二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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東方崩壊譚
日時: 2018/06/27 23:03
名前: 彩都 (ID: J1W6A8bP)

 少年は博霊神社で目覚め、何を思い、幻想卿を崩壊させるか──

 始めましての方は始めまして、何度も彩都の作品を読んでいる方は有難う御座います。
 彩都(サイト)と申します。
 もう九作目ですよ、九作目! まぁ、一ヶ月一回更新が多いですねぇ……
 まぁ、今回は『東方PROJECT』という原作者『ZUN』さんの三次創作となっております。
 何故二次創作じゃないかって? それは秘密です☆
 そんな話は置いといて、今回の物語は『幻想入りした少年が幻想卿諸共破壊する迄のお話』で御座います。
 基本的に口調や喋り方は原作通りですが、間違っている部分があれば普通にコメントで説明してくれれば幸いです。
 自分も原作(体験版のみですが)は少しだけ経験していますが、それでも新発見は多いです。
 とまぁ、ここら辺でお話は止めまして、それでは、本編どうぞ!

 目次

『東方崩壊譚』第一章 第一話
本編
>>1-15
後書
>>16

『東方崩壊譚』第二章 第二話
本編
>>16-46
後書
>>47

『東方崩壊譚』第三章 第三話
本編
>>48-62
後書
>>63

『東方崩壊譚』第四章 第四話
本編
>>64-78
後書
>>79

『東方崩壊譚』第五章 第五話
本編
>>80-94
後書
>>95

『東方崩壊譚』第六章 第六話
本編
>>96-110
後書
>>111

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Re: 東方崩壊譚 ( No.24 )
日時: 2017/02/19 22:14
名前: 彩都 (ID: lBubOowT)  

「華扇、少しは『頭』を使え」
 神奈子はそう言いながら右手の人差し指で自分の頭をコンコン、と当てる、『頭』を使え……どう使えばいいのだろう?
 僕が『頭』を使って必死に考える、『頭』を抱えても、答えが出ない、はぁ、と神奈子が溜息を吐いて、答えを言う。
「簡単だよ、『頭』の中──『脳味噌』に触れるんだよ、『脳味噌』には記憶を司る部分、『海馬』が存在する、そこに触れてしまえば、華扇、お前の記憶は『元に戻る』──!」
 『海馬』に触れる……それを聞いた瞬間、何だか合っている様な気がしてならなかった、だが神奈子は何を言った? 簡単だ、『『頭』の中』、だ──もっと簡単に解釈してみれば、『『頭』の中に触れる』と言う事、『頭』を切ると言う行為をしなければ、『海馬』には触れられない──
「いっ厭だ! 流石に痛い思いをして迄、記憶は戻したくない!」
 僕が泣きながら言うと、諏訪子は言った。
「そんなの関係ないよ、切った後、右手の能力で、『元に戻』せばいいだしね」
「いや、そうじゃなくて、痛みを伴うのは厭だって言いたいの! 何れは『元に戻る』かもしれないでしょ!?」
 僕がそう言うと、早苗が言う。
「確かにそれもそうですが……『元に戻』らない、という可能性もあるんですよねぇ……」
「確かにそれもあるけれどね、でも、時間は無限にあるんだ、まだまだゆっくりと記憶を取り戻せばいいんだよ、ねぇ?」
 僕がそう言うと、諏訪子も早苗も納得する。
「はぁ、助かったなぁ……」
 そう言いながら僕は体が熱くなって汗を掻いている事に気付く。
「うぅー、話し合いが過熱して、暑くなっちゃった、汗も掻いてる……」
 そう言いながら僕は手でパタパタと仰ぐ、すると早苗が僕に向かって言う。
「華扇ちゃん、お風呂に入ります? 今から用意しますよ?」
「えっ? 良いのかい? でも流石にそこ迄されるのは客人として、抵抗があるなぁ……どうせ一日ぐらい入らなくても臭わないでしょ?」
 僕がそう言うと早苗が怒声を放つ。
「ダメです! 華扇ちゃんは可愛いんですよ!? その可愛さを捨ててはいけません! だからお風呂に入って下さい!」
「……あぁ、はい、入ります──」
 僕がそう言うと、『そうですよね!』と早苗が可愛く言って、僕らの居る居間を離れる──僕は神奈子と諏訪子を見る、二柱は僕が見るやいなや、そっぽを向く、どうやら僕は『不運』という物を買ってしまった様だ──

 あの後、神奈子と諏訪子から聞いた話だと、早苗はたまに押しが強くなってしまう時があるらしい、だからその時はそのまま頷くしかない様だ、はぁ、それもそれで大変だなぁ、そう思いながら僕は早苗が用意したお風呂に入る事にした。
 僕は巫女装束を脱ぎ、服を籠の中に入れる、そして風呂場の戸を開ける、おおっ、これはこれは……何とも綺麗な木で周りを被われた浴槽だった。
 綺麗で湯船に入るのも少し躊躇ってしまう、まぁ、入らないと綺麗にはならないけれど。
 さて、少し体を洗って、湯船に入りますかぁ……そう思いながら石鹸でタオルを泡立てて、体を洗う、はぁ、気持ち良いなぁ。
 体を洗い終わった後、僕はそのまま湯船に入る、あぁ、程良い暖かさで安心する、何だろう、少し眠くなってしまう──すると早苗の声が聞こえた。
「華扇ちゃん、お湯加減、どうですか?」
「湯加減か、あぁ、この温度は心地いいよ、有難う」
 僕がそう言うと、早苗は喜んでくれた、さぁ、のんびり浴槽でお風呂を楽しもう──

 数十分後──
「遅いなぁ、華扇は何をやっているんだ?」
 神奈子が日本酒片手に上の空を見ながら考える、今日は満月が見える、酒の肴になりそうだ。
「そうですねぇ……」
 早苗が神奈子に反応する、次に諏訪子が言う。
「男の子だから、『ヤッてる』んじゃないかな?」
 諏訪子の発言に不思議がる神奈子。
「『ヤッてる』? 何を何だ?」
 諏訪子は神奈子に近付き、耳打ちで『ヤッてる』という言葉の意味を説明する、神奈子は顔が赤くなるも、急に青醒めて、『確かに有り得そうだ』という様な考えになる。
 そして急に立ち上がり、とぼとぼと歩いて居間を出る、その移動に早苗が言う。
「どうかされたんですか、神奈子様……?」
「ん? いや、何でも無いよ、少し風に当たりに行くだけだ」
 そう言って、居間を出る、ニヤニヤと笑いを浮かべる諏訪子を見て、『不安』という二文字が頭の中で過ぎる、華扇ちゃんがお風呂場で倒れていなければいいですが──

 神奈子は急いでお風呂場に急ぐ、神が神社に居る前で、何淫靡な事を! そう思いながらお風呂場の戸を開けた、まだ中には華扇が入っている、そしてその戸を強く開ける。
「おい、華扇!何をやって……」
 神奈子の目の前に入ったのは、湯船に浮いている華扇だった、少しでも重心がズレてしまえば、湯船のお湯が鼻や口に入って呼吸出来なくなる──いや、神が目の前に居る中で、見殺しにはさせない! そう思いながら神奈子は濡れても良い様に、上半身の服を脱ぐ、そして華扇に詰め寄る。
「華扇! 大丈夫か!?」

Re: 東方崩壊譚 ( No.25 )
日時: 2017/02/19 22:15
名前: 彩都 (ID: lBubOowT)  

「えっ?」
 顔を叩かれて目覚めた僕は誰が僕の頬を叩いているのかを確認する、僕の頬を叩いていたのは神奈子だった。
「あれっ? 僕は何時の間に寝ていたんだろう?」
 そう思いながら周りを確認する、神奈子は上半身裸だった──えっ? 裸……? そう考えると、急に恥ずかしさが込みあがってくる、自分も裸、相手も上半身裸、だけど、神様でありながら女性──
「どうしたんだ? 何か顔が赤くなっているぞ?」
 神奈子はそう言いながら僕を起こしたかと思うと、急に立ち上がる、すると僕の目に写ったのは、神奈子の胸……一瞬、何が起きたのか、ゆっくりと頭の中で解釈している間に目の目が真っ白になって、僕の鼻から鮮血が飛び出す……そして上の空の僕に対して不思議がる神奈子、だが自分の格好を見て、神奈子も理解し、顔が赤くなる、そして神奈子は僕にビンタをする。
「みっ、見るなぁ!!」
 パチーン、と叩く音にしては気持ち良い音がする、だが僕にとっては激痛だった……

「すっ、すまん、華扇! 私の勘違いで……」
 神奈子はそう言いながら僕の腫れた左頬に氷水と塩が入った袋を当てる、そして居間の状況は、こんな感じだ──諏訪子がニヤニヤ声に出さずに笑いながら、僕は神奈子の膝枕で左頬に氷水の袋を当てられている、という状況だ。
 早苗はもう遅いから、という理由でもう寝ている。
「はぁ、全く……こっちも悪かったと思うよ? 他人の家──いや、他神の家か? よく分からないや──で風呂に入って寝てしまうだなんて……」
「全く、神奈子も早とちりだねぇ」
 諏訪子がそう言うと、神奈子が言う。
「元はと言えば諏訪子だろう!?」
 二人が喧嘩しそうな雰囲気だったので、僕が辛うじて止める。
「まぁまぁ、落ち着いてよ、こうして僕も生きている事だしさぁ?」
 両者の真ん中に入って、両手を出しながら落ち着かせる、もしも早苗が毎日こんな事をして、宥めている、というのなら、毎日が大変だなぁ、と思う。
 すると諏訪子が言う。
「で、どうだった、華扇……今日一日の守谷神社体験は?」
 諏訪子がそう言うと、僕は少し考えてから言う。
「うーん、どうだろう……ご飯が美味かった事と、お風呂が気持ち良かった件、他には村人の人達とも関われて、とてもためになったなぁ」
「そっかそっか……だけども、忘れてはないかい? 本来、此処に来た理由を?」
 諏訪子が言うと、僕は溜息を吐いて答える。
「僕の、『『幻想郷』を生き抜く為の特訓』、だろ? 忘れる訳が無いさ、僕はこの事を少したりとも忘れた事はないさ」
 僕がそう言うと、後ろにいる神奈子が言う。
「そうか、だったら明日から特訓開始だ、明日の朝から厳しいから、気を付ける様に」
 えっ? 今さっき、何て言った? 僕が聞こえたのは、『明日から特訓開始』? 僕が振り向くと、神奈子が言う。
「うん? 明日から特訓開始だが? 何か不満でもあるのか?」
「いや、不満がある訳じゃないんだけどね? いやさぁ、急過ぎないかなぁーなんて……」
 僕がそう言うと、諏訪子が言う。
「不満が無いのなら、明日からでも良いと思うよ?」
「いや、あのねぇ、僕の話を聞いて──」
 僕が話をしようとすると神奈子が割って入る。
「不満が無いのなら、明日からだな、それじゃあお休み」
 神奈子はそう言って、居間を出る──僕は振り向いて、諏訪子の方を見る。
「さて、私も寝るかな……明日から頑張ってね、華扇ちゃん!」
 可愛い笑顔を見せて諏訪子は神奈子と同じ様に居間を出る──はぁ、明日から気苦労をしそうだなぁ……そう思いながら早苗が寝る前に用意してくれた寝室へと向かう、はぁ、少しだけだが、明日が憂鬱に感じられる──

 僕は寝る前に早苗が用意した寝室へと向かう、そして明かりを消して、布団の中へ潜り込む、ふぅ、今日の疲れをこのふかふかの布団で癒そう、そう思いながら思いっきり、息を吸って、吐いた、さぁ、これで体の中の空気を循環した──気がする体で睡眠を取ろうとする──あっ、案外早く眠れそうだ……そして僕はそのまま睡魔に襲われる──
 そして朝になる、『ふあぁ……』と欠伸をして、僕はゆっくりと起き上がる、そして自分が昨日寝た場所より少し横にズレている事に気が付いた、何だ、少し寝相が悪かったのかな? と思ったが、隣で、『んんっ……』と、可愛い声が聞こえた、誰か居るのか? いや、そんな筈は無い、何故なら昨日は一人で寝たのだ、そして布団に入っても、何も感じなかったのだ、なのに、何で隣で声がしたんだ? 可笑しい、寝て起きたら、可愛い声が隣から聞こえた、それはとてもおかしな事では無かろうか? 流石に可笑しいと思ったので、僕は自分を被ってくれた布団をめくった──
 するとそこには神様の洩矢諏訪子が眠っていた──しかも体を縮こませながら──
「えっ? あの、諏訪子さん……?」
 僕は焦りながら諏訪子を起こそうとする、だが中々起きない。
「起きて下さい、もう朝ですよ?」
 僕はそう言いながら諏訪子の肩を揺らす、するとやっと目を覚ましてくれた。

Re: 東方崩壊譚 ( No.26 )
日時: 2017/02/19 22:16
名前: 彩都 (ID: lBubOowT)  

「ん? もう朝……?」
 そう言いながら諏訪子が起き上がる、さて、何で僕の寝室に入って、一緒に寝ていたのだろう? それを聞かないと。
 僕が声を出そうと立ち上がった瞬間、寝室の襖を開ける者が居た、それは早苗だった。
「華扇ちゃん、もう朝ですよ──」
 早苗が声を出した瞬間、僕と諏訪子の両名を見て固まる、早苗は今の光景を見て、何を思ったのだろう? それは僕には分からないが、次に諏訪子が何も言わなければ、僕は弁解を出来たかもしれない──
「ふあぁ……よく寝た、はぁ、それにしても夜の華扇は激しかったなぁ、もう赤ん坊みたいだったよ──ってどうしたの二人共?」
 プルプルと震える早苗に対して、僕は言う。
「待て、早苗、話がある、少しは聞いてくれると嬉しいなぁ?」
 冷や汗しか出ない僕に対して、怒りのオーラが感じ取れる早苗には何を言っても無駄な様だ──
「諏訪子様、夜中に何があったか、教えて頂けますかねぇ!?」
「ひぃ! 僕は何も知らない! 逆に教えて欲しい所なんだけど!?」
 早苗は御幣を使って僕を攻撃しようとする、その僕は滝の様に汗を出しながら滝の様に涙を出している。
 そんな諏訪子はあくどい顔をしながら二人に言う。
「うーん、そうだなぁ……何が知りたい? 私が華扇に抱かれた話か、華扇が汗だくになった話か」
「へぇ、そうなんですか華扇ちゃん……やはり華扇ちゃんも男なんですね……」
 早苗はそう言いながら僕に近付いていく、待って! 僕の話を聞いて下さい!
「待て待て待て待て、少しは落ち着こうよ? 神様相手に僕は何もしていないんですけど!?」
 必死に僕が弁解をしようとすると諏訪子が止めを刺す。
「嘘っ!? じゃあ夜中にあった事は全て嘘なの!?」
「ちょっと待て神様、その前に深夜の僕は何をしたんだ!?」
 僕は深夜の事は覚えていないのだ、なのに何でこんなに曲解しているんだろう?
 すると早苗は御幣を落として、そのまま僕を抱き締める、えっ? 一体何なんだろう?
「もう! 私だって女なんですよ──現人神ですが──私にだって甘えていいんですよ? 諏訪子様も独り占めしないで下さいよぉ?」
 ぷっくーと頬を膨らませながら早苗は言う、僕は早苗に対し、何だか可愛い小動物を感じてしまう。
 それを見ながら諏訪子は思う。
(少しおちょくったつもりだけど、何だか面白い方向に転がったなぁ、実際は久し振りの男で、寝室に侵入して、布団の中に入ったら、華扇が私の事を抱き枕の様に抱き締めてきたから、仕方なく一緒の寝室で寝ただけなんだけどなぁ……)
 諏訪子はそう思いながらも、言わない方が面白いと判断して、黙る事にした。

 そして僕は布団を片付けて、体を縦に伸ばした、起きたての時は色々あったけど、今日から特訓なんだ、さぁ、頑張ろう。
 そう思いながら居間へ行き、朝御飯を食べようと思う。
 今日は白いご飯に味噌汁、そして魚だった──そう言えば幻想郷に海はあるのだろうか? あったら一度見てみたいな、そう思いながら味噌汁の匂いを嗅ぐ、味噌の良い香りが自分の鼻の奥の鼻腔を擽る──僕はそのまま湯気が立つ味噌汁を飲み込んだ。
 暖かい、いや、温(ぬる)い、これが正しいだろう、何とも飲みやすい温度で少し自分はほっこりする。
 日本人で良かった、と、僕はそう思う、だが僕が日本人かどうかはまだ分からないのだが──
「華扇ちゃん、味噌汁はどうですか?」
 突然早苗が喋ったので僕は驚く。
「えっ? あぁ……美味しいよ、適度な温度で安心する味噌汁だね」
 僕がそう言うと早苗は喜んだ。
「えへへ、それは嬉しいです──その味噌汁、私が作ったんです、華扇ちゃんにも口が合って良かったです」
「へぇ、早苗が作ったんだ……」
 そう言いながら僕は味噌汁を見つめる、結婚した男性は良い妻を持ったなぁ、僕はそう思いながら味噌汁を一気飲みする、若布と薄い揚げが美味しい。
 次にご飯をかきこんで、味噌汁の余韻を感じながらご飯を食べる、うん、美味しい。
 僕は残った魚をゆっくりと身を解(ほぐ)して、白いご飯と共に食べる、塩味が利いている魚だなぁ、そう思いながら口の中で味を噛みしめる、こんなに細い魚なのに味がしっかりしている、まるで人里で見た『鰯』という魚の様だ。
「魚も美味しいなぁ、塩味が利いている」
 僕がそう言うと早苗が言う。
「それは昨日華扇ちゃんが来る前に貰った魚ですねぇ、味付けは私ですよ」
「へぇ、それは凄いね、結婚したら絶対旦那さん恨まれるよ、『こんなに優しくて手料理が美味しい妻を持つなんて……』ってね」
 僕がそう言うと早苗は両手で自分の頬を触りながら照れる。
「そんなに褒めないで下さいよ、何も出ませんよ?」
 早苗がそう言うと僕が言い返す。
「でも、『早苗の優しさ』は滲み『出ている』けどね?」
 僕がそう言うと、二柱はポカーンと口を開ける、少しの間の後、諏訪子が僕の方を叩く。
「巧い返しだねぇ、こりゃ、早苗の旦那さんは華扇でもいいんじゃないかなぁ?」
 諏訪子がそう言うと僕は言う。
「アハハ……でもまだ僕は結婚する気は無いので、早苗とは結婚出来ないなぁ」
 まぁ、記憶を取り戻したらすぐに元の世界に戻るしねぇ、と僕がそう言うと、諏訪子が悲しむ。
「ありゃりゃ? それは悲しいねぇ」
 諏訪子が言うと僕が続けて言う。
「仕方無いさ、記憶を取り戻すのが今の僕の役目だからね──」
 僕はそう言った後、僕はご飯を食べ終わり、先に外で特訓する事にした、さぁ、どんな特訓が待っているだろう? そしてどれだけ強くなる事が出来るだろう? 僕はそう思いながら深呼吸をする、さぁ、特訓の開始だ──

Re: 東方崩壊譚 ( No.27 )
日時: 2017/03/19 22:05
名前: 彩都 (ID: ???)  

東方崩壊譚(とうほうほうかいたん) 第二章 第二話 守谷神社と二柱の神

CHAPTER 3 坤を創造する程度の能力 洩矢諏訪子

 ピチュンピチュン、と小鳥の囀(さえず)る声がする、僕こと華扇は地面に対し、大の字で寝転がっていた。
 今さっき、何が起きた? そう思っていると僕の胴体に謎の目が付いた帽子を被る少女──洩矢諏訪子が座ってきた、まぁ、見た目が幼いだけに座られてもあまり重くないので苦ではないが──
「ねぇ、どんな気持ち? あんな攻撃でこんな状況になったのは?」
 諏訪子がそう言うって、僕は目を閉じて答えた──
「……完敗じゃないか、完全敗北って奴なのかな?」
 僕はそう呟きながら大きく深呼吸をした──そう、僕は何で地面に寝転がっているのかをゆっくりと思い出す──そう、それは数分前──いや、一分あったかどうかの出来事だった──

「それでは、特訓を開始しようか?」
 僕がそう言うと守谷神社の近くの雑木林で特訓を開始する事になった、雑木林なら足元、後方、色々な場所から見なければならない為、視力をよく使いそうだ、そう考えながら、僕の目の前に謎の目が付いた帽子を被る少女──洩矢諏訪子が現れる、初戦は諏訪子なのか。
「流石に人間、神である私はちと弱気で行くよ?」
 諏訪子がそう言うと僕は笑う。
「何を? 僕は相当強い、かもしれないんだぜ? だから本気で来いよ、神様?」
 そんな事を言うのが間違いだった、いや、その前に正解なんてあるのだろうか? 今考えても、『だから本気で来いよ、神様?』とか、言わなきゃ良かった──それを回想している時に思っても無駄だった──
 ドゴン、急に変な音がする、そしてその音の後に急に諏訪子が小さく見える、いや、『自分の地面が高くなっている』!? 急に隆起した、とは考えられない……そう考えた瞬間、急に隆起した地面が下に下がる、僕は一瞬で高い所に動かされてしまったので、空中で少し静止して、落ちていく、流石に守谷神社や森が自分の小さな目で視界に捉えているので、相当高い場所なんだなぁ、と感じる……って、今落ちたら流石に死ぬじゃん! フランドールの左手をもいだ時よりも酷い事になるんじゃないか!? 僕はそう思いながら自分の右手を地面に向ける──いや、意味無いじゃん! あの時、隆起した地面に触れて発動していれば何か変わったかもしれないが、今はそんな地面も元の平らな地面に戻っている! くうぅ! もう無駄だ──死ぬ、そう思って僕は目を瞑った、皆ゴメン、記憶を取り戻せなくてゴメン……霊夢、弟子になったばっかりなのに死んでゴメン……魔理沙、は特に無し、フランドール、助けれて良かった、あのまま暴走してたら幻想郷が消えてたかもね、僕は知らなかったけれど……早苗、美味しいご飯有難う、神奈子、もフランドールと同じく特に無し、諏訪子、お前だけは恨んでやる……紫、僕に仮の名前と能力を教えてくれて有難う……今迄の思い出がまるで走馬燈の様に思い出される……ていうか、基本的に思い出すのは特訓の日々と、痛かった思い出だけしかないけれど──
 それらを思い出しながら僕はそのまま地面に向かって落ちていく──
「本気を出すとこれなんだからなぁ、神様も大変だ」
 諏訪子がそう呟きながら地面から砂や土で作られた手を作り出し、落ちていく僕を掴む、そして掴んだ後、砂や土で作られた手はゆっくりと沈んでいき、地面に僕を置いて、砂や土で作られた手は跡形も無く消える──そして閉じた目を開けた僕は大の字のまま寝転がっていた──そして
僕の胴体に諏訪子が座った──

 あぁ、思い出した、簡単に一撃も攻撃せずに僕に戦意喪失をさせた、目の前の少女──いや、目の前の神様、洩矢諏訪子、の恐ろしさを今知った。
「どうしたの? もう特訓終了?」
 と、諏訪子が少し笑いながら言ったので僕は言う。
「まさか、そんな訳が無いだろう? 僕はまだまだ本気を出してさえ居ないんだぜ? そんな簡単に負けるのか? いいや、負けないさ、さて、今のはウォーミングアップみたいなものだ、さて、行かせて頂こうか?」
 僕がそう言いながら起き上がる、すると諏訪子は言う。
「うーん、私にとっては特訓終了に感じたんだけどねぇ──今回は弾幕もスペルカードも無しで戦ってあげるよ、私の『坤を創造する程度の能力』で戦ってあげる、さぁ、華扇、本気で戦おうじゃないか?」
 諏訪子はそう言いながら、背中からオーラの様な物を出す──あっ、これは勝てそうにない、僕の本能がそう判断した後、戦闘という特訓は始まった──

「今日も平和だねぇ……早苗が入れたお茶は今日も美味い」
 守谷神社の二柱の内の一柱、八坂神奈子がゆっくりとした溜息を吐いて早苗に言う。
 当の本人である早苗は少し照れる。
「そんなっ! 神奈子様、私はまだまだですよ……」
 早苗が自分を卑下にしながら、正座で座る、そして早苗が神奈子に言う

「神奈子様のご飯も美味しいですよ……!」
 そういう早苗に少し照れる神奈子。
「……早苗も言うようになったじゃないか」
 神奈子はそう言った後、もう一度温かいお茶を飲み込む──すると何か女性の悲鳴が聞こえる、はて、誰の声だろう?

Re: 東方崩壊譚 ( No.28 )
日時: 2017/03/19 22:07
名前: 彩都 (ID: ???)  

「あら? この声は何なんでしょうか?」
 早苗がそう言うと神奈子は言う。
「何だか聞き覚えのある声がする──誰だっけ?」
 神奈子がそう言った瞬間、縁側の方から誰かが飛んでくるのを早苗は視認する、それは華扇だった、華扇が此方に向かって吹っ飛んで来ているのだ。
「えっ!? 華扇ちゃん!? 何でこっちに!?」
 早苗はそう言いながら立ち上がる、すると神奈子が言う。
「えっ? 華扇だって? 何でこっちに来るんだい? 華扇は諏訪子と共に森林で特訓している筈じゃあ……」
 神奈子がそう言いながら縁側を確認する、確かに華扇が吹っ飛んでいた。
「ああああああああああああああああああああ!!」
 華扇はそう言いながら神奈子の方へ近付いていく、神奈子は避ける事も出来ずに華扇とぶつかる──
「いたたたたたた……」
 神奈子はそう言いながら起き上がる、すると華扇は神奈子の胸に顔を置いて、『むぐぅ……』と言いながら気絶する──それに対し、神奈子は顔を赤らめながら悲鳴を上げる──

「…………」
 どうしてこうなったんだ? 僕は状況が読み込めないんだけど? ねぇ、少しは聞いているのかなぁ? 僕はそう思いながら腫れた頬を触る、完全に腫れている、そりゃ痛い訳だ。
「いやぁ、ちょっと攻撃したら吹き飛んじゃって……神奈子も少しは機嫌を直そうよ? 華扇じゃなくて私が悪いんだし……」
 諏訪子はそう言いながらぷんすかぷんすか怒っている神奈子を慰める、これは僕が頬を殴られた事と、神奈子が怒っている事は関係するのかなぁ? 僕はそう思いながら、右手の『能力』で『腫れた頬を『元に戻』』した──

 そして夜になった、僕は手洗い嗽(うがい)をして、ご飯を食べようと席に座る、すると神奈子が僕の方向を見て僕に向かって喋る。
「華扇、すまないがご飯を食べ終わったらこの神社を出ていってくれないか?」
 あまりにも突然の事で僕と早苗、諏訪子は驚く。
「どうしてですか!? 神奈子様!」
「どうしたのさ、神奈子! 確かにお昼のは不可抗力って奴だけど……」
 諏訪子が語尾を弱めていく──それに対し神奈子は言う。
「簡単だ、お前が来てから私は胸を見られるわ、胸を揉まれるわ──後者は諏訪子が悪いけれど──お前が来てから禄な目にあって無い気がするんだ、だから博麗に戻れ、いいな?」
「それは少し我が儘過ぎます神奈子様!」
 早苗がそう言うと神奈子は怒鳴る。
「早苗には関係ない!」
 そのやりとりを見て、僕は立ち上がって言う。
「分かったよ、今から出ていくよ、今迄有難う御座いました」
 そう言って僕は三人、基三柱にお辞儀をして守谷神社を出る、僕が出ようとすると早苗が近付いてから言う。
「華扇ちゃん、今は夜遅いです、流石に明日の朝になってから外に出た方がいいと思われますけど──」
 だが僕は早苗の言葉を切ってでも言う。
「いや、大丈夫だよ、そりゃ迷惑をかけた存在だもん、僕が悪いに決まっている、だから心配しないで?」
 僕がそう言って振り向いて守谷神社を出ようとする、すると早苗がまだ僕に向かって言う。
「それでもご飯を食べた方が良いと思うんですけど──あっ、夜遅いですし、一緒に博麗神社迄行きません──」
 早苗が喋っている途中に僕は割って入る。
「いいよ、自分が蒔いた種は自分で回収しないとね? 魔理沙の箒に乗っている間にある程度の道は分かってる、人里にでも行けば博麗神社の場所位教えてくれるだろ? だがら一人で帰れるよ、それじゃあ、また会えたら会おうか?」
 僕はそう言って早苗に手を振る、その時僕は早苗の方を向いていなかったので分からなかったが、多分同じく手を振っていると思う──

「……はぁ、流石に食べずに出ていったのはダメだったかなぁ?」
 僕は『ぐきゅるるる〜』と鳴るお腹を摩りながらトボトボと歩く、今はお腹が減って仕方ない、そんな僕は真っ暗な森を歩いていた、すると目の前に俯いた金髪の幼女が現れる──その幼女はとても幼く、可愛かった、簡単に言えば人形と言われても信じてしまいそうな程可愛く、人形ぽかった。
 だが、『可愛い』等と言う感情も一瞬で消え去った、彼女の右手にある物、それは『人の腕』だった、その『腕』は前に霊夢と魔理沙が戦いあったフランドール・スカーレットが僕と対峙して、僕の左腕を捥いだ時の様に捥がれていた、そして捥がれた部分からはまだ少しだけ血が出ていた──そして暗闇から俯いた幼女が顔を上げる、顔を上げて僕は戦慄する、幼女の口元は『赤く濡れていた』のだ、歯も赤く、顔も少し赤い液体で濡れている、そして僕はその『赤く濡れてい液体』の正体を匂いで感じる、そうそれは──『『血』の匂い』──だ──そして幼女が声を出す。
「ねぇ、お姉さん? 少し聞いて良い」
 金髪の幼女がそう言うと僕は返答する。
「その前に僕は男だけどね──まぁ、それは良いけれど──一体何なんだい?」
 まぁ、この巫女装束の所為で何回女性に間違われた事やら……それを数えるのも面倒になってきた──そう思っていると金髪の幼女は言う。
「お姉さん、『食べて良い』?」


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