二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- 東方崩壊譚
- 日時: 2018/06/27 23:03
- 名前: 彩都 (ID: J1W6A8bP)
少年は博霊神社で目覚め、何を思い、幻想卿を崩壊させるか──
始めましての方は始めまして、何度も彩都の作品を読んでいる方は有難う御座います。
彩都(サイト)と申します。
もう九作目ですよ、九作目! まぁ、一ヶ月一回更新が多いですねぇ……
まぁ、今回は『東方PROJECT』という原作者『ZUN』さんの三次創作となっております。
何故二次創作じゃないかって? それは秘密です☆
そんな話は置いといて、今回の物語は『幻想入りした少年が幻想卿諸共破壊する迄のお話』で御座います。
基本的に口調や喋り方は原作通りですが、間違っている部分があれば普通にコメントで説明してくれれば幸いです。
自分も原作(体験版のみですが)は少しだけ経験していますが、それでも新発見は多いです。
とまぁ、ここら辺でお話は止めまして、それでは、本編どうぞ!
目次
『東方崩壊譚』第一章 第一話
本編
>>1-15
後書
>>16
『東方崩壊譚』第二章 第二話
本編
>>16-46
後書
>>47
『東方崩壊譚』第三章 第三話
本編
>>48-62
後書
>>63
『東方崩壊譚』第四章 第四話
本編
>>64-78
後書
>>79
『東方崩壊譚』第五章 第五話
本編
>>80-94
後書
>>95
『東方崩壊譚』第六章 第六話
本編
>>96-110
後書
>>111
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- Re: 東方崩壊譚 ( No.9 )
- 日時: 2016/09/18 22:45
- 名前: 彩都 (ID: e.VqsKX6)
「…………」
無言のまま僕は早苗を見つめる──すると早苗は目を逸らす。
「す……すいません、あまり男性に見つめられる事が無いので、少し恥ずかしいです……」
「あっ、すいません……」
僕も目を逸らす、まるで初々しいカップルの様にも見える──そして霊夢が言う。
「華扇はどうするの? 巫女の修行は守谷神社でも出来る、私と魔理沙の特訓だけじゃ戦い方が二人だけになってしまう、守谷神社の場合、三人──正確には三体の神なんだけれど──も居る、つまり華扇一人に対して、三人での戦いも出来る、それの事を考えたら、私は守谷神社に行って、特訓する、というのも出来るけど?」
「確かにそうですね、霊夢さんの言う通りですね、神奈子様、諏訪子様と話を合わせれば、戦って貰えるかもしれませんね……」
霊夢と早苗の話に対して、頷いてしまう点もある、僕は一体どうしたら……? いや──待てよ?
一瞬で僕は思い付いてから、言う。
「待って下さい──行っても良いです、ですが神奈子様、諏訪子様って『人』が困るんじゃないんですか?」
「『人』、と言うより、『神』なんですがね……」
「そこはどうでもいいんだけど……ってそうじゃなくてさ、いきなり相手の家に行って、相手の家でご飯を食べる位失礼ではないですかね? もう少し時間が経ってから、早苗が二人に話して、何時でも守谷神社で僕を迎えられる様にしてくれれば、何れは守谷神社で特訓や、二人に会えるかもしれないでしょう?」
僕の論を聞いて、早苗や霊夢は納得する。
「華扇の言う事も一理あるわね……」
「そうですね──失礼でしたね、すみません……」
そう言いながら早苗は謝る、謝らなくてもいいのに……
「おいおい、謝るなよ、また今度誘ってくれよ」
頭を下げる早苗を僕は頭を上げさせる、そして早苗は頭を下げながら帰って行った、そして霊夢は言った。
「……華扇? やっぱり行きたかったんじゃ──」
「いや、そうじゃないよ、いきなり相手の土俵に入るのが厭なだけだっただけさ──さぁ、貰った物でご飯を食べよう?」
僕がそう言うと、霊夢はにっこり笑った。
「そうね──ご飯にしましょうか?」
「全くだ、完全に全くだ」
そう言いながら魔理沙は僕の背中を椅子代わりにして頬杖を突きながら、喋る。
「何で早苗の事を断ったんだよ? 結構強いぜ?」
「そ……それでぇも……クッ、いきなり行くのは僕のルールにぃ! 反するっていうかぁ……」
息も絶え絶えになりながらも僕は何とか言葉を紡いでいく。
「まぁ、私が言える立場ではないからいいんだけどな──さて、どうするんだ? まだ特訓を続けるか?」
魔理沙がそう言うと、僕は行った。
「もう良いよ、少しは強くなった気がするよ、今から魔理沙と戦っても勝てないけれどね」
そう言うと魔理沙は僕の蟀谷をグーでぐりぐりと回す。
「あだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだ!!」
「外の世界から来たお前が一丁前に言うんじゃねぇ!」
魔理沙の拳は痛かった、非常に痛かった、いや、本当に。
そして魔理沙は言った。
「どうする? 本気を出して戦ってもいいのか?」
その言葉を聞いて、僕は驚いた。
「えっ? 今の今迄本気じゃないの!?」
「そりゃそうだろ、ガキ相手に本気なんか出してられないしな」
帽子の上から頭を掻く魔理沙、すると僕の頭を撫でる。
「まぁ、お前も強くなった事は認めるぜ? 認めるだけだからな!」
そう言いながら魔理沙はそっぽを向いて顔を赤くする。
何だか可愛い、と思ってしまった、でもそれは口にしなかった、また頭をぐりぐりされそうで──
「華扇、晩ご飯よ?」
そう言われながら、雑草を刈っていた僕は霊夢に呼ばれた。
「あぁ、今行くよ」
僕はそう言って、背中に背負った篭に雑草を入れて、一段落をする。
そして縁側の近くに篭を置いてから、僕は靴を脱いでから入った。
「今日は早苗から貰った野菜の味噌汁よ、そして魚、漬け物よ」
「へぇ、今日は一杯あるねぇ」
そう呟きながら、僕は早速食べる事にした、うん、旨い、そう思いながら食を進めた。
そして食べ切って、僕は体を伸ばす、欠伸もしてきたので寝る事を決意する。
「うーん……霊夢、今日はもう寝るよ、お休み……」
「あらそう? それではお休み、華扇」
「あぁ……」
目を手で擦りながら、僕は布団と敷き布団と枕を用意して、床に敷いて、布団の中に入る、そして考える。
果たして自分の論はこれで良かったのだろうか? 早苗に不快な思いはしていないだろうか? そう考えると目が覚めてしまう──いいや、もう寝ないと……そう思いながら僕は横になって、目を閉じる──
「何悩んでいるの、かおくん?」
いきなり耳元に声がして、目が覚める、そして何処から声がするか、探す、すると頭を撫でられる、ん? と思って、枕の少し上を見上げる、そこには、『スキマ』から頭だけを出して、覗く紫の姿があった。
「うわぁ!?」
つい、大声を上げてしまう、これが幻想郷で三回目の紫との邂逅だった──
- Re: 東方崩壊譚 ( No.10 )
- 日時: 2016/09/18 22:45
- 名前: 彩都 (ID: e.VqsKX6)
「あら? そんなに驚かなくても良いじゃない?」
紫はそう言いながら『スキマ』から僕の枕を踏んづけて、紫は僕の前に現れた。
「……それで、何の様なのさ?」
僕がそう言うと、紫は言った。
「いや、ねぇ? 私は『境界を操って』──見る事が出来るんだけどね──『スキマ』から見てたけど、かおくんって特訓頑張ってるじゃない? それで何か出来たらなぁー……何てね?」
「そうか、それで何か思い付いたのかい?」
僕がそう聞くと紫は頭を横に振った。
「無いのか……」
僕がそう言うと、紫は言った。
「そもそも傍観者なのに何も手伝える事は無いわよ」
「傍観者ねぇ……」
僕はそう言いながら欠伸をする。
「その前にもう寝かせて欲しいなぁ? 明日は早いかもしれないしね?」
そう言うと紫は言った。
「それもそうねぇ……明日も頑張ってね、かおくん?」
笑顔でそう言うと紫は『スキマ』を作りだし、その中へ入った。
「今日の所はさよならかおくん? 特訓頑張ってね?」
そう言って、紫は『スキマ』の中へと消えた……そして僕は目を擦りながら、布団の中へ入り、睡魔に襲われる……
ちゅんちゅん、と小鳥の囀りが聞こえる、その鳴き声と共に僕は目覚めた──そう言えば昨日紫が来ていたなぁ、そう思いながらぼさぼさの髪をといて、布団を畳む。
さぁ、今日も魔理沙や霊夢との戦い──基特訓をしようか──
そう思いながら、霊夢の所へ向かう僕、すると霊夢と魔理沙が唸っていた。
「あぁ、華扇か……」
僕の存在に気付いた魔理沙が挨拶をする、そして霊夢が唸りながら言った。
「ううむ……急がないとね……」
一体どうしたんだろう? そう思いながら僕は魔理沙に聞いた。
「二人は何に唸っているの?」
そう言うと、霊夢はすぐさま言った。
「華扇、貴方を利用させて貰うわ」
「利用──?」
「フランの事よ、あの子の能力は『ありとあらゆるものを破壊する程度の能力』、あの子の力で壊された物を貴方の右手の能力で直して欲しいの──」
成程、利用とはそう言う意味か、納得──確かに壊された物を直す事が出来る、そんな能力の右手を僕は宿しているのだ、利用価値が高いだろう。
「分かったよ、協力するよ」
僕がそう言うと、霊夢は笑った。
「協力する、じゃなくて、利用されるでしょうが、フフ……」
「今、それを言うのか?」
呆れながら魔理沙は言う。
そして今日は特訓はせず、博霊神社の境内の中のゴミを拾ったり、雑草を刈ったりもした──
そしてその日の夜──
「とりあえず、私と魔理沙でフランを攻撃する、そしてフランは反抗して、色々な所を壊していくわ、華扇はその隙をついて壊された所を右手で修復してくれる? 魔理沙、明日の戦いは体調を全快にして、挑んでね? 華扇もよ? その場で腹痛が起きたら大変なんだから──」
「それを右手で治せばいいじゃねぇか?」
魔理沙がそう言うと、霊夢は、『成程!』みたいな顔をする。
「まさか気付かなかったのか?」
呆れた顔をしながら、魔理沙は手を額に置く、僕も『右手で治せると思う』と思っていた所だ。
「自分の肉体でさえ、戻せるのね、腹痛を起こす前迄戻して……」
「そういうこった、だから大丈夫だろ?」
そう言いながら魔理沙は立ち上がって、左の掌を開けながら右手を握って、左手の掌にぶつける。
「やってやろうじゃねぇか! 勝つのは私と霊夢だ!」
そう言いながら魔理沙の腹部から、『ぐうぅ〜』、と可愛らしい音がする。
「えっと、あの、これは……」
あたふたしながら赤くなった顔を帽子の鍔の庇で隠す、そして僕は小声で言う。
「魔理沙は可愛いなぁ……」
その声が聞こえたのかは知らないが、顔を赤くしたまま僕の事を蹴ってくる。
痛い、痛い、痛いってば! そう言うと、霊夢は言った。
「魔理沙は可愛いわねぇ」
「そ……そうか? えへへ……」
えっと何この変わりようは……? やっぱり魔理沙は僕を認めてはいないのだろうか? そう思っていると、霊夢は消える、魔理沙の為にもう晩ご飯にするらしい。
ていうか、もう外は暗くなっていた、道理で少し涼しい訳だ──そう思っていると、今日は鍋だった。
机に布を敷いて、水や野菜、肉等を入れる、そして魔理沙の魔法で暖めて、温かい鍋の完成だ。
とても美味そうな一品で、僕もお腹が鳴ってしまった、すると魔理沙が言った。
「華扇は可愛いなぁ」
邪悪な顔で笑われて、顔を赤くする、これが少し前に魔理沙が感じた感情か、そう思いながら魔理沙を蹴った。
そして鍋に入った物を全て食べ終え、僕はその場で寝転がる。
ふぅ、結構食べたなぁ、そう思いながら僕は湯呑みを持って、縁側に出る。
「ふぅ、今日も夜は綺麗だなぁ」
そう言いながら僕は月を見る、すると霊夢が現れた。
「そうねぇ──『異変』も無い、平和な幻想郷になって欲しいわね──まぁ、妖怪が居る限り私は『異変』を解決しなくちゃいけないしね──」
そう言いながら霊夢は憂える、そして言った。
「華扇、あのね、フランの状況は『異変』、と睨んでいるのよねぇ──」
「『異変』? それは何だい?」
僕が聞くと、霊夢は言った。
「そのまんまの意味なんだけどなぁ……まぁ、良いわ──『異変』って言うのはね、妖怪や魑魅魍魎が突然暴走する事を指すの、そしてその『異変』を解決するのが、私、博霊の巫女の役目なの──」
そしていきなり立ち上がって、霊夢は言った。
「そして私は全ての『異変』を解決してみせる!」
そう言って霊夢はまた言葉を続けた。
「とりあえず、今日はもう寝ましょう?」
「それもそうだね」
そう、僕は返答して縁側から部屋に入った──そし翌日の為に備えて早めに寝る事にした──
CHAPTER 2 終了 CHAPTER 3 に続く……
- Re: 東方崩壊譚 ( No.11 )
- 日時: 2016/10/16 21:15
- 名前: 彩都 (ID: w93.1umH)
東方崩壊譚(とうほうほうかいたん) 第一章 第一話 謎の少年
CHAPTER 3 破壊
翌日──
小鳥の囀る音で僕は目が覚めた、そして周りを見やる、何も無い、ただの和室に僕一人だけがいた、そして僕は起き上がって、欠伸を一つ、そして繰り返して、もう一つ──ボサボサの髪を少しいじって、僕は立ち上がり、布団を畳んでいく。
僕はその場で座って、少しだけ柔軟体操をする、今しても意味がないかもしれないが、一応念の為の事を考えて、今してみる、そして首を鳴らしたりしてみる、コキキッと軽快な気持ち良い音がする、僕はその場で深呼吸、それを三回する、そして僕は立ち上がって、背を伸ばす。
よし、今日も平穏だなぁ……そう思いながら僕は戸を開けて、霊夢の起床を確認しに行った。
今日は念の為魔理沙も博麗神社で寝ている──序でに起こしてあげよう、そう思いながら霊夢を起こしに向かう、そして霊夢の部屋の戸を開ける。
何とも呑気に寝ているものだ──少しだけ呆れる、そのまま僕は霊夢の布団を引っ剥がし、霊夢に向かって、大声で叫ぶ。
霊夢はいきなり飛び上がって、周りを確認する、妖怪の仕業か!? そう思いながら周りを見やった様だった。
いや、流石にこんな外が夕方の青くなった空の様な時間に妖怪が襲ってくるか? そう思いながら僕が見ていると、お前の仕業か、と思える様な顔をしながら僕を攻撃した。
あまりにも痛かったが、その前に右手の能力、『元に戻す』能力で『痛みを痛くない時に元に戻』すので、意味が無いのだが──
そして考える、巫女の仕事とは早い時間に起きる、簡単に言えば、七時八時に起きるのだ、まぁ、一般の学生と大体は一緒なのだ、そして魔理沙もその天秤に掛けてもいいのだろうか? いや、普通は違うだろう? だから今回は起こさない様にしよう、そして霊夢に怒られろ、僕の特訓のお返しだ、そう思いながら魔理沙を起こさない事にする。
そして朝九時に起きた魔理沙は霊夢に怒られるが、僕は見て見ぬ振りをした。
そして昼の十二時になった、丁度お昼の時間だった。
僕はご飯を食べる中、怒られて、左頬が赤く腫れた魔理沙を見て、心の中でほくそ笑む、そしてその心の中のほくそ笑んだ僕に気付いて、魔理沙は僕に攻撃して、ご飯中に暴れるな! と霊夢が言って、僕と魔理沙の頭に拳骨を食らわした。
そして結局、その日の昼ご飯はそこで終了、喧嘩した瞬間から回収された──
そしてお昼ご飯の後、僕と魔理沙は落ち葉回収をした、少しでも体を動かした方が良い、と霊夢の言葉があったからだ。
僕は博麗神社の境内の周り、階段部分を、魔理沙は博麗神社の裏の方を担当した、そして僕は参拝客に頭を下げたりした、最近可愛い巫女さんが博麗神社に居る、という噂を確かめに来たらしい、だが僕は男だ、可愛い巫女さんは霊夢以外に魔理沙か? とか思っていたが、参拝客に聞くと、僕の事だった、いや、僕は男なんだが……そう説明すると、参拝客は驚いていた、簡単に僕の経緯を教える、僕は博麗神社の境内で寝ていた男で、紫から、博麗神社で寝泊まりする様に、と言われていて、服が無いから、巫女装束を来ているだけ、と伝える。
納得はしてくれた様で、僕は安心したが、まぁ、後々こういう間違いをする人はいるかもしれないな、そう思いながら箒で神社の石の階段の落ち葉を掃いていく──そしてちりとりで回収する──
そしてもうすぐ夕方になる、霊夢の話によると、吸血鬼──レミリア・スカーレットやフランドール・スカーレット、二人の事、僕はそもそも吸血鬼とは知らないけれど──は太陽に弱い、つまり朝には出ない、昼にも出ない、と言う事は、夕方以降に出る可能性が高いのだ。
遅くても夜には出る、実際、僕が特訓している間で、被害を受けた竹林は結構な程ボロボロになっている様で、僕が『元に戻』さなければならないが──まぁ、その吸血鬼のフランは霊夢と魔理沙が倒してくれるから問題はないが──
そして何とか話を理解して、僕、霊夢、魔理沙の僕達三人はその被害を受けた竹林へ向かう──そして霊夢と魔理沙が勝つ、と思っていた、そう、『思っていただけ』だった──その時迄は……
被害の竹林へ着いた僕達はその件(くだん)のフランを探すべく、僕達は離れて竹林の中を探す、そして十分が経った、中々見つからないので、僕は少し座って、休憩していた。
大きく溜息を吐く、中々の大きさの竹林(と言っても、竹や笋(たけのこ)は物の見事に折られて、少し視界は良かった)だが、何と言っても広かった。
軽く、霊夢の博麗神社の何十倍とか言えそうだった。
そしてそんな中を結構歩いた僕は表彰されても良いかもしれない──だが霊夢と魔理沙の方が僕より一所懸命に探しているかもしれない──そう思うと、少しだけだが、力が湧いてくる、あの二人に負けたくない、そう思いながら僕はまた立ち上がる。
そして少し歩いて、僕は赤い何かを見つける、薄いピンクの帽子に、赤色の服、そして極めつけは色々な色に光るクリスタルの様な翼、そう──フランドール・スカーレットその者だった──
- Re: 東方崩壊譚 ( No.12 )
- 日時: 2016/10/16 21:21
- 名前: 彩都 (ID: w93.1umH)
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
僕の叫び声が竹林に響く、そしてフランがのっそりのっそりと僕に近づいていく──そしてフランは一言言った──
「あ? お久し振り……でも、貴方はもう死ぬから、お久し振りとか関係無いね──」
その瞬間、フランが僕に向かって、綺麗な右手で攻撃しようとした、だが僕は何とかギリギリで避ける、避けた瞬間僕は足を絡めてしまい、ずっこけてしまう。
「あいたた……」
「……何で、何で避けるの……? 何で避けるのぉぉぉぉぉぉ!!」
怒声、僕とは違った声で彼女は叫ぶ、そして僕に向かって攻撃をしてくる、だが僕は避ける、そして左手でフランの右頬を殴ろうとした。
だが左手でフランは僕の左手首を掴んで、笑った。
「甘いのは、貴方でしょ?」
くにり……僕の左手は手の甲と腕が当たっていた、えっと、どう言う事だ? その瞬間、とんでもない激痛が僕の左手から脳に伝える。
「うわぁぁぁぁぁぁ!?」
そして少し頭の中が冷静になる、まさか自分の『左手が簡単に折られている』事に気が付かないとは! だから手の甲と腕が当たったのか。
「もう、逃がさないよ?」
フランの言葉を聞いた瞬間、僕の左腕は捥がれた、まるでぬいぐるみの手を根本から捥ぐ様に──
無くなった、僕の左腕が──
「アハハッ! 簡単に捥げちゃった!」
笑いながらフランは僕の左腕を振り回す、一応自分のなんだから、振り回しては欲しくないが──
そして僕の左腕に遂に激痛が走る。
「あっ……かぁっ……!」
激痛の所為で上手く体が反応してくれない、これが激痛の感覚か。
「ねぇねぇ、捥がれたけど、どうする?」
笑いながらフランは僕の左手を握り潰す──だけれど、僕の右手は『元に戻す』能力、左手に触れたら『元に戻』る、そして僕は自分の左手を『元に戻』す、そして激痛さえも自分の左腕から消える。
そして僕の左腕を見て、フランは体を震わせながら、言葉を紡ぐ──
「何で……何で私が捥いだ『左手が在る』の!?」
驚きながら、フランはもう一度僕の左手を捥いだ、そして僕の能力で『元に戻』す、捥いでも捥いでも、フランが持っていた左手は無くなって、自分の左肩に戻る、そんな事が何回も何回も繰り返す、そして僕は何回も何回も自分の右手で左肩を触る羽目になったのだが──そして何回繰り返したか分からない、それだけ何回も何回も繰り返していたのだろう──するとフランは言った。
「何で! 何で! 何で!? 何で無くならないの!?」
そう言うと、僕は言った。
「もう諦めなよ? 僕の体は何度も何度も蘇る事になる、何度も何度もやってて疲れただろう? 生憎僕だって暇じゃないんだ、だからもう止めよう?」
そう言いながら座っていた僕は立ち上がって、歩を半歩下がる、そして逃げる準備をする。
そして僕は走って逃げた、すると僕を攻撃しようとするフランは勿論僕を追いかける、そして僕は考える。
とりあえず、魔理沙、霊夢に合流しなくては──そしてフランと戦ってもらわないと──そして僕は縦横無尽に竹林の中を走り回った──そして赤い格好の女性──霊夢だ──を見つけて、少し安心する。
「霊夢! 魔理沙は何処だい!?」
僕の声を聞いて、霊夢は返答する。
「えっ──? 魔理沙は──!? って何でお前にフランが!?」
「そんな話は良いから! 僕は魔理沙を探しに行く! だから霊夢はフランを止めて!」
僕が必死に言うと、霊夢は驚きながらも頷いた。
「え、えぇ、分かったわ──頑張ってね!」
「それは君もだ!」
僕は走りながら、霊夢の左手と僕の左手を合わせて、バトンタッチをする。
「さぁ、フラン、私と戦いましょう!」
霊夢はそう言いながら御幣を持って、宙に浮いた──
「全く──フランは何処に居るんだ──」
魔理沙が一人ごちていると、目の前に僕を見つける。
「おーい、華扇ー? フランは見つかったかぁー?」
魔理沙の声が聞こえて、僕は周りを見回した、すると僕の真上に魔理沙は箒に乗りながら浮いていた。
「魔理沙!? 探していたんだよ! 今霊夢がフランと──」
僕は喋っているのに、魔理沙は自分の右手を出して平手を見せながら、僕を黙らせる。
「分かった、分かった、お前の言いたい事は分かった、今、霊夢がフランと戦っているんだな?」
僕が言おうとしていた事を魔理沙は簡単に言う、そして魔理沙は僕に向かってこう言う。
「霊夢の場所は何処だ? 早く案内してくれよ、華扇?」
そう言うと、僕は少しだけはにかんで言う。
「あぁ! 行こう魔理沙!」
僕と魔理沙は霊夢とフランが戦っている竹林の方へ向かった──
ガリガリガリィ! と何かの砂を巻き上げる様な音がする、するとそこには、少しボロボロになった霊夢と右手が土で汚れたフランの姿があった。
霊夢は少しだけ息を切らしていた、御幣も、白い部分が土で汚れている。
もう少し早く着ていればあんなに汚れる事は無いのに──何て僕は遅いんだ、僕はそう思いながら霊夢に声を掛ける。
- Re: 東方崩壊譚 ( No.13 )
- 日時: 2016/10/16 21:24
- 名前: 彩都 (ID: w93.1umH)
「霊夢! 大丈夫かい!?」
僕がそう言うと、霊夢は少し汗を掻きながら僕に言う。
「あんたぁっ! 見たら分かるでしょう!?」
険相な顔を浮かべる霊夢、すると箒に乗った魔理沙が言う。
「加勢するぞ、霊夢──!」
「全く──遅いわよ、魔理沙!」
霊夢がそう言うと、魔理沙は笑って箒の棒に乗る、完全に臨戦態勢だった──
「さぁ、行くか、霊夢!」
そう言った瞬間、魔理沙はフランに向かって箒の移動スピードを上げる、そして八卦炉を取り出して魔法を使う。
「はぁぁぁぁぁぁ! いっけぇぇぇぇぇぇ!!」
魔法をぶつけようとする魔理沙、だがフランは右手を前に出してその『魔法』ごと壊す──そして魔理沙は笑う。
「やっぱり正面突破は出来っこない、かぁ──でも、楽しくなってきたな!」
そう言いながら八卦炉から幾つもの魔法を生み出して、フランにぶつける、流石にこれは僕は『倒した!』と思った、だが僕の思いは簡単に潰される、何故なら色々な魔法でさえもフランの右手で破壊されていたからだ。
「……霊夢、勝てるのか、魔理沙と霊夢はフランは──?」
僕がそう言うと『まるで愚問だ』と言うかの様な溜息を吐いて霊夢は言った。
「さぁ? それは魔理沙次第よ──いい加減休憩も止めないと攻撃している魔理沙から何を言われるか──それじゃあ、私も行くわ、華扇、貴方はそこで見ていなさい」
「……こういう所で力になれなくて、僕は悔しいね、もっと力があれば……僕だって手伝えたのに──」
すると僕の頭を撫でる霊夢、いきなりどうしたんだろう?
「私はアンタがいる事で嬉しいわ、だって掃除とか、雑草処理とか楽になったもん、でもね、華扇が来なかったら『私の博霊神社は今よりも賑やかにならなかった』わ、だから私は華扇が来てくれた事に感謝するわ──」
そう言って、敵に立ち向かう霊夢の背中は大きく感じられた、そして霊夢はゆっくりと歩きながらフランと魔理沙の戦っている場所へ向かう。
霊夢が倒すのか、魔理沙が倒すのか、それは分からないが、霊夢の眼光は鋭かった、これなら誰でも倒せそうだった。
「フラン、私が貴女を倒すわ、再戦よ──!」
「私もいるんだ、私も混ぜろって」
そう言いながら魔理沙は箒を肩に掛ける、そして霊夢は左手の人差し指を立てる、魔理沙は右の人差し指を立てる、そして二人の腕はお互いにぴったりと合わせて二人は言った。
「私がお前を倒す、フラン!」
「私もお前を倒す、フラン!」
二人の少女は一人の吸血鬼に刃向かった──その戦いを、見る事しか出来ない僕は歯痒かった──
破壊、破壊、破壊! フランは目の前にいる三人の女(その内一人は男だ)を壊そうとしていた、いや、正確には『殺そう』としていた、そしてその内の霊夢と同じ巫女装束の女(華扇の事だ)の事が不思議だった、何度破壊しても復活する左手、その度に巫女装束の少女は右手で触れていた、まぁ、痛みが走る場所位触っても普通だろう、そう思いながら見ていると、自分が引きちぎった左手が右手に無い、そして少女が言った『僕の体は何度も何度も蘇る事になる』、その発言が未だに不思議だった、だがその不思議もすぐに解消する事になった、その巫女装束の少女は走り回って、何かをしている、右手で竹林の竹を触る、すると折れた竹が『元に戻』っているのだ、それを見て、フランは確信する、あの巫女装束の少女──彼女の能力は自分の屋敷のメイド長、十六夜咲夜の能力、『時間を操る程度の能力』に酷似していた、だが咲夜の能力は『時を加速させたり、遅くしたり停止させる』事が出来る程度だ、『時を巻き戻したり』は出来ない筈だ、なのでもしもの事だが、巫女装束の少女が『時を巻き戻す程度』の能力なら、自分がもいだ左手が何時の間にか元通り、という不思議も頷ける、だが本当に『時を巻き戻す』程度の能力、と断定してもいいのだろうか? もしかして『起こった事象を無かった事にする』程度の能力かもしれないし、そうでないかもしれない、まだ断定出来る事ではないかもしれない、だがこれ以上は何も思い付かない、なので、巫女装束の少女の能力は『時を巻き戻す』程度の能力、と仮定しておこう、そう思いながら巫女装束の少女を見続ける。
「目の前がお留守だ!」
そう言いながら魔理沙が八卦炉でフランを攻撃する、僕はその戦いを見ているか、竹林の修復をしている以外何もする事が無かった。
僕に何か出来る事は──無い、それだけだ、差し詰め僕は魔理沙や霊夢、フランの能力にだって弱い、そりゃあ霊夢は巫女で僕よりも強そうだし、魔理沙はあの八卦路とか魔法で弱さを補っている、では僕は? 僕の能力はただ単に『元に戻す』のみの能力、魔法や八卦炉でさえないのだ。
だが攻撃を無かった事に出来るし、フランが破壊した竹林だって今正に『元に戻』している、これって強い能力なのか、分からない。
そう思っていると少し奥の竹林が破壊される、さて、もう少し頑張るとするか──
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