二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- 東方崩壊譚
- 日時: 2018/06/27 23:03
- 名前: 彩都 (ID: J1W6A8bP)
少年は博霊神社で目覚め、何を思い、幻想卿を崩壊させるか──
始めましての方は始めまして、何度も彩都の作品を読んでいる方は有難う御座います。
彩都(サイト)と申します。
もう九作目ですよ、九作目! まぁ、一ヶ月一回更新が多いですねぇ……
まぁ、今回は『東方PROJECT』という原作者『ZUN』さんの三次創作となっております。
何故二次創作じゃないかって? それは秘密です☆
そんな話は置いといて、今回の物語は『幻想入りした少年が幻想卿諸共破壊する迄のお話』で御座います。
基本的に口調や喋り方は原作通りですが、間違っている部分があれば普通にコメントで説明してくれれば幸いです。
自分も原作(体験版のみですが)は少しだけ経験していますが、それでも新発見は多いです。
とまぁ、ここら辺でお話は止めまして、それでは、本編どうぞ!
目次
『東方崩壊譚』第一章 第一話
本編
>>1-15
後書
>>16
『東方崩壊譚』第二章 第二話
本編
>>16-46
後書
>>47
『東方崩壊譚』第三章 第三話
本編
>>48-62
後書
>>63
『東方崩壊譚』第四章 第四話
本編
>>64-78
後書
>>79
『東方崩壊譚』第五章 第五話
本編
>>80-94
後書
>>95
『東方崩壊譚』第六章 第六話
本編
>>96-110
後書
>>111
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- Re: 東方崩壊譚 ( No.19 )
- 日時: 2017/01/15 21:29
- 名前: 彩都 (ID: ???)
「行くぞ、華扇?」
「あぁ、何時でも準備万端さ、かかって来なよ?」
僕はそう言いながら右手の掌を前に出す、そしてパチュリーを見る。
「僕は何時でも良いから、パチュリーの合図で言ってくれるかい?」
僕がそう言うとパチュリーは頷いた。
「分かったわ──それでは、魔理沙、お願い?」
パチュリーが魔理沙に向かって言うと、魔理沙は頷いた。
「おう、分かった、行くぞ華扇!」
そう言いながら魔理沙は弾幕を放つ、僕は魔理沙の弾幕に対して、右手で触れる寸前の所で『元に戻す』能力発動──その瞬間、魔理沙の弾幕は僕の目の前で右手に触れながら消える。
その光景を見てパチュリーは口を開けたまま閉じなかった。
「これが華扇の『右手』の能力、『元に戻す』能力だ──」
魔理沙がそう言うとパチュリーは少しだけ放心してしまった──
「おいおい……」
宙に浮いていた魔理沙は降りて、パチュリーの肩を揺らす、そして何とか放心状態から元に戻る。
「あれっ……? 私は今迄何を?」
そういうパチュリーに対して魔理沙は放心する迄の説明をする。
「パチュリーが私と華扇を呼んで、本を貸してくれるって言うから来たんだよ」
「そんな事は言っていない」
と、パチュリーの冷酷なツッコミが入る、パチュリーの対応に僕は少し冷や汗が出た。
「もう、魔理沙も嘘は吐かないの、えーと、パチュリーに僕の能力を見せたら放心状態になったんだよ、そして魔理沙がパチュリーの肩を揺らして目を覚ましたんだよ」
僕が丁寧に説明するとパチュリーは納得する。
「成程──」
「って何で私の時だけ信じないんだよ」
「私は貴女を信用していないから、信用されたかったら早く本を返してよ?」
「うぐぅ」
情けない声を出す魔理沙、僕は早く閑話休題させようと話を進める。
「とりあえず、今回は本を盗まないらしいから、本を読ませて欲しい」
僕がそう言うとパチュリーは少しだけ首を前に傾けながら、顎に手を当てる、揺らいでいる、そう感じた僕はまだ言葉を紡ぐ。
「流石に読む位は良いんじゃないかな? ダメかなパチュリー?」
僕も少し首を傾げながら言う、これで良い方向に進めばいいのだが──すると、はぁ、と大きな溜息をしながら頭に手を添えるパチュリー、良かった、パチュリーは折れた様だ。
「分かったわよ──ただし、本は破らないでね? 特に魔理沙?」
パチュリーの眼光が魔理沙を捕まえる、まるでギクゥッ! という擬音が聞こえそうだった。
「流石の私でもそれは無い!」
魔理沙が眼光にたじろぐ、そしてパチュリーに言い返す、だがパチュリーは更に言い返す。
「貴女ならしそうで怖いの」
パチュリーが魔理沙に正論を言った感じがして僕も流石に冷や汗が止まらない。
「僕も……魔理沙ならしそうかなぁ〜とは思うけど……」
「いや、思うなよ!」
魔理沙のツッコミに乾いた笑いしか出来ない僕──そして僕は手を叩いて場を落ち着かせる。
「まぁ、二人共落ち着いてよ? 魔理沙はさっさと本を選んで読んだ方が良い、パチュリーも早くイスに着いて、本を読んでおきなよ?」
そう言いながら僕は近くのイスを引いて、パチュリーに座る様促す、パチュリーは少し不満そうに顔をむすっとしながら僕が引いたイスに座る。
そしてイスに座ったパチュリーが言う。
「貴方は優しいのね、華扇──魔理沙とは段違い」
「おい、聞こえてるぞー!」
パチュリーの言葉に梯子の上から声を出す魔理沙、そのやりとりに少し苦笑しながら僕は言う。
「ハハハ……そうかな? 僕はこれが普通だけどね」
「あら? それなら何時もの貴方は『優しい』って事になるわよ?」
「パチュリーが言うならそうかもしれないね」
僕はイスの背凭れに肘を置きながら呟く、本当に僕は優しいのか分からないが、パチュリーがそう言うのなら優しいのだろう。
そう思っていると何時の間にか僕はパチュリーの長髪を触っていた、綺麗なさらさらとした髪、手の平からさらさらさら、と撫でているとパチュリーが不審がった。
「……何をしているの?」
「あっ、ごめん、あまりにもパチュリーの髪が魅力的で何時の間にか触っていたよ、厭だったかい?」
「……別に、あまり触られた事無かったし、ちょっと驚いただけ」
「そうか、それはすまなかった」
僕が謝るとパチュリーは振り向いて、僕に向かって言う。
「いや、別に触りたかったら触っても良いわよ……? 但しちゃんと褒めながら触って欲しいかな?」
髪を人差し指でクルクルと回しながら言うパチュリー、何だ、怒った訳ではなかったのか。
そう思いながら更にパチュリーの髪に侵入する僕の指──
「パチュリーの髪は綺麗だなぁ──まるで手に絡み付いても絡み付いていない感じがする、そしてさらさらで綺麗だし、触っていても気持ち良い──」
僕がそう言うともう一度振り向いてパチュリーは言う。
「綺麗を何回言うつもりなの? やり直し、今度は『綺麗』禁止ね?」
そう言われて焦る僕。
「それはキツいよパチュリー、あまりにも少ないんだ僕の語彙力は」
「だったらその少ない語彙力が入った脳味噌でもフル回転でもして言葉を紡ぎなさい?」
「大変だなぁ、頑張ってみるか──」
そう言いながら僕は触りながら考える──うぅ、『綺麗』と言う言葉を制限されて、今迄言っていない言葉を探すのは大変だ──そう思いながら無言のまま、パチュリーの髪に触れ続ける──パチュリーは無言のまま本を読み続ける、早く何かを言わないと──そう思っていても中々言葉が見つからない──然う斯うしている内に時間は段々と進んでいく──
- Re: 東方崩壊譚 ( No.20 )
- 日時: 2017/01/15 21:31
- 名前: 彩都 (ID: ???)
「ふぅ、堪能したなぁ」
そう言いながら魔理沙が僕の目の前に現れる。
僕はパチュリーの髪を撫で終わっていてイスに座っていた、別に本を読む為に此処に来た訳ではないし、読みたい本も無いので、のんびり待つ事にしていたのだ。
「あーえっと、何でアイツはほかほかしているんだ?」
魔理沙が少し顔が赤いパチュリーを指指す、僕は髪を撫でた事を隠した。
「あーえっと、本の読み過ぎで逆上(のぼ)せたんじゃないのかな?」
僕が曖昧模糊な回答をして、納得する魔理沙。
「それじゃあ私は帰るぜ、早く霊夢に顔を見せないとなぁ」
「そうか、もう帰るのか、それじゃあ、また会えると良いねパチュリー?」
そう言いながらパチュリーに手を振る僕、すると本を読んでいたパチュリーが声を出す。
「今度此処に来る時は魔理沙は本を返す事、華扇は語彙力を高める事」
「へいへい……って華扇、語彙力って何だ?」
「何でも無いよ、アハハ……」
そう言いながら僕は軽い笑いをして魔理沙に返す、そして僕らはパチュリーの部屋から出て、紅魔館の玄関へと向かう──
そして紅魔館の玄関から出て、少し歩く、すると何時の間にか目の前に人が居る事に気が付いた、目の前に居たのは、レミリアと一緒にいたメイドの──
「私は十六夜咲夜です、以後、お見知り置きを」
そうだ、思い出した、咲夜だ、だが何で僕らの目の前に現れたのだろう?
「いきなりどうしたんだ?」
呑気そうに魔理沙は前に進もうとする、だが咲夜は何処からか小型ナイフを取り出し、魔理沙に向かって投げる、そしてその瞬間、厭な感覚を感じ、僕は右手で能力を発動する。
その予想は当たった様で、揺れていた木々が動きを止め、そして風さえも感じなくなる、木々から落ちた葉っぱが空中で静止している、これは一体……?
「ほう? 私の能力を『偶然にも回避した』、って事ね? これは驚きだわ」
咲夜が僕の方に向かって小型ナイフを持ちながら近寄ってくる、どうする、自分……?
するとそのまま僕の前を通り過ぎ、振り向いてから咲夜は言う。
「今回は面白い物が見れたからこれで許してあげる、貴方、名前は分かったの?」
僕はそう言われて、答える。
「あぁ、分かったよ──僕の名前は華扇、それと能力以外分からない──」
僕がそう言うと咲夜は驚く。
「あら、貴方能力持ちだったのね、そして人間、まるで私みたいだわ──」
咲夜はそう言いながら言葉を紡ぐ。
「それじゃあ、華扇? 今回の侵入は貴方が面白い事をしたから許してあげる、その代わりちゃんと正面から入って欲しいわ、と魔理沙に伝えておいて? だって客人のおもてなしが出来ないですもの──」
そう言いながら咲夜は紅魔館の玄関を開け、中に入る、その瞬間僕の頬に木々の葉っぱが擦られる、一体咲夜の能力は何だったのだろう? 多分だが、『全ての物の動きを止める』能力かもしれない──そう思っていると魔理沙が僕に話しかける。
「……ーい、華扇ー? おーい、華扇って! 早く霊夢の所に行くぞ!」
そう言いながら僕の手を引っ張る、僕は魔理沙のおでこを見る、おでこに刺さったナイフ、気付かないかなぁ? 僕はそう思いながら魔理沙の手に引っ張られる──
「あっ、華扇ちゃん……じゃなかった、華扇さんじゃないですか」
博麗神社の境内で早苗が呑気そうに箒で周りを掃いていた、その行為に僕は少し焦る。
「えーと、華扇ちゃんでもいいから君が何で箒で博麗神社の境内を掃いているんだい?」
僕がそう言うと霊夢が頭を掻きながら僕らの目の前に現れる。
「んー? どうしたの華扇……って何で早苗が!?」
あれっ? 霊夢が命令したのでは無いのか、まさか勝手にやったってか? 僕がそう考えると早苗は言った。
「すいません、霊夢さん、あまりにも汚かったので、少し掃かせて頂きました──何でも綺麗にしないといけないですよね!」
早苗の綺麗な笑顔に霊夢は、確かにそうだ、と言わんばかりの顔をする、これは早苗が正論だなぁ、そう思いながら早苗は僕に向かって言う。
「どうです? 華扇ちゃん、守谷神社に行きませんか? まだ考えていますかね?」
早苗がそう言うと、あぁ、と思い出す、確かにそんな話をしていた様な気がする……いやあ、していた筈だ、うーん、どうしようか? 行かないといけないよなぁ? 流石に二回も来られて拒否するなんて酷い奴のやり方に感じてしまう、仕方ない、男、華扇、腹を括ろうじゃないか。
「……分かった、守谷神社に行こう、じゃあ霊夢、僕は守谷神社に向かうよ、店番ならぬ神社番、宜しくね? 場合によっては何日も滞在する可能性もあるからね?」
「ちょ、ちょっと華扇!?」
霊夢が驚く、それもその筈、いきなり守谷神社へ向かおうとしているからだ、そして僕は隣にいる魔理沙に向かって言う。
「魔理沙、ちょっと箒で守谷神社に連れてってくれるかい? 霊夢の様に宙に浮いて移動は出来ないからね」
「あ、あぁ……良いが」
魔理沙はそう言いながら僕を箒に乗せる。
すると霊夢が言った。
「全く──居ないとなって、紫に何言われるか私は知らないわよ?」
「言われても良いさ、妖怪を倒せるレベルの人間になってくる、とだけ伝えてよ?」
そう言いながら僕はもう一言付け加える。
「大丈夫だ、安心しててよ? 少しは強くなって戻ってくるよ」
そう言いながら『お別れの言葉は良いですね?』と早苗が言う、僕はそれに対し頷くと、霊夢も厭々ながら頭を縦に振る。
そして僕、魔理沙、早苗は守谷神社へ向かった──博麗神社に一人、霊夢という少女を残して──
- Re: 東方崩壊譚 ( No.21 )
- 日時: 2017/01/15 21:35
- 名前: 彩都 (ID: ???)
守谷神社──
「やっぱり魔理沙の箒は早いなぁ」
そう言いながら守谷神社に着いた僕と魔理沙は箒から降りる、次に遅れて早苗が現れる。
「二人共、早いですねぇ……ハァハァ──」
完全に早苗は息が切れていた、そこに背中に巨大な注連縄を背負った女性と謎の目が付いた帽子を被る少女が現れた。
「おや? 早苗じゃないか、お帰り──そこの隣の巫女服の子は?」
巨大な注連縄を背負った女性は僕に向かって言う。
「あっ、神奈子さま、彼が私が話していた人間の、華扇ちゃんです!」
「あっ、えっと、僕の名前は華扇、れっきとした男です」
僕は自分の自己紹介をする、何とか性別の事が言えた、それに少し安堵する僕。
「へぇ、その顔と見た目で男……詐欺している様に見える──」
「そっ、そうですけど、僕はれっきとした男なんですよ!」
念には念を、強めに言う僕に神奈子と呼ばれた人は溜息を吐く。
「分かった分かった、んで、華扇と言ったな? お前はどんな力を秘めているんだい?」
「僕の力?」
そう言いながら僕は自分の右手の掌を見る、さて、どう表現したらいいのやら?
「えーと、簡潔に言いますよ? 僕の力は『元に戻す』能力です、傷も、痛みも、『元に戻す』事が出来るんです、それが僕の力──です
」
僕がそう言うと謎の目が付いた帽子を被る少女が言う。
「それはどんな事でもかい?」
そう、謎の目が付いた帽子を被る少女が言う、すると謎の目が付いた帽子を被る少女の手に凍らされた蛙が出てくる、一体何をすればい
いだろうか?
「アンタ、『元に戻す』能力なんだろう? だったらこの、氷漬けになった蛙を救う事は出来るのかい? まぁ、蛙は死んでるから『氷か
ら救え』って事にしておこうか?」
そう言いながら僕に氷漬けの蛙を放る、何とか受け止めた僕は謎の目が付いた帽子を被る少女に対し、やってみる事にする。
「では、行きますよ……」
そう言って、右手で触れる、そして能力発動、すると段々と氷が小さくなっていく、二、三秒で氷が溶ける事はまず無い、だから少しは
信じてくれるだろう、そして氷が溶けきる、そしてまだ試した事は無いが、『死んだ蛙を蘇らせる』事にしてみる──さぁ、いけるかな…
…?
僕はそう思いながら、溶けて、冷たくなっている蛙を右手で握りながら能力を発動、死んだ『存在』を蘇らせるなんて出来るか分からな
い、でも『試してみる』価値はあると思うんだ、だから──生き返ってくれ!
その瞬間、右手に『ドクン……ドクン……』と脈が動くのを感じる、そして蛙が『ゲコッ!』と元気に鳴き、僕の手から離れ、飛んでい
った──その光景に、魔理沙、早苗、謎の目が付いた帽子を被る少女、神奈子、僕が唖然とする──そしてハッ! と我に返った謎の目が
付いた帽子を被る少女は言う。
「……アンタ凄いじゃん、驚いたよ、おっと、名前を名乗るのを忘れていたね、私は洩矢諏訪子(もりや すわこ)、そして注連縄を背負
っているのが、八坂神奈子(やさか かなこ)、そして私と神奈子は神様なのさ」
「…………」
静寂──僕の中で静寂が起きる、そして僕は一言言う。
「えっ……? えぇーっ!?」
初めて見た、神様を──その衝撃で腰が抜けてしまう。
「えっ? えっ? えっ? 二人共神様? あっえっと……」
「全く、諏訪子さぁ、展開がいきなり過ぎるよ、もう少しゆっくり解説した方がいいんじゃないか?」
そう言う神奈子に対し、諏訪子は言う。
「いやさぁ、流石に神様を相手にしたんだから少しは驚かさないといけないって思ってねぇ──流石にここ迄驚かれるなんて考えてもなか
ったよ──」
「はぁ、華扇、お前は苦労が堪えなさそうな存在だな──」
魔理沙はそう言いながら片手で頭を支える──
「落ち着け僕、落ち着け僕……」
そう言いながら僕は目の前がぐるぐるの自分に対して、ゆっくりと諭す──
「あはは……私も神様の一人なんですけどねぇ──」
早苗はそう言いながら柔らかく笑う。
その場で一人と三柱は華扇が元に戻るのを待った──
「さて、私は帰るか──守谷神社での特訓、頑張れよ?」
そう言いながら魔理沙は箒に乗る、だが僕は魔理沙を止める。
「えっ? 特訓? それはどういう事? 僕は日帰りで帰ろうと思ったのに──」
すると魔理沙が言う。
「お前、自分で言った事を覚えているか? 何日も滞在するかもしれないからって言っていたんだぞ? そして霊夢の所であんな言い方を
したら完全に守谷の所でお世話になるって言ってるもんじゃないか?」
ぐぅぅ……! 確かに、あの言い方はお別れっぽい感じだったけど──仕方ない、少しの間だけだが、滞在させて貰うか──
「あー、えっと、守谷神社の皆さん? 少しだけ僕を居候させてはくれないかな?」
僕がそう言うと早苗は言った。
「私は良いですよ」
「私も良いよ、賑やかになって面白い」
と神奈子、次に諏訪子が言った。
「まぁ、居候ぐらい、いいけれど?」
「そうか、よかった──と言う事で魔理沙、霊夢に『数日は帰らない』って伝えてくれるかい?」
僕がそう言うと呆れながら魔理沙は言う。
「はいはい、分かったよ──達者でな、華扇」
「あぁ、少しは強くなってみるよ」
僕はそう言いながら箒に乗って遠くへ飛ぶ魔理沙に手を振った、さぁ、少しは強くなるぞ、そう思いながら振り向いて、守谷神社を見る
──僕はどこ迄強くなれるだろうか?
CHAPTER 1 終了 CHAPTER 2 に続く……
- Re: 東方崩壊譚 ( No.22 )
- 日時: 2017/02/19 22:12
- 名前: 彩都 (ID: lBubOowT)
東方崩壊譚(とうほうほうかいたん) 第二章 第二話 守谷神社と二柱の神
CHAPTER 2 二柱の神 神奈子と諏訪子
「はぁ……どうして人里なんか向かうんだ?」
僕こと華扇は守谷神社で居候する事になった、そして今は道すがら早苗の後ろを着いて来ている。
「それは簡単ですよ、華扇ちゃん、『私達は『信仰』を大事にしている』ので……」
そう言いながらしょんぼりとする早苗、何かあったのだろうか?
「えぇ、実は神奈子様と諏訪子様の話なんですが──神奈子様と諏訪子様は神様だって、言ったのを覚えてます?」
そう言う早苗に数時間前の事を思い出す、僕ながら驚き過ぎだとは思うけど、初見でそう言われると本当に驚きだ。
「あ、あぁ……覚えているよ、それがどうしたんだい?」
僕がそう言うと早苗はいきなり振り向いて、腕をガッツポーズの様にし、鬼気迫る顔で言う。
「そこが問題なんですよ! 神奈子様、諏訪子様が今、守谷神社に存在しているのは『信仰』されている証拠なんです! それでは『信仰』の話でもしましょうか──『信仰』、それは神や仏を信じて敬う事──というのはまだ分かりますよね?」
立ち止まり、早苗は言う、それに対し、僕も言葉を発す。
「あ、あぁ、それはまだ分かる、だけれど何で『信仰』が必要なんだ? 無くても大丈夫じゃないの? 実際霊夢の事もあるしね?」
そう言うと早苗は反論する。
「居なきゃいけないんですよ……そうですねぇ、『信仰』をご飯にしましょうか、つまり『信仰』される事でご飯が食べられる、というのはどうでしょう? 分かりやすいですかね?」
「あぁ、そうだねぇ、何となくだけど、分かりやすい」
「そうですか、それではご飯にしましょうか──えーと、『信仰』される事でご飯が食べられる、と言いましたね? では逆に『信仰』されなくなって、ご飯が食べられなくなったら、華扇ちゃんはどうなると思います?」
「えっ? 僕が? うーん……何も食べられなくなって死ぬ?」
僕がそう言うと早苗は頷いて答える。
「はい、そうなります、そして死ぬって事は?」
顔面と顔面がぶつかりそうな近さ迄早苗は僕に近付いてから言う。
「死ぬって事はぁ……この世界から魂が消える、つまり、この世界から消えるって事?」
僕が不思議そうに言うと早苗は頷く。
「はい、そうなります、さて、もうここで答えは出たと思いますが──その答えは分かりますか? 華扇ちゃんは?」
「……多分だけど、『ご飯が食べられなくなると死ぬ』、つまり『この世に存在出来ない』、結論、『ご飯が食べられなくなると死ぬからこの世に存在出来ない』、それを『信仰』に直すと、『『信仰』が無いと、神様は死ぬ』……?」
不思議そうに僕が言うと早苗はそっと頷いた。
「はい、そうです、『信仰』が無いと、神様は存在出来ません──なので『信仰』が無くなると、神様は居なくなるのです……つまり、神奈子様も諏訪子様もこの世界──幻想郷、外の世界も含めてです──から存在しなくなる、と言う事です──」
唖然、そう、簡単に今の心境を書けば、唖然、その漢字二文字だけだった、『『信仰』が無いと、神様が居なくなる』──『『信仰』が無いと神奈子、諏訪子の二柱が居なくなる』──と言う事、居なくなったら早苗が独りぼっちになってしまう──
「……大変だね、色々と苦労した事はあるだろう?」
僕が言うと、明るい笑顔で早苗は言った。
「無いですよ、神奈子様と諏訪子様が居るだけで私は嬉しいのですから──」
そんな言葉を言う彼女の笑顔は綺麗だった、自分の事なんか関係無しに他人──というより、他神か──に尽くすなんて僕は出来ない。
「──そうか、だったら尚更もっと頑張らないとね、急いで『信仰』を集めようか!」
僕がそう言うと早苗は凄く喜ぶ。
「そうですね! 一緒に頑張りましょう!」
そう言いながら早苗は走って人里へ向かう、僕も一緒に走って人里へ向かった──
「さぁ、守谷神社を『信仰』して下さい! 宜しくお願いします!」
僕はそう言いながら守谷神社の地図を渡したりする、早苗は箱に乗って、神奈子、諏訪子のお話をしている、今日は『信仰』が増えたらいいが──そう思っていると村人に話しかけられる。
「君は博霊神社の……」
「あっ、華扇って言います、今は守谷神社でお手伝いをしているんです、よかったら守谷神社も『信仰』して下さい!」
僕は可愛い笑顔とやらで村人を勧誘する、本当に可愛い笑顔かどうかは分からないけれど、村人が顔を赤くしているから成功している、でいいのかな?
そう思いながら僕は地図を配っていく、そして早苗もお話が終わったようで、少しだけだが片付けをしている、僕も男だ、手伝わないと……
そして片付けを終わらせて、僕と早苗は一緒に守谷神社に帰る、今日はどれだけの人が『信仰』してくれただろう? それはまだ分からないが、今日は声を出し過ぎて疲れた、早くお風呂に入ってゆっくりしたいなぁ、そう思いながら僕は歩を進める──
- Re: 東方崩壊譚 ( No.23 )
- 日時: 2017/02/19 22:12
- 名前: 彩都 (ID: lBubOowT)
「お帰り、早苗に華扇」
神奈子が言う、早苗は『ただいま戻りました、神奈子様』と言う。
「ただいま、さて、どれだけ『信仰』されたんでしょうね?」
僕が不思議そうに言うと神奈子は言う。
「なぁに、まだまだだよ、私達は最近こっちに来たんだ、だから『信仰』もまだまださ」
「へぇ、そうだったのか、つまりこの幻想郷の中ではまだまだ新参って事か」
僕がそう言うと神奈子は笑いながら言う。
「フフッ……確かに、華扇に言うならそう言う解釈の方が分かりやすいかもなぁ」
「そうか? それを言うなら僕の方が一番の新参だけどね」
そう言いながら僕も笑う、賑やかで楽しいなぁ、守谷神社って。
「さて、ご飯でも食べようか、華扇、お前も一緒に食べようじゃないか、同じ釜の飯を食べて、仲良くなろうじゃないか」
神奈子が僕の頭をヘッドロックしながら蟀谷をぐりぐりと拳で擦られる、地味に痛いなぁ、痛みも『元に戻』せたっけ? そう考えながら僕はご飯を頂く事にする、そしてご飯を一口、口の中に入れる、美味しい! 霊夢のご飯よりも美味しい! これは何だろう? 炊き立てだからか? もしくは炊き方が違うのか? そう思っていると神奈子が言う。
「美味しいだろう? お前は男だから一杯食って、精を付けるんだ、お代わりも自由だぞ?」
えっ? このご飯がお代わり自由!? 霊夢の所だと、一杯しか食べれなかったのに──何て太っ腹な神様なんだろう、そう思いながら僕はご飯を食べ続ける、おかずも美味しいし、ご飯も美味しい、ここは天国か、そう思いながら口の中でご飯とおかずの味のハーモニーをゆっくりと噛みしめながら咀嚼する──
「はぁ、美味しかったー!」
そう言いながら僕はそのまま寝転がる、すると神奈子が言う。
「そうかそうか、それは良かったよ──それで、少しは華扇の話が聞きたいんだが? いいか?」
神奈子がそう言うので、了承すると神奈子は単刀直入に言った。
「あぁ、良いよ、こんなご馳走を頂いたんだから、大体の事は話すよ」
僕がそう言うと、神奈子は僕の方向を見ながら言う、僕も神奈子の方を向く為に起き上がって、正座で座る、一体どんな話がされるのだろうか?
「華扇……お前はどうやってこの『幻想郷』で来たんだ?」
ドクン、思いもよらない話で僕は正座のまま固まった──だが、何も言わないのは流石にダメだろう、一体何処から話せばいいのやら……
そう思っていると神奈子が言う。
「……言えない程、の事なのか?」
その言葉に僕は反論する。
「い、いやっ! そう言う訳じゃないけど……本当に話しても良いんだね? 呆気ない終わり方でも怒らない、と言えるのなら、僕は言うけど、どうする?」
逆に凄みを出して言ってみる、さぁ、どう反論するか──
「……そうか、だがそれでも気になる、教えてくれ」
……やはり、『そう来る』か……仕方ない、話さないといけない雰囲気にもなっている、諏訪子も早苗も僕を見ている、流石にこんなに見られたら、降参するしかないだろう──
「……分かったよ、話せばいいんだろ? ちゃんと早苗も諏訪子も聞いていてくれよ? 僕がどうやって、この『幻想郷』に来たのかを……」
僕がそう言うと、三人の唾を飲み込む音がする、そして僕は深呼吸をして、重い口を開ける──
「僕がどうやって、この『幻想郷』に来たのかを、それはね、『まだ分からない』んだよ、目覚めたら博麗神社の境内で寝転がっていたんだ、その後、紫に僕のこの『右手の能力』と名前を教えて貰ったんだ──そして僕はこの『幻想郷』で、自分の記憶を取り戻す為に頑張っているんだ、これが僕の真相だよ、これで満足したかい?」
……無言、言ってしまえば、神奈子、諏訪子、早苗は僕に対して、『口を滑らせてしまった』、もしくは『聞かなければ良かった』等と思っているだろう。
あるいは後悔をしているかもしれない、だけれど、何れは言う内容な気がするので、先に言っておく事にした。
「…………」
「…………」
「……だったら、だったら華扇ちゃんの右手の能力で、『思い出して』みては如何でしょうか? 『元に戻す』能力なら、『記憶も『元に戻』る』のでは?」
口火を切ったのは早苗だった、その発言に対し、諏訪子は言う。
「確かに……華扇ちゃんの『元に戻す』能力なら、『記憶を『元に戻』して思い出せる』かもしれない!」
早苗の言葉に反応した諏訪子は僕の右手を持って、僕の頭に近付ける、だが僕は二人に反論する。
「ちょっと待って! それは出来ないよ──僕の『元に戻す』能力は、『対象物に触れると能力発動』が出来るんだ、つまり、『記憶をしている部分に直接触れないといけない』って事なんだよ!? 僕の何処にそんな場所が!?」
僕が焦りながら言うと、一人、頭を垂れながら考えている存在がいた、それは神奈子だ、神奈子は僕を睨みつけて一言言う。
「『記憶をしている部分に直接触れないといけない』──と言ったな、華扇、その部分は、『お前の体の中にある』んだよ」
それを聞いて、僕は驚いた、そんな部分があるのか!?
そう思いながら僕は神奈子の話を聞こうとする──
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