし、右手で手錠を触れ、能力を使用し、『手錠を手につけられる』前迄『元に戻』した、これで右手は脱出可能となった。
「ほっ、これで右手の能力は何時でも使用可能だ……本当に助かったぜ魔理沙」
自分が魔理沙に感謝すると、魔理沙は首を傾げながら自分に聞く。
「んで? 昨日一昨日は何もなかったのに、何でお前は両手両足に手錠足枷をされているんだ? 説明をくれ?」
「あ、あぁ、分かったよ……でも、その前に自由が欲しいや」
自分はそう言って、右手で左手の手錠に触れ、能力を使用、右腕と同じく、『手錠を手につけられる』前迄『元に戻』し、左手を自由にする、そして最後に起きあがって、両足の足枷にも、右手で触れて、『足枷を足につけられる』前迄『元に戻』す──ふぅ、これで脱出完了……これでやっと寝返りが打てるなぁ、自分はそう思いながら、ベッドの上で胡座を掻いて、体を伸ばす。
「…………」
「あぁ、ごめん……つい、体を動かせる喜びに浸っていた……」
「全くだ、一体何が起きたんだ……?」
不思議そうに言う魔理沙に対し、自分は静かに説明する。
「え、えーと、フランドール、レミリアみたいに、『誰かにアリスは操られていた』、という事だね、そして自分が暴れるから、手錠、足枷を……」
自分が結構アバウトな解釈で説明すると、魔理沙は顎に手を当てて考える。
「成程、あのアリスが、か……なぁ、華扇、この『異変』──でいいのか、分からないが──『何』かが、可笑しくないか?」
「可笑しい? それはどういう事?」
「だって? そうとしか『考えられない』んだぜ?」
「『考えられない』……?」
魔理沙の発言に自分は首を静かに傾げる、すると魔理沙は静かに説明する。
「だってさ? 吸血鬼であるレミリア、フランドールには、何か『因縁』があって、そう言う行動をとる、というのなら分かる……だが、それ以外にアリスが入っているっていうのが可笑しいんだ、そう言えば、レミリア、フランドール、アリス以外に操られたのって居る?」
「えーと、レミリア、フランドール、アリス、ルーミアの四人だな……」
「そうか、それじゃあ、この、『肉体操作異変』、『無差別に起きている』可能性が高い……!」
魔理沙の発言に、自分は『本当にそうなのだろうか?』と、小さな疑問を持つ、何かしらの行動があって、相手の肉体を操作するっていうのなら、分かるんだけど、流石に『無差別に起きている』可能性は低いと思う……自分はそう思いながら魔理沙に返答する。
「流石にそれはどうだろう? 僕の考えだと、それは『有り得ない』と思うんだよなぁ……」
「ほう? そうかぁ? まぁ、まだ断定は出来ないし、どちらの意見でも、正解はないけれどな……」
魔理沙はそう言って、腕を組む、本当にこの『肉体操作異変』の犯人は誰なんだろう? もしかして本当に鈴泉・優曇華院・イナバって奴なのか……? でも、『それは違う』と本能が告げている──でも、『何故、違うのか?』と問われたら、返答する方法がないのは確かだった。
一体『肉体操作異変』の真犯人は誰なのだろうか? 自分はそう思いながら腕を組んだ──
- Re: 東方崩壊譚 ( No.75 )
- 日時: 2017/12/17 22:07
- 名前: 彩都 (ID: A4fkHVpn)
真犯人は誰なのだろうか? そんな事を考えていると、魔理沙が言う。
「もしかして……」
「? どうしたの?」
魔理沙の発言を聞いて、自分は首を傾げる、すると魔理沙が自分を指して言う。
「もしかして華扇、お前みたいな『外来人が起こしている』んじゃないか……? それなら無差別の理由も分かる!」
「え、えぇ……? 流石にそれは無理があるよ? ってか、外来人は好きで幻想郷に来ている訳じゃないでしょ……?」
「ん? あぁ、それもあるなぁ……じゃあ、一体……?」
魔理沙はそう言って、顎に手を当てて考え始める──全く、自分が犯人だと思ったじゃないか……自分はそう思いながら胸に手を当てて、安堵する。
だが、魔理沙の考えも悪くはないと思う、実際紫が呼んでいる、という可能性もなくはない。
というか、一番怪しいのは八雲紫なんだよなぁ……自分はそう思いながら、その場で溜息を吐く。
さて、今此処で犯人探しをしていても意味がない、まずは脱出でもしようかな? 自分はそう考えて、ベッドを部屋の前に移動させる。
「んしょ、んしょ」
「ん? 華扇、お前は何をやっているんだ? 新しい遊びかぁ?」
「ち、違うよ……扉は内開き、外開きがあるからね、簡単に扉を開けられないようにしないとね?」
自分がそう言うと、魔理沙は不思議な表情をする。
「う、うん……? 華扇、言っている意味が分からない、もう少し説明が欲しい」
「えっ? あぁ、簡単に言えばこのドアは『内開き』なんだよ、内開きってのは基本的に外国でしか行わないんだ、日本は靴を脱ぐ文化があるから、内開きのドアにすると靴が邪魔になってしまうからね? だから『外開き』なんだ、因みに内開きの場合、こうやって『ベッドみたいに重い物を置いてしまえば、簡単には開かない』んだ、だから此処にベッドを置いて、簡単には開けないようにするんだ、もしも開いてしまったら、脱出が失敗になってしまうからね」
「な、成程……ってか、そこ迄扉について考えた事がなかったな……」
自分の説明を聞いて、魔理沙は納得する、そして自分は魔理沙に言う。
「そう? 今度から気を付けた方がいいよ、もしも犯罪者が襲ってきたら、自分の身は自分で守らないとね?」
「いや、魔法の森に入る犯罪者はいねぇと思うがな……」
「た、確かにね……」
自分は魔理沙のツッコミを受けて、『確かにそうだな』と頷いてしまう。
そして自分はベッドを扉の前にゆっくりと移動させて、移動を完了させる。
「よし、これで、脱出する事が出来るぞ? もしも僕が脱出した事をアリスが知ったら、驚くだろうなぁ……」
自分がそう呟くと、魔理沙が言う。
「うっせぇ、つべこべ言わずにさっさと脱出するならさっさと脱出しよう、私だって忙しいんだ」
「あーはいはい……」
魔理沙の言葉を聞いて、仕方なく、脱出する事を考える、先に魔理沙が部屋から窓に移動し、窓から外に出て、何とか脱出する、そして箒に乗って、宙に浮きながら自分に言う。
「私の準備は出来た、後はお前が私の箒の先を掴んで、脱出、という形だ、そっちの方がいいだろ? 空中で脱出なんてさぁ?」
「確かに、少しだけ憧れるね」
自分はそう言って、魔理沙の箒の柄の先を掴んで、アリスの部屋から脱出する、ふむ、何とか脱出出来た……さよならアリスの部屋、自分はそう思いながら、空中でアリスの家を見つめる──
そして自分と魔理沙は『霧雨魔法店』に向かい、『霧雨魔法店』に入って、お互いを見つめながら無言状態を貫いていた。
一体何を切り出そうか? 自分がそう考えていると、ゆっくりと魔理沙が口を開いた。
「…………可笑しい、華扇、『何か可笑しい』と思わないか?」
「『可笑しい』? 可笑しいとは何がだ? 今迄の無言空間が、か?」
「違う、はっきりと言って、『何故脱出出来たんだ?』という意味で、だ……だって、『ベッドを動かす』なんて言う『音が鳴る』行為に対し、『家の持ち主であるアリスが気付かない筈がない』だろう?」
「……あっ、確かにそう言われてみれば……」
自分は魔理沙にそう言われ、『確かに』と納得する、確かに『ベッドを動かす』という『音が鳴る』行為をしたってのに、部屋の持ち主で、なおかつ主である『アリスが気付かない筈がない』……これはどういう事なのだろうか? 自分がそう思っていると、魔理沙が静かに口を開く。
「私は静かに考えた、そして一つの結論が思いついた、それは……『アリスは外出中』という事だ、そうでないと『物音を立てたのに反応がない』という説明が出来ない!」
「……」
確かに魔理沙の説明は十分に正解に近い筈、でも、逆に考えて、『深い眠りについている』という可能性もある、自分は魔理沙に反論してみる。
「ま、待って!? 魔理沙、逆に『深い眠りについている』っていう可能性はあるかもしれないよ!?」
「ある訳ないだろ? だって、それでも耳が良い人は起きると思うし? 更にベッドを動かすなんて、結構大きい音だったんだぞ? だからその理論は有り得ないと思う」
うぅっ……まさかの正論で返された……自分はそう思いながら魔理沙に言う。
「じゃ、じゃあ僕達は『アリスがいない時間に抜け出した』って事……?」
「……今の所はそうなるな……」
魔理沙はそう言って腕を組む──ふむ、そうだったのか、じゃあベッドを動かす意味はなかったかもしれない──僕はそう思いながら、『これからどうする』か? を考える──
- Re: 東方崩壊譚 ( No.76 )
- 日時: 2017/12/17 22:08
- 名前: 彩都 (ID: A4fkHVpn)
「そ、それにしてもこれからどうするの? アリスを待って、その後奇襲作戦でもするの? もしくは他の所で戦うの?」
自分の発言を受けて、魔理沙は顎に手を当てながら返答する。
「まぁ、待てよ? そう急かさんなって……まず、『アリスが外出中』という事なら、『色々と事前準備が出来る』じゃないか?」
そう言う魔理沙はあくどい顔をしていた、うっわ、極悪人がしそうな顔だな、自分はそう思いながら魔理沙に言う。
「で、でも『色々と事前準備が出来る』と言っても、一体『何をする』っていうのさ?」
「ん? 『何をする』って? フフ、そんなの簡単じゃないか? これだよ、これ」
魔理沙はそう言って、帽子の中から何個かの丸いお菓子を取り出した、そして自分に言う。
「なぁ、華扇……少し外に出て、空気を吸おう──あぁ、お前はマスクが必要だったな」
「えっ? 外に? まぁ、良いけれど……」
自分は静かに頷いて、口にマスクを装着し、魔理沙の家を出る、次に魔理沙の背について行く。
そして到着したのは、家の裏だった、すると魔理沙が言う。
「よし、華扇の場所は風下だな、セーフセーフ……」
「い、一体何を行うって言うのさ……?」
自分が不思議そうに言うと、魔理沙がにやにや笑いながら言う。
「んー? この丸薬を使う為だよ!」
魔理沙はそう言って、手に持った丸いお菓子を自分の足下に投げる──すると丸いお菓子は地面にぶつかった瞬間割れて、中からピンク色の煙を吐き出した。
自分は目を閉じ、後方に回避しようとしたが、風が自分の所に来て、煙が自分の目に当たる。
「い、一体何なんだよ魔理──」
自分がそう言った瞬間、目にとんでもない痛みと涙が溢れ出る、な、何だこれ……? 本当に何だこれ? 自分がそう思っていると、魔理沙が『やりぃ』と言う。
「な、何が『やりぃ』だ!? 目が、目が痛いよぉ!」
「アハハハ! あー、実験は成功したようだなぁ……済まんな華扇、さぁ、右手で両目を触れて、『元に戻』せよ? 話はそれからだ」
「えぇ……」
魔理沙の行動に自分は困惑しながら何とか右手で両目を覆い、触れながら、『元に戻』した、そして自分は両目を押さえながら魔理沙の許へと向かう。
「……はぁ、んで、一体それは何なんだよ魔理沙ぁ?」
「んー? これかぁ? これは『催涙弾』だ、地面に当て、割る事により、中から煙が出る、そしてその煙に当たると……後は分かるな?」
「僕みたいな症状になる、と?」
「うん、正解」
魔理沙の発言を受けて、自分は右手で『催涙弾』を奪い、魔理沙の胸元に当てる、すると『催涙弾』は割れ、中から出た煙が魔理沙の顔を包んだ。
「ぐぉっ!? こ、これが『催涙弾』……! 中々に刺激的だな……!」
「うるせぇ! それが僕の目の苦しみだぁ!!」
自分はそう言って、魔理沙を指指す、そして魔理沙は地面に寝転がり、『催涙弾』で苦しんだ後、ゆっくりと立ち上がり、涙を流しながら自分に言う。
「……とまぁ、こんな感じで『催涙弾』は使うんだ、覚えておけよ?」
「しかと覚えたよ……んで、これがどうしたのさ?」
「ん? だからお前が、アリスに、これを、投げる、そして、アリス、苦しむ、お前も苦しむ」
「何で僕も含まれているんだよ!?」
「ん? そんなの決まっているだろ? 風下の所為で」
「えぇっ……出来るだけ風上に立っておく事を考えておくよ……」
自分はそう言って頭を垂れる、続けて魔理沙が言う。
「まぁ、私も元のアリスに戻ってもらわないと困るからなぁ……ってか、何時性格が変わったんだ……? 私が接していた時、性格が変わったような感覚はなかったが……」
「もしかして、僕がアリスの家に来てからかもね?」
「あぁっ? 何でそうなるんだよ? それよりも前かもしれないってのに……」
魔理沙がそう言うと、『確かにそうかもしれない』と思う、でも、何か違う気がするんだよなぁ……自分がそう思っていると、魔理沙が言う。
「まぁ、性格が変わっちまったもんは仕方ねぇ、私達が頑張って、アリスを『元に戻』すだけだろうからなぁ……?」
魔理沙はそう言って、自分を横目で見る、な、何なんだ魔理沙のその目は……? 自分はそう思いながら細目で魔理沙を見返す──
そして自分と魔理沙は『霧雨魔法店』に戻り、作戦会議を行う。
「で、アリスにこの『催涙弾』を投げる、とでも?」
「正解っちゃ正解だな、でも、それだけじゃ難しいんだ、だってアリスは『爆発する人形』を持っている、投げている最中にアリスが『催涙弾』って事を察したら、人形を飛ばして、爆発させるだろ? だから催涙弾は『爆発する人形』が無くなった後の、だめ押しに使おうと思う、だからお前は人形の攻撃に対し、あまり『元に戻』すな? 『爆発する人形』も『元に戻』ったら困るからな……だから出来るだけ人形の攻撃は避けろ、いいな?」
「あ、あぁ、分かった……出来る限り、魔理沙が言った事をやってみるよ……」
魔理沙の説明を受けて、自分は静かに頷く、出来るだけ右手の能力は使わずに人形の攻撃を避けろ、か……自分が出来るか? と言われたら……少し難しいなぁ。
自分はそう思いながら魔理沙の話を聞き続ける──
- Re: 東方崩壊譚 ( No.77 )
- 日時: 2017/12/17 22:10
- 名前: 彩都 (ID: A4fkHVpn)
「んで、どうするの? 何時動き出す?」
自分が魔理沙にそう言うと、魔理沙は顎に手を当てて、静かになって考える、そして魔理沙は時計を見て、頷いて、自分に言う。
「ふむ、私達が脱出したのが三十分程前、と考えると、もうアリスは帰ってきているかもしれない、だから今から行こう……と言いたい所だが、私の準備がまだなんだ、出来ればもう少し『催涙弾』が欲しいし、『痺れ弾』も持てればいいのだが、今、『痺れ弾』の在庫がないし……困った困った」
「困ったのは魔理沙だけじゃないか! 流石に魔理沙に合わせて行動すると日が暮れそうなんだけど……?」
自分がそう言うと、魔理沙は帽子を掴んで、不機嫌になる。
「あーもう、分かったよ、今から行けばいいんだろ、今から!」
「さっすが? そうでなくちゃ」
自分はそう言って、サムズアップする、次に自分と魔理沙は箒に乗って、アリスの家に向かう──ちゃんとマスクもしないとね。
そして箒で飛んで、アリスの家へと向かう、ってか、アリスと魔理沙の家って案外近いんだな、と思いながら、アリスが家にいる事を願う。
そんな事を思っていると、何時の間にかアリスの家に到着する、次に魔理沙はアリスの家の前に着陸する。
「はい、到着……後は家の中にアリスが居るかどうかだな……」
「そうだね……」
自分はそう思い、唾を飲み込んだ、そして自分がアリスの家の前に立ち、ノックしようとすると、魔理沙が殴ってそれを止める。
「バカ! お前が脱出している事に気が付かれたら、元も子もないだろ!?」
「あっ、そっか……」
自分は魔理沙の説明を受け、『そう言えばそうだ』と思う、しまった、もしも魔理沙がいなかったら、自分はまたアリスに酷い事をされるかもしれない──それを理解し、魔理沙にノックを任せる。
「それじゃあ魔理沙、ノック宜しく」
「あぁ、分かった、お前はどっか分からない所に隠れてろ」
「うん、分かった」
自分は魔理沙の発言を受け、魔理沙から少し離れて、物陰に隠れる、そして魔理沙が玄関前で深呼吸し、ノックをする。
「おぅい? アリスー? 居るんだろー? 返事しろー?」
「…………」
どうか、アリスよ、部屋の中に、家の中にいてくれ! 自分は両手を合わせ、無言で願っていると、魔理沙が頭を掻く、一体どうしたのだろう? 自分はそう思い、物陰から表に出て、魔理沙に言う。
「魔理沙、どうしたの?」
「ん? って、隠れてろって言ったろ? 全く……ん、いや、アリスの返事がないなぁ、と思ってな……不思議だ、そんなに長く外出しているのか……? でも、アリスは基本的に人形を作っているから、普段外出しない筈だが……?」
魔理沙が顎に手を当てて考えていると、『あっ!』と叫んだ、魔理沙の叫び声に自分は驚いてしまい、尻餅をつく。
「うわっ!? な、何なんだよ……魔理沙ぁ?」
自分は魔理沙にそう言うと、魔理沙は驚愕した表情で自分に言う。
「おい、華扇! 急いで部屋に入るぞ! そしてカレンダーを探すぞ!」
「か、カレンダー? 誰が可憐なの?」
「可憐じゃない! カレンダー! 日にちを知る道具だ! と、とりあえず、アリスの家の中に入るぞ!」
魔理沙はそう言って、アリスの玄関に手をかける、すると鍵はかけておらず、簡単に開いた、そして魔理沙は走って家の中に入り、周りを隈無く探す、自分も魔理沙と同様、アリスの家に入って、律儀に玄関を閉じ、周りを見回す。
え、えーと、魔理沙の言う『カレンダー』ってのを探すんだよな……? 自分はそう思いながらきょろきょろと周りを確認する、すると魔理沙が再度大きな声を出す。
「あっ!?」
「こ、今度は何なんだよ!?」
自分は叫んで魔理沙の声がした場所に向かう、すると魔理沙は驚愕した表情を見せる。
「あ、あぁ……くっそ! 遅かった……!」
魔理沙はそう言ってその場で四つん這いになる、一体何なのだろうか? 自分はそう思い、壁に掛かった『カレンダー』を確認する。
赤い丸が書いてある日にちより前は×のマークがあり、赤い丸が書いてある日にちより後は何も書かれていない……これは一体何を示すのだろうか? そう思って赤い丸が書いてある日にちを見つめる、すると其処には『人里へ人形劇』と書いてあった、何だ、『人里へ人形劇』かぁ……えっ? 待って? 『今、何て書いてあった』……? 『人里へ人形劇』……? それって『性格が変わっているアリスが人里へ人形劇をする』って事だよな……? それ、『人里の人、ヤバくないか』……? 自分はそう思い、四つん這いで後悔している魔理沙の気持ちを理解した。
そうか、魔理沙が四つん這いになっているのはそう言う意味か……! い、今からでも人里に向かわなければ! 自分がそう思って一歩を踏み出すと、『玄関でドアノブが捻られる音』が聞こえた。
「ふぅ……今日も疲れたわねぇ、さぁ、華扇『君』は元気かな──」
そう言って、アリスの家の中に唯一の住居者であり、家主である『アリスが入って』くる、そしてアリスとカレンダー前の自分は視線が合ってしまった、するとアリスは目を見開いて、自分を見、手に持った十字に封されている本を落としてしまう。
「な、何で……何で貴方は『脱出している』の……!? あの手錠、あの足枷があるのに!?」
「──クッ!」
しまった、まさかアリスは自分達がアリスの家に入る迄『外出中だった』のか! 自分はそう思い、もう少し隠れておけば良かったな、と思う。
そして自分は何時でも右手を使えるように、体の右側を前に出す──今はまだ魔理沙に気付いていないから良いが、魔理沙に気付いたら、魔理沙に攻撃がかかる──それだけは阻止しなくては! 自分はそう思いながらアリスを見つめる──
- Re: 東方崩壊譚 ( No.78 )
- 日時: 2017/12/17 22:11
- 名前: 彩都 (ID: A4fkHVpn)
「…………」
自分は右側を前に出しながら呼吸をする、アリスがどの動きをするのか? アリスがどの行動をするのか? それは自分には分からない、だから右側を前に出して、右手の能力、『元に戻す』能力を何時でも発動出来るようにしなければ……! そう思いながら自分はアリスの方へ、一歩踏み出し、アリスに近づく。
「な、何で……何で貴方は脱出出来たの!? あんな手錠、足枷が頑丈なのに!?」
「そんなの決まってるだろ? 『僕の運命』は『手錠、足枷から脱出させる』を選択したんだ! これで……もう怖くない!」
自分はそう言って、また一歩、前に進む、自分は『早くアリスに触れたい』と思いながら自分とアリスの真ん中の机が邪魔だ、と思う、自分がそんな事を思っていると、アリスは机を足で蹴って、空中に浮かせる。
「そう……じゃあ、『私の運命』で『もっと強固な手錠、足枷にしろ』を選択させてもらうわ! 行きなさい、人形よ!」
アリスはそう言って、何処からか分からない場所から、人形を三体程出現させ、宙に浮いた机の下を人形で通り抜ける、くそっ、まさかそう言う手で来るとは……! 自分はそう思いながら、『人形の間を通り抜ける』事を考え、走ってアリスの方へと走る。
「!? まさか人形の間を一気に通り抜ける気!? でも、そんなのはさせないわよ!」
アリスはそう言って、『四体目の人形を呼び出して、自分の頭上に移動させ、自分の頭上で爆発』させた、自分は爆風を受け、地面に倒れ込む。
くっそ……後少し、後少しでアリスの体に触れられたのに……! 自分はそう思いながら、頭上、背中の上が熱い事を理解する。
いや、此処で諦める訳には行かない! まだ、まだ『自分は生きている』のだ、自分はそう思いながら、右手を強く握りしめる。
「あら? あの爆風でもう終了? やっぱり私の方が一歩上手だったわね──」
「ま、まだ諦めない! 僕は……まだ動ける!!」
自分はそう叫んで、左手で体を支えながら、前へ押す、体を前へ押すのと同時に足で踏み込んで、走るように前に移動する。
そして自分は少しでも前に進めた、と思い、顔を上げる。
すると、目の前に膝迄長い純白の『何か』が視認出来た、ん? これって確か『ドロワーズ』とか言うもんだったな、確かドロワーズの分類って、『下着』……ん? 『下着』? どういう事なのだろうか? 自分はそう思い、横目で周りを確認する、すると『自分が今居る場所はアリスのスカートの中』だった事を理解する。
「ちょっ!? 早く離れなさいってば!?」
叫び、自分の頭を叩くアリスに対し、自分はこの状況を少しずつ理解していき、一気に鼻血を出してしまい、体が仰け反ってしまう。
「ひゃっ!? 何!? 何か生暖かいモノが、股間、ドロワーズに……!?」
焦るアリスを余所に、鼻血を出しながら自分は思う、『そう言えば、このスカートの中、『ドロワーズが膝迄』なんだよな? じゃあ、『膝から足先迄、どうなっている』のだろうか?』と考えて、自分は目を見開いて、アリスの足を確認する。
すると、アリスの膝から足先迄は、『生足』だった、かろうじて、靴下は履いていても、それは『足首迄の短い靴下』だった、自分は急いでアリスの膝から足先迄の部分──弁慶の泣き所だ──を掴み、思う。
今迄フランドール、ルーミア、レミリアの場合、主に『上半身』に触れてきた、でも、『下半身に触れる』事はなかった、だからこれは『賭け』だ、『下半身に触れて、能力を発動しても、『元に戻』るのだろうか、という『賭け』』だった。
「うぉぉ! 頼む能力よ! アリスを……『元に戻』してくれぇ!!」
自分は能力を発動した、そして数秒が経った。
「…………?」
「…………?」
自分とアリスは無言状態で止まっていた、そして自分は鼻血を出し過ぎて、その場で倒れてしまう、『賭け』は……『失敗』だった──
「……? 此処は、何処だ?」
自分はそう言って、誰かに膝枕されているのに気付いた、そして膝枕をしている存在が喋る。
「あっ、起きた」
その声はアリスだった、そして自分は起き上がって、右手を前に出す。
「ま、待って! 落ち着いて!?」
アリスはそう言って両手を前に差し出す、自分は不思議がりながらアリスの瞳の色を確認する、するとアリスの瞳の色は『紅く』なかった、という事は、『賭け』は成功したのか……? 自分はそう思うと、その場で尻餅をついた。
「はは……アリス、君は元に戻ったのかい?」
「え、えぇ……何かごめんなさいね、監禁したり、手錠とかしたり……」
「いや、いいよ、もう過ぎ去った事だしさ?」
自分はそう言って、頭を下げるアリスに続けて言う。
「そ、それで……僕の性別分かる?」
「え、えっと……ごめんなさいね、今迄『女の子』って勘違いしていて……ごめんね、華扇『君』」
「よ、良かった……性別の事も覚えていて……」
自分はそう言って、安堵する、そして何時の間にか、自分の隣にいる魔理沙を見る。
「それにしても、鼻血を出して倒れるって、どんな状況だよ……?」
「あ、あぁ……」
自分が顔を赤らめると、アリスも顔を赤らめる、そして魔理沙が立ち上がって、自分に言う。
「さて、華扇、早く博麗神社に戻ろうぜ? 霊夢が寂しくて泣いているかもしれないぜ?」
「まさか? 霊夢に限って、それはないよ……」
自分はそう言って、立ち上がって、魔理沙に引っ張られる、そして自分がアリスの家に出る前に振り返って、アリスに言う。
「あっ、言い忘れてたや……アリス」
「えっ!? な、何かしら!?」
いきなり自身の名前が言われ、戸惑うアリス、そんなアリスに向かって、自分は言う。
「アリスの料理、美味しかったぜ? 何時か、此処に寄ったら、また、僕に料理を提供してくれよ?」
「え……えぇ!」
アリスは元気よく返答し、自分はアリスに手を振った。
そして自分は口にマスクをし、魔理沙の箒を掴んで、博麗神社へと向かった──懐かしの博麗神社、自分は『霊夢は元気かなぁ?』と思いながら、前を見つめた──
第四章 完
第四話 完
CHAPTER 3 終了
第五章 第五話 CHAPTER 1 に続く──
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